2001年1月中旬の日常
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2001年1月11日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010111~.htm#Day11またしても夜中に怪しげな計画が立ち上がってしまう。今年は一体どういう方向に進むつもりなのだ私は。
高島俊夫『お言葉ですが…(2) 「週刊文春」の怪』(文春文庫)読了。一日だった。決して現代的な言葉遣いではないのだが読み心地は良く、辛口の筆致が程良い刺激となってすらすらと読まされてしまった。頷けるところも首を傾げるところも色々と勉強になる。特に、「どっちが失礼だ」という表題の一篇には快哉すら挙げてしまった。日頃感じていることがこうして整然と説かれているのを見ると嬉しくなるのである。読み物として消閑に最適だが、取り分け物書き志願には刺激になる一冊だろう。ほんとに他の巻もはよ読まないとね。
本日のお買い物
1,殊能将之『黒い仏』
2,高田崇史『QED 東照宮の怨』
3,田中芳樹『白い迷宮』
4,森 博嗣『今夜はパラシュート博物館へ』(以上、講談社ノベルス)
だから毎月多いんですってば。今期挑戦するドラマその二・『お前の諭吉が泣いている』(テレビ朝日系列)。内容はともかく、非常にいい題名である。それ故に、一度見て中身が駄目だったら、ほとぼりが冷めた頃に頂戴したろと思っていたのだが……面白いではないか。無茶苦茶だがその無茶苦茶加減がなかなかに魅力的である。かと思えば途中で東山紀之演じる結城が解説する人生の収支決算はそれなりに説得力があるし、下調べの痕跡もそれなりに窺われる。『HERO』同様、暫し付き合ってもいいかな、という気分になった。ついでに、国分太一と東山紀之という組み合わせは某CMを思い出させたが、内容は一切無縁でした当たり前か。
2001年1月12日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010111~.htm#Day12お勉強に近い読書故に難渋しております。これはこれで楽しんでいるのだが、手こずっている間にも日に日に積読が増えていくかと思うと非常にスリリングである。今年は長篇を二本書くという目標を掲げている都合上、肥やしを蓄える意味からも資料やお勉強のための読書を中心に進めていく予定のため、昨年以上に読書量・感想の数は減るかと思いますがご理解下さい。
また、並行して色々と作業をしているため(先日ちょっと触れたとおり、また一つ増えてしまったのである……)、日記の方も描くことが減って淡泊気味になるでしょうが御容赦下さい。何もなくても、或いは何があっても基本的に毎日更新するようには務めますので。本日のお買い物
1,井上雅彦・編『魔術師 異形アンソロジー・タロットボックスII』(角川ホラー文庫)
2,梅原 猛『古事記』(学研M文庫)
他に定期購読の『コミックビーム』。竹本 泉の長期連載『てきばきワーキンラブFX』が先月で完結して、今月からは毎号読み切り連載となる。『アップルミステリー』誌が休刊になってから読み切り作品が途絶えていたので非常に嬉しい。休刊のどさくさに紛れて単行本未収録となっている作品群も、今後エンターブレインで纏めてくれると更に嬉しいのだけど。
2も資料目的だが、梅原猛という名前が掲げられていたからこそ選んだもの。しかし、古事記関連の書籍が役立つのは暫く先のことになりそうなんだが……ま、いいか。リンクページが無限増殖を続けている。皆様ご利用下さい。さもなきゃ私が報われません。
2001年1月13日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010111~.htm#Day13休日だが普段とあまり変わらぬ時刻に起床し、遠方へ初詣及び蕎麦を食いに行く。
父親の車に乗って首都高速−東北自動車道を北上、栃木で降りる。何回目かの道程なので、便乗でしか訪れたことのない私でも大体の道筋は記憶している。このコースで困るのは、間に石灰工場が挟まっていることである。運搬の為に大型トラックが狭い道を頻繁に行き来し、トラックが振りまいた白い粉が靄のように漂っている。工場の林立する区間ともなると、辺りは白銀の世界――いや冗談でなしに。先日の雪もあちこちに痕跡を留めているが、いつ来ても一帯の建物も樹木も石灰の粉を被っているのだ。
