2000年12月中旬の日常

2000年12月上旬に戻る
2000年12月下旬に進む
他のログを見る

最近の日常を覗く


2000年12月11日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001211~.htm#Day11

 えーと、浮ついてます。

 毎度の如く妙なデータと格闘しつつ、早見裕司『水路の夢[ウォーターウェイ]』(徳間書店・アニメージュ文庫)読了。流石にこれだけ時間が開くと読み方も違ってくる。因みに、これはもう一冊読んだあとで着手する予定だったのだが、そちらの文章にも展開にも今一つ馴染めず、100ページ読んだところで一旦後回しにしたのであった。うーん、期待していたんだけど、この出だしはなー……

 本日のお買い物
1,太田忠司『遊戯(ゲーム)の終わり』(実業之日本社・JOY NOVELS)
2,島田荘司・責任編集『季刊 島田荘司 Vol.03 2000 Christmas』
3,『2001 本格ミステリ・ベスト10』(以上、原書房)
4,『小説現代1月増刊号 メフィスト』(講談社)

 1は久々の藤森涼子作品集。阿南シリーズとも絡んでいるため、地味ながら結構好きなシリーズである。2は……悩んだ挙句に取り敢えず。
 毎年この類のランキングは、20位以内に入った作品を何冊持っているか(……昔は「読んだか」で判断したんですけどね……)を調べて遊んでいる私である。『このミス』は20位中13冊とまあまあ(?!)、そして『本格ミステリ・ベスト10』20位まででは17冊。うち読み終えたのは……訊くな。

 ――で、現在浮き足立っている理由は、最後のこれ。
5,Pat Metheny Group『The Falcon and The Snowman -Original Motion Picture Soundtrack』(EMI Manhattan Records・CD)


Pat Metheny
公式アルバム完全制覇!!!!!!

 収集を決意してから一年にしてこの有様だ。しかも最後には、日本盤が出ていないらしいのに苛立ってとうとう海外からインターネット通販で購入してまで揃えてしまったのである。
 このアルバムは、メセニー及び彼のグループがECMからGeffenへ移籍する丁度中間の1985年に発売された、グループとしては唯一の映画サウンドトラックである(メセニー単独では二枚発表している)。グループ・カラーに重大な影響を齎したペドロ・アスナールが参加したスタジオ作品三枚のうち丁度真ん中に当たる作品でもあり、是が非でも聴きたかったのだが、国内盤は無論、本国盤も輸入販売されているところに行き会ったことがなく、遂に海外のCD通販サイトに注文、手続に不安を覚えつつ漸く入手したのであった。
 で、現在もエンドレスで聴いている真っ最中。冒頭でコーラスを採用したり、デビッド・ボウイと競演したりとかなり異色の作りだが、手触りは明らかに『First Circle』〜『The Road to You』まで続く、ブラジル色を強めたグループサウンドそのもの。尚かつ、近年の『Imaginary Day』にも通じる実験的な演奏も行われており、突出したクオリティでこそないものの、間違いなくPat Metheny Groupを語る上で重要な地位を占めるアルバムだろう。
 ――だのに何故日本盤が出ていない?! レーベルの問題が一番大きいのだろうが、この際何処だって構わないから出してくれ! そしてその際は、ジャケットの印刷をもっとまともなものにしてくれーっ!!! 字が潰れてクレジットが判読できんのじゃー!


200012月12日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001211~.htm#Day12

 祝・大江戸線全線開通。汐留駅が開かないと我らにはどうしようもないという気もする。……いや、時間的には現行路線で行った方が近いのか?

