2003年東北 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
6.仙台〜山形〜会津 | ||
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9月13日(土) 天気:雨のち晴れのち雨 | ![]() |
翌日の朝も起きるとまだ雨が降っていた。どーやら今日も天気が悪いらしい。 雨だとどうしても寄り道とかしにくいし、走るのも楽しくない。 「どうせ明日か明後日には帰らなきゃならないんだし、天気も良くないんならもうこのまま帰ろうか?」 予報を見ながら、ここでふと昨日の事を思い出した。 「昨日は日本海側は天気良くて、山を越えた太平洋側に出たとたん雨だった。 って事はまた日本海側に戻ってみたら晴れてるかも・・?」 そんなに単純だとも思えないけれど、天気予報では確かに山形は曇りになっている。 「よーし、行ってみるか!」祈るような気持で雨の中、国道286号線を山形方面へ。 峠の手前から山形自動車道に乗ると、長い笹谷トンネルに入る。 このトンネルの中でちょうど宮城と山形の県境だ。と、同時に奥羽山脈越え。 トンネルを抜けるとそこは・・・「おお〜、やったね!」 曇りどころか青空も見えるほどいい天気。予想的中だ。 PAで早速カッパを脱ぐ。今度は逆に暑いぐらい。 |
![]() 「閑かさや 岩にしみいる 蝉の声」 |
山形へ来たのは久し振りで、初めてバイクでロングツーリングをした時以来だから
もう7、8年前かな?
あの時は山形牛を食べる為に一人で焼肉屋に入って、食べ終わって出てきたらバイクに積んでた
東北マップルが盗まれてたって嫌な思い出がある(笑)。 で、その時通り過ぎてしまい「今度来たら行ってみよう」と思っていた場所が「山寺(立石寺)」。 実は最近まで「山寺の和尚さん」って童謡はここがモデルなのかな?と思っていたけど それは勘違いだった(^^;) ここではやはり俳人「松尾芭蕉」だろうね。俺もそれが目的。 「奥の細道」の中で読まれた俳句の中でも有名な 「閑かさや 岩にしみいる 蝉の声」が読まれた場所がここ「立石寺」なのだ。 バイクを降りると結構暑い。朝の雨と寒さはなんだったのかってぐらいだ。 行った人なら知ってると思うけど、ここの「奥の院」はかなりの高所(1000段以上の石段!)にあって、 ちょっとした登山気分が味わえるという嬉しい(?)ところ。 途中でバテた時の為にジュースを買ったお土産物屋さんの ご好意でバイクと上着を預かってもらうことにした。 本堂の「根本中堂」にお参りを済ませてから「奥の院」を目指すべく大きな山門をくぐって進む。 上から降りて来た人たちとすれ違うとかなりヘトヘトだ。「むむっ、大丈夫かな?」。 看板には「奥の院まで往復で約40分〜1時間半かかります」と書いてある。 目の前に立ちはだかる石段を前に「さぁ、行くぞ!」と自分にちょっと気合を入れ登り出した。 参拝口というか登山口からはいきなり急な登りが延々と続く。 「こりゃーキツイわ」直ぐに汗が出始めて息切れ小休憩。我ながら体力ねぇなぁ。 それでもぜいぜい登って行くと、「せみ塚」という名の付いた塚があった。 話によれば芭蕉の俳句の短冊が埋められているのだそうだ。 丁度木陰になっているので、芭蕉の気分になって休む。 残念ながら蝉の声は聞こえないけれど、ここまで登って来ると確かにひっそりとして 下界の喧騒さとは離れた感じだ。 あの「閑かさや・・」の世界に浸ることしばし。しかし先はまだ長い! それにしてもこの絶壁とも言える切り立った岩の凄いこと。 よくこんな場所にお寺を建てたなぁ。昔の人は偉いね。 ようやく山門が見えたので「おおっ、やっと着いたか」と思ったらまだまだ先でがっくり。 さらに登ってようやく「奥の院」到着。約30分くらいは登ったな。もう二度と来ん(笑)。 ここには幾つかのお堂があるのだが、なんと言っても「五大堂」からの眺めが凄い。 この「五大堂」、木造なのだが断崖絶壁の岩にへばり付くように建っていて、 「よく崩れないな」と思う。ここから下を見るとかなり上に登ったのが良く判る。 風が涼しくて気持いい。大変だったけどやっぱ来て良かった。 |
![]() 「ようやく到着した奥の院。今も修行僧は多いらしい」 |
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![]() 「「五大堂」からの見晴らしが良い。登ってよかった。」 |