ここを抜けて暫く行ったところに、出流山満願寺という仏閣がある。奉祀するのは観音菩薩、御利益は主に交通安全、らしい(今これを書きながら、某氏一家のためにお守りを買ってあげれば良かったかも、とも思ったが後の祭り――遠いから、再訪するというのも、ねえ)。折しも護摩法要の誦経が朗々と響き渡る中お参りし、そののち境内を散歩する。高地の上にここ数日の寒波の影響で身が引き締まるような空気だが、鄙びた山寺の雰囲気と残雪とも相俟ってなかなかの風情である。写真を撮ろう――としたところ、常備しているデジカメは、長いこと放置していたために見事にバッテリーが切れていた。悲しい。その後、お守り類を買って出立する。御神籤は末吉。さほど悪いことも書いていないので木に結わえず持ち帰った。同封の縁起物(金製の極小さなマスコットのようなもの)が銭亀だったのが、よく理解してるじゃないか、ねえ。
道を少しだけ戻って蕎麦屋へ。この一帯は手打ち蕎麦を売りにしていることもあって、狭い範囲に複数の店舗が軒を連ねているが、毎回入る店は同じ。店の方の印象がいいからなのだ。注文は、ざるであれば何合・何升という単位で行うのだが、今回は寒いところから戻ってきたこともあり、初めて丼にした。一緒に頼んだ舞茸・野菜の天麩羅の盛り合わせ共々非常に美味しゅうございました。
パーキングエリアで夕食代わりの佐野ラーメンを買い、特に問題なく帰宅。運転していたのは私ではない(そもそもまだ四輪免許は持ってない)のだが、最近親父の運転する車に長時間乗っていると気疲れする。そのまま昼寝。……それにしても日記で食事のことに言及すると何故か西澤保彦さんのそれを意識しているような気分になるんだが。
『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』(elf・Windows対応ゲーム・18禁)を主に遊んでいる。この作品はelfのMS-DOS対応ゲームの最後を飾ったものを、ほぼ当時の仕様のまま移植したのだが、「現在の倫理基準に合わせて若干の修正を施しています」とある。――が、この修正に絡んで、どうにも不快が禁じ得ない。以下、この作品を既に一度エンディングまで見届けた方、或いは今後まず本編を遊ぶことはないだろうと断言できる方、或いはネタバレはあまり意に介さないという方のみ、反転表示して御覧下さい。
ここから→この『YU-NO』は現代編で宝玉を八つ集めると、ある場所から異世界へ移動し、そこから作品としてのクライマックスが開始する。異世界、と言うからには常識も生態系もかなりこちらとは異なった性質を備えており、特に著しいのは成長速度である。作中では、過酷な環境で生き延びるためにという理由付けをしているが、兎に角異世界の人間は生物としての幼年期を二・三年程度で終え、以降は成人した体と容姿のまま、恐らく数百年単位の寿命を過ごす。物語の展開から主人公はこの異世界の僻地に滞在することになり、そこで成り行きから保護することとなった女性と結ばれ、女の子をもうける。当然この娘は半分そちらの世界の血を引いているから生育が早く、また主人公と母親しか触れ合う人間も存在しない(しかも母親は、訳あって言葉が話せない)ために、異世界の常識からもこちらの世界の常識からもちょっとずれた娘に成長した。
その後、母親は殺害され、主人公はその首謀者であるはずの人物と会い仇を討つために、娘と共に旅立つが、途上で娘も攫われてしまう。で、紆余曲折の末に数ヶ月後劇的に再会するのだが、当然この頃には娘は成人しているわけだ。
さて、娘は充分な常識や社会的禁忌を知らずに育った。攫われたのちも仔細あって半ば無菌状態で育てられていたから充分な常識教育も施されていない。その為、信頼を寄せる異性は父親である主人公しか存在しない。更に、娘は近いうちに生命の危険に晒されることを自覚している――結果、娘は主人公に何を求めたか。
細かいところは適当に想像してもらうとして。私が納得できない、というのは、この最後の展開が恐らく倫理的に拙い、という判断を下したのだろう、ここで問題にされかねない単語を全て*で伏せている点だ。具体的には、娘の成長に要した年数(結ばれるまで約四年ほどだったから、確かに現実世界なら大事ではある)、及びこの少女――作品を実際に遊んで貰えれば解るが、彼女こそ物語の題名にも掲げられた「ユーノ」である――が主人公の娘であることを明示してしまう部分(つまり、「娘」とダイレクトに記した部分)が全て伏せられているのである。
