修行報告「気」其の一
 武澤先生、お久しぶりです。先日、はがきが届きました。どうも有難うございます。このはがきは僕の家宝とします。

 最近の僕の修練報告をしたいと思います。最近はスランプ状態に陥っています。セミナー直後は、良い感じだったんですが・・息を吐いていくとき、やはり苦しさを感じてしまいます。特に胸のつまりなどです。僕の感覚ですとどうも陽の呼吸の仕方が悪いような気がします。吐くときにどうしても力が入ってしまいがちです。セミナーで先生が話されていたように、ひたすら身体を緩めていって、丹田を意識し丹田で呼吸をするようにする・・ということをやっているのですが、自分が納得するような感覚を得られていません。一番の方法は、先生に僕の呼吸を見ていただくのが良いのですが、そうはいきませんので、拙い文章ですが良いアドバイスをお願い致します。

 又、最近修練をする時間の確保が難しくなっていて、限られた時間の中で何を手につければ良いのか迷っています。「気」を体得することが目的である時は、ひたすら呼吸法だけをやればよろしいでしょうか?僕は時間を確保できるときは、柔軟体操、合気道の型、呼吸法などをやっております。もし武澤先生が修練する時間をあまり確保できない、例えば今日30分間しか時間を取ることができないという時は、やはり呼吸法だけを30分間されるのでしょうか。いろいろと質問が重なってしまいましたが、何卒宜しくお願いします。

2004年6月吉日

信也・T

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N・Tさん

メールは無事に届きました。しかし、パソコンで送れないのは困りましたね。

さて、少々スランプ状態に陥っているそうですが、悩む必要はありません。たとえ呼吸が辛くても、その一呼吸、一呼吸は確実に細胞内エネルギーを膨らませているのですから・・。これだけは信じ切ることです。そうでないと「こんな呼吸をやって何になるんだ・や〜めた」ってことに成りかねないですからね。これではもったいない(^◎^)

無理はしなくていいですから、続けてさえいれば確実にエネルギーは膨らみ、必ず気感は高まってきます。その高まった気感が呼吸法を行うとき、より深いリラックス状態へと導いてくれるのです。

真の瞑想呼吸法は決して苦しく辛いものではなく、究極のエクスタシーを味わえるものなのです。(崇高なる光り感覚)
心地よいから吐く息が次第に、深く長くなってくるのです。だから「吐く息は気持ちよい・気持ちよい」と自分に言い聞かせることも一つの方法です。(自己暗示)
それと肉体感覚でもって呼吸をするという意識を無くすことです。前にも言ったように、できるだけ良いイメージに浸りながら、肉体的感覚を希薄にして息を吐くのです。口先、喉、横隔膜を絞り上げて吐くのではなく、丹田にまかせて吐くのです。まるで湧水が延々と湧き出るように・・・。

息を吐いていって最終的に胸が詰まるそうですね。それは呼吸法初期段階では仕方ないと言えば仕方ないことなのですが、とりあえずは、ご自分が意識した丹田よりも更に下気味に意識を置いてやってみてください。

それと、丹田の中心を捉えるという意識も大事です。満月の中にスッポリと入り込んで瞑想呼吸法をしているご自分の姿を思い浮かべながら、呼吸法を繰り返してみてください。

息を吐き切って両手&両足に意識を置き、息止めをするとき「からだは空」と念じてください。体内が透明な風船のようにイメージしそう感じられたらグッドです。胸が詰まっているとそうは感じられないので、そのギャップを無くすべく呼吸法を繰り返してください。いつの日か完璧な「空」を実現するときが必ずやってきます。

又最近、時間の確保が難しいと言っておられますが、一日の中でわずかな時間でも呼吸法に当てられることをお勧めします。本を読みながら、テレビを観ながら、電車や車に乗っているとき。etc・・・ そのように心掛けていると、一日のうちトータルで1時間や2時間は呼吸法を実践できると思うのですが・・・。実はその積み重ねこそが、大きな意味を持ってくるのです。

真息を得るには質と量が必要ですが、その量の部分を日常生活の中で確保しておいて、質の部分は夜、寝床に就く前に10分でも20分でもご自分のできる範囲で良いですから、ゆっくりと正しくやってみてください。
呼吸法をやって眠りにつくのと、やらないで眠りにつくのとでは、翌日の身体と精神の感覚が全く違うことに気が付くことと思います。

秋のセミナーのことを思えば、ワクワクとして待ち遠しいと感じるようであれば、現在の自分への働きかけは一応成功していると言えるでしょう。

どのようにしても、一日に30分しか時間が取れないとしたら、私なら迷わず瞑想呼吸法を行います。

以上、簡単にお答えしましたが少しは参考になりましたでしょうか?修行報告「氣」其の弐を待っています。

                          武澤あつよし

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修行報告「気」其の一