小さな恋のメロディ 高校生の愛>恋>好きの物語9

そうか、テロ特措法ができて、自衛隊がアメリカの支援を始めた頃だ。
たしか、中学1年から2年にかけての事だ。
そうだったのか。自分の気がつかないところで、そんな事があったのか。
これからも自分の知らないところで、いろんな事が進んで行くのかもしれないな。
「これ、後で読んでみて。」別れ際に渡されたのは『中原 中也』の詩集だった。
雅夫に詩集の趣味はなかったが、この時点での彼女の心境を考えれば、「僕に詩集の趣味はない。」とは言えない。
みほが帰ってから、しおりのはさんであった所を開けてみた。
『汚れちまった悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れちまった悲しみに
なすところなく日は暮れる・・』・
この詩の意味する事は雅夫には分からなかった。でも、高校2年の女の子にふさわしいとは思えなかった。
表面的には明るく振る舞っていても、まだ、2ヶ月足らずだから。少しでも、みほの支えになってやりたいと思った。
歌も映画もリバイバル(revival)が流行っていた。たいがい、30年前のものだ。
そのひとつに「小さな恋のメロディ」という映画があった。
映画はまだ見ていなかったが、その主題歌は知っていた。
曲名は「FIRST OF MAY」 by ビージーズ。
つづく。中略へ。

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