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東塔の法華総寺院の裏手から、森の中を歩き、西塔に向かう。近くに奥比叡ドライブウェイの道もあるが、そんなロードもあるのも気がつかないような小道だ。ひんやりとした霊気が体を引き締めるようだ。

西塔への参道。法華総寺院からほどなくして、小さなお堂があった。山王院だ。
ほどなく、最澄 伝教大師の眠る聖域である御廟がある浄土院に辿り着く。

西塔で特徴的な 法華堂と常行堂が見えてくる。二つのお堂を渡り廊下で結ばれている。比叡山の僧兵だった弁慶がこの渡り廊下を肩に掛け、天秤のように両堂を担いだという逸話から「弁慶のにない堂」とも呼ばれている。

こけ庭を前にした常行堂。常行堂では、念仏を唱え続ける常行三昧という修行が行われる。

法華堂では、坐禅を続ける常坐三昧という修行が行われる。

比叡山内にある院や坊の住職になるためには、三年間に渡る籠山行(ろうざんぎょう)が義務づけられている。1年目は、浄土院の侍真(伝教大師御廟の庭を常に清らかに掃き清める庭の手入れを勤める修行僧で、12年間、1日も欠かさず最澄の身の回りのお世話を行う)の助手、2年目は比叡山内を1日30K巡拝する百日回峰行、そして3年目には常行堂と法華堂のいずれかで九十日間の修行を行う。いづれの修行も1日数時間の仮眠や食事 をとる以外ひたすら坐禅や念仏を唱えながら本尊・阿弥陀如来の周囲を歩き続けるという厳しいものだそうだ。さらにその後、十二年籠山もあり、これは浄土院の侍真と千日回峰行者にとって必須の修行となっている。

長い石段を下ると 延暦寺で現在の最古の建築物である釈迦堂。織田信長の焼き討ちにより焼失したが、その後豊臣秀吉によって三井寺の金堂が移築された。鎌倉時代の創建とされ、本尊に釈迦如来像。

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