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![]() 「下から眺める「五大堂」。あそこまで登ったのかぁ〜 切り立った山の斜面に建っているのが分かる。」 |
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降りて来た頃にはもうお昼だったので「お腹すいたなぁ〜、せっかく山形に来たんだし牛食うか」
と、以前山形牛は食べたので今回は米沢牛にすべく、40キロ先の米沢へ。 米沢駅前にステーキ屋さんがあったので入ってメニューを見ると・・ 「うぉ!高けぇ」。ステーキが最低でも5千円以上するぞ・・・。 俺は基本的に「旅先での美味いものにはケチらない」主義で、食っとけば良かったかな? と後悔するくらいなら食っとけ、って考える方なのだが、それにしてもちょっと高い店に入ってしまったようだ。 「う〜む、仕方ない」と注文したのは「ビーフシチュー」。それでも3千円(汗)。 米沢は初めての場所だったので注文して待っている間に、 ガイドブックを見ていて、歴史好きの俺は「おっ、ここへ行ってみるか」ってとこがあった。 米沢は江戸時代上杉家が代々納めてきたが、その代々のお墓が揃っていると言う「上杉家廟所」。 駅前から10分ほどで到着。観光地化して人が多いのかと思ったら、意外にひっそりしていた。 取る気のあるんだか無いんだか判らない受付で200円払って中へ入って行くと・・。 真中の奥まった所にあの「上杉謙信」の廟所があって、それを中心に横一列に上杉家12代の廟が並んでいた。 「ん?上杉家が米沢に移ったのは関が原以降だよなぁ、 謙信ってまだ越後にいた頃死んだはずじゃなかったっけ?なんでここにあるの?」と疑問に思ったら ちゃんと説明があって、越後で葬られたあと上杉家が会津、米沢と移された時に一緒に遺骸を納めた棺 も持ってきたんだそうな。う〜む、そうすると死んだ後も何回も掘り起こされて引越ししたわけか。 大変だったと同時にそれだけ偉大だったって事だねぇ。 後は「なせば成る、なさねば成らぬ、何事も」と言う名言を残し、 J.F.ケネディが「尊敬する政治家」として挙げたという名君「上杉鷹山」の廟もあった。 |
![]() 「ビーフシチューだ。美味いけど高い」 |
![]() 「上杉家勢ぞろいの廟。謙信だけは別格扱いになってた。 時代によって建築方式も違ってて面白い」 |
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![]() 「白布峠を越えて。西吾妻スカイバレーはツーリングも楽しい」 |
米沢を南下して、白布峠を越えて福島県に入る。 以前は有料道路だっただけにこの「西吾妻スカイバレー」は道も良いし走っていて気持いい。 そのまま「磐梯山ゴールドライン」へ突入。 磐梯山を左手に見ながら山間コーナーを抜けると、目の前に猪苗代湖が開けて見えてきた。 |
「よし、今日こそは・・」 実はキャンプ道具を持ってきたにも関わらず今回まだ一度もキャンプしていない(笑) 天気が良くなかったり、泊まりたい宿があったりと理由はあるのだが、 キャンプ用具だけで結構な荷物だってのに、一度も使わないと何の為に持ってきたのか・・。 猪苗代湖畔に幾つかキャンプ場があるみたいなので物色してみると、 オートキャンプ場ばかりでど〜も入りずらい。 「もっと普通のキャンプ場はないのかな〜」とウロウロしながらフッと空を見上げると・・・ 真っ黒な雲がどんどん広がり出していた。「うわっ、マズイ!」思ったとたん 雨が落ちてきた。急いでガソリンスタンドに逃げ込むと、間髪入れずにドシャ降りだ。 あぶなくずぶ濡れになるところだったぞ。 15分程雨宿りしてようやく小降りに。 「これじゃ、キャンプ場も水浸しだなぁ・・」と思い、結局ユースに宿をとってしまった。 宿に着くとちょうどハーレーの怖そうなおにいさんが荷物を降ろしていたので、 「一緒の部屋だと気まずいかなぁ」と思ったけど、風呂から上がってきた俺に ビールやらヤキトリやらを進めてくれ、旅の話を色々した。 話してみると気さくな人で「人は見かけによらないもんだ」とつくづく。 |
![]() 「はい、お決まりですね・・磐梯山だけにバンダーイ・・(^^;」 |
![]() 「スタンドに緊急ピットイン。さっきまでの青空はどこへ行ったんだ?」 |
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