CD気まま聴き・・・



その1

その2
その3
その4
その5

その6
その7
 
JUST FRIENDS/VIC DICKENSON
 貴重な音源をひとから頂いた。調べたところCDサイズで入っているが今のところCD化されている様子はなく、これもLP音源から落としたもの。ところがこれが、滋味深い素晴らしい音、まずは音に惚れた。どんないい装置で落としてくれたのかは不明だが、各楽器の鳴り方に腰が抜けた。腑抜けとはこのことで、音がスウィングしながらまとわりついて、真綿で繰るんで絞め殺してくる。
 ディキンソンを聴くのは今回初めてだが、名だたる名盤はいくつもあることは知っている。さてこうなると欲しくなる。クリスマスを前にしていいものをプレゼントされた。
VICK DICKENSON-tb RED RICHARDS-p,vo JOHN WILLIAMS-b
Oct 6, 1981-Mar 16, 1985
SACKVILLE
1.ON A CLEAR DAY YOU CAN SEE FOEVER 2.WHAT A WONDERFUL WORLD 3.HOW MANY TIMES ? 4.ONCE AND ONLY ONCE 5. IF I COULD BE WITH YOU ONE HOUR TONIGHT 6.TUNNIN' 7.TAKING A CHANCE ON LOE 8.MEMORIES OF YOU 9.SWEET SUE 10.BE BYE PRETTY BB 11.HERE LISE LOVE 12.ME AND MY SHADOW
OH YRAH /CHARLES MINGUS
今現在一番興味深く聴けるのはこういう奴だというのを再認識する。翻ってピアノ・トリオそれも現代のは全く駄目だ。集中する気が起きない。無理して聴いてる。
 ところがこれは聞き流しているようで無理なく結構愉しめているから間違いなく今現在好きなタイプのものであると言えよう。ミンガスがピアノとヴォーカルというか叫んでるのだが、それとラサーンにアーヴィンとくりゃあ、面白くてしょうがない。ミンガスのピアノはやっぱりエリントン風。それとヴォーカルはブラック・スピリッツたっぷり。「オーイエ!」まではいいが、「あはーん!」と来ると笑っちまうが・・・。
 ドルフィーとミンガスとは違うある意味”変態ぶり”が愉快だ。
CHARLES MINGUS-p,vo ROLAND KIRK-fl,st,ts,manzello BOOKER ERVIN-ts JIMMY KNEPPER-tb DOUG WATKINS-bDANNIERICHIMOND-ds
Nov 61961
1.HOG CALLIN' BLUES 2.DEVIL WOMAN 3.WHAM BAM THANK YOU WA'AM 4.ECCLUSIASTICS 5.OH LORD DON'T LET THEM DROP THAT ATOMIC MONB ON ME 6EAT THAT CHICKEN 7.PASSINS OF AMAN 8.OLD BLUES FOR WALT'S TORIN 9.PEGGEY'S BLUE AKYLIGHT 10.INVISIBLE LADY
IN THE WORLD/ CLIFFORD JORDAN
波に浚われ、洗われて濡れそぼった哀感とでも言ったらよいのだろうか、粗削った演奏から染みだして来る情感に浸れる。この意外なラインアップの各メンバーがまさに音となって現出しているのを、呆気にとられて頷いて良いものやら疑って良いものやら・・・。ウィントン・ケリーとドン・チェリーが同じ場所でやってることだけとっても、わからねぇ・・・と少々頭を捻らざるを得ない。
 私家録音に近い音源で洗練されていない分、荒ぶ感じが出ていて僕には好ましく聴ける。
 本邦初CD化・・・大歓迎な音源である。
CLIFFORD JORDAN-ts JULIAN PRIESTER-tb DON CHERY-tp WYNTON KELLY-p WILBER WARE-b RICHARD DAVIS-b ALBERT HEATH-ds
KENNY DORHAM-tp ED BLACKWELL-dsROY HAYNES-ds
Sping 1969