 引き続き浮ついております。別の人間の初歩的なミスで仕事遅れたりしたけどさ。相変わらず読書進んでなかったりするけどさ。全部帳消し。浮つきすぎてやっぱり優先事項が停滞していたりするのだが。

 本日のお買い物
1,貞本義行・GAINAX『新世紀エヴァンゲリオン(6)』(角川書店・Kadokawa Comics A)
2,Pat Metheny『TRIO → LIVE』(wea japan・CD)
3,Miles Davis『Miles Davis Volume 1(邦題:マイルス・デイヴィス・オールスターズVOL.1)』
4,   〃   『   〃   Volume 2(邦題:〃VOL.2)』(東芝EMI/BLUE NOTE・CD)

 1についてはこんなサービスがあるらしい、ので私が入手したからと言って慌てて探しに行かないように。サービス不要なら兎も角。因みに私はついさっきこの企画の存在を知った。この手のコミカライズにしては長持ちしているという印象のある本書、どうやら山場が接近している模様。大分端折っているようだが。
 2。昨日に続きメセニーだ。トリオだライブだ。あとの3・4と同時購入のため、流石にまだ全て聴き終えていないのだが、二枚組Disc1の20分近い『Question and Answer』における鬼気迫る演奏、そして全般に前作『TRIO 99→00』を上回る完成度が感じられ既に納得の手応えがある。
 3と4は別売りながら事実上セットとなっている作品。マイルス・デイヴィスは長いタームでプレスティッジ→CBS→Warner Bros.と籍を移しており、ジャズ界屈指の名門BLUE NOTEには実は在籍していない。しかしマイルスがプレスティッジに在籍していた当時のBLUE NOTEプロデューサー・アルフレッド・ライオンが熱烈なラブコールを送り、1952年から毎年一度ずつレコーディングを行う契約を結んだのである。この時期マイルスは深刻な麻薬中毒に陥っており、普段は満足なプレイすら出来なかったものの、BLUE NOTEという看板が彼を駆り立てたのか、この1954年まで年に一度ずつの録音で、ハイクオリティな演奏を繰り広げた。それらを収めたのが、この二枚に分けられたアルバムというわけ。所謂ハード・バップの頂点にあり、初期マイルス・デイヴィスの最高傑作と謳われていることもあって目下一番欲しかったマイルス作品だったので、この機会に購入。因みにマイルスは54年の録音時にはほぼ麻薬中毒からも脱し、懸案だった移籍を早く実現するために、所謂マラソン・セッションを敢行、数日のうちにプレスティッジ最後の四作に相当するレコーディングを終え、キャリアの大半を占めるCBSでの活動に移る。諸般の事情からBLUE NOTEへの移籍は叶わなかったのだが、ライオンとの友情に報いるため、マイルスは自身がサイドメンとなって録音を行い(CBSとの契約上の問題で、マイルスがリーダーとなるわけにはいかなかったらしい)、奇跡的な名作を創出することになる――それがキャノンボール・アダレイ名義で発表された『Somethin' Else』であり、未だに屈指の名演と呼ばれている『Autumn Leaves』となるのだった。以上、長い余談。
 ともあれ、分量が多すぎるので買ったCD全部はまだ聴いてません。従って感想は後日。そっとしておいて。

 今日もリンクの更新が大変だ。上に初登場したもの以外には、日本推理作家協会のサイトを追加。


2000年12月13日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001211~.htm#Day13

  漸く真面目にお絵描きをし始める。ウェーブのかかった髪は、イメージの統一が難しいのであった。日記を書き終わったらまた作業に戻る予定。これを早めに済まさないと、半年後の地獄の伏線を張ってしまうことになりかねん。

 本日のお買い物
1,野間美由紀『パズルゲーム☆はいすくーる(2)』(白泉社文庫)
2,絵夢羅『Wジュリエット(6)』(白泉社・花とゆめコミックス)
3,ジャン=ジャック・フィシュテル『私家版』
4,多岐川 恭『的の男』(東京創元社・創元推理文庫)
5,早見裕司『夏の鬼 その他の鬼 〜Summer Road, Again〜』(エニックス・EX NOVELS)
6,五代ゆう『ヴァルキリープロファイル(上)』(角川春樹事務所)
7,梅村 崇『小説ヴァルキリープロファイル(上) ミッドガルド擾乱』(エニックス・GAME NOVELS)
8,『LAURELS FOE ELEGANCE 1999年世界新体操選手権大阪大会記録写真集』(中教出版)

