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治療方針
本ページの目次
1.あなたの健康と幸せのために
2.病気は「身体の声」
3.四つのアプローチ① ~ 症状の緩和 ~
4.四つのアプローチ② ~ 体質の改善 ~
5.四つのアプローチ③ ~ 身体の養生 ~
6.四つのアプローチ④ ~ 心の養生 ~
7.未病を治す
1.あなたの健康と幸せのために
ほり鍼灸専門治療室の鍼灸と養生法は、心身の不調の改善・治癒をお手伝いをするものです。特に西洋医学主体の病院で解決しにくい病状に、お役に立てると思います。それによって心身のパフォーマンスを高め、より幸せな人生を歩んでいただきたいと願っています。
慰安(一時的な心地良さ)は目的としていませんが、当治療室では「身体が本当に求めている施術」を心がけています。それは必然的に、受けていて心地良いものです。結果的に、心身の深いリラクゼーションが得られることが多いです。
そもそも東洋医学では、病気を次のようにとらえます。
2.病気は「身体の声」
ご存知の通り、私達の身体には自然治癒力があります。切り傷を負っても自然に治りますし、風邪をひいても休息をとれば治ります。本来の自然治癒力が働いていれば、ほとんどの不調は治癒するものです。
しかし、あまりにも心身にかかるストレスが大きいと自然治癒力が押し負け、病気になってしまいます。
各部の痛み、こわばり、疲労感、動悸、不眠、胃もたれ、便秘や下痢など、身体に現れる種々の不調は、身体が私達の意識に知らせてくれている危険信号です。
つまり「最近、疲れが溜まってきているから、少し休んだ方がいいよ」という『身体の声』なのです。
この段階ではまだ本格的な病気にはなっておらず、健康と病気の中間である「未病」の状態と言えます。しかし身体の声を無視し、さらにストレスを受け続けてしまうと、やがて本格的な病気になってしまいます。この段階になると、現れる病状はより苦しいものになり、病院での検査においても明らかな異常がでてきます。
このような状態に対して、私は次の四つのアプローチを用います。
1.症状の緩和
2.体質の改善
3.身体の養生
4.心の養生
以下、順にご説明いたします。
3.四つのアプローチ① ~ 症状の緩和 ~
まず、患者さんの最もつらい症状を和らげることを優先します。苦痛が激しく、仕事もできない、夜も眠れない、といった状態では日常生活がままなりません。まずこれを何とかすることを優先します。
しかし、それだけでは問題は解決しません。さきほどの病気の説明を火事に例えると、症状を緩和させることは警報を止めてしまうようなものなのです。根本的な解決のためには、火元を鎮火させなければいけません。
ですから、頭痛や腰痛に対し、鎮痛薬を飲んでいるだけでは不充分なのです。それはせっかく身体が発してくれている警報を止めているだけです。そうしている間に火元がますます燃えあがってしまったら、取返しがつかなくなってしまいます。
しかし往々にして、そのように対処されているのが一般的なのです。
4.四つのアプローチ② ~ 体質の改善 ~
私が言う「火元」とは「体質」のことです。例を挙げると、子供の頃から肩がこる、頭痛持ち、冷え症、暑がり、つい食べ過ぎてしまう、胃がもたれやすい、便秘ぎみ、下痢ぎみ、不眠がち、いつも疲れやすい、などの身体の傾向です。これらが病気の土台となり、種々の症状が現れる原因となるのです。
そして「火元を鎮火させる」とは「体質を改善させる」ことです。これこそが東洋医学の本領が発揮されるパートです。東洋医学的観点から患者さんの体質を把握し、それが改善されるように鍼灸を施します。
5.四つのアプローチ③ ~ 身体の養生 ~
そして体質改善を図るには、日常生活の見直しが不可欠となります。なぜなら現在の体質はこれまでの生活環境によって形成されたものだからです。
具体的には、仕事の内容、睡眠状況、食事の内容、運動習慣の有無、アンバランスな身体の使い方(カバンの持ち方や足の組み方の左右差など)、家族との関係、職場での人間関係、等々。これらについて伺い、改善できる点があれば、その旨をお伝えします。