STRATA EAST
1.VIENNA 2.DOUG'S PRELUDE 3.OUAGOUDOUGOU 4.872
WAITING FOR THE MOMENT/JOHNNY CASE
 今日か明日か明後日か・・・「そのときを待っている」のは僕の耳。いつか「イイ!」と思って聴ける日が来るかと試してみはするものの、昨日も残念、今日も残念・・・・。どう聞いても他と横並び以上には思えない。でも、それでいいんじゃない。飛び抜けて良い物がそうざらにあった日にゃ、お天とさまに申し訳がたたない。
 毎日半日もジャズ聴いてりゃ、僕の耳もどうかしてきてんのかも知れないし・・・。
JOHNNY CASE-pBYRON GORDON-b DUANE DURRETT-ds
Dec 29 2003
SEA BREEZE
1.SISTER SADIE2.I WANT TO TALK ABOUT YOU3.NICA'S DREAM4.LEWIS WORELL5.I REMEMBER YOU6.SOFT WINDS7.BLUE CLAY8.I WISH YOULOVE9.WAITING FOR THE MOMENT10.YOU LEAVE ME BREATHLESS
STEAM /ARCHIE SHEPP
 オリジナル盤では猛烈なテナーアクションを聴かせるA MESSAGE FROM TRANEはB面で、ソリチュードとSTEAMがA面となっているから、店でかける時にはCDの頭から聴かせる場合と2曲目を重点においてそれ以降を適当に入れてかけるようにしようかなどど考えしまった。というのも、約20分にわたるA MESSAGE・・・を聴いたら、もうそれで一杯一杯になってしまう。この間、キャメロン・ブラウンのソロが少しはいるものの、ほぼめい一杯シェップは吹き続ける。まさにエネルギーの塊。動きが止まったら死ぬ釣ったばかりの魚のようだ。凄まじい。
 それとは対照的に、ソリチュード以降はサックス・トリオの良さ(一部シェップのピアノが入るが)を活かしながらバラード、その他を吹きあげていく。
 いつだかのジャズ批評でサックス・トリオの特集をされているが、同じENJA盤でエルヴィンのとこのシェップ盤が紹介されていた。
 80年代のENJA盤も結構良いのが揃っているが、今回再販された70年代ものは嬉しい。
ARCHIE SHEPP-ts,pCAMERON BROWN-b BEAVER HARRIS-ds
1976
ENJA
1. A MESSAGE FROM TRANE 2.SOLITUDE 3.INVITATION 4.AH-LEU-CHA 5.STEAM 6.52NDSTREET THEME
BLUE BALLDS / ARCHIE SHEPP
60年代、70年代のがむしゃらに燃焼させていたシェップのものの後でこれを聴くと、失われていくものの美というような、無欲さがそれまでと違った何かを勝ち得ていく姿を感じる。吐息のように漸く音にしえた彼の放つテナーだけが語り得るものに耳を傾けている一時が愛おしく思える。
 「闘士」であった栄華を脱ぎ去って、悲痛にさえ聞こえる咆哮とは裏腹にもはや失う物のない「軽み」を得て奏でる自由さを愛し得る。
 店でひとりシェップと共振しあう。
ARCHIE SHEPP-ts,ss JOHN HICKS-p GEORGE MRATZ-b IDRIS MUHAMMAD-ds
Nov 24,25 1995
VENUS
1.LITTLE GIRL BLUE 2. 2.MORE THAN YOU KNOW 3.BLUE IN GREEN 4.BLUE AND SENTIMENTAL 5.CRY ME A RIVER 6.IF I SHOULD LOSE YOU 7.ALONE TOGETHER
AFTER HOURS / DUSKO GOYKOVICH
 いやあ、70年代ジャズは面白い!60年代の後半の混沌から一皮むけた新たに根を張って行こうとする勢いに満ちた演奏が目白押しだ。
 日本じゃTHREE BLIND MICEに残された記録もあり、欧州じゃこのENJAとか
STEEPLECHASE,MPSなんてレーベルに残っているものを聴くと、目頭ウルウル来るほどの傑作がいっぱいある。これを聞き逃しちゃ死にきれない。
