俺が体育館に入っていくと、中はかなり騒然としていた。
まだ後夜祭の最中らしく、抽選は続いていて、一等あたれ、と叫んだり祈ったりする姿が見える。
壇上に注目が集まっているので俺が後方の扉から松葉杖で入っても誰も気付かないのがありがたい。
「よう」
「・・・由希」
のんびりと体育館の壁にもたれて後ろで傍観している由希が、俺を見て、ニヤリと笑う。
「由希、お前は抽選の参加は?」
「俺はこういう所で自分の運を使わないことにしてるから」
「あっそ」
変な拘こだわりのあるヤツだ。
「階段から落ちて怪我したこと伝えたよ」
笑いを含んだ顔が、すべて解ってます、といっているようでムカつく。
まぁ伊集院が黙っていたって、あんな顔をしてたらすぐ予測がつくだろう。
(っつうか、俺が階段から落ちて怪我するわけないし)
「陵KENはアリー先生、陵KYOは宇田山が優勝した」
「そうか」
ま、予想通りだな。
「で、陵ONEは」
『 え、じゃあ俺が参戦しようかなー 』
「と、竜也の不戦敗を聞いた宇田山が、真琴ちゃん争奪戦に参加」
「は?」
『 なにー?! それなら私もだ!!! 』
「当然、アリー先生も乱入」
「はぁ?!」
「そして、三つ巴の乱闘が始まった」
「そこへ・・・」
『 私も参加します 』
「 リボンの騎士 登場 」
はぁ?
「 や、真っ赤なリボンつけた真琴ちゃんなんだけど。 」
「 というワケで 陵ONE優勝は
リボンの騎士だ 」
はあーー?!!
|