先生の発言にみる国会の米百俵(平成15年)
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平成15年 | 小泉内閣以前の米百俵の故事 | |
平成15年10月2日参議院予算委員会 ○輿石東君(民主党) 総理が最初の内閣をスタートしたときに、小林虎三郎のを引用されて、米百俵、これは人づくりなくして国づくりなし、これを我慢せよと、そういうふうな引用の仕方をしたと思います。 やっぱり国づくりの基本は人づくり。 ○岩城光英君 大相撲の千秋楽をごらんになっての、総理の感動したというあの言葉が非常に大きな反響を呼んでおります。 総理は、米百俵の故事を以前例に挙げられました。 白虎隊で有名な会津の藩校日新館。ここには子供たちは十歳で正式に入学することになっておりましたけれども、その入学する前に、それぞれの地域で藩士の子供たちが十人ぐらい集まって、什という、什というんですが、組の、グループを作りました。そこで、地域で教育が行われていたんですね。 年長者を尊敬する、あるいは礼儀等を正しく覚える、そういった知識を身に付ける集まり、集いがあったわけです。 平成15年10月1日衆議院予算委員会 ○海江田万里委員(民主党) 総理はいつも所信表明のときには、最初は米百俵という名文句といいますか、歴史の故事をお引きになって、あしたのことを考えなきゃいけないということを非常に強調なさった。それから、二回目の所信表明では、たしかダーウィンの進化論について引用されまして、やはり変わらなければ生き延びていくことができないんだということをおっしゃいました。 ○小泉内閣総理大臣 何事も表があれば裏がある。コインの裏表ではありませんが、作用があれば反作用がある、プラスがあればマイナスがある。物事はやはり両面見ていかなきゃいけないと思っております。そういうことを言いますと、景気の情勢、厳しい中においても、明るい兆しも見えてきた指標も出ております。 司馬遼太郎氏の、人間のすばらしさは、自分のことを悲観的に思わないことだという言葉を引用したのも、私は司馬遼太郎氏の本をかなり読み込んでおりますので、あれほど、戦国時代とか幕末時代、日本の大きな時代の転換期にあって、歴史上の人物を数千人にわたって見てきた方、時代の困難な時期を見てきた歴史作家として、私もあの本、いろいろな本を読んで大変得るところが多かったわけであります。 平成15年9月30日参議院本会議 ○広野ただし君(民主党) 小泉総理は、悲観するな、痛みに耐え米百俵の精神で頑張ろう、構造改革なくして日本の発展はなしというCM的短いせりふを何回も何回も繰り返し、国民を叱咤激励していますが、明確な日本丸の針路が示されないまま、ただ対症療法的、断片的、かつその場しのぎの政策が羅列されても、国民はとても付いていけません。 小泉総理は、国民の人気取りをするのは非常にうまいと思います。国民的人気のあった田中真紀子元外相を登用したり、昨年の九・一七の北朝鮮への日帰り外交、そして今回の改造内閣に伴う人気取り人事等々。しかし、人気取りに神経をとらわれ過ぎ、全く中身が伴わない。中身が伴わないどころか、人気取りのため、政策の総合性や日本全体をどうするのかといった全体的視点からの政策が見受けられないのであります。 そこで、伺います。 小泉総理からは日本再生の具体的かつ全体的ビジョンは聞いたことがありませんが、司馬遼太郎さんの言われる「坂の上の雲」に示されるような将来の国の形をどうするのか、是非とも分かりやすく明確に国民の皆さんに向けてお話しいただきたいと思います。 平成15年7月11日参議院予算委員会 ○市川一朗君(自民党) 総理が御就任の際の施政方針演説、米百俵に触れまして、あのときは実は私すごく感動したんです。その直前まで文教科学常任委員長をしておりましたのですごく感動したんですが、今改めて議事録を読み直してみますと、あれはあくまでも、構造改革をすると痛みが出てくると、その痛みにしばらく耐えてくれと、その例として米百俵の話を出されたにすぎないんですね。 いや、私はあのときは、やっぱり小泉総理独特の名調子に酔いしれまして、もう拍手喝采したんですよ。これは、小泉内閣は教育問題にいよいよ本腰でやられるなと。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 米百俵の精神というのは、日本人のみならず、私は外国の会議でも外国首脳によく言うんです。日本のこれまで発展してきたのは教育を重視してきたからなんだと。日本は資源が何にもない、そういう中でなぜ発展してきたのか、貧困を解消してきたのかと。貧困解消も確かに発展途上国にとっては重要課題であります。しかし同時に、もっと重要なのは教育なんだということを、私、あの米百俵の本を持ってみんな外国の首脳に配っているんですよ。 発展途上国の大統領、首相は、読んでこれは感動した、是非日本の教育重視を学びたいと。現にそういう国もあるぐらいあの米百俵の精神はこれからも大事だと思います。 あの米百俵というのは、戦前、山本有三が戯曲した話であります。明治の小林虎三郎の実話を基にして戯曲したあの山本有三氏の戯曲をドナルド・キーン氏が英訳しているんですよ、英訳。それを長岡市は学校教育に使っているんです。 その長岡市の市長が、小泉さん、施政方針演説でいいことを言ってくれたと。米百俵の話、実は長岡市で既に日本語と英訳、これを両方持ってきてくれたから、ああ、これはいいなと思って、私は、外国の発展途上国の貧困問題が出ると必ずこれ読んでくれと。 貧困を解消するためにも教育重視、すべての人たちに教育の機会を与えるようにすることが貧困解消にも発展にもつながるんだということをもう何回も言って、最近はホンジュラスという国でも、この本を読んで感動した文化担当大臣が、日本の米百俵の舞台を国で公演したいということで、それも今支援体制して、多くのホンジュラスの国民に感動を与えて、教育の重要性を再認識しなきゃならないということで広がっているということは非常にいいことだと思います。 