先生の発言にみる国会の米百俵(平成16年)
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平成16年10月27日衆議院文部科学委員会 ○伊藤信太郎委員(自民党) 思えば、小泉内閣ができた当初、平成十三年五月七日、小泉首相が所信の表明演説で非常にいいことをおっしゃったんですね。それは、米百俵の精神だということであります。これは、私の理解するところ、どんなに財政状態が厳しくても、社会の未来をつくるのはやはり人間であるし、特に若者、そういった若者の教育にお金なりいろいろなものを投資していくんだ、そのことが社会や政治の要諦である、そういう哲学なり価値観というものを示した非常に立派な所信表明演説ではないかなと思います。 当時まだ生きておりました私の父も、これを聞きまして、大変すばらしい総理だと申しておりましたし、その後、大学の教員の職にあった私が政界に入ったのも、やはり政治を通じて教育をよくしたいという信念からでございます。 ところが、今日、この所信表明演説が別の形で少しとらえられているのではないかなという危惧もあるわけでございます。そんなことから、文部科学を所管する中山文部科学大臣に、この米百俵の精神と小泉総理がおっしゃった意味というものをどのようにとらえているかをお伺いしたいと思います。 ○中山成彬国務大臣 まず、ただいま黙祷いたしましたけれども、ことしはたくさんの台風、そしてまた先般は新潟中越地震、たくさんの方が犠牲になられましたけれども、亡くなった方々に改めて御冥福をお祈り申し上げたいと思います。 ということで、今、米百俵の精神、どのように考えているかという御質問でございまして、御承知のように、米百俵の故事というのは、国が興るのも町が栄えるのもことごとく人にある、食えないからこそ学校を建て、人物を養成するのだという小林虎三郎氏の思想に基づくものでございます。 そしてまた、先般の所信表明におきましても、小泉総理は、「新しい時代の国づくりの基盤となるのは、人です。」こういうことで、教育の重要性について述べられたわけでございます。 義務教育費国庫負担制度というのは、義務教育の根幹であります機会均等、水準の維持向上、そして無償制を支える極めて重要な制度であると考えております。私といたしましても、小泉総理のこの米百俵の精神をしっかり受けとめまして、義務教育の充実に努めてまいりたい、このように考えております。 平成16年4月21日衆議院財務金融委員会 ○島聡委員(民主党) 総理が最初おっしゃった米百俵という精神というのは、あれ、ちょっと誤解がありますよ。あのとき、米百俵で、要するに教育に使って我慢するんだという話ですが、小林虎三郎というのは、河井継之助によって越後長岡の町が焼け野原になったんです。焼け野原になって、それを嘆いて、あのとき先の見えた人物がおりさえすれば町が焼かれはしなかった。 そして、人々もこんなに飢えに苦しむことはなかった。もう少し賢明だったらこんなにみんな飢えに苦しむこともなかったんだけれども、これから頑張ろうというのが米百俵の精神。 ○小泉内閣総理大臣 確かに、米百俵というあの話は教育を重視した話でありますが、結局、余り目先のことを考えずに将来のことを考えろというのが、あの米百俵の精神ですね。米百俵、今みんなひもじい思いをしている、飢えているんだから、これをみんなに配ってくれ、そうすると、二、三日なり四、五日、飢えをしのげるじゃないか。 そこに小林虎三郎が出てきて、いや、みんなに配るのもいいけれども、配って、腹に、食ったらそれだけじゃないかと。将来を見て、このような惨めな状態にならないためにも、人材育成が大事だ、教育だと。それでこの米百俵を、みんなくれくれと言うひもじい思いをした藩士を制して、 米百俵を全部売って、これを資金に学校を建てたという話であります。 だから、こういう話、その時々、時代によって状況は違いますが、大事なことは、余り目先のことにとらわれず将来の重要なものに投資をしていこうという、先を考えて大事なことをしようという精神をあらわしたものだと私は理解しております。 ○島聡委員 だんだんよくなったと言われますが、要するに、賢明なリーダーがいれば焼け野原になることなく改革は進む、そうじゃない場合は焼け野原になっている。そういう焼け野原になったところも今地方にはたくさんある、それをまず認識してもらいたい。それが私の主張であります。 ○小泉内閣総理大臣 矛盾を感ずるものではありません。 米百俵の時代、あれは、ひもじい思いをした人に一合もやらない、一升もやらないというところだと、今だったらとてもそんなことは許されないでしょうね。こんな飢えているのに何もやらないというのは何事か、冷たいと言って。 政治的に、考えはわかるけれどもおれたちの背景には票があるんだ、考えろと言われて、とてもあのような強引な、我慢させるような政策はできないと思うんです。 平成16年3月12日衆議院文部科学委員会 ○平野博文委員(民主党) 小泉内閣が誕生したときに、小泉総理の所信表明のところに、米百俵という言葉を最初に述べられて小泉内閣が誕生したわけであります。 その所信を、米百俵の重みをどのように考えるかということを実はきのうつらつら考えておったのですが、改めて、河村大臣、この米百俵の持つ意味、重み、新潟の今の長岡高校ですか、この学校をつくり上げてきた米百俵の重み、これは今の現在に焼き直したときにどういうふうに理解をしたらいいのか、この点、大臣にまずお聞きをしたいと思います。 ○河村建夫国務大臣 国づくりは人づくり、こう言われてきております。私は、米百俵の精神にはその原点があるというふうに思っておりまして、そういう意味で、総理がお使いになった米百俵のねらい、我慢をして、そして人づくりにした、こういうことでございます。 |
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