先生の発言にみる国会の米百俵(平成14年)
![]() |
もどる(平成18年) | . |
もどる(平成17年) | 平成14年 | |
もどる(平成16年) | 平成13年 | |
もどる(平成15年) | 小泉内閣以前の米百俵の故事 | |
平成14年12月2日衆議院予算委員会 ○横光克彦委員(民主党) 教育は国づくりの基本である、このことは総理も全く異論はなかろうと思うんですね。 その証拠に、総理就任当時、いわゆる米百俵という精神を引用されましたね。あれは、まさにそこに通じると思うんですよ。あの戊辰戦争で大変な辛酸をなめた長岡藩に、隣の三根山藩から米百俵の見舞いが届いた。 時の藩士はその米を分配せよと迫ったんですが、その長岡藩の時の家老小林虎三郎は、学校を建て子供を育英すれば、今は百俵だが、やがては一万俵、百万俵になるとして、この米百俵を換金して学校の資金に充当し、そして人材を育成したわけでございます。 これがいわゆる米百俵の精神なんですよ。これを総理は引用された。 そういった精神からすれば、やはり教育は未来の先行投資として最も重視すべき課題であろうということだと思いますし、この精神を引用された総理のお考えからすれば、やはり義務教育費の地方へのツケ回しはすべきでない、国が責任を持って負担すべきであるというお考えであろうと思いますが、総理、いかがでしょうか。 ○小泉内閣総理大臣 教育の重要性は、今御指摘のとおり、私も十分認識しているつもりであります。現在におきましても、日本においては、小中学校はもちろん、高校においても、たとえ親が失業しても、学費が払えなくても、教育を受けたいという子弟に対してはしっかりとした奨学金制度が確保されています。今や日本では、だれでも教育を受けられる、お金がなくても受けられる、将来、就職すれば返していいですよ、しかも十年、二十年かけてという制度は、むしろ外国から見習いたいと言われているぐらい、教育の制度については充実を期しています。 平成14年11月28日参議院総務委員会 ○輿石東君(民主党) 小泉内閣が発足して、小泉さんは最初の所信演説で長岡藩の藩主の言葉を引用して、米百俵という言葉を使いました。 この小林虎三郎は、精神的な、精神論を言ったんじゃなくて、どうも小泉さんは精神論、あしたの夢をかなえるために今は耐えてくれというような言葉で使ったようですけれども、小林虎三郎はそうじゃなくて、今は百俵の米を食べちまうよりこの金でもって学校を作って、人づくりが国づくりの基本だと。 片っ方では小泉総理も、教育は未来への先行です、教育大国ですと。やっていることと言っていることが全然違う。同じ、小林虎三郎って、大臣も虎之助といって、是非、教育を大事にする、 地方自治体の味方だという、そういう発想でこれから文部科学省や財務省に対応していただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。 平成14年11月22日衆議院内閣委員会 ○西村眞悟委員(民主党) そこで、一国の総理である小泉さんにどうしても覚えておいていただきたいことがございます。 それは、総理が長岡藩の故事を出した、その長岡藩の河井継之助の師匠である山田方谷という学者のことであります。 この方は、「理財論」というものを著しました。それは、藩、国家の財政が逼迫して、十年、二十年、為政者がそれに神経を集中しても、なぜ国家の財政はますます逼迫していくのかという問題に関して答えたことでありまして、それは、よく天下のことを制する者は、事の外に立って、事の内に屈せずだと。財政だ、金融だと、この問題ばかりにかかわっておれば、それに関連するその外の大いなる動きが見えなくなる。 したがって、事の内に屈してしまう。方谷は、事の外に立ってというものはどういうことであるか。 これは、人心がよこしまになり、風俗が薄くなり、官吏が汚れ、文教が廃れ、武備が、軍備が緩む、こういうことを放置して金融も財政もない。 義理をまず明らかにすれば、この義理を明らかにすればというのは、私の解釈では、国家の大道を示して国民の誇りと生きがいを明らかにすれば、 結局はついに経済も救われるんだということを「理財論」の中で言っております。 ○小泉内閣総理大臣 山田方谷の話は、私も書物で読んだことがございます。 今のお話で、要約しますと、大局的立場から物を考えろということだと思います。