TOP E-Mail
はじめに 最新情報 コンサートレポート 出演者プロフィール 特別企画 アンケート おまけ
INFORMATION
ギンザめざましクラシックスVol.7
〜世界クラシック紀行 with 西田ひかる〜
Produced by ちさ子&軽部

1999年3月12日(金) 銀座4丁目・王子ホール
18:00開場 / 19:00開演
プログラム
−第1部−

●カプア●
オ・ソレ・ミヨ

●シュトラウス●
美しく青きドナウに

●フォーレ●
シシリエンヌ

●サティ●
ジュ・トゥ・ヴ

●カザルス●
鳥の歌

●モンティ●
チャルダーシュ
−第2部−

●ボロディン●
ダッタン人の踊り

●アメリカ民謡●
聖者の行進
アメリカン・メドレー
日本の歌のメドレー

●ピアソラ●
リベル・タンゴ
出 演
高嶋ちさ子[Vl.]
軽部真一

西田ひかる

古川展生[Vc.]
今野 均[Vl.]
榎戸崇浩[Vla.]

西川幾子[Pf.]
水野弘文[Acc.]

佐藤泰将[Arr.]
■ ギンザめざましクラシックスVol.7
1999年3月12日(金) PM7:00
入り口でもらったプログラムに目を通すと、今回のテーマが〜世界クラシック紀行 with 西田ひかる〜と記されていた。 これまで6回の公演が行われたが、テーマにスペシャルゲストの名前が入るのはこれが初めて。いったいどんな公演になるのか? そんな期待を抱きながらギンザめざましクラシックスVol.7が始まりました。
■ オープニング
会場内の照明が消え、ブルーのバックライトにうっすらと照らされたステージに演奏者のみなさんが登場。 そして高嶋さんのヴァイオリンによる『ミスター・ロンリー』が演奏され、その音に聞き入っているところへ、某FMラジオ番組 「ジェット・ス○リーム」風のナレーションと共に現れたのは...飛行機のパイロット姿の軽部さん(今回の軽部さんのコスプレは“パイロット”)。 そして今回のテーマ紹介。今回のテーマは〜世界クラシック紀行〜ということで、“世界各地の様々な音楽を旅行気分(フライト形式?)で紹介していく”とのことでした。 このフライトのナビゲーターはもちろんこの2人、軽部さんと高嶋さん。そして今回のスペシャルゲスト、西田ひかるさんです。
■ イタリア
飛行機(笑)はまずイタリアへ。ここではイタリアのカンツォーネ(イタリアの民謡風歌曲)から『オ・ソレ・ミヨ』が演奏。 聴いていると、なんとなく太陽の光が降り注ぐ石畳の街並みが頭に浮かんでくるようだった。そしてイタリアを後にした飛行機は“音楽の都ウィーン”のあるオーストリアへ。
■ オーストリア
19世紀の街並みがそのまま残され、“音楽の都”とも呼ばれる街ウィーン(軽部さんは何度か行ったことがあるらしい)。 ここでは、軽部さんの好きなウィンナ・ワルツの中でも特に有名な『美しく青きドナウに』を演奏。独特の軽やかなリズムが印象的だった。 音楽の都を後にした飛行機は次の国フランスへ。
■ フランス
・スペシャルゲスト登場
フランスのド・ゴール空港に到着したところで、スペシャルゲストの西田ひかるさんが客席後方の入り口から登場(“めざクラ”では毎回必ず誰かがビックリする様な所から現れる)。 西田さんはそのまま客席の間を抜けてステージ上へ。そこで改めてゲストの紹介を行った後で、「ちょっと準備がありますので」と言って西田さんはステージ裏へ消えてしまった。

・フルート奏者
しばらくして戻ってきた西田さんが手にしている物はフルート(!!)でした。実は西田さん、小学校の5年生から芸能界にデビューするまでの約6年間フルートを習っていたそうです。 この日のために1週間特訓(笑)してきたという西田さんが演奏したのは、フォーレの作曲した劇音楽『ペレアスとメリザンド』から、間奏曲で“フルートの名曲”とも言われる『シシリエンヌ』。 特訓の成果かそのフルートはとてもきれいな音色でした。