平成15年7月9日参議院外交防衛委員会 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ホンジュラスでは米百俵の話が非常にいいと思い掛けない話を聞きました。宇宙飛行士の向井さんからお話がありまして、日本の米百俵の話、これに感動したホンジュラスの文化大臣が、是非ともホンジュラスでこれを公演したいと。そこで日本の実際に演劇をされている方も指導され、現地人の方がその米百俵の演劇の役者になって各地であの米百俵をホンジュラスでやっているそうです。 これはやはり、私が発展途上国へ行きますと、貧困の解決も大事だと、しかし貧困解決よりももっと大事なことは教育なんだと。日本の明治以来、江戸時代からの米百俵の話をすることがあるんです。そして、あれはドナルド・キーンが英訳していますから、この英訳の本を渡す。そういうことによって、やはり自らの足で自らの国を作ろうと。 人から援助してもらって貧困を解消するのではなくて、自分たちの努力によって貧困を解消しなきゃならないということで、非常に関心を持ってくれるんです。 その一つの表れが、ホンジュラスで、各地でそういう米百俵の演劇を見て、国民の自らの力で自らの国を立ち上げなきゃならないと。文盲をなくさなきゃならないと。 やはり教育というものは、職を手に付ける上においても、字を読むことができるためにも大事だということで、貧困解消と同時に大きな啓発活動ということで活用していただいていることはすばらしいことだなと。 平成15年3月14日衆議院文部科学委員会 ○山元勉委員(民主党) 総理は、総理になったときに演説で、米百俵という有名な話があります。何をおいても、米を食べなくても、子供たちの教育のために学校を建てるんだ、こう言って、米百俵を我慢したと。それは、現場にいらっしゃる皆さんも私たち議会にいる者も声を大きくせぬといかぬだろうと思うんです。 当面、きれいな町をつくるとか便利なというのも大事ですけれども、子供たちの教育のことについてはやはり米百俵の精神だ。この間、この委員会で、あれは米百俵と違う、うそ八百や、こういう話が出たくらいにないがしろにされている状況もあるわけです。 平成15年3月10日参議院決算委員会 ○佐藤泰介君 総理は、最初の所信表明の中で米百俵の話をされました。その後、教育関係者から多くの教育論よりもこの話に感動したと評価を受けたと、総理はこのように話をされたはずですね。それも御記憶があると思います。 今現在、この米百俵の精神は総理の教育行政の基本理念と今も考えてよろしいでしょうか。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この米百俵の精神は教育理念だけではないと私は思っております。 あの幕末の貧困にあえいでいた時期に、目先の米百俵を食いぶちのために、飢えをしのぐためにみんなで分けるということよりも、もっと将来を見て、人材育成のために今は我慢しようじゃないかと。この米百俵を分けたら数日か一週間でなくなってしまう。 それよりも、将来、立派に国の再建を期す人材を育成するために使う方法がないかといって、当時の長岡藩の家老的存在でありました小林虎三郎が多くの藩士の反対を振り切ってこの米百俵を売ってしまって、 その資金を元に学校建設費用に充てたという話でありますので、私は、この米百俵の精神は教育だけじゃない。 目先のことにとらわれないで、将来より良くしようとする資金に使おうではないかということを教えた逸話だと思っておりますし、 外国の首脳と会って、発展途上国の方々が貧困にあえいでいると、何とか資金援助してくれないかという、そういう話に対しまして私はこの米百俵の話をしますと、大変いい話を聞いたと。 貧困解消、お金も大事だけれども、もっと大事なことはその国づくりのために働いてもらう人材を育成することだということを言いますと、熱心に耳を傾けてくれます。 また、日本が資源がほとんどないのに今日まで発展できたのも、教育に対して国民が理解を示し、すべての子弟が教育を受けられると。発展途上国に行きますと、子供は勉強しなくていい、働く方が大事だと言って、学校に行かせない国もある。そういうことではないと。 目先のことでなくて、将来を担う人材をつくるためにも是非とも教育を重視していただきたいという話をしているわけでございますので、私はこの精神というのは、単に教育だけじゃない、国づくりの面においてもいろんな人間の生き方においても、目先だけにとらわれないで、将来のことを考えながら対処をしていかなきゃならない、そういう貴重な話だと受け止めております。 平成15年2月4日参議院本会議 ○角田義一君 総理は、就任時の所信表明演説において、長岡藩士小林虎三郎の米百俵の精神を引用されましたが、その後打ち出された政策や予算を見ても、その精神が見えてきません。長岡藩は、届けられた救援のための米百俵を、当座の窮乏を防ぐために用いるのではなく、将来を担う人づくりのための学校設立資金として用いました。 今、総理は国民に耐えることのみを訴えていますけれども、今の痛みに耐えて明日を良くしようという本来の米百俵の精神に立ち返る必要があります。 教育は未来への先行投資であり、人づくりなくして国づくりなし、また国家百年の計は教育にありという言葉を引用するまでもなくて、教育は国の基であります。総理自らも、資源のない我が国の発展は教育を重視してきた結果にほかならないと強調しておられます。 |
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