COFFEE TIME
      
Eine gute Tasse Kaffee   Venice のS Marco広場にある1800年頃のCaffe Florianと現在。全く同じ。
macht mich schoen.
    

(1)Bottega del caffe

 テレビで、スターバックス・コーヒーの会長のハワード・シュルツが会社発展の歴史を語っていた。スターバックスは、もともとはBaldwinSiegerBowkerの3人が経営するコーヒー豆販売店であったが、その後、シュルツが加わり、単にコーヒーを売るのではなく、店でコーヒーを飲ませるコーヒー・ハウスへと経営方針を変更したことを語っていた。その方針の転換には、彼がイタリアのミラノで見たカフェの存在が大きいと言う。イタリアは、言わずと知れたコーヒー大国だ。エスプレッソやカプチーノの生まれた国でもある。ヨーロッパで最初にコーヒーを販売したのもイタリアであり、最初のカフェを開いたのもヴェニスだ。サン・マルコ広場のどこかに最初のカフェが1645年(1640年という説もある)に開かれた。一般には、Bottega del caffe(「コーヒーの小店」という意味)と言われるが、固有名詞ではなく、ただ、「コーヒーの店」というだけのようだ。現在も、Bottega del caffe というカフェがローマなどイタリア各地にはあるが、これは最初のコーヒー・ハウスのBottega del caffeとは関係がない。ベネチア商人がアラビアとの交易で手に入れたコーヒーは、その後、ロンドン、パリ、ウィーンとたちまちヨーロッパに広がり、都市の貴族や裕福な市民層に受け入れられた。当初は、どういう飲み方をしていたのかはよく知らないが、トルコ風の飲み方(挽いた豆を濾すのではなく、細かい粉ごとコップに注がれるので、粉が沈殿した上澄みを飲む。ギリシャのコーヒー今でもこのタイプ)をしていたのであろうか。その後、ベニスのサン・マルコ広場には多くのコーヒー・ハウスが出現し、現在も営業している有名なCaffe Florianは1720年に開かれた。ゲーテ、スタンダールをはじめ、多くの小説家・画家などが集った場所だ。ターナーもここに来てベニスを描いたという。コーヒーとベニスはよく合う。

      
 私もベニスに来た以上は、やはりCaffee Florianでコーヒーを飲みたい。連れと2人分のコーヒー、ケーキ1個、1人につき楽団演奏料6ユーロ(店の外で演奏している)の合計で40ユーロくらい請求された。

(2)Coffee House
 コーヒーを客に飲ませるCoffee Houseの様相には変遷がある。当初は(17世紀前半)、酒場のような所でコーヒーも提供しており、これはCoffee Tavernなどと呼ばれることもあるが、17世紀後半になってコーヒーを中心に提供するCoffee Houseとは異なる。ヴェニスのコーヒー・ハウスに遅れること数年、ロンドンでも1652年にコーヒー・ハウスが誕生した。1700年ころには数百のコーヒー・ハウスがロンドンにはあったと言われている。客は1ペニーを支払うと、コーヒー1杯が飲め、新聞を読んだり、知人と歓談などをした。特に、商人達にとっては情報交換の場だった。そのようなコーヒーハウスの1つが、Lloyd保険組合のもととなったLloyd's Coffee Houseである(1689)。ここでは、政治、経済、船舶などのあらゆる情報が交換された。商品取引そのものは取引所で行われるが、商品の値付け関わる情報の交換が行われたのである。David Lissの小説The Coffee Traderは、これより少し前の、オランダの商人達がコーヒー取引に乗り出さんとする頃のアムステルダムの 様子が描かれていて面白い(まだCoffee Tavernの時代)。小説の中でコーヒーの将来性に着目した女性(Geertruid)が次のように言う。

"Beer and wine may make a man sleepy, but coffee will make him awake and clearheaded. Beer and wine make a man amorous, but coffee will make him lose interest in flesh. The man who drinks coffee fruit cares only for his business. Coffee is the drink of commerce."

