めだかのぺ〜じ
だめだめ飼い主の「ヤマトヌマエビ繁殖」
+++ 卵放出 +++
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親エビの隔離から卵放出、そして汽水水槽への移動に至るまでについて書いています。そして最後に2度の放出例をまとめてみました。

卵は、だいたい1ヶ月で孵化します。タイミングよく親エビを隔離し、卵や幼生(ゾエア)を保護しましょう。卵が孵化し、幼生(ゾエア)になってから、汽水水槽に移すのが正しい手順のようです。でも私は、卵ごと汽水水槽に移してしまいましたが大丈夫でした。そういう方法もあるということです・・・^^;

3、親エビの隔離

隔離の目的

卵は、水温にもよりますが、抱卵から3〜4週間、発眼から2〜3週間で卵を放出すると言われています。水槽内で卵を放出されては、卵やゾエアを保護することが困難です。放出期が近づいた親エビを隔離しましょう。

隔離のもう一つの目的は、親エビは水質が変化すると卵を放出するからです。小さな水槽に隔離することによってどの程度水質が変化するのかわかりませんが、2回目の9月には見事に卵を放出してくれました(放出例に後述します)。

隔離のタイミング

繁殖で一番悩んだのが、親エビをどのタイミングで隔離するかということでした。6月と8月の2度抱卵したのですが、抱卵発見日から1ヶ月を目処に、月齢を参考にして隔離のタイミングを決めました。

その理由は、繁殖にあたって何度も参考にさせていただいたサイト「えびみち」に、 『ヤマトは満月の日に抱卵し、次の満月に卵を放出するようだ』という体験談があったからです。月の満ち欠けと潮の満ち引き、ヤマトヌマエビの幼生(ゾエア)が汽水域で育つことを考えると、なんらかの関係がありそうだと想像したのです。

参考URI
・ 「えびみち」  http://www.geocities.co.jp/AnimalPark/7630/menu.html

6月に抱卵した3匹の親エビを例にとると、抱卵を発見したのが6月21日で満月の1日前、そして隔離した7月16日は満月まであと4日というタイミングでした。この時は卵やゾエアをうまく保護できなかったのですが、2匹については満月の夜の前後に卵を放出したようで親エビの体から卵が消えてしまいました。

2回目に抱卵した8月は、まさか続けて産卵するとは思っておらず、いつ抱卵したかはっきり気づいていませんでした。月齢だけを頼りに9月の中秋の名月の2日前に親エビを隔離すると、ばっちりその晩と満月の夜に卵を放出してくれました。

隔離前のヤマトヌマエビ写真は7月16日のブログで、隔離直前の親エビとして紹介した個体です。でも実はこの親エビ、3匹同時に隔離した中で1匹だけ満月から1週間遅れで卵を放出した親エビなのです^^;。抱卵を発見した時期はほぼ同じ頃だったのですが、親エビの個体差が卵の成長に影響を与えたのかもしれません。

隔離方法

隔離された3匹のヤマト親エビ自体はただネットですくって隔離するだけですが、気がついたことを少し書いてみます。卵を放出する時には、すでに孵化してゾエアになっている個体がいます。ゾエアは遊泳力が弱いので、隔離水槽のエアレーションはあらかじめ弱めに設定しておくとよいでしょう。調節ができない場合は、隔離水槽内の水流が弱まるように、なるべく上部でエアレーションをすればよいかもしれません。

卵をすぐに放出しなかった場合は、親エビにはしばらく隔離水槽で生活してもらうことになります。水質が悪化しないようにまめに水換えをする必要があります。餌はほどほどにしかあげられませんので、水草を入れておくとよいと思います。

私は親エビを隔離する時に扱いが乱暴だったのか、白いものが少し水面に舞いました。もしかしたら危険を察知した親があわてて卵を放出したゾエアだったのかもしれません。ていねいに扱ってあげてください。

隔離水槽の設置隔離水槽は、元の水槽のコーナーに設置しました。水温の変化を最小限に抑えることができます。親エビも見慣れた風景で落ち着くのではないでしょうか(これは単なる想像ですが・・・)。

4.卵放出

卵の放出

隔離したヤマトヌマエビは、その日の夜に卵を放出するのが一般的です。卵のまま放出することもありますし、成長度合いによっては、放出時にすでにゾエアになっている場合があります。1匹の親エビは、数百〜千個ほど産卵すると言われています。

放出された卵写真のペットボトルの底に溜まっている物体が、ヤマトヌマエビの卵です。少し白っぽい透明の小さなツブツブが密集しています。生のタラコを透明にし、薄く引き延ばしたような感じでした。こんな表現で分かってもらえるのでしょうか・・・(笑)