意図は理解できる――が、これ程重要な文面を最初から伏せられた状態で、このリニューアル版で『YU-NO』に初めて触れたという方が果たして内容を理解できるだろうか? 次第に腑に落ちはするだろうが、主人公と娘が結ばれる場面に至るまで、何故伏せられていたかも納得できまい。それ以前に、アダルトゲーム業界で現在その手の規制について些か敏感になりすぎている、という事実を知らなければ、一体何が問題になっているのか解らない可能性だって大だろう。
いや寧ろそれ以上に、これらの描写はそう神経質になって刈り取る必要があるのだろうか? 確かに現実世界では近親相姦はタブーだが、表現上で禁じることにさほど意味はないし、何より本編には一種「聖書」を下敷きに、そうした禁忌を意図的に乗り越えようという意識が窺われ、決して描写として取ってつけたものではない。それを、関係する単語の一部を伏せ字にすることで「倫理基準に触れてませんよ」というポーズを作り、監視の目をかいくぐるように発売にこぎ着けた――そういう卑屈な姿勢と、メーカーにこうした態度を取らせる無意味に過剰な業界の自主規制傾向。←ここまで
――伏せ字から、作品が表現しようとしたものより遙かに強烈な悪臭を嗅いでしまう。関係する描写に*を見付けるたびに不快感を催し、純粋に楽しめないのだ。ああもう。個人的にベスト3に挙げるくらいの名作だと思っていたのに、台無しだぁ。
2001年1月14日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010111~.htm#Day14のほほんと起き出して、12時頃に家を出て買い物巡り。元バイト先で定期購読誌などを、そのあと秋葉原まで移動して、なかなか姿を見かけない書籍を探して購入し、然るのちにソフマップなどを巡ってCDケースなどを仕入れてくる……つもりだった。
元バイト先。定期購読の『Jazz Life』(立東社)しかない。暫くぐるぐると店内を廻るが、諦めて店を出る。思っていたよりも空いた道を秋葉原へ向かい、書泉ブックタワーに入る。文庫・書籍、小説・詩集・各種資料など、探すものは色々ある。
――店に入って、ほぼ一時間。
悉く、空振りに終わる。
某ヤングアダルトもののシリーズ新刊は、同時発売の他の諸作は並んでいるのに私の探しているものだけが見つからない。書籍の新刊に至っては、影も形も見当たらない。詩集はそもそも棚が何処にあるのかが解らず、資料類は一番欲しいものが見つからず、あってもハードカバーなどの高いものが殆どで現状では身に余る。最終的に購入したのは、
1,赤江 瀑『ニジンスキーの手』(角川春樹事務所・ハルキ文庫)
のみ。これにしたところが、待っていれば元バイト先で入荷してくれた可能性が大だというのに。
店を出た時点で一時半。このあと自宅にいる両親の分も食事を買って戻る約束になっている(我が家は日曜日、朝・昼の食事はやや遅めである)。秋葉原巡りをしている時間はなく、悄然とその場を離れたのだった。
当たりのない買い物をしたときは、普通に収穫があるより遙かに疲れるものらしい。どろどろと昼寝した。明日ぐらいには、現在進行中の読書が終わりそうな気配。今年に入って、これで漸く三冊目である。少ない。
2001年1月15日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010111~.htm#Day15無念なり。
寒い。出勤時間の気温はどうやら氷点前後だったらしい。二重に嵌めた手袋の下で指先が凍て付くのが音に聞こえるようだった。職場に着き、暖房に当たっても炬燵布団を被っていても骨の芯に冷気が伝わるような心地がする。そんな中では、作業のお絵描きも読書もしんどい。……それは言い訳だろう、と自分でも思う。
お買い物は特になし。そして昨日の日記通り、ジークムント・フロイト『自我論集』(筑摩書房・ちくま学芸文庫)読了。こんなん読んでいたのよ私。お陰で変なアイディアが降ってきて困惑する。楽しかったので、引き続き心理学関連の書籍を集めようと思う……そしてまた小説の積読が増えていくのであった。
