HAPPY、 HAPPY、 LOVELY !夏祭り編
よく漫画であるよな?
ビックリして飲み物を『ぶーー!』って噴き出すやつ。
あれ。
ありゃー大袈裟だと思うよな?
うんうん。俺もそう思ってた。
現実主義者だからね。
「 竜くん、エロ本 貸して下さい」
ブッーっ !!
いやはや。
よく飛ぶもんだネ。
「…伊集院。 俺はいい加減 慣れたつもりだったよ」
問題集を拭きながら言う。
(うう、きたねえ。そろそろ終わるってことが救いか?)
俺も そろそろ驚かされることはないだろうとタカを括っていたね。
甘かったよ。
まさかこんなのまで実体験しちゃうとは。
「……ヲイ」
げらげらげら。げーらげらげら。
「コラそこ。シズカ」
げらげらげれげろげら。
笑いすぎ。
「で?なんでそういう発想?」
伊集院を睨み付ける。
「竜くん、私たち、そろそろ もう一段階 進んでもいい頃ですよね!」
俺の不機嫌などお構いなし、伊集院の頭はまた夢の中だ。
「好みを知っていた方がしやすいし…勉強しようと思うの!」
一段階っていうか、三段飛ばし位じゃないでしょうか。
「真琴、俺は おすすめしないね」
シズカが顔を真面目に戻して、忠告する。(目は笑ってるけどな)
「なぜ?」
「だって竜、巨乳好きだもん」
がーーん!
と、効果音つきで伊集院がショックを受けている。
「し、知らなかった…」
がくり、と伊集院は崩れる。
「お前じゃ全然だめじゃん?」
「う……竜くん、本当なんですか?!」
な、涙目で睨むなよ…
「本当っていうか…」
「ないより、あった方がいいよな、竜?」
「まあ、それはそうだな」
さわり心地はいい方が良い。
「………竜くんの…」
「 竜くんのスケベー! 」
どっかーん!
イス投げんなーー!
俺は一言も好きだとは言ってないぞ!!
「あはは!」
「お前 妹をからかって遊ぶなよ」
俺が被害を受けるんだ。
「なんちゅーことを大音響で叫んでいくんだろーね。やーい、スケベ 」
「ツッコミそれかよ!」
びしっとシズカに突っ込む。
「いやあ、あんなアッサリ信じるとは。今ごろバストアップ通販とか申し込んでるかもしれない」
「ひとごとだと思って…」
外見なんてどうでもいいっつーのに。
「竜くん、竜くん」
「ん?」
伊集院が照れ笑いを張り付かせて寄ってきた。
立ち直りの早いヤツ。
「明日お祭り行くの?」
「ああ…学校帰りに男連中で寄る予定だけど」
「え…」
「なに〜? 明日 祭りがあるんだ?」
シズカが訊いた。
「陵湘の近くでな」
そっか、屋敷から近くないから知らなかったんだな。
「地元のちっこいのだけど、花火も上がる」
「へえ〜」
「お前も行く?」
「竜、そーゆーのは女の子と行くに決まってんだろ♪」
「タラシめ」
「………竜くん………」
「あ?」
「なんで私じゃなくて兄さまを誘うんですかー!!」
さっ!
ばっちーーん!
「な、なんで俺が……」 ← シズカ
ばたっ。
うむ。成仏しろよ。
俺の身代わりで ( ← 前に押し出した )
傷を受けたシズカに合掌。
ちーん!
「伊集院、最近 凶暴化してないか?」
「…竜の影響だろ…」
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