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症例 無月経(妊娠後に逆子)、眼精疲労

33歳 女性 会社員

【はじめに】
来院当初、様々なストレスによって無月経になっていた方です。この方は当治療室での鍼灸治療と婦人科での治療を並行して行うことで、自然月経が再開し、その後妊娠され、母子ともに無事に出産されました。

【診療日】X年5月26日
【症状】無月経、眼精疲労、首肩こり

【病歴】
以前からパソコン仕事による眼精疲労と首肩こりがつらい。仕事が夜遅くまでなので、慢性的に睡眠不足である。30歳を過ぎてから徐々に月経不順が起こり始めた。最近、仕事の忙さに加え、精神的にショックを受ける出来事があった。それ以来、無月経になっている。

診察所見・診たて

首肩の筋肉は緊張し、頭は全体的に熱くほてっていました。パソコン作業による目の使い過ぎが首肩に影響しているものと思われます。

下半身は全体的に冷えており、特に下腹部と腰は触れると「ヒヤリ」とするほど冷えていました。この冷えは最近できたものではなく、おそらく長年のものでしょう。

月経不順、及び無月経は、この下半身の冷え、睡眠不足、過労、精神的なストレスなどが関連していると思われます。

鍼灸治療① ~無月経、眼精疲労の治療~

首肩の筋緊張部にこれを緩めるための鍼を、後頭部にある目に関連するツボに熱を散らす鍼を施しました。

また、お腹と腰には血流を促し、温める鍼とお灸を多めに施しました。

これに加え、セルフケアとして首肩のストレッチと、下半身を温めるための家でできるお灸を勧めました。

そしてできることなら帰宅時間を早め、充分な睡眠をとってほしいところでしたが、これは職場の状況によるので難しい問題でした。

経過① ~自然月経の再開、妊娠まで~

週に1回のペースでご来院いただき、鍼灸治療を行いました。

2回目(6/9)~ 8回目(7/28)

頚肩こり、眼精疲労は初回治療後に半減。その後も、治療するごとに改善していきました。無月経はすぐには変わりなく、6月中旬から婦人科で薬物治療を開始することになりました。4回目の鍼灸治療から、仙骨部に多壮灸(20~30壮の灸を施し、深部までしっかり温める方法)を施しました。

9回目(8/6)~ 17回目(11/16)

7月末より8月末まで養生のために休職。久々のまとまった休養となったそうです。8月初旬より婦人科にてカウフマン療法を開始されました。身体の状態の変化としては、鍼灸治療開始時と比べ下半身の冷えは半減。お腹と足はだいぶ暖かくなってきています。腰・仙骨部の冷えは依然あるものの、治療を重ねるごとに少しずつ改善してきていました。

※ カウフマン療法
2種類のホルモン剤を周期的に服用し、月経サイクルの正常化をはかる治療法

18診(12/1)~20診(翌年3/29)

10月末にカウフマン療法終了。後、11月末に自然月経が再開。その後妊娠。翌年3/29の時点で18週目を迎えました。

21診(6/4)~22診(6/8)

25週目まで骨盤位(逆子)だったのが26週目では頭位(正常なポジション)だったそうです。しかし27週目(6/7)の検診で再び逆子になっていたそうです。

鍼灸治療② ~逆子の治療~

逆子の治療と安産のための治療を行いました。逆子は、東洋医学的に考えると胎児が下腹部の冷えを嫌って頭部をそこから遠ざけるために起こっている状態と捉えることができます。

初診時に比べれば、下半身の冷えは随分改善されていましたが、下腹部にはまだ頑固な冷えが残っていたのでしょう。従って、下腹部に的を絞った冷えの治療を行いました。

さらに逆子の治療に効果の高い足の小指の先にある「至陰」というツボへのお灸を追加しました。

また胎児の成長に伴い、母体にかかる荷重は大きくなり、腰の筋肉は緊張します。この緊張は出産時の骨盤の広がりを阻害しますし、また骨盤内の血流を悪くし、冷えを助長してしまいます。この緊張を緩める鍼もしっかりと行いました。

経過② ~逆子の改善まで~

23診(6/13)~28診(7/4)

治療後、腰痛は軽減するとのことでした。6/19、7/13の検診ではまだ逆子だったそうです。

29診(7/12)~34診(8/16)

7/8~9は胎動が多かったそうです。7/10のエコー検査にて頭位(正常なポジション)を確認。その後は頭位のまま、順調に経過。8/21、母子ともに無事に出産されました。

コメント

初診時には、長年の体質だった下半身の冷えに加え、様々な悪条件が重なり、無月経になっていましたが、鍼灸と産婦人科の治療の併用で無事出産されるまでに至りました。

治療を重ねるごとに少しずつ改善していったことから、両方の治療が効いていたのでしょう。東洋医学と西洋医学を適切に受療していただくことが功を奏した良い例です。

また、ご自身のセルフケアや状況改善のためのご努力も非常に大きかったと思います。やはり治療においては、その時々の症状をやわらげることに加え、元々の体質を改善、生活のなかでの養生(セルフケア)が大切ですね。

この方は出産後も乳腺炎と肩こりの治療で鍼灸を継続されていました。今後もできる限りのサポートをさせていただきたいと思います。

治療室のご案内

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