本当は怖い!?HDD



Top

HDDって何?

高密度化の話し

HDDの弱点は?

HDDの信頼性

HDDの障害例
Up!
Continued...

掲示板


HDDって何?

HDDとはHard Disk Driveの略称ですが、10年位前まではIT技術関係者以外はほとんど知らなかったんじゃないですかね?

PCの記憶装置になくてはならないものですが、最近はPC以外にも幅広い人達が触れる事の多い製品、例えばHDDレコーダ、HDDカーナビ、HDDビデオカメラ、携帯オーディオプレーヤー等に使われているので、すっかり市民権を得たと言っていいでしょう。

私の家にもPCが2台(HDDは4台)、HDDレコーダが1台(HDDは1台? 超便利!)あります。

不揮発性(電源を切ってもデータが消失しない)記憶装置としては、速いし、容量が大きく、容量あたりの単価が安いので、便利な装置です。

2007年現在では1TB!(=1,000GB)を超えるようなHDDも登場していますね。私がHDD開発に携わっていた当時は数GBと言うところでした。

恐ろしい技術の進歩です。あの頃でも高容量化の限界が徐々に近づいていると言った風潮がありましたが、一体あの風潮はなんだったのでしょうか!? (^^; 技術の進歩はすばらしいですね。

ところであなたはHDDを見た事がありますか?

まあ外から見ただけだと、頑丈そうな箱に制御回路がくっついているだけなので、どんな仕組みなのか良くわかりませんね。

HDDの外観はこんな感じです。

HDD.JPG - 23,750BYTES

この上のカバーを取り外すとこんな風になっています。

HDD1-INSIDE.JPG - 23,083BYTES

各部の名称は下図のようになっています。

HDD2-INSIDE.JPG - 34,142BYTES

私が開発に携わっていた頃のHDDとは、ランプ方式等ちょっと構造が違うところもありますが基本的には変わっていないですね。

各部は下記のような役割を果たしています。


KADO1_BLUE.GIF - 82BYTES KADO2_BLUE.GIF - 84BYTES
ベースプレート バスタブのような頑丈なもので、制御回路以外の部品を納めるところです。ちなみに制御回路基板以外のHDD本体をDE(Disk Enclosure)と言います。
スピンドルモータ

媒体を回転させるモータで略してSPMとも言います。現在の回転数は3.5インチのIDEで7,200rpm、SCSI系で10,000 or 15,000rpm、2.5インチは4,200、5,400、7,200rpm(ノートPC向け〜ブレードサーバ等向け)、1.8インチは4,200rpm、1インチは3,600 or 4,200rpmと言った感じです。

ディスク プラッタとも言い、データを記録するところです。基板はアルミやガラスで、その上に磁性体、カーボン保護膜、潤滑剤が形成されます。磁性体はデータを記録するところで、カーボン保護膜、潤滑剤は磁性体を保護するものです。
ランプレール 媒体の回転を停止する時に、ヘッドを媒体上から退避させて保持しておくところです。以前はCSS(Contact Start Stop)方式といって、媒体の最内周に設けられたランディングゾーンでヘッドを離陸・着陸させていましたが、最近は静止時の衝撃に強いランプ機構を使用したLoad/Unload方式が主流になっています。ヘッドの先に棒のようなものがあり、その棒がランプレールを滑って乗り降りするような構造です。
HSA Head Stack Assemblyの事で先端のヘッドコア(実際のRead/Writeをする素子があり、エアフローを受けて浮上するスライダ面を持つ1mmx1mm程度のもの)サスペンション、アーム、VCMコイルなどが一体化された機構部全体を指します。
ヘッドアンプ ヘッドから流れる微弱電流を増幅して制御回路基板へ送るためのアンプです。ヘッドに近いほうがノイズから強くなるため、HSAに搭載される事もあります。
VCM Voice Coil Motorの事で、上下の強力な磁石により磁束を発生させ、この磁束の間にあるHSAのコイルに電流を流し、ヘッドをシークさせます。
エアフィルタ DE内部に浮遊する塵埃などを取り除くためのものです。この他にもシリカゲルや、ガス吸着剤なども入っている場合もあります。
KADO4_BLUE.GIF - 84BYTES KADO3_BLUE.GIF - 84BYTES


ヘッドは媒体上を飛行しています、一応

ヘッドは媒体上を一定の距離を保って飛んでいます。
媒体が回転する事で気流が発生します。ヘッドコアのスライダと呼ばれる面がこの気流を受けて浮上するのです。

このイメージは下図のようになります。

HEAD-FLOW.GIF - 16,745BYTES

このようにヘッドは媒体上を浮上しているのですが、「一定の高さ」でと先程書きました。

この「一定の高さ」を浮上量と言いますが、現在どの位かご存知でしょうか?

なんと 浮上量は10nm以下 なんです。(゜.゜)

媒体表面は非常に滑らかですが、実際には微小な凹凸があるため、これを考慮した 浮上マージンは5nm程度 とも言われています。

5nmって・・・(^^;ゞ 本当に飛んでいるんでしょうかって感じですね。

そもそも5nmのイメージがわからないですね、普通。
媒体に指紋をつけた場合の厚みやタバコの煙が数μmと言われています。
つまりこのような微小なものでも浮上量の1,000倍!もある事になります。
極微小なゴミでもDE内に入るとヘッドと媒体が噛みこんだりして大問題になるわけです。

昔からこの浮上量のイメージを飛行機に置き換えて説明される事が多いですが、5nmと言うのはジャンボジェット機にたとえると、ジャンボジェット機が地上から0.5mm以下の高さを保ちながら飛ぶのと同じです。
どう考えても、ありえな〜い!(^^;

JUMBO.GIF - 6,195BYTES

ですからDEの中は非常にクリーンな状態にする必要があります。
一般にHDDの組み立ては、クラス10〜100程度のクリーンルームで行なわれます。

HDDってすごい技術が使われているんですね〜



Copyright(C) 2006 YJ All Rights Reserved.



HDD ハードディスクドライブ ハード・ディスク・ドライブ 障害 信頼性 耐久性 評価 試験 調査 振動 衝撃 温度 湿度 分析