 今日の買い物は全て終業後。……普段は勤務中に抜け出しているというわけだな。暇なんだよ。
 まず1・2を元バイト先で購入したあと、一旦自宅に戻る。そこで資料目的で購入した(本当だぞ)新体操の写真集8が到着しているのを確認したあと、再びバイクで秋葉原は書泉ブックタワーへ。一階で文庫・新書・書籍の新刊を見て回るも特に探しているものは発見できず、次に上階の文庫本が揃うフロアへ。些か手こずったり脱線したりしつつ、当初の目当てである3と4をどうにか発見・購入する。
 問題はここからである。5と7は15日頃発売とあるから、ここの規模なら既に入荷し、陳列しているか或いは在庫として奥に隠されている可能性がある。もし陳列されているとして、一体どこにあるのか。5はノベルスの新しい枠から出版されるらしく扱いの予測が出来ない、7はノベライズという性格上、ゲーム関連の書籍が並ぶフロアにあると考えられるが、確かとは言えない。取り敢えず更に上の階の、コミックや少女小説が揃っているフロアへ向かい彷徨した。配置の見当がつかず諦めかかったとき、雑誌が書籍と同様に差されている棚の脇にあるワゴンに、在庫なのか陳列されているのかよく解らない状態で背を上に向けて差された5を発見。実物を目の当たりにしてかなり感激しつつ、怖ず怖ずと一冊を手にとって更に探索を続ける。コミック関係のフロアに7は発見できず、一階下に戻り文庫類と同じフロアにあるゲーム関連書籍のある一帯を探すも見付けられない。最後の手段と、新刊を扱う一階に戻ってレジに訊ねると、……やっぱりゲーム関連書籍のフロアにあるのだった。促されて再度上階へ向かう。エスカレーターであっても面倒は面倒。行ってみると、大判の攻略本や原画集が並ぶ一画にノベライズを陳列した棚があって、その真下に攻略本などと並ぶ形で平積みにされていた。レジを見遣ると、連絡を受けた際にすぐさま用意してくれたらしい本が見えたので近寄る。
 ……二冊あった。6と7が。
 6の存在自体は耳にしていたが、四六判上製しかも1900円という価格から、文芸書と同一の扱いをされているだろう、ゲーム関連書籍のフロアで簡単に出てくることはあるまい、と思いこんでいたため、やや青天の霹靂な気分に嵌る。暫し悩んだのち、某氏への嫌がらせ半分、無論興味もあって両方とも購入した。1995円……ちょっと痛い。
 ともあれ、今月最大の楽しみであった5と7を首尾良く入手できてご満悦の面持ちで帰途に就く。5はどうやら『夏街道』『水路の夢』から純粋に続く作品ではなく、設定を一部変更して現代に舞台を置き、新たに仕切り直した新シリーズらしい。古いファンとしては、川原由美子氏のイラストによるキャラクター紹介と挿し絵も旧シリーズになぞらえて復活させて欲しかったが、そこまで贅沢は言うまい。
 因みに1と5と7は同じ方の手による装幀である。だから買った、というわけではなく、本当にたまたまなのだが。


2000年12月14日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001211~.htm#Day14

 量的にもなかなかの仕事ではあったが、九時半まで居残るほどの話ではないと思う。そもそも私は四時半頃に一通り終わったと言うので引き上げて、帰途例によってCD屋に寄り彷徨した挙句ミニアルバム一枚購入して家に戻り、近所のコンビニでスナックと飲み物を買ってさあ一息つくか、と思った次の瞬間に呼び戻されたのだ。でてっきり既にデータが上がっているものだと思いこんで手ぶらで職場に舞い戻り、退屈のあまり読書途上の本が複数あるにも拘わらず職場に積んである本からまた新しいものに手をつけてしまう。その上折悪しく、以前と全く同じ勧誘電話がかかってきて人の苛立ちを煽る煽る。某人生ドラマ番組に冷ややかな眼差しを向けつつ待っている間に食事も採って、最終的にデータが到着したのは八時半。それから何だかんだで母の車に同乗し職場をあとにしたのは九時過ぎのことだった。先に行った作業からあとを全て待ち時間と捉えると、実に四時間半。最早苦笑しか浮かばないのであった。合間に早見裕司『夏の鬼 その他の鬼 〜Summer Road, Again〜』(エニックス・EX NOVELS)を読み終えてしまう。作品自体は満足以上の出来だったので、その意味では充実していたのだが、ね。そんなこんなで、自分の作業は全くの手付かずに終わった一日。……はあ。

