●緊迫感があるデザインでいいんじゃないの?色使いも目立つだろうし。 ●むしろ、ここに立ってると車が突っ込んで来るぞ、といわんばかりじゃないですか。赤いギザギザはきっと血飛沫でしょう。靴の色が黒いのも、不吉さを暗示しています。 ●なるべく縁起悪い解釈をしようと心がけてるだろ。 ●で、その結果、こうなるわけですね。→(2) ●足が無いから幽霊専用と言いたいわけね。 ●「あの時立ち止まってさえいれば…」という後悔に満ちた事故死者の霊を慰めるためのものでしょう。 ●死んだ人に向かってあてつけてないか? ●なんで? ●右側が父親、左側が母親。真ん中に薄く片足だけ浮かんでるのが…。 ●へー、水子なのに靴履いてるんだ? ●それくらいは大目に見てあげてください。 ●いいかげんだな。 ●思うんですけど、路上足型って実はけっこうブキミなものなんじゃないでしょうか。 ●そうかな? ● たとえば民俗の世界では、足型は神や霊の依代(よりしろ)である場合が多いんですよ。日本中には「ダイダラボッチの足跡」とか「鬼の足跡石」とか多いでしょ。中には「ナントカ長者の足跡石」とか「柿本人麻呂の足跡石」なんてのもあります。 大概は岩に足の形のくぼみがついたシロモノなんですが、鬼や巨人はまだしも、なんで柿本人麻呂が固い岩に足跡をつけられるんでしょうか。 こうした足跡は、それが神の降り立つ場所として信仰されていた証拠なんです。仏教だって一番古い信仰の形は仏足石だったわけですから。 ●ミョーに雄弁になるな、そういう話になると。 ●さらにブキミなのが足型のある場所。なんたって「辻」ですからね。 ●そりゃまあストップマークは交差点に多いだろうけど。 ●交差点、つまり辻は人が集まるだけじゃなくて、霊が集まる場所でもあるんです。 たとえば『日本霊異記』には、辻に埋められていた悪人の霊魂が鬼に化して人を食ったという話がありますし、現代でも、四つ辻に小銭を投げ捨てて厄落としをするという習俗もあります。沖縄の辻には石敢當という魔除けがあることをご存知の方も多いでしょう。 辻は、昔から悪霊の吹き溜まり…あの世とこの世の境界だったんですよ。 ●このヒト、もう全開。 ●そして現代の辻は、交通事故現場という性格が加わりました。そんな恐ろしい場所の足型マークに忌まわしきモノが依り憑かぬと、一体誰が申せましょうや!? ●お前こそ何かに憑かれかけてるぞ。 ●魔の交差点に描かれた足型は、魔除けどころか「魔」そのものの依り代になることだってありえますよ。なにしろ、とても人間の足型とは思えない異様な物件があることは今まで見てきた通りですからね。(レポート10参照) ●読者のみなさんも、そんなウンチクを聞いたうえで第2研究室を覗くと一味違うかもね。 レポート24 >>
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