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腰痛(椎間板ヘルニア、ぎっくり腰、脊柱管狭窄症)
 
 これまで腰痛の治療は、牽引、温めなどの理学療法、鎮痛剤などの薬物療法、そしてひどい場合は手術療法が一般的でした。ペインクリニックでは「神経ブロック」を行いますが、これはちょうど理学療法と薬物療法と、手術療法の間に位置する治療法です。手術をして痛みの原因を取り除くことができればよいのですが、手術をするほど出ない場合には神経ブロック療法をお勧めします。

 
@ぎっくり腰:重いものを持った時に起こりやすいのですが、筋肉が炎症を起こしているので、安静にし患部を冷やします。少し炎症が治まった時、神経ブロックをおこなって、血液循環をよくして炎症を取り除くと痛みも早くおさまります。

 
A椎間板ヘルニア:背骨は、椎骨が椎間板というクッションを挟んで積み重なっています。その椎間板がつぶれたり、ひび割れたりすると、中のゼラチン状の物が押し出されます。それが神経を圧迫して炎症を起こし、激しい痛みを引き起こしています。もし、押し出された部分を切除できれば神経も圧迫されないので根本的な治療ができるのですが、それができない患者様がたくさんいらっしゃいます。保存療法として神経ブロック(硬膜外ブロック)を行い、血流を良くし患部の周囲の炎症を抑え、痛みの原因となる物質が洗い流され治癒力を高めていきます。それにより痛みが緩和されます。この治療法の有効率は65-70%と言われます。週一、二回の通院で日常生活に支障のない程度を目標に行います。

 B脊柱管狭窄症 背骨の中の脊髄が通っている脊柱管が年齢によって狭くなって神経を圧迫する病気です。腰と同時に脚の後ろ側や足の裏も痛くなります。腰だけでなく歩行時の足の痛みもあります。脊柱管狭窄症の特徴は歩いている途中で突然歩けなくなりますが、かがみこんで少し休むとまた歩けるようになることです。これは背骨が前に曲がって後ろからの圧迫がゆるみ、止まっていた血が再び流れ出すからです。当院での治療は硬膜外ブロックを行います。また、痺れが強い場合はテグレトールを内服します。


変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
年齢をかさねていくと膝の軟骨が擦り減り、立ち上がるとき、歩行時、階段の昇降、正座などがつらくなります。治療はヒアルロン酸を膝の関節内に注入します。ヒアルロン酸は潤滑作用、クッション作用、炎症を抑えるなどの作用があります。
膝に関節液が貯留することがありますがこれは膝に炎症を起こしているためです。よく関節液を抜くと癖になると言われていますが、炎症が治まらなければ再び貯留してしまいます。関節液が貯留したままヒアルロン酸を注入すると液が薄まってしまうため効果が落ちてしまいます。そのため必要ならそれを抜きます。また、膝の筋力を鍛えるためのリハビリも大切です。
当院では細い注射針を使用しますので思ったほど痛くありません。注意は注射を行った当日は入浴、シャワーは控えてください。