 本日のお買い物
1,『怪 第拾号』(角川書店)
2,Richard Bona『風がくれたメロディ』(SME Records・CD)
3,大塚英志・衣谷 遊『リヴァイアサン(3)』(メディアワークス・電撃コミックス)

 リチャード・ボナというのは、ジャズ・ベーシストとして「ジャコ・パストリアスの再来」と謳われつつ、渡辺貞夫らのサポートや自らのソロ作品で披露した作曲・編曲そしてヴォーカルのジャンルに束縛されないセンスから次第に脚光を浴びつつあるミュージシャン。彼が日本の『みんなのうた』から依頼を受け、日本語詞に曲をつけ自ら演奏し歌ったのが2である。曲そのものはまだ耳にしたことはなかったが、あのリチャード・ボナでミニアルバムなら損はするまい、と思い購入した。実際の中身は四曲収録されているうち二曲が既発表曲、一曲は発表済みの曲に新たに日本語詞とコーラスを重ねたもので、今の処唯一のアルバムをちゃんと所持している私には些か無駄が多いものの、日本語詞の当てられた二曲だけでも充分に聴き応えのあるアルバム。気になる方は、折を見て『みんなのうた』にチャンネルを合わせて、そのぎこちなくも暖かな歌声に耳を傾けてみてください。2000年12月から2001年1月まで放映予定だそうな。
 3は、ここに来て思わぬ展開。趣向自体は面白いと思うが、このままだと二巻までとは物語展開ががらっと変わってしまうような気がして、些か不安を覚えた。取り敢えず目は離せないと思うのだが、やや様子見の気分にもなりつつある。さて、どう出るのやら。

 ……流石に待ち疲れた上、『夏の鬼〜』の感想に少々力を入れすぎたので消耗気味である。ちょっと早めに休もう……ああもう、結局懸案全然片付いてないじゃないか。


2000年12月15日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001211~.htm#Day15

 脱線の方が捗るのは如何に。山口雅也『垂里冴子のお見合いと推理』(集英社)読了。因みに購入は発売当時の1996年、無論初版。
 いつもなら暇な週末なのだが、今日に限ってはそれなりの仕事量となった――ような気がしていたが、やはり大半は待ち時間だったようにも思う。来週火曜日入稿で月曜日までに仕上げて欲しい、という原稿が午後になって急遽加わったために、またしても居残りかと思ったが、今日はどうにか回避。月曜日の朝一番に出力すれば大丈夫だろう、という話になる。ふう。
 その合間を縫って買い物に出かけ、ついでに日常の足となったバイクを購入した店に持って行き、懸案だったプレーキパッドの交換を依頼する。当初の話では10月頃には消耗しきるのでそのぐらいに来店する約束になっていたのが、忙しかったり面倒臭かったりで足が遠退いていたのだった。昼前で店主が留守にしていたため、バイクと鍵を預けて一旦職場に戻り、食後一仕事済ませたあとで連絡すると、ブレーキパッド自体は思ったほど消耗しておらず、あと500kmは保つという話だった。通勤が主な用途で遠出も稀な身分のこと、500kmの目算ならまだひと月は保つだろう。しかし、問題はチェーン。弛みきっていたので調整してくれたそうなのだが、そろそろ限界が来ているとのこと。当分新しい機体に換えるのは難しいので、予算を確認してそちらも後日、年明けぐらいにブレーキパッドごと交換して貰うことにした。店に行き、調整費だけ支払って戻る。しかし、どーも最近チャラチャラおかしな音がするなーと思ったらチェーンが弛んでいたのねー……気付けよ俺。バイクの整備も少しぐらい自分で行わなきゃねえ。

