商業・サービス業が成功するには、地の利がほんとうに大切だ。
昔、大井町に住んでいたとき、友人の知り合いがビルの2階に焼鳥屋の店を出した。若夫婦だった。
こつこつと資金を貯めて、ようやくの開業だった。
しかし、誘われるままに一度行って「これはムリだ」と直感した。その店は、1年ほど続いたが、それが限度だった。
ビルの2階の店を営業するためには、固定客が必要だ。一見の客を呼び込むことは困難である。そのあてがないのに新装開店は無謀だといえる。
人の流れを見誤ると、店舗経営の維持はできない。
職場帰りの客を狙う飲み屋なら、比較的大きなホールと安いメニュー、とってつけたような割引チケットが武器になる。
いったん常連客をゲットしてしまえば、ビルの2階でも大丈夫だ。
サラリーマンは、仕事の都合で時間差で飲み屋に集まる。だから、「駅前の○○屋」と言うだけで、誰でもわかる店になれば、それで固定客はゲットできる。 |