1999年10月上旬の日常

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1999年10月1日(金)

 今日深夜に綾辻行人・有栖川有栖二人の原作によるミステリードラマが放映されるらしい。関西ローカルで。畜生、誰か関西方面で録画したのダビングしてくれる人いねか。地方にあんまり知り合いいないんだよぉ。

 みすべすのともさんが熱心に薦められているようなので、一旦は値段が理由で敬遠したキャロル・オコンネル『クリスマスに少女は還る』(創元推理文庫)を購入した。厚さと値段に悩んだ挙句、結局ミネット・ウォルターズ『昏い部屋』(東京創元社)も買ってしまう。このところ風太郎とダーティペアにかまけていたため俄に本格ものに対する欲求が高まってます。どちらかを旅ののお供にしようかとも思う。今、某大部長篇の上巻が漸く終わりそうなんだけども……旅先にこれ持っていきたくないような……

 という訳で、土日にかけて霧ヶ峰辺りをバイクで彷徨してきます。従って次の更新は日曜の深夜、下手をすると月曜午後まで行わないかも知れません。何せ久々の長距離ツーリングなもので、戻ったらグロッキーになっている可能性大。目的は例によって温泉と蕎麦なんだが、終始自分で運転してコースを決定することを考えると、気疲れは溜まりそうだからねー。まあ、せいぜい楽しんでくるつもりです。不快な旅路でなかったら、明日明後日の日記は旅行記となります。乞うご期待。
 取り敢えず出発前の更新、高千穂 遙『ダーティペアFLASH1 天使の憂鬱』(ハヤカワ文庫JA)、同『ダーティペアFLASH2 天使の微笑』(同)の書評をアップしました。まあ、こういうヤングアダルト作品は気楽に読めるのがしんじょう(お好きな漢字を当てて下さい)ですから、結局対して語ることはなかったんですが。気になる方は御覧下さい。最新刊は旅のあとで読みます(連れていくかも知れないが)。

 今日は早めに寝てしまいます。掲示板など、止めませんので適当に遊んでて下さい。ふにゃ。

 ……ところで、1000番踏んだのどなたですか。もしかしたら記念品差し上げるかも知れません。せいぜいCGなんですが。


1999年10月2日(土)

 ツーリング中。


1999年10月3日(日)

 帰還しました。が、風雨の中ハンドルを握り続けていたために握力が残っていません。数行の文章を打つのも必死な有様なので、詳しい経緯は明日以降の更新でお伝えします。なかなかの経験で御座いました。


1999年10月4日(月)

 ツーリングレポートは現在鋭意製作中。完成次第特設枠にてアップするつもりですので乞うご期待。早くとも一日二日はかかるでしょう。かなり本気で作ってます。

 旅行中ずっと音楽のない生活を送っていたためか、改めて音楽熱が沸騰中。BEAT BOYSが2年も前に出していたCDシングルを購入していなかったことに気付き、注文してしまう。ファーストミニアルバムも買い直そうかな、などと考えてるし。そして明日にはまたCDをあれこれ買い込むつもり。

 ローレンス・ブロック『皆殺し』(二見書房)購入。マット・スカダーシリーズもちゃんと系統立てて読もうと思って買い続けているんだが……何作読んでないのかな。取り敢えずスカダーとエレインが結婚するくだりは読んだ筈なんだが……

 味の素「ごはんがススムくん」のHPが出来てる……思わず見に行く。彼はフルネームを「おおもりススム」というらしい……なんか、聞き覚えがあるんだが……あの不気味な面はあまり出てきませんので気が向いたら訊ねてみて下さい。リンクページにも置いときます。


1999年10月5日(火)