で、以下は単なる思考実験。論旨を徹底的に掻い摘んでいる(しかも全然消化し切れていない)ので解りづらいとは思いますが、適当に読み流してください。
フロイトの一連の思弁は、「無意識」という概念を定着させ、また「俗流心理学」を世間に蔓延させるという悪影響を齎した。だがその一方で、人間の良心や道徳心がそのものの姿で人の意識に存在している、という神話を剥奪した。良心や道徳は人間の本質ではなく、生と死という二つの欲動の相克が後天的に発生させた概念だ、という論旨である。既に八十年以上を経た論文であり、その細部の観念を鵜呑みにすることは危険だが、面白いのはこの時期にほぼ「幻想である」と断言された社会的な性善説を、未だに頑なに信じている人が少なくない点である。こうした概念を発生させるためには、フロイトの弁では両親との関係で欲動が機能した状態――つまりエディプス・コンプレックス――から幾つかの過程を経て、コンプレックスが超自我に吸着し道徳心といった意識の審級に発達するまで待たねばならない、ということになる。この発達が不十分であった場合に、神経症や、自我及び外界に対する攻撃性という形で露出するわけだ。
その推移の如何は於くにしても、道徳や良心が先天的に人間に備わっている、という安易な迷信はこの時点で否定されている。社会の善に属する通念は生得的に存在しているのではなく、近親者との関係性から生じる。――敷衍してみれば、ここに近年の社会に窺われる病弊の根源も見出せるのではないか、と考えられるのだ。良心や道徳心、公共心といったものの定着を、社会なり地域共同体なりの大きすぎる単位に委ね、最小単位の崩壊に半ば目を瞑っている状態こそが、最大の問題ではないのか、と――。目に見える暴力や、それに類する表現を奪うことは、些末に過ぎないのではないか、と。
我田引水の理論ではある、が、こういう引きだし方も出来るのだと思うと、微妙に安心できるのだった。――尚、まともに検討した説ではないので揚げ足は取らないでくださいお願い。『TEAM』の再放送ってやってくれんかねー、とふと思う。
お買い物をしなかった反動、というわけではないが、発作的にbk1に大量注文する。以下、本日の注文ラインナップ。
1,ジークムント・フロイト『夢判断(上)(下)』(新潮文庫)
2,カール・G・ユング『転移の心理学』(みすず書房)
3,新川和江『わたしを束ねないで』(童話屋)
4,梅村 崇『小説サムライスピリッツ〜アスラ斬魔伝〜』(エニックス・Game Novels)
5,evolution・原作/三田村半月・著『マシンメイデン外伝〜シンシア〜』(雄飛・Harvest Novels)
6,牧野靖弘『らぶらぶ電脳アカデミー』(シュベール出版・シュベールコミックス)
……最後の方、何だ? 衝動的に追加してしまったんだが……
2001年1月16日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010111~.htm#Day16昨日の日記のその後。チャット・ICQ・ゲームを並行して進める。チャットでは某企画の相談がおかしな方向へ転がり、ICQではこちらから持ちかけたある相談からYAHOOオークション→コミケに関する云々へと話題が発展し、同時進行のゲームは遅々として進まない。
ちなみにゲームは、大変今更ながら『カナリア 〜この想いを歌に乗せて〜』(FrontWing・Windows対応ゲーム・18禁)である。結局購入から数ヶ月放置して、これ以上放っておくと仮に遊べるとしても七月か八月半ば以降だ、と悟ったので、少しずつでも着手しておこうと思ったのだった。
で、この日記を書き始める前までもちょっと遊んでいたのだが、正直なところあまり芳しい印象はない。シナリオはそれなりに楽しいし、通常グラフィックの水準は高い。ただ、以前らじさんが指摘していたことでもあるが、イベントグラフィックの質が通常グラフィックより落ちるのはいただけない。それ以上に、システムの使い勝手があまりに不出来なのが気になる。メッセージスキップをシステム的にサポートしておらず、Ctrlキーでの強制スキップも遅い。マウスで早押しすると、時々選択肢の上にポインタを置いてもいないのに選択が行われてしまい、その都度直前のセーブまで戻らされる。選択肢直前でのセーブが出来ないのも困る。シナリオについても、イベントそれぞれは楽しめるのだが、イベントの発生フラグの設定が旧時代的におおまかなので、屡々興醒めに陥る。また、今日日幾らでもまともな音声保存の方法があるだろうに、無頓着にノイズだらけのデータで済ませてしまっているのも、作品の印象を悪くしているのだ(音楽がテーマなのだからその辺から繊細になるべきだろうに)。