 パリやウイーンでもコーヒー・ハウスが花開くが、ロンドンでは女性の客を禁じていたのに対して、パリ・ウイーン等では上流階級の女性客も多かったという(Caffe Florianを見よ)。社交の場としてのコーヒー・ハウスが登場するようになった。また、小説家や芸術家などが芸術論を戦わせる場ともなる。19世紀には、客層は一気に大衆化し、一般の市民もコーヒー・ハウスで歓談するようになった。また、コーヒーハウスも豪華なものからこぢんまりしたものまで多様なものが登場する。

(3)Coffee beans
  コーヒーの強い香りと苦さは、強い「意志」を感じさせる。しかし、それは「力」ではない。コーヒーは、静かに議論を戦わせ、自分を主張する民主主義・自由主義に似つかわしい。その点で、ビールやワインとは異なる。従って、コーヒーには強い香りと苦さがないといけない。まろやかな味では足りない。私はコーヒーの種類には詳しくないが、日本で売っているコーヒーは、どれも当たり障りのない味がして物足りない。ブレンド・コーヒーも、本来は独特の味を出すためのブレンドだが、そのようなブレンドには出会ったことがない。数年前、ブラジルの友人がくれたコーヒーは、ブラジル産のブレンドだったと思うが強烈な香りと味がして、ブラックで飲むことが多い私は、最初はなじめなかったが、少量の砂糖とミ ルクを入と俄然美味くなることを発見した。今では、何の銘柄だったか記憶がないの が残念だ。

  最近、よく飲んでいるのは、ハワイのライオン・コーヒーだ。フレーバーなしの中 挽きのライオン・ゴールドは、ブラックで飲むにはほどよい強さだ。また、邪道だという人もいるが、いわゆるフレーバーを加えたフレーバー・コーヒーもなかなかよい 。特に、バニラ・マカデミアのフレーバーを加えたコーヒーを、アロハ・シャツのライオンを見ながら飲んでいると、楽しくさえなってくる(いかめしいライオンの顔と アロハ・シャツのちぐはぐがよい)。
  
また、仕事に疲れたときなどには、コーヒー豆をそのまま2つ粒ほどかじる。口の 中に苦さが広がるが、元気になる.
       
(4)Espresso
 エスプレッソは、コーヒー豆を極細挽きにした粉を固めたところに高温の湯を高圧をかけて短時間(約20秒)通すことで、ドリップ式よりは濃密なコーヒーエキスを抽出する。現在は必要な圧力や温度を確保するエスプレッソ機械があるので、ある意味では簡単にエスプレッソを作ることができるが、旨いエスプレッソを作るのはやはり難しい。Baristaの腕の見せ所なのだ。エスプレッソはコーヒーの芸術なのだ。イタリアで生まれたというのが
よく分かる。
 昔は全部手動式のエスプレッソ機械に代わって、現在では手頃な電動式があるので、家でも簡単にエスプレッソができる。湯を注ぐと、最初に濃い茶色のコーヒー分が出てきて、次に少し薄い茶色の液体が続き、最後にもっと薄い茶色に変わる。どの段階で止めると、味やクレーマ(crema)の状態がどう変わるかは、自己流で実験しているが、なかなかこれぞというものができない。クレーマ(エスプレッソをカップに入れたときに、表面にできる細かい泡状の層。)も大体できるのだが、満足がいかない。イタリア人のbaristaにこつを聞ききたい。カプチーノ、マッキャート、カフェ・モカなども試しているが、まだHome Baristaというのはおこがましい。     .          
      
  espresso        cappucino      espresso machiato      caffe mocha     caffe latte
 ちなみに、エスプレッソ・ベースの各種コーヒーの違いを簡単明瞭に図示したLokesh Dhakar氏のサイトは、エスプレッソを理解する上で大変によい(http://www.lokeshdhakar.com/2007/08/20/an-illustrated-coffee-guide/ )。Thank you for letting me use your illustrations. 自分でespressoなどを入れる人には何でもないことだが、カプチーノとカフェ・ラテの違いが図からは少し分かりにくい。

(5)Coffee plant            
  育てているコーヒーの木に、よく見たら小さい実がなっているのを発見。これが将来コーヒー豆になるのか?      
  残念ながら、この木は水やり不足で枯れてしまった。コーヒーの木は、水不足に弱いと言われている。







(6)Bitter coffee, Bitter life. Doors are open doors are closed. Where can I find my way to you. I'll follow the path I saw in my dream.But you always disappear when I try to catch.
 
                             
                           End of Coffee Time 
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