 なおもツーリングレポート・略してツーレポは作成中。もう暫くお待ちを。しかしたった二日分の記述にどうしてこうも手間をかけたがるか私も。

 世間一般では「講談社ノベルスの発売日は毎月5日」ということになっているが、書店の人間は誰一人信じてはおるまい。出るとしてもラインナップの半分とか、酷いと1、2冊のみで、あとは日にちをずらしての発売となる。という訳で、地方在住でノベルスが発売日通りに入荷しない、とお嘆きの皆様。大丈夫、何処も同じです、多分。取り敢えず今日、深川がバイトしている書店には入荷しませんでした。
 念のために弁護にもならない弁護を書き添えますと、書籍の発売日というのはあってなきが如しで、コミックのように雑誌扱いで流通しているようなものでもない限り、予定日ぴったりに書店に搬入されるということは殆どあり得ません。比較的予定がきっちり立つのは、ゲームの発売日に合わせて刊行される攻略本とかぐらいでしょうか。他の書籍、小説なり随筆集なりというのは、例え情報誌に発売日が明記されていようとも、実際の搬入には数日の差違があるというのが書店業界の常識となっています。因みに深川は某出版社の書籍で発売予定が×月下旬となっているものは一律に翌月5日頃に置き換えて読みます。8割方外れません。書籍新刊というのはその程度の覚悟で待つべきものなのです。言ってて虚しくなりますが。
 入荷しなかったノベルスの代わり、というわけではないが大物を衝動買い。マルタン・モネスティエ『図説 奇形全書』(原書房)。本体3400円という価格にも関わらず、バイト先で深川の分も含めて三冊売れたという。深川自身はあとで資料に使えるかもという目算があっての購入だが、そうじゃない人は一体どんな心境で買うんだろうこの本。ざっと眺めただけですが、かなりいたたまれない気分です。詳しくは読んでから述べます、っていつの話だ。

 訳あって突如CDを四枚も購入して更に一枚注文してしまう。まだ聴いている途中。聴き終えた順に簡単に触れていくとして、予約したのは例によってJaco Pastrius『Weather Years』。ジャコがウェザー・リポート在籍中に残したベストプレイを集積したものだ。WRは追々買うつもりなんだから何もこんなベスト盤もどき必要ないのではないか、と自分でも思うんだが……そこはそれ、なんだよな結局。完璧に信者と化しました。

Jim Hall & Pat Metheny『Jim Hall & Pat Metheny』(ポリグラム):ジャズギター界きっての二人の巨人が、互いのギターのみというシンプル且つスリリングなスタイルで競演したアルバム。先日購入した『Jazz Life』誌上でもやたら評価が高く、販売店での扱いも大きいので以前から触手を伸ばしていたのだが、とうとう購入。哀しいかな深川はジム・ホールというギタリストの演奏は今回が初体験であり、パット・メセニーの演奏スタイルも十分に理解していないという関係上、ステレオの左右から響くEGの何れがジムで何れがパットか咄嗟に理解できない。だが、それでも一枚通して聴いているうちに単純な事実に気付かされる。
 右がパットで左がジムなのだ。要はアルバムにクレジットされたとおりの位置関係を、両者は最後まで保持しているのだ。そうと気付けば、あとは純粋に二人のプレイに感嘆できる。活き活きとEGを奏でるジムを、数種のギターを持ち分け変幻自在にサポートするパット。取り分け全編がアドリブというImprovisationシリーズの、背筋が寒くなるほどの緊張感といったら。高評価も宜なるかな、の名盤。(……しかしこれで位置関係勘違いしてたら恥だな俺)

Sting『Brand New Day』(A&M Records):先日発売したばかりの最新アルバム。特徴的な倦怠感に満ちたヴォーカルがジャンル特定の難しい音楽世界を築き上げる。ぶっちゃけた話、深川はStingというとあの『Nothing Like the Sun』以外は聴いていなかったのだが、一応名盤といわれるあちらと比較してもこの新作は完成度が異様に高い。一種緩んだムードを漂わせながら一曲一曲の作りは緊密であり、冒頭の「A Thousand Years」から聴き手を惹きつけて止まない。まともに語るにはもう少し聞き込む必要があるけれど、ブックレットの「大傑作アルバム」という言葉、恐らく過褒ではない。しかしKipperって誰や。

 あとは明日以降。ツーレポも早くアップしたいんだが、今日明日中は難しいような……
 ところで深川はここ数日本を全く読んでいないように見えますが、熱心に読んでおります、漫画の単行本を。最近漫画の新刊を読まずに溜め込んでしまうという、かつての私では考えられない異常事態が勃発しており、ここに来て必死こいて消化している次第。ツーリングから帰還後の二日で12冊読み、残り15冊……ぎゃふん。風太郎もとっとと読み終えてレビューを書きたいんだけど流石にこれでは……


1999年10月6日(水)