演奏後、西田さんは客席に降りて観覧。ここでこの日のメンバー紹介。まず、ピアノの西川さん。それからいつものメンバー(笑)。 じゃなくてヴァイオリンの今野さん、ヴィオラの榎戸さん、そして真っ赤なシャツを着たチェロの古川さん、の順で紹介されました。 フランスではさらにもう1曲サティの『ジュ・トゥ・ヴ』を演奏。そして飛行機は情熱の国スペインへ。
■ スペイン
ここスペインでは、カタルーニャ地方の民謡『鳥の歌』が演奏されました。この曲はチェロの巨匠パブロ・カザルスが好んで弾き、 世界平和のために国連において演奏されたこともあるそうです。この日、この曲を演奏してくれたのは“めざクラ”お馴染みの古川さん。 (それにしてもチェロの音には引力のように人を引きつける魅力があるなぁ)。そして飛行機は次の国ハンガリーへ。
■ ハンガリー
ハンガリーで演奏されたのは、高嶋さんの十八番でもある『チャルダーシュ』。マジャール地方の民族舞踊の曲で、曲のイメージを言葉にすると 「前半はドロドロ、後半は愉快」(高嶋さん)、または「前半は静か、後半はにぎやか」(軽部さん)と、同じ様な意味でも表現の仕方には色々ある(言葉というのもけっこう難しい)。

・アコーディオン“めざクラ”初登場
通常この曲はピアノの伴奏で演奏される機会が多いのですが、この日はアコーディオン(!!)による伴奏で演奏されました。 ここで、さっきのメンバー紹介時にいなかったアコーディオンの水野さんを紹介。水野さんは、高嶋さんの出している“チョコレートファッション”の 3rdアルバム「悪魔のロマンス」に収録されている『チャルダーシュ』でも、アコーディオンを弾いているそうです。ここでは更に、“めざクラ”初登場の楽器アコーディオンについての 解説もありました。アコーディオンという楽器は右手の鍵盤でメロディーを奏でて、左手のボタンでベースやコードを弾き、真ん中辺にあるボタンでオクターブが変えられるようになっていて、 この動作をジャバラを動かしながら行うのだそうです。(この『チャルダーシュ』はアコーディオンによる伴奏の方が曲全体にアクセントがついて、キレが感じられてカッコイイ)。 第1部はここハンガリーで終了。
■ モンゴル
飛行機は中央アジア、モンゴルの上空を飛行中。そこで第2部のスタートはボロディンの歌劇「イーゴリ公」より『ダッタン人の踊り』。 この曲の出だしのアコーディオンからチェロへメロディーが移っていくあたりがとてもきれいで良かった。そして飛行機は一路アメリカへ。
■ アメリカ
ユーラシア大陸を後にした飛行機はアメリカのニューオーリンズへ到着。“ジャズ発祥の地”と呼ばれるこの街では、 この陽気な街にピッタリの楽しげなリズムのアメリカ民謡『聖者の行進』が演奏されました。

・アメリカ生活
ここで一息ついて、軽部さんがアメリカで生活したことのある西田さんと高嶋さんにアメリカという国について聞きました。 西田さんは1歳〜13歳までの間、ロスアンゼルスで暮らしていたそうです(どうりで英語の発音がうまいわけだね)。 一方、高嶋さんはコネチカットにあるイェール大学へ3年間留学。“マスター・オブ・ミュージック”の称号を得てから「コネチカットは寒いから」と言う理由(?)で、 今度は暖かい常夏のマイアミビーチへ移り住んだそうです。

・音楽観の違い
お二人が言うには、アメリカと日本では音楽に対する意識が全く違うそうです。例えばアメリカでは、コンサートに行けばその場の雰囲気を思いっきり楽しむのが当たり前で、 演奏を聴くということ自体が日常的らしい(小学校の遠足でクラシックのコンサートへ行ったりすると言うのだから、日本の発想とはかなり違う)。 それに一般の人の演奏家に対する評価の仕方にも差があるようです。アメリカではヴァイオリンを弾けるというだけでとても尊敬され、その場でヴァイオリンを弾こうものなら 大絶賛されるそうです。それに対して日本では「ふ〜ん、すごいね」という程度の感想で終わってしまうらしいです。