 本日のお買い物
1,『黒姫』(SPD・Windows対応ゲーム・18禁)
2,『凌辱せんせい』(POWERD・Windows対応ゲーム・18禁)
3,『ジャーロNo.2 2001. WINTER 新世紀特大号』(光文社)
4,太田忠司『久遠堂事件』(徳間書店・トクマ・ノベルズ)
5,西澤保彦『猟死の果て』(角川春樹事務所・ハルキ文庫)
6,須藤真澄『ナナカド町綺譚』(秋田書店)

 久々に18禁の文字を書いたな。3とともに暫く生贄として活用させていただきます。それにしても、前号を読み終えたのがとても最近のような気がしてならないんだけど、気のせい?
 4は私よりも待っている方がいたよな。という訳で、そろそろ出回りますよーえんじさん。私は……好きなのだが、すっかり遅れてます。
 6は以前小学館から刊行されていた単行本を、判型を大きくして復刻したもの。なので無論内容は先刻承知だが、サイズが大きくなっているだけでも魅力的だし何より最近この方の描くファンタジーに飢えているので良し。近況を見ると、すっかりエッセイ漫画とねこ中心でファンタジーは気配も感じられない。せめて、せめて振袖いちまの三巻をっ!!!

 ゲームはまだインストールしてません。流石に陽の高いうちはちょっと、ね。というわけで感想などは明日以降。本当ならそろそろPat Metheny『Trio → Live』にも言及したいところだが、またしても読書感想で消耗しました。


2000年12月16日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001211~.htm#Day16

 昨晩、日記をアップロードしたのち、某所のチャットで奇妙な企画を実施する。新作ソフト初プレイ生中継。こういう馬鹿げた企画が成り立つのも、関係者がそこにいればこそである。取り敢えず参加者に受けたので良しとする。お陰で寝そびれていつもより一時間ほど遅く就寝する。

 その関係者が誰なのかは(一部の方には自明ではありましょうが)取り敢えず伏せたまま、久々のゲームレビュー。
 まずは『黒姫』(SPD・Windows対応ゲーム・18禁)。キャンプ場で道に迷った学生仲間七人は、夜も更けた頃、森の中に洋館を発見する。その時不意に訪れた大規模な震災で意識を失い、気付いたときには彼らは何処かの屋敷の中に閉じこめられていた。それぞれがてんで勝手に行動しているうちに、次第次第に屋敷の異様な状況が明らかになり、やがて災厄に見舞われ始める。プレイヤーはその中の一人となって屋敷中を探索し、一定時間(最大48時間)脱出する方策を探すというもの。
 ゲームとしてはなかなか楽しめる。ただ、ひと部屋の移動に15分かかるという設定も妙だが、選択した移動先がまだ対象外だというのに表示されていること、そこを選択すると他の部屋同様15分の移動時間が加算されてしまうのが、お約束とは言ってもやはり解せない。テキストではあれやこれやと恐怖を盛り上げようとしているのに、グラフィックがテキストの内容を反映していなかったり、していても妙に脳天気だったりで台無しにしているところが多い。どうも、CG作成の比重をHシーンの方に傾けすぎている嫌いがあるのだ。酷いのは、クライマックスでも通常グラフィックのみで演出しようとしている辺り。全般に、Hシーン以外はテキストに依存しすぎているのが、この手の作品としてはあまりにマイナス。
 では肝心のテキストはどうかというと……展開もこちらの気を逸らさないものだし、クライマックスに至るまでの盛り上げ方も堂に入っていてなかなかなのだが、細部の杜撰さが目立っている。あちこちで生じる怪異が、スーパーナチュラルに依拠するようなものですら意味を付与されておらず、殆ど気紛れに、その場凌ぎで発生しているように見えるのが、AVGとしては物足りなく、消化不良を起こしている。また、ちょっと展開が単純なのも気に掛かる。何せ初回プレイで、どうやら最善のエンディングに辿り着いてしまったぐらいなのだ。もう少し細部で捻りを利かせてくれても良かったように思う。
 しかし、軽く遊ぶには適した、水準作と評するに吝かではない。ただ、一応ホラーらしき小説作品を書いている身としては、もっと練り込んでくれないとな、というのが率直な感想。
 次いで『凌辱せんせい』(POWERD・Windows対応ゲーム・18禁)。こちらは、裏から手を回してある女子大に教育実習生として(現時点でのツッコミは不要です)潜り込んだ人物が、受け持ちクラスの女生徒三名と担任教師に目を付け、教生期間のうちに彼女らの秘密や弱みを握って自らの性奴隷に仕立てようと画策する、というあらまし。
 こちらはシナリオライターがある意味楽しんでいるのが解り、『黒姫』に較べると気楽だが、比例して展開が安易に流れている嫌いが強い。短いゲーム期間故、かなり早々と二人のキャラクターを攻略したが、この二人に対する残虐行為が似通ってしまっているのもいけない。題名に『凌辱』と謳っている以上、端からそういうのが苦手なユーザーが手を出すことはないと思われるのでその点からの批判は特にないのだが、だからこそシチュエーションぐらいは多めに用意して戴きたいもの。
 グラフィックは、『黒姫』よりは多少気遣いを感じさせるものの、演出は拙劣。テキストの表現を無視した表情をキャラクターが浮かべていたり、場面転換の間を活用していなかったりと、演出する努力すら放棄しているように映った。気楽に遊べる、という点では『黒姫』より秀でている(?)が、それ以外の杜撰さも気に掛かった。