依然漫画を精読中。今日だけで6冊読みましたがまた一冊追加してしまいました……はあ。だから漫画だけは溜めたくなかったんだが。……書籍もおんなじだけどさ。ツーレポもまだ作成中。文章を挙げてからイラストを追加するつもりなんだが、今夜中に出来ないとスケジュールの関係で下手をすると土曜日ぐらいになってしまうかも知れない……万一待っている方いらっしゃいましたら、ごめん。なお、ツーレポ完成次第つボイノリオ『あっ超ー』レビュー書きます。牙は研ぎ終えました。※なお、ハートマークはタグによる表示方法を覚えたので試しに使ってみました。見えない方ごめん。

Chick Corea & Origin『Change』(Stretch Records):年末にかけて来日し、ソロ及びグループ「Origin」を率いてのコンサートと縦横無尽に活躍してくれるらしいチック・コリアの最新アルバム(の、筈)。個人的にはチックというとReturn To Forever、それもアル・ディメオラ(当初はビル・コナーズ)、スタンリー・クラーク、レニー・ホワイトの四人編成による前衛的なフュージョンスタイルの印象が強い。そのため、本作のように管楽器を主体に据えたメロディアスな方向性には若干の違和を禁じ得ない。しかし、そのパーフェクティシャンぶりはRTF当時に変わらず健在である。チックらしいスパニッシュカラーの炸裂する「Little Flamenco」と「Compassion」辺りが佳品かな。しかしジャコに慣れつつある耳には何処か生温いしメロウすぎて夜中は眠気を助長されるから、違うテンションの時に聴かないと冷静な判断は下せないような。先鋭的ではないが、オーソドックスなジャズとしては秀作の部類だと思う。

漸く登場しました、文庫版ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』(早川書房ダニエル・キイス文庫)。ずーっと待っていたんです。今、山田風太郎『魔界転生』上巻を読んでいるところですが、すっ飛ばして『アルジャーノン〜』を読もうかと思っております。山田風太郎の弱点は、短期間に読み込むと急激に飽きが来ることでしょうか(それとも私だけか?)。皆様もお読みになる場合は時々傾向の異なるものを合間に挟むことをお薦めいたします。しかし今日同時に買った高瀬彼方『天魔の羅刹兵 一の巻』(講談社ノベルス)は方向性に近しいものを感じるんで、これをクッションにするのは逆効果っぽいし。やっぱりダニエル・キイスに浮気しようか……しかしこういう状態の時、私が読んで一番リラックスできるのはガチガチの本格ミステリだったりする。ある程度は脳味噌が動いていないと読書した気にならないのが何というか病膏肓に入るというか。すると依井貴裕辺りか? それとも……(以下自問自答が続くので省略)


1999年10月7日(木)

 実はツーリングからこっち、毎日よく眠れるのである。病的にディスプレイと向き合う生活から一時でも解放され、それなりに躰を使ったお陰かも知れない。それはそれで健康的で大変宜しいのだが、その代わりに12時を過ぎると急激に眠くなる。昨日辺りはどうにか堪えたし、今日も夜のバイトがあったために12時すぐに眠くなるということはなかったが、2時を過ぎた現在、俄然眠気に襲われはじめている。で、朝は6時とか妙な時刻に目醒めてしまったり。悪いことではないのだけれど、この状態だと読書もHPの増強も一体いつ何処でやればいいのかよく解らない。一過性のものだとは思うのだが、ツーレポとか早く仕上げてしまいたいものがある現在、この変調を来した体内時計とどう折り合いをつければいいのか、すっかり困惑しているのである……要は、まだツーレポできません、という話なんだが。まあ日中の暇を見てじりじりと進めてはいるので、そう遠くないうちに発表できると思いますです。はい。因みに風太郎忍法帖も停滞してます。

 本日のお買い物は浦賀和宏『とらわれびと』(講談社ノベルス)島田荘司『Pの密室』(講談社)。それと見落としていたCDシングルBEAT BOYS『Maybe』(ポニーキャニオン)。音楽熱の沸騰と共にTHE ALFEEの旧作にも俄に目を向けつつあります。しかしここらで控えておかないと、年末から危険な事態になりかねんのだが……ま、その時はその時か。

