按摩は薄い衣服の上から筋肉を対象に揉みほぐして、筋肉のコリをとって循環をよくし、新陳代謝を活発にして身体全体の機能を向上させる治療法です。
按摩は古代中国に導引按矯としておこり、日本に渡ってきた手法であって漢方医療の一分野として経穴・経絡の理論とともに体系化されてきました。応神天皇の頃(285年)に百済から王仁が来日し、論語などとともに導引が日本に伝えられたといわれています。 奈良時代には大宝令(701年)の医事制度に取り入れられ、医師とともに按摩博士、按摩師、按摩生がおかれました。
按摩は江戸時代になると、治療術として見直され鍼術とともに盲人の職業として広まりました。人倫訓蒙図彙(元禄初期に刊行された商人、職人などの絵入りの解説書)にも鍼師、按摩師が記載されています。
江戸時代の代表的な按摩書
「按摩手引」 藤林良伯 寛政12年(1800年)
医療としての按摩術が廃れたのをなげき、絵図入りで按摩法を伝えたものです
「按腹図解」 太田晋斎 文政10年(1827年)
一般向けに多彩になった按摩術を簡潔に整理して使用しやすくなっています
あんまの適応症としては神経痛、脳卒中の後遺症、筋肉痛、筋萎縮、関節の拘縮・癒着、疲労回復、病後の体力回復、不定愁訴(肩こり・不眠・頭痛・冷え性・自律神経失調症)になります。 |