HOME   festa22 ←back  HAPPY、HAPPY、LOVELY !  next→festa24  

HAPPY、HAPPY、LOVELY ! − school festival −






感極まった伊集院が大きな声で俺を呼ぶ。

壇上からの声に、離れていた視線がまた俺に戻った。
あーあ。
伊集院のアホー。

仕事をしろ、と手で追い払う仕草をする。
しかし、伊集院は目をそらさず、俺を見ていた。

隣りのハートの女王に賞品を手渡して、壇上から飛び降りようと・・・


あ、ばか! スカート!!



ひらりとスカートが舞って、中が見え・・・!



って




なか ジャージぃぃ?!!!




↑ 陵ONE仕様です (by 真琴)




伊集院が舞台から飛び降りたところから、俺の前まで、人垣が割れる。

「竜くん!」

駆け寄ってくる伊集院。
またタックルされるかと、衝撃に耐えるように踏ん張るものの、俺の手前でピタリと止まった。

「竜くん・・」
大きな目が俺を見上げる。

「・・よ」
松葉杖で立ったまま、片手をあげた。

伊集院はそれには応えず、濡れた瞳でじっと俺の顔を見る。

「・・・・・」
「泣くな、ばか」
コツンと手の甲で伊集院のおでこを叩く。
「〜〜泣いてません!」
額に両手をあてて悔しそうに言う伊集院を、
「あーそう」
と言って、軽く流した。

「温泉旅行、あてたんだろ?」
「えっ・・」
「?」
なんで驚くんだ?
「よこせよ」
ズイっと差し出した手を、伊集院が俺の顔と交互に見る。

「一緒に行ってくれるの?!」

「はぁ?」

「行ってくれるんですね!」
キラキラと目を輝かせて、伊集院が詰め寄った。
「あ、そうか、ペアチケット・・」


・・・にしては、なんだか・・・?


「竜也」
ポン、と由希が俺の肩を叩く。



「 温泉当たったのは、真琴ちゃん

は?


「だから、旅行を当てたのは、真琴ちゃん本人」
「はあ!?」

じゃあ何でみんな俺に当たったって言うんだよ?!

「それは・・」
周りはニヤニヤと俺と伊集院を見る。


「真琴ちゃんが 竜くんに捧げる宣言 をしたから」


ささげる?




「捧げるって何を?」

「やだわ、川原さんのエッチ!」

「そう言う鈴木さんこそ!」




うるさいぞ お前ら!









つづく




HOME + HAPPY、HAPPY、LOVELY ! + start + party + hospital + fight + summer