私の経験によるメダカの飼い方です。科学的な根拠が分らない点もありますが、これまでの試行錯誤の結果です。参考になるとよいのですが。
■ 準備
水槽
まずメダカの数に見合った大きさの水槽を用意します。私は40cmの水槽で30匹くらい飼えると説明を受けましたが、半分の15匹でスタートしました。過密にならずゆったりしているほうが自然に近い感じがしたからです。あまり多くのメダカを飼うと、成長が遅くなりますし、排泄物による水質悪化の原因にもなります。水1リットルにつきメダカ1匹という人もいます。
水槽は大きく水面の表面積が大きいほうが、水中に溶け込む酸素が十分に確保されます。ですから水深は浅めのほうがよいです。ただろ過器のタイプによっては、あまり水深が浅いと水流が強くなりすぎる場合があるので、水深を少し深くしてエアレーションによる調整が必要になることがあります。
水槽を置く場所は、なるべく日当たりのよい場所がよいでしょう。太陽の光で雑菌が生息しにくくなり、メダカが病気に強くなると言われています。夜は室内灯をつけている時には新聞紙等で水槽を被ってやり就寝前にそれをはずしておくと、自然な日照時間が得られスムーズに産卵が行われます。屋外に置く場合は一日中日が当たるよりは適度に日陰がある方がよいです。
なお水槽はなんでもよいと思います。私も最初は観賞用の水槽を購入したのですが、メダカが増えるにしたがって米びつ、発泡スチロール、衣料の収納ケースと様々に変えてきましたが、とくに問題は無いようです。
底砂利
水質を安定させる微生物(硝化細菌)の生存場所として、底に砂利を3cm程度敷きます。水草を育てる場合は5cmほど敷くとよいです。水槽と底砂利をよく洗いましょう。とくに底砂利は念入りに洗わないと、水が濁る原因になります。なお洗剤を使うのは禁物です。
砂利の変わりに赤玉土や田んぼの土も推奨されています。メダカは驚いたときに地中に潜ろうとしますが、その時に柔らかいほうがクッションになるからです。私は園芸ショップで赤玉土を飼ってきて、水槽によって砂利と土を使い分けています。赤玉土の水槽のほうが心なしか水が澄んで見えます。
ろ過器
水槽内の水をろ過します。様々なタイプのものが売られていますが、あまり水流の強くないものがよいです(水の項ご参照)。
ろ過器内のフィルターは水質を安定させる微生物の住処にもなりますが、目詰まりすると浄化能力が低下してしまいます。フィルターは、2週間程度で軽く水洗い、1ヶ月程度で交換するとよいでしょう。水洗いする際は、微生物を守るために軽く流すだけで十分です。またフィルター交換時は水質が急激に変わってしまう可能性があります。エビは水質の変化に敏感ですので、一緒に飼っている場合は注意してあげましょう。
なお私は屋外の水槽にはろ過器を設置していません。太陽の光を頂点とする食物連鎖がうまく働けば、水質は維持されるからです。
水草、水藻
水槽のレイアウトに必要ですが、それだけではないのです。メダカが活発に活動する日中は、光合成によって酸素を供給してくれます。ただ夜は反対に二酸化炭素を排出しますので、入れすぎもよくないようです。それと藻の表面に水中のゴミや苔の元が付着し、水を透明にしてくれたり、ろ過器の浄化能力を高めます。苔の元はメダカのえさにもなります。
またメダカが卵を産みつける場所として必要です。メダカの産卵には、ホテイアオイやアナカリスがよいと言われています。最初のシーズンはアナカリスばかりでしたが、今年はホテイアオイも試してみる計画です。
なお1週間程度かけて、他の水槽で農薬を抜いたり、他の生物の卵が付着していないか確認してから、水槽に移したほうが無難です。とくにモノアラカイはあっという間に増えてしまい、排除するのに苦労させらせますので。
たね水
最初はショップで売っている「たね水」を水槽に入れたほうが、早く水質が安定します。硝化細菌といわれる微生物がメダカの排出物やえさの食べ残しを分解しますが、必要十分な数に増え水質が安定するまでには2−3週間かかるといわれています。水槽をセットアップする際には、「たね水」に頼ったほうが無難だと思います。
微生物が少ないと、水中のアンモニア濃度が高くなり、亜硝酸が大量に発生し、最悪の場合メダカがなくなってしまいます。また苔の発生原因にもなります。なので私は水槽をセットアップする時は「たね水」を使っているほか、水が汚れてきたと思ったら「たね水」を入れて水中の亜硝酸を食べてもらったりもしています。