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「だってココは、こうでしょ?」
パソコンのマウスを握ってそう訊くのは、伊集院シズカ。
「それが違うんだって。右だよ」
そう言って、後ろからモニターを覗き込んでいるのが藤崎 由希。
「いや、ぜってー正面だ」
更にその横から、俺が口を出した。

ここは伊集院家のシズカの部屋。
シズカが由希に会いたいというから連れてきてみれば、用件は単なるゲームの攻略法だった。
男三人でむさ苦しく考えていると、部屋の扉がノックされた。
「開いてるよ、どーぞ」
シズカが画面から目も上げずに応えると、ぬっと一宮 龍弥が入ってきた。
「よぉ、坊ちゃん」
「竜! 稽古の時間…と、君たち、何をしてるんだい?」
「何って…」

エロゲー
               ← エロいゲームのこと。(一応 説明)

「ふっ、不潔だよ!!!」
真っ赤な顔をして龍弥が叫んだ。 それを見たシズカと由希の目がキラリと光る。
面白いオモチャを見つけたってやつだな。
「ふっ、龍弥くん。キミも興味あるだろ?」
シズカが肩に手を回して言う。
「いやあ、初めまして。 俺は藤崎 由希。 竜也の友だち」
その手を取って、由希が自己紹介をした。

・・・うわー。 子ウサギを囲んだ狼たちに見える。

「まぁまぁ。 とりあえずココに座りたまえ」
「画面を見るのだ」
「そ、そんな! 僕は…!」


「何やってるんですかーー!!! 」


バァン!と伊集院がすごい勢いで駆け込んできた。
龍弥は真琴さーんと泣きながら伊集院の方へと逃げた。(投げ飛ばされたけど)



「……竜くん…こんなもの…」

伊集院がパソコンを覗き込んで溜息を吐いた。



「・・・ 私が いつでも 見せるのに ・・・




…おーい。

「いや、なんか軽い気持ちで始めたらさ〜、案外 謎解きが難しくて」
「そーなんだよな〜。結局 目的はどっちだ!って感じだよな」
シズカの台詞に俺も わははと笑った。
男四人でプレイしていること自体すでにギャグである。

「それにしたって、一宮さまに こういうのは…」
「いや、こういうタイプは、イギリス留学中にお姉様に喰われたはず」
由希がビシッと龍弥を指差して言った。
「な、な、なんで…」
「マジ!? 図星!?」
シズカが叫んだ。
お前ら、面白そうだなー…。
「じゃあさ、竜は?」
「へ?」
いきなり こっちに振るなよ。
「俺?」
「そう。初めては いつ?」
「 俺、ドーテーだぜ?」
俺がそう言うと、全員が驚いた顔をして、こっちを見た。

「なんだよ、別におかしかねーだろ」
「いや、てっきり中学のときに済ましてるかと思ってた」
シズカが言う。
伊集院を見ると、どうやら彼女も そう思っていたらしい。

まあ、確かに中学のときは夜中ウロウロしてたけどな。

「好きでもないやつに触るの気持ち悪い」

誘われて興味はあったけど、それで駄目だった。
嫌悪感が先に来た。

「それって…」

「?」

なんだよ?

「私のことは 好きってことですね !! 」

「はあ!? 」


とんでもないことを言い出す伊集院に呆れた声で応えた。

「だって、私とは大丈夫じゃないですか

一体なにを言い出すんだ!!!

「え!? もうそういう関係!? 俺 気付かなかった…!」
シズカがショックだぁ!と騒いでる。

「アホ!! んなわけないだろ! 伊集院、誤解を招くようなこと言うな!!!」
「だって、キスは大丈夫じゃないですか!」
「いつも不意打ちだろ!!」

「・・・ちょっと待て」
由希が言う。
「なんだよ」
「じゃあ、竜也のファーストキスは…」


「私ですか !!? 」







・・・・・・・・・・・・・・・ええ、はい、そーです






・・・けっ、 だから 何だっつーの!!!








パーティ編へ続く

(いや、今回は果たして載せても
いい内容か迷いましたが…
これ、何歳ぐらいの人が
主に読んでるんだろう…)











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