1999年8月上旬の日常
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1999年8月1日（日）
まだ疲れてるんだわ。今一つ行動する気力がなく午前中はぐうたら。しながらも『新耳袋 第二夜』を読了、読むのも二冊目となるとパターンが見えてくるので、怖いと言うほどではない。このシリーズの価値は百物語という形式の再生にあるんだろうな。面白いのは確か。
だらだらしながらのったりのったりと朱を入れていく。誰にも指摘されなかった異常に今頃気付いて(全体から見れば大した齟齬ではないのだが)赤い長文を挟んだり。ひととおり点検は終わったので、あとはデータと照らし合わせて印字する。投函するには他にしなきゃいけないことがまだ残っているのだが、もう感情的には自己完結してます。そうしてへだらになっていると一週間が瞬く間に過ぎたりするんだ。
1999年8月2日（月）
印字まで完了、キャッチコピーや梗概などの添付資料も作ったし、あとは束ねて宅配便に持ち込むのみじゃ！……と思ったら束ねる道具がない。よーく考えたら宛先も手許になかった。「一回休み」な心境。ぐすん。
帰宅後にHP用のお絵かきを始めようと考えていたのだが、しばらく小説書きに煩わされていたため机が狭い。黙々と片付ける。片付ける、と言えば部屋全部やらなきゃどうしようもないんだが取り敢えず絵が描きたいから机を片付ける。横でパソコンの電源は入っているから、その合間に串田誠一『違憲判決』(マイストロNovels)の書評を書く……なんでそんなもん書いてるんだ。という訳でまだ片付いていない。
でもって今は深夜。作業領域は確保できた。だが冷静に考えると、CGを作るんだから、書いた線画を最終的にスキャナで取り込まなければいけない。しかし夜中にあんな喧しいものを動かせるわけがないだろうが！ という訳で作業は明日回し。はあ。これから何するんだ俺。
1999年8月3日（火）
色々買い物をするつもりでいたんだが仕事上の面倒で疲れ果て、いつもの如く本屋とCD屋を廻るだけで済ませる。矢野顕子『GO GIRL』(Epic Records)購入。糸井重里の詞がないのが個人的には哀しいが納得の出来。しかしこうもJeff Bovaが出ずっぱりだとThe Hammondsとどう違うのかという疑問も湧く。
夕方、近所に来るF通運のあんちゃんに原稿を預けた。あーやっと手を放れた。今回はどう判断されますことやら。宣言通りお絵かき。PhotoShopをまだ充分に習得しているわけではないので手探りで進める。当然一日じゃ終らない。おかしいなー、長篇が上がったんだからもうちょっと読書の方も進むものだと思っていたんだが……この調子では八月も読書量はたかが知れてしまう。何とかせねば……って絵なんか書かなければ進むんだよな結局……
1999年8月4日（水）
『メフィスト』と東野圭吾の新刊を買う。しかし雑誌形態で1400円って結構凄いぞ。
頭痛を堪えながら(何か毎週一度はこんなんだな)お絵かきの続き。大分扱い方は解ってきたが、光線の入れ方とか細かい技術が解らないのでひたすら人物を塗っているだけ。背景はただの青空でもいいんだろうか。髪の毛の演出と背景さえ描けば仕上がり、という段階まで来たが……しかし今の時間割だとひととおり仕上がるのに三日かかってしまうのか。他の作業も含めると9月までに4、5枚仕上がればいいところだな、こりゃ。しかしここ数年すっかり小説にかまけていたため、意識の違うお絵かき作業は今の処、妙に楽しい。問題はこの気分がいつまで持続するかなんだが。
1999年8月5日（木）
京極夏彦『百鬼夜行 -陰-』読了。実の処書き下ろし分以外は雑誌掲載時に読んでしまっていたので(バイトの休憩時間にちまちま読んでいたのだ、買わないで)、目新しい感興は得られなかったが。何れにしても京極夏彦はいい。「塗仏」の結末で示された方向性には個人的に不満を感じているのだが、一方で「百鬼夜行」のような異端児的な作品群が産み落とされてくれるのなら、あのまま続いてしまっても構わないかな、という気がする。
今日は格別体調が悪いわけではなかったんだが、それでもお絵かきは終らなかった。何故かというと、買った本のカバーかけが溜まっていたからだ。更に正確に言うと、今日買い込みすぎたからだ。十冊も一度にやると流石に時間が潰れる。その合間にネットも徘徊してるし。結局、髪の毛を手直しするだけで終ってしまった。
お絵かきの手作業用の道具を仕入れているときに、自分が実につまらない勘違いをしていたことに初めて気付く。あまりに恥ずかしいので内容は記さない。取り敢えず何故ああもインクが滲むのかがよく解った、とだけ。
1999年8月6日（金）
噂の殊能将之『ハサミ男』(講談社ノベルス)と『新耳袋』の第一夜・第三夜をよーやっと購入。貯めておくといつになるか解らなくなるから早く読むつもりである。
