■ 繁殖
産卵
メダカが産卵するためには安定したきれいな水が必要です。水が汚れてメダカにストレスがかかっている状況では、メダカは卵を産みません。私の場合は夏にメダカを飼い始めましたが、卵を産んだのは10日めでした。その間に水質が原因でメダカがなくなったりしましたので、メダカにとっては産卵どころではなかったのでしょう。
メダカは日照時間が長くなって水温が高くなってこないと産卵しません。日照時間が14時間を超え、水温が20℃くらいになると産卵を始めると言われていますが、私は飼育の経験が浅く具体的な数字は確認できていません。メダカの密度についても適切な水準があるようですが、あまり過密だと産卵数が少なくなるといわれています。
産卵は早朝、日が昇ってしばらくすると行われます。産卵シーズンになるとオスがメスを追い掛け回す姿が見られるようになります。朝早く起き、水槽を眺めていると交尾シーンも観察できます。オスとメスが体を寄せ合う姿はとても愛くるしいものです。
産卵された卵はしばらくの間はメスのお腹にくっついていますが、やがて水草や藻にくっつけられます。藻はなるべく多く入れたほうが親メダカが卵をくっつけやすく、また食べられにくくなります。
時々白い卵がありますが、無性卵です。もし水カビがだったらすぐに分離しないと、ほかの健康な卵までカビにやらてしまうので注意が必要です。
孵化用水槽
親メダカが産卵した卵は別の水槽に保護する必要があります。親メダカが卵を食べてしまうからです。ひどい親はまだメスのお腹にくっついている卵まで食べようとします。なるべく早く保護してやる必要があります。そして親メダカは孵化したメダカまで食べてしまうのです。親メダカが子メダカを食べる瞬間を目撃したことがありますが、ほんとに一瞬の出来事でした。
孵化用の水槽は、ろ過器のほかは親メダカ水槽と基本的に同じ環境です。底砂利を敷き、卵がくっついた藻を入れます。最初は水道の水でもかまいません。孵化するまでに塩素が抜けてしまうからです。ただし、ろ過器は設置せずにエアレーションを行います。ろ過器の水流は子メダカにとって強すぎて、吸い込まれてしまうからです。
卵を保護する方法はいくつかあります。昨年は主に1と2の方法を採用しましたが、今年は3の方法をメインにしようと考えています。とくに1の方法は、メダカを傷つける可能性があるので、今後は採用することはないと思います。
- 卵をお腹につけたメスをネットで掬いクリップで卵をとってやる方法。一番確実に保護できるが、メダカにとってストレスが大きいと考えられます。
- 水草や藻に産み落とされた卵をスポイトですいとる方法。とにかく根気よくやる必要があります。
- 卵が産み落とされた水草ごと移す方法。移動は簡単ですが、卵が親に食べられてしまいます。
孵化後の世話
生まれたばかりのメダカは、3日間ほどはえさを食べません。お腹の部分にあらかじめ栄養分を蓄えているからです。
生まれて4−5日たてばえさを与えます。えさはあらかじめ細かく砕き粉末状にしたものを水面に膜が張るように撒くとよいと思います。子メダカの場合には、沈むタイプのえさだとどうしても食べ残しが多くなります。時々スポイトで底に溜まったえさの食べ残しや排泄物を掃除する必要があります。私は、なるべく長い間水面に浮いているように乾燥ミジンコを粉末状にしたものを使用しています。
弱いメダカは次第に淘汰されていきますが、室内だと外敵もいないので水に気をつけていればかなりの確率で成長していきます。水は、時々親メダカ水槽の水を足してやります。親メダカの水槽の水は安定しており、栄養分も含まれているからです。
2ヶ月もたてば親メダカと一緒にして大丈夫ですが、その話は「その他」の項をご参照ください。