・アメリカンメドレー
さてコンサートは本題(?)の演奏へ戻って、今度はアメリカで親しまれている数々の名曲から、アメリカンメドレーと題して『ビューティフル・ドリーマー』〜 『アイ・フィル・プリティ』(「ウェストサイドストーリー」より)〜『ムーン・リバー』(「ティファニーで朝食を」より)〜『ザ・ウェイ・ウィ・ワー』(「追憶」より)〜 『ニューヨーク・ニューヨーク』の5曲を西田さんが歌ってくれました。メドレーの曲紹介では、西田さんが軽部さんに本場仕込みの発音を教えてくれていました(さすがは英会話のECC)。 演奏終了後に「いい曲というのは、いつ聴いてもいいものですよね。」と語っていた軽部さんの言うとおり、名曲というのはいつまでも残っていくものなんだなぁ。 ましてやクラシックなんて数百年前の曲が今の時代に受け継がれてきているのだから、これはスゴイことなんだと改めて思った。そして飛行機は日本へ。
■ 日本
・軽部’Sコーナー【番外編】
「ここまでは世界中の名曲を聴いてきたので、ここでは日本で昔から親しまれてきた名曲をジャパニーズメドレーと題してお送りします。」と語っていた軽部さん。 その軽部さんの手を見るとマイクの持ち方が微妙に変わっていた。そう、めざましクラシックスお約束のこの時間、軽部’Sコーナー(私が勝手にそう呼んでいる、 アナウンサーが本職の軽部さんの歌が聴ける貴重(?)なコーナーです)。そして、なんと今回はあの高嶋さんも歌うというのだからビックリ。 子供の頃、“もんたよしのり”や“世良公則”のものまねをしすぎて、のどを痛めて声質が変わってしまったという、自称“クラシック界のジャイアン”高嶋さんが 王子ホールで初めて歌ってくれました。

・ジャパニーズメドレー
西田さん、高嶋さん、軽部さんの3人によるジャパニーズメドレーは、『花』を3人によるコーラス、『この道』を軽部さん、『浜辺の歌』を西田さん〜高嶋さん〜軽部さんの順で歌い、 『ふるさと』を再びコーラス、『ペチカ』を西田さん、『四季の歌』を軽部さん、最後にもう1度『花』をコーラスでしめる。という曲順でした。 3人の中で1番楽しそうに歌っていた高嶋さんは、歌い終わった感想で「精一杯がんばりました」と言っていました。そして飛行機はこの旅の最後の国アルゼンチンへ。
■ アルゼンチン
“世界クラシック紀行”の終着点は南米アルゼンチン。そしてアルゼンチンといえばタンゴ、タンゴといえばピアソラということでプログラム最後の曲は『リベル・タンゴ』。 この曲名を日本語に訳すと“自由なタンゴ”という意味で、その訳にふさわしく、この曲の演奏ではヴァイオリンの指板や胴体の部分を叩くという珍しい奏法を見ることができた。 そして沸き起こる拍手の中、全プログラムを終了した出演者のみなさんはステージの裏へと消えていきました。
■ アンコール
・本邦初公開!『だんご3兄弟』弦楽四重奏バージョン
鳴り止まぬ拍手の中、アンコール曲の演奏のため出演者のみなさん再度登場。しかしチョット様子がおかしい。なんとなく笑いをこらえているような表情。 そして何を演奏するのかと思ったら...。今、流行りの『だんご3兄弟』を弦楽四重奏バージョンで演奏(おそらくこれが本邦初公開)。 「流行に敏感なめざましクラシックスとしては、このブームを黙ってみているわけには行かない。」ということで、急遽公演日の前日にこの日のアンコール曲に決定したそうです。 さらにこの日出演していた水野さんは『だんご3兄弟』のCDで実際にアコーディオンを弾いていたそうです。そこで軽部さんが「こんなに売れちゃって、あっという間に大金持ちでしょう?」と 聞くと、水野さんは「いいえ、とんでもないです。この曲を録音したときには、まさかこんなに売れるなんて思っていなかったので、印税契約をしていなかったんですよ。 こんなことなら目先のお金に捕らわれずにキチンと契約しておけば良かったですよ(笑)」と語っていました。どんなにCDが売れても優雅な印税生活が送れないなんて可哀想に。

・本当のアンコール
『だんご3兄弟』で終わるのも妙なものなので、アンコールでもう1曲、ディズニーソングの「イッツ・ア・スモール・ワールド」を西田さんの歌と出演者全員で演奏。 この演奏でこの日の公演は終了。
■ 今回のひとこと
今回の公演は普段とはチョット違った“ギンザめざましクラシックス”を見ることができた。それと、やっぱり『だんご3兄弟』かな?