5.汽水水槽へ移動

何度となく書いてきましたが、私は親エビが放出した卵のまま汽水水槽に移しました。一般的には、淡水の隔離水槽で孵化を待ち、孵化した幼生(ゾエア)を移すとよいようです。ここでは、私が実際に行った方法を中心に書いています。

汽水水槽へ移動

一般的な方法は、淡水の状態で放出された卵をブラインシュリンプ孵化器などに入れます。そして、幼生(ゾエア)に孵化するのを待って汽水水槽に移します。孵化器を使うと、孵化する前の卵やゾエアに適度なエアレーションをあてることができ、卵がカビにやられたり、ゾエアの体力を消耗することを防ぐことができるようです。

私は次の放出例で書くような理由で卵のまま汽水水槽へ移しましたが、70匹ほどが稚エビに成長してくれました。汽水水槽に卵を移動させてから孵化するまでの日数が短かったとか、汽水水槽の微生物やエアレーションの状態が自然界の条件に近かったとか、たまたまいくつもの幸運が重なったのかもしれません。でも稚エビに成長した数を考慮すると、卵のままで汽水水槽に放り込んだ稚エビも含まれているに違いないのです。条件次第では、そんな方法もありなのかな?と考えています。

卵放出時にすでに孵化してゾエアになっている場合は、できるだけ早く汽水水槽に移してやります。何度か書いてきましたが、ゾエアは汽水域でしか生息できません。なるべく早く汽水水槽に移動させて、自然界と同じ環境にしてあげましょう。移動の際には、水合わせは行いませんでした。

放出直後のゾエアこちらの写真は、すでに多くの卵が孵化して、幼生(ゾエア)が水中をプランクトンのように漂っている状態です。朝日に反射しているので赤く見えますが、白い色をしていて、1ミリほどの大きさです。卵を放出した親エビを取り出して、残りの水ごと汽水水槽に移しました。親エビのお腹の黒い部分が未放出の卵です。卵をお腹いっぱいに抱えていましたが、一部分を残すだけになりました。

■ 放出例

7月の放出ケース

6月の満月の頃、3匹が抱卵しました。少し早めに7月の満月の4日前に隔離したのですが、なかなか卵を放出しませんでした。水換えをしながら卵の放出を待っていたのですが、満月の夜辺りから、3匹のうち2匹のお腹の卵が段々と小さくなってきました。お腹の卵が小さくなっている割には卵らしいものが見当たらず、そしていつの間にか隔離水槽の底には白い沈殿物が溜まっていたのです。

9月に白色のゾエアの姿を確認した時に考えたことは、底に溜まった白い沈殿物はゾエアの死骸だったのでは?ということです。卵の成長度合いに比べて隔離時期が早く、その後もゾエアが発生していたことに気づかなかったのだと思います。ぼやぼやしてゾエアを汽水水槽に移さなかったり、隔離水槽内のエアレーションが激しすぎたりしたのでしょう。そのうちに力尽きたゾエアが底に溜まっていったのだと想像しています。

残りの1匹は、満月の夜から約1週間遅れで卵を放出しました。卵がカビないように、エアレーションをかけて、朝と夜に卵の入った隔離水槽を撹拌していたのですが、卵は透明感のない灰色に変色したり、卵の周囲にもやっとした白い糸のようなものがひいたりするなど、卵の状態は悪くなっていくばかりでした。卵を放出すると1日くらいで放出するのが普通ですが、3日待っても卵は底に沈んだままでした。

この親エビは、抱卵は月齢に合わせて始まっていたのに、卵の成長が遅く、放出も遅くれたのかもしれません。結局は3日目の朝に、汽水水槽だと塩分でカビにくいかもしれないと思い、えいやっ!と卵ごと汽水水槽に放り込みました。そしたら、約1ヵ月後に稚エビになってくれるという嬉しい誤算が起こったのでした。

9月の放出ケース

9月は満月の2日前に4匹の親エビを隔離しました。翌朝には見事に2匹が卵を放出していました。「汽水水槽への移動」の写真がそうなのですが、すでに孵化してゾエアになっている個体が数多く見られました。底に溜まっていた卵とともに汽水水槽に移しました。

残りの2匹も満月の夜、無事に卵を放出しました。この時も卵とゾエアが混在していましたが、一緒に汽水水槽に移しました。9月に卵を放出したケースは観察不足で、いつ抱卵したのかはっきりしていないのですが、月齢に合わせて隔離した成功例だと考えています。

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