――全体として見ると、結局美点の足を欠点が引っ張る格好で、漸く水準程度という印象しか持てないのだった。水準以上、と感じられるだけまだましとも言えるが、正直なところ発売当時ほどの盛り上げ方をするなら水準程度では用がないのです。結末についてはそれなりにいい評判を耳にするので、取り敢えず全キャラコンプリートを目指すつもりではあるが、仮にその出来が良かったとしてもあまり誉めたくはない、というのが現時点での評価。
因みに、手付かずのゲームのうち、一通りクリアしてしまいたいと思っているのはあと『AIR』と『キャッスルファンタジア 聖魔大戦リニューアル版』。だが後者は……あるバグへの対応がもっとましなものにならない限り着手しないかも知れん。困ったねえ。お陰で風邪気味なのである。そこを押して午前中、秋葉原界隈で或る捜し物をするが、こういう風に懸命になったときほど成果がなかったりするのが悲しい。明日発売予定のDVDの取り置きだけをお願いし、夕方出直すつもりでいたが、あまりの寒さに断念する。
本日のお買い物
1,霞 流一『スティームタイガーの死走』(ケイブンシャノベルス)
2,藤田和日郎『うしおととら(4)』(小学館・少年サンデーコミックスワイド版)
3,鯨 統一郎『北京原人の日』(講談社)
4,有栖川有栖『幻想運河』
5,太田忠司『摩天楼の悪夢 新宿少年探偵団』
6,小野不由美『図南の翼 十二国記』(以上、講談社文庫)
7,綾辻行人/児嶋 都『眼球綺譚 -yui-』(角川書店)
8,赤松 健『ラブひな(10)』(講談社・マガジンKC)
9,C. G. ユング『転移の心理学』(みすず書房)
10,フロイト『夢判断(上)(下)』(新潮文庫)
11,evolution・原作/三田村半月・著『MACHINE MAIDEN外伝〜シンシア〜』(雄飛・HARVEST NOVELS)
多いってば。このうち7が新刊ながらチェック漏れだった模様。1200円(本体)はちょっと痛い。作品自体はなかなかの出来なのだけど。恐怖の顔があからさまに楳図かずおなのがちょっと。
9以下四冊は、昨日bk1に注文したもの。24時間以内発送がこれだけあると、流石に同時に届くらしい。発足以降何度も注文したが、これだけの量が届くのは初めての体験なので、どのような包装にしてくるか楽しみにしていたのだが、実際はただいつもの紙袋に四冊をうまく組み合わせて収めただけ。ちょっと落胆する。なお、意図したわけではないが、一応全て心理学絡みとなっていた(尤も、11は主人公の設定に関連してちらっとその周辺の蘊蓄が出てくる程度のことなのだけど)。来月ぐらいに書く予定の短篇に絡むので、9だけは早めに読もうか、とぱらぱらと眺めると……
「――したがって私は読者が拙著『心理学と錬金術』を読んでいることを前提としなければならない。――」
しええええええ。そういう大事なことは買う前に言ってくれい。しかも……上下セットで6400円だとう。そんな余裕ないわーっ! ……と喚いても後の祭りなので、騙し騙し読むことにする。畜生。
2001年1月17日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010111~.htm#Day17ほお。残念ではありましたが非常に有り難い展開になっております。今年は長篇中心のつもりだったが、何だかんだで短篇も複数書くことになりそう……去年同様。しかし、こうなると来月書くつもりだった短篇が早く書きたくなってきて落ち着きません。……並行しようかな。
本日のお買い物
1,坂田靖子『珍犬デュカスのミステリー(1)』(双葉社・JOUR COMICS)
2,『踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル 完全版』
3,『踊る大捜査線番外編 湾岸署婦警物語 初夏の交通安全スペシャル』
4,『踊る大捜査線 秋の犯罪撲滅スペシャル 完全版』(以上、フジテレビ・DVD Video)
