保育園・託児サービス業の開業時期
「思い立ったが吉日」という言葉もあります。
大局的な物事の流れ、自然なタイミング、ということも大事です。
セオリーやデータを意識して人為的に行動する、ということもいいでしょう。
これらのうちどれが「絶対」とは思いません。
起業するあなた自身がしっくりくる選択をしてください。
ここで紹介することは、あくまで参考程度にとどめてくださればと思います。
開園・開業時期を、売上から考えてみる
多くの業種で、一年を通してみると売上の増減推移があるものです。
それぞれの業種に特有の「最も売れる時期」と「あまり売れない時期」があります。
開業したとたんに「あまり売れない時期」に突入してしまったら、元手の資金が減少傾向になります。
年間トータルで見たら変わらないのですが、気分的にはよくありませんね。
また、開業したてで仕事の流れ・業務フローがしっかり固まっていないのに「最も売れる時期」になってしまっても大変です。
仕事に追われて疲労困憊。
バタバタがミスにつながりお客さんにも迷惑をかけてしまうかも。
慣れていたら立ったはずの売上を逃すなんてこともありえます。
そこで保育・託児サービス業の売上特性を見てみましょう。
まず「どんな相手先に対する保育サービスなのか」にもよります。
次の2つに分けてみます。
典型的な保育園(両親が働いている時間帯に子どもを預かる形態)の場合
売上が一番増えるのが → 2~3月
4月入園に向け、慣らし保育が増えるからです。
売上が一番減るのが → 4月
認可保育園に入園できることになった子どもが転園するからです。
この特性からすると、5月以降であって、2~3月のピーク時に安定的にサービスができるようになるよう期間をおいて開園するということが考えられます。
このうち、12~1月の開園は、
ピーク時にまだ不慣れな状態ということが十分考えられます。
また、年末年始の休暇があり、稼働日数が少ないということ、
そして、流感の時期とも重なる
というネガティブ要素もあります。
これに対し、9~10月開園はどうでしょうか。
夏休み明けに求人活動が活発になる傾向があります。
↓
この中には、母親が就職するというケースもあります。
↓
すると、9、10月から子どもを預けたい需要があります。
この需要をうまく取り込むことができる時期かもしれません。
企業が顧客(保育サービスの受託事業)の場合
受託開始の一番のピークは、ダントツで4月スタートでしょう。
そして二番目のピークは、やはり9月。
これらに合わせ、受託を請けるこちら側の体制固めと、相手先企業との交渉・打ち合わせなどの準備期間を確保したいものです。
企業との打ち合わせは、対個人よりも期間が長くなる傾向にあります。
4~6ヵ月前には、第一歩を踏み出すとすると、
4月受託 → 10月~12月法人設立
9月受託 → 3月~5月法人設立
なお、7~8月や、12~1月の開園は、その準備期間が「夏休み」や「年末年始休暇」と重なり進めにくいこともあります。
開園・開業時期を、保育士などスタッフの求人から考えてみる
経営において売上はもちろん大事です。
でも売上という「外向き」のことばかりに目がいってしまってはいけません。
「内側」のことも等しく大事です。
それは仕入だったり、開発だったり。
そして「人材」もその1つです。
サービス業である保育・託児事業は、スタッフを固めてこそ、その成功が見えてきます。
では、そのスタッフを募集しやすい時期とは。
スタッフを募集しやすい時期
人材が動くとき、応募が多くなる時期は、やはりこれも4月から就職を希望する人が多数。
そして次に、夏休み明けからというパターンもあり。
4月就業開始となると、
保育園形態では「売上」からは厳しい時期ですね。
託児の受託形態では準備期間が少し心もとないでしょうか。
夏休み明け就業開始は、
保育園形態でも、託児の受託形態でも、売上増の時期と重なりますが、これも準備期間が不安材料となるか。
保育園・託児サービスの開園・開業時期のまとめ
保育・託児サービスの開園・開業時期を「売上」という視点からと、「人材」という視点から見てみました。
それぞれに、いろいろな要因がありますから、唯一ベストな時期を選択するというのは難しいことにはなります。
それならば逆に、こう考えてみてはどうでしょうか。
「開業や開園が実現した時期のメリットや強みを活かす」という発想に転換してみるのです。
メリットや強みを活かすには、それらをきちんと把握していれば実現しやすくなります。
また逆に、デメリットや弱みを理解していれば、必要以上の悲観や不安視もしなくてすみます。
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