ADHDの原因が必ずしも明確とされていないため、その治療もいまだ決定的なものがありません。ただ、中枢神経系のフィルター機能を高めることで、いろいろな症状の改善を図ろうとする治療が行われています。
 この目的のために、中枢神経を刺激する作用のあるお薬(塩酸メチルフェニデート)は、中枢神経を刺激して情報のフィルター機能を高めることで、物事に集中し、気を散らさずに打ち込めるようにすることが可能です。このお薬を適切に使用することで、70〜80%に効果を認めますが、薬物依存性を引き起こし易いという問題があります。また、うつ病の優れた治療薬である選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)も使用され、塩酸メチルフェニデートと併用することでさらに効果的になるという研究もあります。
 いずれにしろ、より明確な原因究明とそれにあった安全性の高いお薬が開発されることが望まれます。
 さらに、お薬による治療に心理療法の一つである行動療法を組み合わせると効果が高くなることや、本人の特性にあった環境を整えることで症状がうまくコントロールできることも知られています。
 また、家庭のなかでこころがけるべきこととしては、勉強しているときに外からの刺激をできるだけ減らすことや、子どもの注意がそれてしまったときは、少し間をおいてから、課題を与え直し、うまくいったときには褒めることで親子関係を強化することなどが望まれます。



 
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