 起床後、家族はあっちへ行きこっちへ行きしている中、私一人自室でだらだら。昼食は近場にある行き付けのうどん屋で済ませ、あとは本を読んだりDVDを見たりして過ごす。
 今日鑑賞したDVDはTRICK Vol.3』(テレビ朝日)。通してみるとやはりミステリとしては破綻しているが、キャラクターの魅力はこの辺りから大爆発している。だが、今回敢えて取り上げたのは、この巻のおまけ故である。ここに収録されているのは、ある常套的すぎる詐術を利用した遠隔殺人を扱ったエピソードなのだが、阿部寛演じる上田次郎がこのトリックに気付く契機(同時に犯人が最後に使うトリックの仕掛の一部)として用いられていた、『哲!この部屋』という大業ギャグが存在している。無論元ネタは『徹子の部屋』で、当初同じ局ということもあってオリジナルのスタッフに交渉したらしいのだが、案の定あっさりと断られ、冗談交じりに提案した馬鹿ネタがそのまま実行に移されたものだったらしい。ドラマの中では上田の見るテレビの中で『哲!この部屋』が一分程度見られるだけだが、恐るべきは『TRICK』、なんとこの僅かな時間に使用するためのネタを、本気で収録していた。「やむなく落としたカット集」というコーナーの中で、この究極の幻の番組が実に15分近くに渉って流れるのである。渡辺哲とゲストの工藤兄弟・マナカナが本当にトークを繰り広げ、しかもラスト近くには提供の「牛乳普及協会」(この小ネタがまた憎い)という文字のバックで牛乳を上手そうに飲み干す渡辺哲の絵が挿入されるなど、凝り方も尋常ではない。はじめからDVD収録を狙って撮影していたんじゃないかと思われるほどの完成度である。これだけでもこの第三巻には購入する価値大だが、更に本編収録エピソード後編に於ける10分(!)近いカット場面も完全収録されている。これは遠隔殺人を予告した女性が、上田に対してあるマジックを仕掛ける場面なのだが、恐らくは時間的な都合から、関連する台詞やエピソードを一切斬り捨てたという凄まじい代物。このマジックの種自体は、ちょっと勘のいい向きならすぐに解るものだろうが、この一連の流れはドラマ全体からすると決して必要ではないにしても、如何にも『TRICK』という風情のエピソードで、これを頭の中で本編に挟み、改めて全体像を見直す、という見方も出来る。ともあれこの第三巻、本編が好きならこの巻だけ買っても損はない。
 しかし、食事に出かける前にちょっとカット集を見ようと思っただけなのに、これが総計40分以上もあった所為で、遅くなってしまったのだった。