財政逼迫している、財政だけのことを考えるというよりも、もっと全体の経済のことを考えろ、あるいは、経済だけでなくて、よく人間のことを考えろ、志のことを考えろと。いわば、広く大きな立場で物事を見る必要があるというふうにも受け取れるんじゃないかなと思っております。 今の時点におきましても、山田方谷の考え方というのは、大いに参考すべき点、多々あると思っております。 平成14年5月20日参議院本会議 ○神本美恵子君 小泉総理は、構造改革の痛みに耐える例えとして、米百俵の精神を述べられました。しかし、この米百俵の逸話の本来の趣旨は、越後長岡藩が、戊辰戦争で窮乏しているにもかかわらず、送られた救援米を将来の人材育成のために学校建設に使ったというものであります。これは、正しく私どもの主張である教育は未来への先行投資にほかなりません。 ○国務大臣(遠山敦子君) 小泉総理は、就任直後の所信表明演説において、米百俵の精神を掲げられ、教育を重視する姿勢を明確に示されました。また、今国会の施政方針演説においても、小泉構造改革五つの目標として掲げた、社会に向けて、明るい未来を力強く切り開く担い手は人であるとして、教育改革の推進を国政の最重要課題の一つとして取り組まれております。 平成14年5月8日参議院本会議 ○辻泰弘君 米百俵を語る総理から教育についての信念を、文部科学大臣から少人数学級実現の方針をお伺いいたします。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 教育についてのお尋ねでありますが、私は、米百俵の精神は、これは今さえ良ければいいという考えじゃない、今よりも明日を良くしよう、多少今の痛みに我慢しても明日をもっと良くしようという精神が大事だということを説いたのと同時に、教育の重要性を示唆したものであります。 これからも明るい未来を切り開く担い手は人であります。教育改革の推進は国政の最重要課題の一つであります。このため、改革断行予算である平成十四年度予算においても、歳出の思い切った削減と同時に、人材育成、教育については重点分野の一つとして大胆な配分を行っております。さらに、育英奨学事業の充実や教科等に応じた少人数授業の推進など、今後とも教育の充実に努めてまいりたいと考えております。 平成14年3月27日参議院予算委員会 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本がここまで発展してきたのは、貧困から脱出してきたのは、経済協力だけじゃない、教育というものがあったんだ、良き人材がたくさんいたから今日まで日本は発展してきたんだと。特に、貧困国の国々の首脳は、何とか経済協力をと要請しますが、貧困の解消のための資金援助も必要だけれども、もっと大事なことは実際は教育なんだということで、米百俵の例を出しまして、日本は明治以来、無学の徒をなからしめるということで、すべての子弟が文盲にならぬようにできるような学制を整備してきたと。 教育を受けるということは、就業の機会も増える、個人の可能性も広がる。だから、貧困解消のためには、まず資金援助以上に大事なのが無学の徒をなからしめるというような各国の人づくりなんだと。これに是非とも意を注ぐべきだという話をしているんです。 平成14年2月8日参議院本会議 ○西岡武夫君 小泉総理は、初めての所信表明で、長岡藩の米百俵の故事を引用して教育の重要性を述べられました。ところが、歴代の内閣が不十分ながら重視してきた科学研究費などの予算以外は、どこにも米百俵の姿はありませんでした。 平成14年2月6日衆議院本会議 ○鳩山由紀夫君(民主党) 総理は、初めての所信表明演説で、米百俵の精神を説き、構造改革に取り組む姿勢を示しました。しかし、今国会では、昨年秋の臨時国会であれほど全く考えていないと強調していた第二次補正予算を、うまいへそくりがあったと無邪気に喜びながら、憶面もなく提出された。 今の痛みに耐えてあすをよくしようという米百俵の精神と、あすの借金返済のためにとっておかなければならないお金に安易に飛びついてしまう神経は、全く矛盾しているのじゃありませんか。米百俵の精神も、単に国民を惑わす話だったのでしょうか。 |
![]() |
もどる(平成18年) | . |
もどる(平成17年) | 平成14年 | |
もどる(平成16年) | 平成13年 | |
もどる(平成15年) | 小泉内閣以前の米百俵の故事 | |
平成18年にもどる |