お絵かき、終らない。影の演出で思いついたことがあったので試していたら随分時間を浪費してしまった。はー、やっぱり土日も費やすつもりじゃなきゃ無理か……まあCGをきっちり作るのも久しぶりだし、習作のつもりでじっくりやるべか……。
1999年8月7日（土）
『新耳袋 第一夜』読了。読みながらショートショートレベルの短い話を思いつく。儲け。
漸くCGがひととおり完成。これ。クラッカーの効果が如何にも誤魔化しだがその辺は追々考えよう。久しぶりの作業にしては上手くいった方だと思う。それにしてもお絵かきばかりしていると記述が淡々としてくる。
1999年8月8日（日）
次の絵にかかる前に、懸念だったバナー等の小物作りをする。今月は一日一冊の読書を心がけようとしていたんだがもーなし崩し。仕方ないか。ついでにHPの構成自体も少しずつ手を入れた。
その暇を縫って掲示板巡り。柴田よしきさんのところの掲示板が昨日からアクセス不良を起こしていたのだが、今朝になったら完全に止まっていた。午後には早くもTea Cupの無料掲示板を暫定的に立ち上げていらしたが、日付が変わって午前二時現在そちらも侵入不可。多分テレホーダイの時刻だからだとは思うんだが……しかし私がよく見る掲示板って殆どがTea Cupだったんだな。妙に行き場がない。
1999年8月9日（月）
みず谷なおきが今年二月に亡くなっていたことを今日初めて知った。大好きな漫画家の一人でした……哀しい。先日発売の『人類ネコ科』は追悼復刻だったわけか……私も後日何か作ってここにアップします。そのくらい好きだったんです。
そちらはあとで考えることにして、ひとまず当初予定していたCGの新作に着手した。絵を描くこと自体は昔からやっていたが、暫くブランクがあったにも拘わらず(或いは、だから、だろうか？)、今、自分でイメージしたとおりに線を引くことが出来る状態にある。こんなにイメージ通りに描けるというのは、漫画描きに手を染めてから初めてのことかも知れない。観察力が向上したのか想像力が衰えたのか。後者でないことを祈る。
『新耳袋 第三夜』読了。そのつもりはなかったんだが、最近こればかり読んでいた。しかしひとまずストックは尽きた。意地でも他のものを読むしかない。……義務か？
ちょっと小咄。私の手許にある『新耳袋 第四夜』には奇妙な空白頁がある。43頁。普通の造本作法からすると有り得ない空白頁なのだ。何せ内容が内容だから、こういう不可解な部分がやたら空恐ろしく感じられてしまう。ずっと疑問として抱え込んでいるのも何なので、当該書の関係者が出向いていそうな掲示板にこのことを書き込んでみた。すると。
昨晩からその掲示板にアクセスできなくなってしまった。
厳密にいうと、そこだけにアクセスできなくなった訳ではない。問題の掲示板はTea Cupから(恐らく)有料でレンタルしているものなのだが、Tea Cupで供給している他の幾つかの掲示板にもアクセスできないのだ。しかも、比較的最近に用意されたサーバに設置された掲示板のみ、アクセスできなくなっている。古いところはちゃんと見られるのだ。供給元のHPに何か情報が記載されていないかと見に行くが、それらしきコメントはない。ただ、ODN回線を経由したアクセスが不調になっているらしい、という記述があるだけ。念のために深川が利用しているサーバに連絡してみたところ、どうやらサーバ全体で当該掲示板が閲覧できない状態になっている。結局現時点ではまだ原因は判明していない。念のためにTea Cupにもメールを送って問い合わせているがまだ返答はない。果たして深川が掲示板に書き込んだことと、このアクセス不良との間には因果関係が存在するのか？ その答は、次回を待てぃっ!!……何やってんだ俺。
1999年8月10日（火）
翌朝。仕事前にネットに繋げてみたら、どこもかしこも正常に閲覧できた。何だったんだ一体。ついでにざっくりと掲示板を覗いて歩く。津原泰水氏のところの掲示板が知らない間にバージョンアップしてるし、一日間が空くともうついていくのが大変な処もあるし。津原氏ではないが、ネットは魔物。
幾許か鬱になってます。想像以上にダメージが大きい。制作中だったという『バーバリアン３』も『Hello! あんくる』の最終話ももう読むことは叶わない。昨日買った『人類ネコ科』が再読にも拘わらず楽しいのが余計に辛い。こういう作風なんだから素直に愉しむのが何よりなのだろうけれど。やっぱり勿体ないなぁ。
ネットの状態が改善したのをいいことにあちこち彷徨き書き込みしていたらまた時間が無為に過ぎていった。ちくしょ今日中にCG一枚書き上げて本も一冊読み終わらせるつもりだったのにっっ。そうでなくてもまた今日大量に文庫(新刊)を買い込んでしまって焦ってるところなのにっっ。せめてホラー文庫の新刊だけでもとっとと読みたかったのにっっ。自己管理能力の欠如。