5,Miles Davis『Sketches of Spain +3』(SME Records・CD)
6,『NOVEL21 少年の時間 text.BLUE』
7,菅 浩江『メルサスの少年 「螺旋の街」の物語』(以上、徳間書店・デュアル文庫)
8,藤田和日郎『からくりサーカス(16)』
9,高橋留美子『犬夜叉(19)』
10,安西信行『烈火の炎(27)』(以上、小学館・少年サンデーコミックス)
11,伊達将範『DADDYFACE 冬海の人魚』(メディアワークス・電撃文庫)
二日連続のK点越え。うち予定外は1のみ……余計駄目な気がする。
2〜4は、昨年末発売のBOXセットを補うスペシャル版。取り敢えず2を見たが、当時よりもゲスト陣が豪華に見える。殺人を目撃して一時的な失語症に陥った女の子が仲間由紀江だったし、すみれ(深津絵里)がデートの約束を反故にしてしまい、終盤の湾岸署内で発生した人質事件に巻き込まれる青年が伊藤英明だったり。次の『婦警物語』は実はこれが初見なので、今から楽しみである。
5はマイルスとギル・エヴァンスコンビの代表作であり、『アランフェス協奏曲』をジャズ・スタンダードとして定着させる契機となったアルバム。あまりに定番過ぎて避けて通っていたが、いい加減いいだろうと思い購入。
11は店頭で発見できずbk1で注文を出したものだが、昨日ある店で簡単に発見して複雑な気分になった。……どうして今まで目撃せなんだろう。それにしても……探せばあるもんだな公式サイト。どんどん膨張するぞリンクページ。奮起のためにさっさと短篇と長篇のプロットと同人誌の設定に着手したいところだが、話が途中というのが精神衛生上良くないので『カナリア』をある程度クリアするのを優先したいと思う。このゲーム、物語が進むほどフラグ構成のいい加減さが際立ち、エピソード全体の締まりが悪くなっている気がする。お陰で、現段階での評価は水準よりやや下という具合に下降しつつある。困ったもんだ。
伊勢正三が歌う「なごり雪」は、年季があるから聴ける、というレベル。はっきり言って、歌そのものは下手なのだが、作曲者だけあって雰囲気の演出は上手いのである。この曲に関してはイルカのヴァージョン(因みに編曲は松任谷正隆)が完璧に仕上がっているために、本来オリジナルであるかぐや姫が割を食っているのも事実なのだが。
2001年1月18日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010111~.htm#Day18久々に猿してます。いえー。ものは『カナリア 〜この想いを歌に乗せて〜』(FrontWing・Windows対応ゲーム・18禁)、評価自体はあまり変わっていないのですが、途中で投げ出すほど不出来でもなく、またそれぞれのキャラクターにどういう結末を添えているのかぐらいは興味があるので猿化している次第。
正直な話、評価は下がっているのが本当なのだが。……というのも、一番最初に攻略したキャラクターのエピソードは、そのままでは解決しないものを最大の力業で無理矢理解決に持ち込み、しかもその後の心理的変遷を殆ど描くことなく話を終わらせてしまっている。作品の傾向からすると、この方面で描き込むことは内容を歪める結果にもなるので、そういう意味ではまるっきり間違った判断ではない、とも思うのだが、私はこの技をゲームの中で使う場合は、クリエイターにそれなりの覚悟を求める質のため、この作品で行ったような描き方は基本的に受け入れない。そういうわけで、それなりに遊べる作品、と捉えながらも、評価は16日のそれよりも下降してます。あと……やっぱり、このイベントCGの適当さ加減はなんとかならなかったものだろうか。テキストにも細部に整合性の悪さが見受けられるし。これは、発売当時に遊んでなくて正解だったような気がしている。多分、期待もあった故、かなり怒っていたと思う、私。本日のお買い物
1,秋田禎信『我が戦場に踊れ来訪者』(富士見書房・富士見ファンタジア文庫)
2,北条 司『F・COMPO(14)』(集英社・オールマンSC)
3,日渡早紀『宇宙なボクら!(3)』
4,羅川真里茂『しゃにむにGO(7)』(以上、白泉社・花とゆめコミックス)
詳細は省……こうかと思ったが一点だけ。2はこれが最終巻。覗き見た感じでは些か有耶無耶な結末だったが、他に括りようがないお話であるのも事実。ともあれ、次の連載にも期待します。またぶっ飛んでくれれば幸い。