 夕刻、漸く自室にある本の在庫整理を始めながら、柄刀 一『マスグレイヴ館の島』(原書房)読了。噂の手こずっていた本というのがこれ――意外に思われるかも知れないが、最後まで馴染めなかったのだ。原因は物語全体のバランスが崩れていることと、文章のテンポの悪さ。ネタバレ部分を伏せ字にしてでも、何処が合わなかったのか詳細に語りたいところだったが、今夜は在庫整理に手間取ってしまったので、明日に廻そうと思う。トリック自体は名作の域に達する可能性すら秘めていたと思うのだけど……

『ジャーロNo.2 2001. WINTER 新世紀特大号』(光文社)散発レビュー……は、今日は冒頭の対談すら読み終えられなかったので、なし。それ以前に、今夜は久々に長い日記だけで勘弁してください。


2000年12月17日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001211~.htm#Day17

 現在13時11分。まだ日記をアップする時刻ではないが、書き上がったので柄刀 一『マスグレイヴ館の島』(原書房)感想のみ更新しておきます。お陰で昼飯もまだ食ってません。あと数時間後には関西の某所で忘世紀会が開かれるらしいです。羨ましいぞ畜生。

『ジャーロNo.2 2001. WINTER 新世紀特大号』(光文社)散発レビュー第一弾、今日は訳あって一本だけ。
 ローレンス・ブロック『レット・ゲット・ロスト』:ニクソン大統領が二度目の任期を二年勤めていた頃、マット・スカダーはまだ警察官であり、妻子とも平和に暮らしていた。ある日、知人である高級娼婦のエレイン・マーデルに頼まれて、あるアパートメントの一室を非公式に訪問する。そこには、扉を支えるような状態で倒れる男の死体があった。
 普通に扱えばなんの変哲もないエピソードだが、マット・スカダーが、回想という形で物語ると不思議な膨らみを感じさせる。素材とプロットの組み合わせにより価値を押し上げた、正しく職人技の一篇。逆に、スカダーという人物とその来歴に関する知識を持ち合わせないと、あまり味わいを感じないのでは、という危惧をも抱いた。

 読書もせずに何をしていたのかというと、主に在庫整理である。机の横でテレビの前、ビデオの取り出しを邪魔するような位置に積み上げていた資料本を入れた箱と、早めに読むつもりで在庫から集めた本を収めた箱(但し半年以上そのまま)の中身をチェックする。……あ、あった小鷹信光『赤き馬の死者 探偵物語』(幻冬舎文庫)。灯台もと暗しを体現するこの現実に、ひとり一瞬暗くなる。資料本、と言っても大半は読み物として成立しているものだし、元々興味があって買ったばかりものなので、点検しながら「早く読みてーよー」などと喚く。何だかんだで百五十冊ほどを箱に詰め、取り敢えず資料を詰めたものだけ屋根裏に運ぶ。よーやく室内に積み上がっていた本の山が少し減って、ちょっとだけ安心。BGVは『TRICK』の続き。プロットは兎も角、キャラクターとギャグは後半に進むほど激しくなっております。だから好きだ。特に自分で掘った穴に自分で落ちる上田。

 書き忘れた今日のお買い物、というより届いた本。例によってbk1
1,竹岡葉月『ウォーターソング』(集英社・コバルト文庫)
 以前、bk1の書評でかなりいい評価を受けていたのを記憶しており、ふと読みたくなったのでことのついでに購入。整理中にものを更に増やしてどうする俺。


2000年12月18日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001211~.htm#Day18

