−4月−

−教務1−
てっきり今年も生徒指導かと思っていたら,教務の仕事をすることになりました。担任はまた持てませんでしたが,算数の少人数学級を週に18時間持つことになり,まだこちらの方が性に合っているかなーと思っています。早速様々な教務の仕事がやってきました。年間行事予定表には通し番号を打ち,どれが一番最新か判断できるようにしています。現在bUまでいっています。

−教務2−
学校から出される通信は今やほとんどがパソコンで作成されています。私は手書きにこだわっていますが,実態がそうならばと,最近提案したのは,もうどこでもやられているのでしょうが,学年通信の実物だけでなく,そのデータを整理して次の同じ学年担当者に渡すということです。実際には待っていてはなかなか渡してもらえないだろうから,「前年度の担任にもらいに行って下さい。」と伝えました。そして今年は最初からデータを入れるフォルダを作り,そこに保存していってもらうことにしました。

−教務3−
「今年の教育研究構想できとる?」と先日校長先生に言われた時,全くそういうものの意識がありませんでした。というより,春休み中も生徒指導関係や来年度の19クラスの時間割調整等毎日夜になるまで事務処理をしてきていても,まだそこまで手が回らないほどの忙しさがありました。「研究構想」など白紙の状態です。そういえば,教務はそんなものをつくっていたよなあと思い出し,その日家に帰って研究構想を作成し,次の日職員会で提案しました。研究教科は算数です。ひととおり説明した後,研究でめざす実際の授業のイメージを模擬授業で示しました。

−教務4−
今年の研究教科は算数で,そのテーマを「筋道を立てて考え,意欲的に学ぶ授業の創造」としました。3年計画で,まず1年目に「分かる」「できる」「楽しい」授業として学校独自に提案できるスタイルを確立し,2年目に「思考力育成」のための具体的な手立てに取り組み,3年目に総合的に「生きる力」を育てる算数授業のあり方について提案できたらいいなあと考えました。そこで,先日はまず今年の実践課題をいくつか示し,それぞれについて実際の授業場面を想定して,そのイメージを説明していきました。

−教務5−
具体的な実践課題は,8つほど提案しました。その中から各教師が自分の特性に合わせて重点的に研究する課題を設定していけばいいと思いました。1時間の授業の流れの中でそれぞれの課題を説明した後,隣の棟の2階から持っておりてきた移動黒板を使って模擬授業を行いました。

−教務6−
まず「導入」については,授業が始まってすぐに本時のめあてを提示するようなことのないよう,そのめあてが必要になる小さな話題(課題)から入る例をいくつか示しました。まず小さな課題の解決,又は疑問が生じてから本課題に取り組んでいくというイメージです。この方が子どもが学習意欲を持つはずと考えています。いわゆる「つかみ」です。物語のプロローグにあたる部分を授業に取り入れましょうと話しました。

−教務7−
次に問題文の読み取りです。まず問題を黒板に書き,子どもにそれを視写させます。これも実際に先生方にやってもらいました。その時例示した問題文は次のようなものです。

 あかねさんの学校の今年の児童数は850人です。5年前は,今年の120%にあたる児童がいました。
 5年前の児童数は何人ですか。

−教務8−
今年提起した教育研究の具体的実践課題の1つに「一人ひとりが確実に情景把握,問題把握を行える手立ての工夫」というのがあります。例えばここで例示した問題文については,児童にまず視写をさせ,次にこの問題文の説明をさせます。その時,この文章をそのまま読んで説明したつもりになっていては,ただの記号を読んでいるだけになり,全くその文の表す情景把握はできていないことになります。

−教務9−
そこで,問題文を何回か読んだ後,その説明を自分の言葉で説明することにします。具体的には,必ず書いてある文章とは違う言い方で,「1年生に問題の意味を教えるつもり」になって説明します。模擬授業では全員立ってもらい,私が説明の例を示した後,各自で自分なりの説明ができた先生から座ってもらいました。

−教務10−
実際の授業では,この後隣同士で説明をさせます。何といっても実践課題は「一人ひとり」が「確実に」情景把握,問題把握を行える「手立ての工夫」の研究ですから,ここをしつこくやります。そこで更にここでみんなの前で説明してみようと思う子に発表させます。模擬授業では,若手の先生を指名して説明をしてもらいました。すると・・・。

−教務11−

 あかねさんの学校の今年の児童数は850人です。5年前は,今年の120%にあたる児童がいました。
 5年前の児童数は何人ですか。

その先生は黒板の問題を上手に言葉を入れ替えて,「・・・学校の児童の数は今年は850人です。5年前の児童は今年より多くて,120%の児童がいたそうです。・・・」などと分かりやすく説明して下さいました。こういう説明の仕方をすることで問題の意味が本当に分かっていくのだと子どもに知らせていくことと,こういう説明を1学期のうちはどんどん教師自身が繰り返しやってみせて教えていきましょうと話しました。そして,「今全員立って各自説明をされたのですが,こんな説明をされた先生はいませんか?」と1つ聞いたことがあります。

−教務12−
私が指名した先生は「違う言い方で」という注文を忠実に守って完璧な説明をしてくださいました。私はその説明を賞賛した後,「5年前の児童の数は今年の1.2倍だった」という説明をされた方はおられませんか?と聞きました。「分かりやすく」というのは,こういうことなんだということを子どもたちに教え,できた子をどんどんほめてこういう説明ができるようにしていきましょうと話しました。

−教務13−
また,文章問題の説明のパターンとして提案したのは,まず問題を大まかに捉えるために,
「これは何々についての問題です。」
と言った後,文章とは違う言い方で説明し,最後に
「きいていることは,何々を求めなさいということです。」
という流れを習慣化させていってはどうかということでした。

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