この街を何と呼ぶか

東京都多摩市にある聖蹟桜ヶ丘駅の周辺のこの街をなんと呼ぶか、という話です。
これは歴史認識と住民感情が複雑にからみあった問題です・・・ ってほどでもないですけど、人によって意見がわかれるところですね。
駅名そのままの「聖蹟桜ヶ丘」と呼べば、誤解がなくていいですが、ちょっと長くて一息にいいづらい。そこで市外の人や、新住民として移転してきた人たちは、短く略して前半の「せいせき」と呼ぶことが多いようです。
一方、古くからの住民は後半の「さくらがおか」という人が多いですね。「聖蹟」とは連光寺の山の上という歴史認識のためでしょうか。多摩市「桜ヶ丘」の住民だけでなく、「関戸」の人も「一ノ宮」の人も、なんとなく自分は「さくらがおか」に住んでいるのだという住民感情があります。
そんな状況で、以前は「さくらがおか」が多数派で、一部新住民や市外の人が「せいせき」と呼ぶという構図だったらしいのですが、ある時期から急激に「せいせき」が増殖をはじめました。1980年代後半に、それまでの殺風景な聖蹟桜ヶ丘に、巨大ショッピングセンターがオープンしたのです。
正式名称は「京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター」。これではいかにも長いと思ったのか「せいせきSC」という略語が同時に命名されました。ひらがなの「せいせき」のロゴは広く普及し、セールのたびに住民たちの脳裏に刻み込まれていきました。
「桜ヶ丘」という名前には「どこにでもありがち」という大きなマイナスポイントがあります。
もし首都圏の人に「桜ヶ丘といえばどこか?」とアンケートをとったら、たぶん渋谷の桜ヶ丘が一位でしょうね。神奈川県なら横浜の桜ヶ丘か小田急線の桜ヶ丘。全国あちこちに「桜ヶ丘」という地名があります。やはり聖蹟桜ヶ丘は「せいせき」という名前の方が、広域ではインパクトがありそうです。
かもきちとしては、心情的には「さくらがおか」なところがあるのですが、地元住民に読んでほしいという気持ちと同時に、広く全国の皆様に、聖蹟桜ヶ丘のことを少しでも知っていただきたいという気持ちも強く、熟慮の末、「せいせき」をWEBサイトとブログの名前につけたのです。
(2005年7月)