ヒマラヤのウエサク渓谷の場所と鞍馬寺のウエサク祭
ウエサク渓谷と鞍馬寺のウエサク祭の関係について。
鞍馬山に住むとされる鞍馬天狗とキルギスのテングリ山について。
ヒマラヤのウエサク渓谷の場所
ヒマラヤ近くのウエサク渓谷の場所は、下図のようにヒマラヤの北西、キルギスの南東1000kmにあります。ウエサク渓谷の南にはカイラス山があり、その南には中国の国道G219が通っています。
ウエサク渓谷
ウエサク祭の始まりは、ヒマラヤのウエサク渓谷と言われています。
ウエサク渓谷とカイラス山
ウエサク渓谷はKailashカイラス山(標高6656m)の麓にあります。カイラス山はインド周辺での最高の聖地です。下のカイラス山の写真(Wikipediaの「カイラス山」より)を見ればその意味がわかります。
カイラス山は、チベット仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教、ボン教で聖地とされています。 カイラス山の周囲の巡礼路(一周約52km)を、チベット仏教徒とヒンドゥー教徒は時計回りに、ジャイナ教徒とボン教徒は反時計回りに巡礼します。この巡礼をカイラス・パリ クラマと言います。カイラス山への偉大な巡礼という意味です。
カイラス山そのものは禁則地なので、登山は禁止されています。
鞍馬寺のウエサク祭
- 2008年の鞍馬寺のウエサク祭は5月19日午後7時からでした。
- 2009年の鞍馬寺のウエサク祭は5月9日午後7時からでした。
- 2010年の鞍馬寺のウエサク祭は5月27日午後7時からでした。
- 2025年の鞍馬寺のウエサク祭は5月12日午後7時からです。
ウエサク祭 5月満月祭
鞍馬寺ウエサク祭より
ウエサク祭の起源は、釈迦の降誕、悟りを開いた日、入滅の日が、全てヴァイシャーカ(Visakha)月(インド歴第二月)の第一満月の夜であったという伝承から来ており、占星のカレンダーに従って、ウエサク祭の期日は決定されます。
ヴァイシャーカ(Visakha)月の満月は、太陽が雄牛座から登る日(4月21日~5月21日頃)です。太陽暦(グレゴリオ暦)では4月から5月の満月にあたるということから、結果的に概ね5月の満月になります。
ウェサク祭は「釈迦の誕生日」を祝うもので、お釈迦様の誕生日は、諸説ありますが、日本では、旧暦4月8日(新暦の5月22日)と、なっていますが、鞍馬寺のウエサク祭は、5月22日ではなく、毎年5月の満月の日に行われます。満月の日は、年によって、ずれます。
世界のウエサク祭
ウエサク祭は元々仏教から始まったので、チベット、タイ、スリランカなどアジア各地で行われています。ヒマラヤの北西、キルギスの南東1000kmの所にはウエサク渓谷という所があって、ここでも、ウエサク祭が行われています。
ウエサク祭の語源は、ヴァイシャーカ(Visakha)です。ウエサク祭が行われるという事で、ウエサク渓谷という地名がついたのだと思います。
鞍馬寺のサナトクマラ
鞍馬寺の魔王尊はサナトクマラとも言われます。サナトクマラはサナトへの巡礼と言う意味なのでしょうか。
鞍馬山の僧正ヶ谷に住むとされる鞍馬天狗とテングリ山
鞍馬寺には、牛若丸が鞍馬天狗を相手に修行したという伝説があります。キルギスにはテングリ山という山があり、日本と深い関係を示す伝説があります。
キルギス国境にあるテングリ山

左の画像は、wikipediaのハン・テングリに掲載されている写真です。
テングリ山は、鞍馬山と同じように信仰の対象になっていて、キルギスとカザフスタンの国境に位置します。ハン・テングリ山とも言います。キルギス語やさらに東方のモンゴル語では、テングリは「神」「天」という意味になります。「テングリ」が日本の「天狗」につながるという事もあるかもしれません。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。