Jaco Pastrius『Rare Collection』(POLYDOR):ジャコ・パストリアスというベーシストは結構あちらこちらのセッションでサポートを務めていたらしく、Weather Reportやジャコ名義のものに較べると埋もれてしまった音源が多い。今回その中から、ジャコフリークとして名高い(らしい)松下佳男氏が9曲をチョイスし(実際には他にも数曲の候補があったらしいが、諸般の事情で切られたらしい)纏めたアルバムである。ジャコという人は個人としては我の強い楽曲を遺しているが、いざ他人様のサポートに入るとそのバカテクを抑え、丁寧なプレイを聴かせている(ジョニ・ミッチェル然り、パット・メセニー然り)。だが、ここに採られているのは如何にもジャコらしい――あの超絶的なテクニックと表現力なくしては完成し得なかったであろう楽曲が殆どであり、一括りとして聴けば紛いないジャコのリーダーアルバムである。初期・全盛期・晩年がごったになっているが、流石に慣れた聴き手が選んだだけあって、何れ劣らぬ名演が収められている。ファンならずともこの幅広い才能には魅せられずにいられないだろう。

 ところで私はコナミが嫌い。どうでもいいことではあるが。


1999年10月8日(金)

 毎日五冊ずつ読んで、漸く漫画の積読が消化しきれそうな気配になってきました……ぜえはあ。こだま学とか小池田マヤとか、四コマの系統が意外と堪えるのである。
 それにしても、四コマというのは作家によって作風が凝り固まりがちなのか、暫く読んでいるとそのマンネリズムが鼻につきはじめることが多い。こだま学は元々仕事と割り切って漫画を書いている、という姿勢を明確にしているので、定型化もそれ程気にはならないのだが、版元も作品傾向も(額面上)多岐に渉っている小池田マヤのマンネリぶりには引っかかるものを感じる。今回読んだのは『バツイチ30ans(1)』(竹書房)だったのだが、特に主人公と深く関わる男性キャラの造形が、他の幾つかの作品に登場するキャラの融合に過ぎないように見える。しかしそれは一面、小池田マヤが掲載誌などに合わせて部品の組み替えを行うという極めてテクニカルな創作スタイルを保持していることの証明でもあり、そういう意味では評価するべき事だとは思うのだが――そうした些末に拘ってしまうのも、所詮はマニア心理なんだろうか?
 しかしこの作家の何が問題かというと、読むたびにこんな風に七面倒くさく考えさせられてしまう為、なかなか先に進めないことなんだが。だから今回に限ってほぼ読み流している。いや面白いのは確かなんだが。

 倉阪鬼一郎『田舎の事件』(幻冬舎)読了。という訳で山田風太郎の箸休めに選んでしまったのは倉阪作品でした。無体な扱いで申し訳ない。でも面白かったです。ネットで他の方の批評を見比べながら既に感じていたことだが、これは読み手によって完璧に賛否両論に分かれる作品集であろう。全編が「何故彼は斯様な犯罪を為すに至ったか?」というテーマに絞られており、その過程の突き詰め方は結構「本格」的だと深川は捉えたのだが。詳しくは書評の方を参照下さい。おお、八日ぶりの書評更新だ。

 仕事場からの帰路、秋葉原に寄って、注文しておいたJaco Pastrius『the WEATHER YEARS』(SME Records)を購入。先日のBEAT BOYSもそうだったが、入荷の連絡がある前に時期を察して引き取りに行ってしまった。珍しいものばっかり買うのに慣れるとこういう芸当もできる。別に自慢できることじゃない? あそ。
 WR在籍時の演奏を集めたものなので、既に入手したものも数曲混ざっているのだが、こうして「ジャコの名演」という括りで纏められた状態で聴くことによって魅力を再発見したり。どうも私は、WR時代の楽曲では、『A Remark You Made (お前のしるし)』が一番好きらしい、と今頃になって気付いた。元々バラッド調の曲に弱いのだ。何れにしてもジャコはいい。ブックレットに一個、凄まじい誤植があるんだけど――放っておいてもいいのか? やっぱり連絡した方が親切なのか?

 他人様のHPを閲覧しつつ、そういえば最近まともにTVアニメを見ていないなー、とふと思う。連続ものを根気よく見続ける能力が失われてしまったのも原因の一つだが、やはりあれだ、どの作品もスケジュールの密集によって後半、画質を落として無惨な有様になるのを目の当たりにするのが厭なんだな結局は。今期も『エクセルサーガ』とか『セラフィム・コール』とか見てみたかったものが数点あったのだが、何れも第一話を見逃した時点で、パス。こうしてどんどんアニメから遠離っていく。嫌いじゃないよ。嫌いじゃないけど、だからこそあんまりマジに見られなくなってしまったんだろうな。
 但し、DVDではひっそりと集めたりしている。『To Heart』に『星界の紋章』。『To Heart』は正直なところ第一話以外評価できないんだが、コレクター根性で。『星界の紋章』は服部克久のテーマ曲が好きで……もとい(いや嘘じゃないが)、あの原作をどう映像化しているのかに興味があったし、比較的クオリティは良さそうなので続けて購入しております。年末からは待望の『彼氏彼女の事情』のDVD版も発売が開始されるらしいので、いよいよこっちの出費も著しくなりそうな気配が……はあ。

