消費税:事業者免税点制度の見直し(23年6月改正)

消費税の免税点制度が見直されました。
2期前の課税売上高による判定に加え、1期前スタートから6ヵ月間の課税売上高や給与による判定を行う必要があります。

消費税の免税に関する原則的な話は「会社設立時の資本金と消費税」をご参照ください。
消費税の免税については25年に規制強化の改正がありました。
消費税:事業者免税店制度の不適用(25年改正)」もご参照ください。

消費税の免税点制度見直しの内容

平成23年6月の消費税法の改正により「免税点制度」が見直されました
免税点制度による、法人は2期、個人事業者は2年の益税を少しでも解消しようとする趣旨からです。

消費税法にはもともと、小規模な事業者の事務負担に配慮し、免税措置が設けられています。

免税の場合には、消費税を納める義務がありません。
(→「免税事業者」

一定規模になると、消費税を納める義務が発生します。
(→「課税事業者」

免税事業者になるか、課税事業者になるかは、判定の方法があります。
その判定の方法について、改正され 新しい判定方法が追加されたのです。

これまで(平成24年12月31日まで)の免税点制度

資本金1千万円未満で設立した法人の場合

  • 1期目・・・・・・免税
  • 2期目・・・・・・免税
  • 3期目以降・・・・判定により課税または免税

[判定方法]

2期前(3期目の判定の場合には1期目)の税込売上の金額によって、課税事業者になるか、免税事業者になるかが決まります。

その判定ラインは、売上金額1千万円。

2期前の税込売上が、1千万円を
超える場合・・・その期は課税事業者
超えない場合・・その期は免税事業者

消費税:事業者免税点制度の見直し(23年6月改正)

見直し後(平成25年1月1日以降)の免税点制度

平成25年1月1日以後に開始する期から適用されます。

資本金1千万円未満で設立した法人の場合
1期目・・・・・・免税
2期目以降・・・・判定により課税/免税

[判定方法]

これまでの判定方法に加えて、次の方法により判定します。

1期前(2期目の判定の場合には1期目)の 前半6ヵ月間(=「特定期間」)の、「税込売上」か、または「給与・賞与」のうち選択したほうが1千万円を
超える場合・・・その期は課税事業者
超えない場合・・その期は免税事業者

見直し後(平成25年1月1日以降)の免税点制度

改正前は、資本金1千万円未満で設立した法人は、無条件で2年間は免税でいられたのですが、改正後は、免税が確定しているのは、最初の1期目のみということになります。

判定にあたり、「税込売上」をとるか「給与・賞与」をとるか、どちらでも自由に選べます
どちらをとるかで課税事業者になるか免税事業者になるか違ってくる場合には、自社が有利になると思うほうを選択することができます。

その期に消費税の課税事業者になるか、免税事業者になるかは、その都度前期の実績により判定するので、その実績によっては、課税事業者と免税事業者をいったりきたりすることにもなります。

なお、資本金1千万円以上で設立された法人は、これまでどおり判定に関係なく課税事業者となります。

「特定期間」について

消費税の免税点制度の判定の際の「特定期間」とは、

個人事業の場合 前年1月1日から6月30日までの期間
法人の場合 前期開始の日から6ヵ月間

です

個人事業を開業した場合の特定期間

1月1日から6月30日の間に開業した場合 ←h4 開業した日から6月30日までの期間が、開業2年目の特定期間に該当します。
例えば4月1日に開業した場合は、4月1日から6月30日の課税売上高または給与・賞与の支払額で、2年目に課税事業者になるか、免税事業者になるかを判定します。

7月1日から12月31の間に開業した場合

開業2年目の特定期間はなし。
つまり、7月1日から12月31の間に個人事業を開業した場合は、1年目、2年目は免税事業者ということになります。

新規に設立した法人(資本金1千万円未満)の場合の特定期間

第1期目が8ヵ月以上の場合

設立の日から6ヵ月の期間が、第2期の特定期間に該当します。
月の途中の日付で設立した場合は、6ヵ月後の前月末日までの期間です。
例えば、5/15設立の6ヵ月後は11/14 → 5/15から10/31までの期間となります。

第1期目が7ヵ月以下の場合

設立2期目の特定期間はなし。
つまり、設立してから7ヵ月以下で決算を迎えれば、第1期目、第2期目は免税事業者ということになります。

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