もちろん、生活の全てを変えていただく必要はありません。体質の改善に結びつく要素に対して策を講じればよいのです。
当然、なかには変えることが難しい要素もあります。長時間のデスクワークが身体の負担になっていると解っていても、それだけで仕事を辞めるというわけもはいかないでしょう。
このような場合、セルフケア(ストレッチ、自宅でできるお灸のやり方、冷え対策の工夫、呼吸法など)をお伝えし、マイナスの要素をプラスの要素でカバーしていただきます。
それによって症状の緩和や体質の改善がみられたかどうか、毎回の治療で確認させていただきます。ですから、私は患者さんの生活についてよく質問し、いろいろな提案をさせていただいています。
無理のない範囲で、少しずつマイナスの要素を減らし、プラスの要素を増やしていけば充分です。塵も積もれば山になります。最終的に日常生活を構成する要素の総和が、プラス<マイナス から、プラス>マイナスになればよいのです。
患者さんの生活のなかで、治療院で施術を受けている時間はほんの一部です。それ以外の時間をどう過ごすかの方がはるかに大きな問題です。
日々の生活がご自身にとって無理のない、身体の自然律と調和したものであれば、基本的にストレスというものは溜まりません。体質が悪くなることもなく、不調が現れることもありません。日々、元気にハツラツと生活できるようになります。これこそが根本的な解決と言えます。
6.四つのアプローチ④ ~ 心の養生 ~
そしてもう一つ、非常に大切なのが心の養生です。古来より「病は気から」と言われますが、それは迷信ではなく事実です。
東洋医学では病の原因となる精神的ストレスを総じて『内因』と呼びます(それに対し、風邪や物理的ストレスなどを『外因』、それら以外の疲労や不摂生を『不内外因』と呼びます)。
西洋医学にも、心因性疼痛という概念がありますし、自律神経失調症は精神的ストレスの関与が大きいです。うつ病にも、消化器症状や頭痛など、様々な身体症状が伴うことが知られています。
普段の精神状態が、明るく、楽しく、晴ればれとしていれば、心も身体も健康です。心がよどんでいて、何をやっても楽しくない、些細なことでイライラするという状態が続くと、いずれ身体にも悪影響が現れます。もし明らかな怒り、極度の不安、欲求不満などを抱え続けていたら、心身にどれだけの悪影響を及ぼすか、想像がつくと思います。
私達は社会のなかで、様々な出来事に揉まれながら生きています。いつでも晴ればれとした気持ちでいることは難しいものです。
しかし、誰もが自分の精神状態を前向きな方向に変える力を持っています。自然治癒力は身体だけに働いているものではなく、心にも働いているのです。
私は患者さんの自然治癒力を断固として信じていますが、お手伝いできる場面だと感じた際には、感情との付き合い方や、物事の受けとめ方、考え方などをご提案させていただきます。
7.未病を治す
以上が、ほり鍼灸専門治療室の治療方針です。これらを個々の患者さんの病状に合わせ、最適な施術内容を組み立てていきます。
おおまかに言えば、急性症状の場合には「症状緩和」を主とし、慢性症状の場合には「体質改善」と必要に応じた「養生」が主となります。
東洋医学の古典には「未熟な医者は病気を治し、名医は未病を治す」と記されています。
誰でも生きていれば多少のストレスは受けますが、未病の段階で治すことができれば、病気にならずに済みます。本格的な病気になってから苦しむよりも、肉体的にも、精神的にも、経済的にも、負担が少なくて済みます。
当治療室には、症状が治まり、体質が改善された後にも、未病治療のために月に1~2回通院される方が多いです。その頃には、ご自分にあった養生のやり方も習得されているので、日々元気に生活されています。
ここまでお読みいただいた方にはお解りの通り、私は患者さんの身体だけを診ているのではありません。身体にはその方の生活、思考、感情など、人生経験の全てが刻まれています。
それを治療させていただくということは、患者さんの人生全体をより良くするお手伝いをさせていただくということです。私との縁が、患者さんの幸せに少しでも役立てば嬉しく思います。
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