 ポイント数を下げてしかも反転表示でこっそり宣伝。10/22発売の「幻想文学」くだん&牛妖特集号(アトリエOCTA)に拙作「器」(11枚)が、11月中旬発売の鮎川哲也・編「本格推理15」(光文社文庫)に同じく拙作「情炎」(48枚ぐらい)がそれぞれ掲載されます。その時まで覚えていて(時期が近くなったらもう少しまともに宣伝するかも知れませんが)、尚かつ気が向いたら読んでみて下さいませ。読んだら感想も聞かせてちょ。……しかし、MYSCON宴会の前日に発売してしまうのか……

 久しぶりに松本楽志さんのHPリンクページを訪ねて、ふと当方のHPの解説を読んでみると、

オヤジ臭漂う変なサイト。しかも猫写真

 うっしゃあ。何故かガッツポーズを取ってみたり。


1999年10月9日(土)

 今日、私の仕事はない様子なので午前中はふらふらと買い物など。取り敢えず上野でPocket Stationと『どこでもいっしょ』(SCEI)を購入した。……どうしてだろう。
 PCソフトも一通り眺めてから、大回りしてバイト先の書店を訪れる。目当ては無論、綾辻行人『どんどん橋、落ちた』(講談社)である。来週サイン会があるという情報を複数のサイトで目撃しているのだが、仮にそちらで買うにしても保存用。こちらは読書用にするのである。あと、ダニエル・キイス『五番目のサリー(上)(下)』(早川書房・ダニエルキイス文庫)も一緒に購入。結局時間をかけて全巻購入しようかと考えはじめてます。ばか。
 最後に今日の本題、古くなった眼鏡のレンズ交換を依頼に行く。深川は救いようもなく目が悪く、屈折率の高いプラスチックレンズが必須となるため、レンズだけでもかなり値が張るのである。結局予算以上の金額になってしまい、財布が空になってしまった。しくしく。このあとバイク用に使っている眼鏡も、より強い度のレンズに換えて貰おうと思っていたんだが、熟考せねばなるまい……ああ、ボーナス吹っ飛びかねん……

 『虹色シーズン さりげなく』(Peach):……前にも別の処で書きましたが、駄目なものをどこがどう駄目だと論って書くのって辛いんですよね……これは酷すぎ。プレイヤーキャラの台詞を一切排除する、という実験的な試みをしているのだが、文章技量・演出能力ともに追いついていないし、何よりゲームとして駄目すぎ。選択肢によって分岐する種類のAVGなのだが、異なった選択肢を選んでもその場での反応が同じなため、何をもって展開が変わっているのかが解らない。作品は章立てになっており、選択肢による変化は次の章にならなければ解らないのだ――加えて、そうして訪れた分岐も、選択肢に対する整合性が殆どないため、結局プレイヤーは自分が何をやっているのか全く理解できないまま続けさせられ、気付くとエンディングに到達してしまっている。で、主要キャラ四人についてそれぞれエンディングが存在するのだが、ざっと見た処終章近くの展開は殆ど同じであり、エンディングでの変動はせいぜいプレイヤーが攻略対象としたキャラクターの台詞や行動がちょっと添えられるだけで全く同じ。プレイヤーのそれまでの努力が報われるような代物ではない。更に、任意によるセーブは出来ない、プレイ中のロードが出来ない、メッセージスキップが動かし辛い、などなどシステム上も気配りが行き届いていない。本当にプロが作ったゲームなのかと疑いたくなるほどろくでもない出来。世界観やシナリオ自体はもっと練りこめばそれなりに見られる出来になったかも知れないし、取り敢えずCGは美麗と言い切ってもいい(もともと深川はこれが目当てで手を出したのだ)。……しかし、商品として成立しているとは到底言えない。やっていて腹が立つだけだった。少なくとも7000円以上出してやりたいようなゲームじゃない。半額でも高い。――そもそも題名が作品の内容を全く反映していないじゃないか!
 そんな顰蹙もののゲームにかかずりあっていた所為でまたしても、またしてもレポートの進行を止めてしまった。畜生。