 ゴイコビッチは全く初めてだが、全くお見それした。ストレートアヘッドな剛腕さと哀感があって、テテ他の凄腕のリズムセクションとともに潔い切れ味を聴かせる。
DUSKO GOYKOVICH-tp TETE MONTOLIU-p BOB LANGEREIS-b JOE NAY-ds
Nov 1971
ENJA
1.LAST MINUTE BLUES 2.A CILD IS BORN 3.OLD FISHERMAN'S DAUGHTER 4.RMEMBER TOSE DAYS 5.I LOVE YOU 7.TEN TO TWO BLUES
BLACK MARKET /WEATHER REPORT
 自分の感覚に悪戯をしてみたくなる。通り一遍な嗜好に洞(うろ)を穿ちたい欲求が起きる。フリー・ジャズがそうであり、エレクトリックなものに手を出すのが最近のやり方。この場合そう大層な企てではなく、単純にザヴィヌルのフェンダーローズが聴きたかったということだけのことかも知れない。やっぱり悪戯であり遊びである。
 最近、マイルスのON THE CORNERを麻薬的に聴く。僕の抑えていた感覚がこのアルバムに手を伸ばさせる。アドークテッドな欲求。その延長線上にこういうものもあり?
 シンプルなテーマがあり、ジャコパスのベースが流線型に鳴り、ザヴィヌルのフェンダーローズが鳴るというその部分の快感だけが有ればいい。でも、それはお門違いだった。WETER REPORT 入門のこのアルバムは最初で最後か?
WAYNE SHORTER-ss,ts JOE ZAWINUL-pep,syn ALPHONSO JOHNSON-ebJACO PASTRIOU-eb MARADA MICHEL,CHESTER THOMPSON,-ds DON ALIES-per
1976
1.BLACK MARKET 2.CANNON BALL 3.GIBRALTAR 4.ELEGANT PEOPLE 5.THREE CLOWNS 6.BARBARY COAST 7.HERANDNU
JULIAN / PEPPER ADAMS
 西ドイツのジャズ・クラブ「ドミシル」でのライブ盤だが、渋く扱いにくいバリトンという楽器を易々と淡々と吹きこなすいつものペッパー・アダムズの姿がある。特筆すべきは、当時目下売り出し中のジョージ・ムラーツの早熟な腕前が聴かれることぐらいだろうか。押し出しの強いアダムズとムラーツの音に滋味を感じつつライブの臨場感を味わうという按配であろう。彼等の共作で、キャノンボール・アダレイのトリビュート曲「ジュリアン」が演奏される。
 期待して聴いた割に食い足りなさが残る。
PEPPER ADAMS-bs WALTER NORRIS-p GEORGE MRAZ-b MAKAYA NTSHOKO-ds
Aug 13 1975
ENJA
1.JIRGE 2.JULIAN 3.SPACEMAKER 4.AD ASTRA 5.THREE AND ONE 6.'TIS
LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD / ELVIN JONES
サックス・トリオの名盤の1枚に挙げられているが、久々にこれでもかというドラミング・シャワーをどっぷり浴びた。ジョージ・コールマンのテナーの錆びた?細めの音色とエルヴィンの重い打擲音のあわいに、サックス・トリオ特有の乾いた関係とそのなかでもこれは「微」と「充」の対比があって何故か生理的にそそられるものがある。
 1曲だけマービン・ピーターソンが加わったMISTER JONESのエルヴィンのパワー・ドラミングは圧巻。ドラムセットを叩きつぶさんばかりの力と目まぐるしいスティック裁き。
ELVIN JONES-ds GEORGE COLMAN-ts WILBUR LITTLE-b MARVIN PETERSON-tp*
1968.3.20
1.M.C. 2.BY GEORGE 3.LAURA 4.MISTER JONES* 5.YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS 6.M.C.

2001-2004 (C)Cafe JAMALi, All right reserved.