2001年1月19日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010111~.htm#Day19『カナリア 〜この想いを歌に乗せて〜』(FrontWing・Windows対応ゲーム・18禁)引き続き……しかし、全般に温い。最初のクリアしたキャラクターの結末が一番シリアスで、あとはどうもシリアスすれすれでどっちらけになっている感があって、いまいち達成感に乏しいのだ。中盤の、ゲームの繋ぎの役を為す散発的なイベントもてんでばらばらで、それぞれの結束が緩くイベント間でのテキストの調整も甘い(尤もこの辺の「緩さ」は、新参メーカーや弱小ソフトハウスにありがちな話ではある)。やればやるほど粗が際立つぞ……困った。これより酷いゲームは沢山思い浮かぶが、暫く遊んでいないうちにまた理想が高まってしまった嫌いのある私には、だからと言って容易に納得できないのであった。残り一人のヒロインもじきに攻略できるが、このままおわったらやっぱりどっちらけ気味である……
本日のお買い物、は雑誌ばかり。久し振りに『AICコミックLOVE』(AIC)を買う……何度見ても恥ずかしいタイトルだ。元々アニメーション制作会社だがメディアミックスに熱心であったためか二年ほど前に季刊で発行を開始した雑誌。創刊から四号ぐらいは買っていたのだが、暫く見失っていた。その間に、文芸誌のサイズから通常の漫画雑誌と同寸に変わったらしい。で、今回たまたま店頭に並ぶ直前に存在を目撃したのと、とり・みきとゆうきまさみの合作『土曜ワイド殺人事件』の最新作が載っていると知ったので躊躇なく購入する。だが連載だった。困った。まあ買うけどさ。
2001年1月20日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20010111~.htm#Day20雨雲の垂れ込めた寒空。雪が降り始める前にと午前中に秋葉原巡り。あるものを探すため、主に同人誌・同人ソフトの類を扱っている店を求めて歩き回り、ちらっとなかを覗いてみたり。それにしてもこの手のものを扱う店は一様に裏通りのビルの二階から上にあるのが素敵だ。探索中に欲しかった同人ソフトを発見するも、給料日前ということもあって一旦断念。肝心のものは見つからず、某ソフト店、某ブックタワー、大回りして元バイト先の書店に寄り数点ばかり見繕って帰宅する。ここに書くべき収穫は以下の一冊のみ。
1,北村 薫『リセット』(新潮社)
まあ、これで充分。途中で寄ったソフト店にて発見した情報。ジャズ雑誌の老舗・『スゥイングジャーナル』では、毎月数枚のゴールドディスクを選定し、その中から毎年一枚ずつの金賞・銀賞を選出している。これに選ばれた作品は、日本では大抵スリーブにその勲章が飾られるほどであり、かなり信憑性のある選考だと言っていい。で、同誌の最新号に2000年度の金賞・銀賞が発表されているのだが、Pat Methenyのスタジオ最新盤『Trio 99→00』がこの銀賞に選ばれていた。宜なるかな。ただ、『Trio→Live』が期間内に発売されていたら、恐らくこちらが同じ銀か金賞を獲得したのではないか、という気がする。因みに金賞はキース・ジャレット・トリオのスタンダードばかりを演奏した二枚組ライブ盤が受賞した。こちらは二年連続の金賞。元々聴いてみたかったピアニストでもあるので、興味を惹かれて購入しようかと思ったが、二枚組4000円近くは、今はちょっと辛い。それにしても金・銀とも、ピアノとギターの違いはあれど、トリオが受賞したというのがなかなか面白い。
帰宅後は『踊る大捜査線番外編 湾岸署婦警物語』を見つつ昼食。脚本家が本編と異なっている所為か微妙にテンポが異なるし、新城管理官のキャラクターも(視点が違う所為だとも言えるのだが)少々おとなしめに思われ物足りない。ただ、小細工の多さは本編以上で、そちらを解説付きで眺めているだけでも楽しかったりする。
そうこうしているうちに、夕方頃から雪が降り始める。
一方私は、昼間の強行軍が祟って先日来の風邪の兆候が本格化してしまい、怠い。今年の風邪はまたしても質が悪いらしいので、精々養生しなければ。
「若おやじの日々」への感想はこちらからお寄せ下さい。深川が空を飛びます(飛ばねえって)。
今年はすることが多いんです。