 その他の更新箇所:政宗 九さんのHP『政宗 九の視点』リンクページミステリ関連に、たれきゅんさんのHP『たれきゅん亭』その他リンクに追加いたしました。


1999年10月10日(日)

 体育の日。晴れの特異日。というわけで(どういうわけや)新宿まで出向いて、綾辻行人さんのサイン会整理券を入手して参りました。紀伊国屋書店新宿本店にて、15日金曜夕方五時から開催される奴。用件は早々と片付いたので、そのまま帰ればいいのに、ついでと思って衝動的に梅原克文『カムナビ(上)(下)』(角川書店)を購入してしまう。高いから文庫落ちするのを待つつもりだったのに。更に帰途、最寄り駅の構内で時々催される古本市に立ち寄り、角川文庫の鮎川哲也作品を三冊保護する。『積木の塔』『風の証言』『金貨の首飾りをした女』うち『積木の塔』はダブりだが所有しているものは購入段階でカバーが紛失していたものなので保管しておきたいし、『風の証言』は青樹社文庫版で読んだだけ、『金貨の〜』は既読作品が殆どだがコレクターとしては持っておきたいし。という訳で決して悪い買い物ではなかったです。
 ところで、サイン会の整理券には、自分の名前を記入する欄の他に「著者へのメッセージ」という項目が存在する。何を書いたらいいのだろう、と悩んだが……やはり『暗黒館はまだですか?』と書くのが正しいのでしょうか>松本楽志さん。

 倉阪鬼一郎『死の影』(廣済堂文庫)読了。流れで続けて読んでしまった。こういう企みに満ちた作品は好き。作り手の一人として感じさせられるものが少なくないからだろうな。しかしこれが異形コレクションの系譜として一般向けに供給されているのは、結構凶悪のような気が。しかも次は牧野修だし。さっさと書評を脱稿しましたので詳しくはそちらを参照下さいませ。それにしても書評ページ、やけに「か」行が多くないか。
 因みに次は『どんどん橋、落ちた』を読みますので、忍法帖書評はそれ以降になります。御了承下さい。深川は綾辻氏の影響下から脱せない運命にあります。

 レンズ交換を終えた眼鏡が戻ってきた。既に持っているものと同じ度数で作ってもらったので、見えすぎて辛いということはないが……考えてみると中間の度数がないから、バイクに乗るわけでもない、家でだらだらしているわけでもない、という状態の時にかける眼鏡がなくなってしまったことに気付く。やはり、もう一段階ほど度数を上げた眼鏡を作るべきだろうか……金が……

 不思議なことがひとつ。当サイトの掲示板では書き込まれた内容がその都度深川のところにメールとして届けられるという機能がある。書き込みチェックのために一々掲示板を訪れなくて済むので重宝しているのだが、時々これが妙な不具合を起こすことがある。ある人物の書き込みの際に、同じ内容を二度も三度も送信してくるのだ。何事かと思って掲示板を直接チェックしに行くと、該当する書き込みは一度しか記録されていない。それで放っておくとまた同じ内容が届いたりする。理由が今ひとつ解らない。実害はないのでそのまま放置しているのだが……しかもこの現象、特定の方が書き込まれた場合にだけ発生する。何故だ。

 今(0時過ぎ)、送信フォームで
> 日記内から外部へのリンクをクリックするとフレーム内に表示されてしまいます〜
 という御意見を戴きました――左にも記してありますが、これ実は恋、もとい故意です(ギャグの遣い廻し)。日記で張ったリンクは日記の延長上で見て貰おうかなという目論見があったんですが……やっぱり面倒ですか? こちらでリンクしたものは必ず本来のリンクページにも置くようにしてあるので、普通に閲覧したい方にはそちらを利用していただこうと考えていたんですが……はてさて。

 それはそうと、掲示板に実年齢を書いたら妙な波紋を呼んでしまったような。或る意味思う壺。

 更に数十分後。ちょっと考えて、日記内から外部サイトへのリンクは別ウィンドウで表示する設定に切り替えてみました。暫くこれで通してみます。ご指摘、改めて感謝。


「若おやじの日々」への感想はこちらからお寄せ下さい。深川が空を飛びます(飛ばねえって)
下からでもメールアドレスに直接でも構わないんですけどね。 

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