『ジャーロNo.2 2001. WINTER 新世紀特大号』(光文社)散発レビュー第二弾。今日は二本。……少な。
 有栖川有栖『不在の証明』:ひったくりで掴まった梶山常雄の証言が問題だった。追っ手から逃れるために、とあるビル建設工事の現場に身を潜めていた梶山は、その斜向かいにあるビルに、作家の黒須俊也らしき人物が入り、出ていったのを目撃する。そのビルの一室で、同時刻に黒須の双子の弟、克也が殺害されていた。当然の如く捜査陣は黒須俊也を追求するが、彼にはかなり信憑性の高いアリバイが存在した。
 火村助教授・作家アリスコンビの作品。が……正直に言って、かなり期待はずれの出来。筋は通っているものの、トリックもプロットもいまいち以下という気がした。人物造型の上手さと語り口の洗練度は高いものの、それだけでしかない。
 エドワード・D・ホック『クリスマスツリー殺人事件』:引退したレオポルドに、警察は迷宮入りした事件の再検討を新たな仕事として託す。その最初の事件が、1961年12月15日、一夜のうちに四名が犠牲となり、それきり途絶えてしまった殺人事件。被害者に共通するのは、車にクリスマスツリーを積んでいたこと。レオポルドは生き残った被害者や遺族たちに話を聞いて廻るが、如何せん古い事件のこと、特に新しい物証も浮かばず苛立つレオポルドだったが――
 現在の視点で過去の事件を洗い直す、という着想が隅々まで行き渡っているのが上手い。当時でもこの犯人に到達しない、という可能性はそれほど低くないようにも思えたが、作りの丁寧さでカバーしている。

 片づければ片づけるほど山が高くなっている気がするのはどうしてでしょう。そして『Art Gallery』の見つからない巻はいったい何処に埋まっているのでしょう。先はまだまだ長い。

 本日のお買い物
1,井上雅彦・監修『異形コレクション綺賓館II 雪女のキス』(光文社・カッパノベルス)
2,あだち 充『いつも美空(2)』
3,猪熊しのぶ『SARAD DAYS(12)』
4,河合克敏『モンキーターン(15)』
5,青山剛昌『名探偵コナン(30)』(以上、小学館・少年サンデーコミックス)
6,『大脱走』
7,『スピード』(以上、20世紀フォックスホームエンタテインメント・DVD Video)

 6と7は『二枚買ってもう一枚』とかいうキャンペーンに応募して頂戴したもの。マイナーなものを買ってメジャーに手を出す辺りが。

 そんなこんなで読書を進める時間もなかったのであった。危うし年内100冊。……志が低い。


2000年12月19日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001211~.htm#Day19

『ジャーロNo.2 2001. WINTER 新世紀特大号』(光文社)散発レビュー第三弾。今日は一本。更に減る。
 山田正紀『サマータイム』:シーズン最後の日の海の家で、少女が殺された。昨日付けでアルバイトを辞めた君柄怜子という少女である可能性が大きい筈なのだが、雇用主が少女の履歴書を受け取っていなかったために、確認が出来なくなる。元々怜子は化粧が濃い方で、シャワー室で水流を浴び続けた水着姿の遺体が彼女なのかどうか、周辺の人々も確信が持てない。加えて、現場である海の家は法令によってその日のうちに解体される運命にあった。私的な事情もあって、担当した刑事は解決を急ぐ……
 冒頭の一節と上杉久代氏のイラストが醸し出す、晩夏の物憂い雰囲気が秀逸(でも冬号だが)。視点人物の設定と事件推移の噛み合いも考えられているのだが、事件の本質がある種喜劇的であるために、終盤に来てちぐはぐになってしまったのが惜しい。物語の最後で活躍するキャラクターは、登場の仕方はいいのだが全体から見ると唐突。細部はいいのだが詰めを誤った、という印象を受けた。

 本日のお買い物
1,『電撃姫 Special』(メディアワークス・電撃ムック)
2,皆川亮二『ARMS(15)』(小学館・少年サンデーコミックス)
3,あかほりさとる『陰陽探偵RANTO☆魔承録ZERO 2,まつろはぬかぐや姫』
4,神坂 一『スクランブル・グリル』(以上、富士見ファンタジア文庫)
5,『笑う犬の生活 ベストセレクション』
6,『踊る大捜査線 初回限定版BOXセット』(以上、フジテレビ・DVD Video)
7,Herbie Hancock『Sound System +1』(SME Records・CD)

 本日のお楽しみは5と6。3の早過ぎる完結と、あとがきの書き方に色々感じたことはあったのだが省略。兎に角自虐芸に終始しつつあるあとがきの内容だけでも見直して。お願い。

 部屋のお片づけ続報。今日発売分で全100号完結した『Art Gallery』のバインダー未収録分を綴じ込み、雑誌類を紙袋に月ごとに分けて仕舞う。最終的にはこの状態で全て箱に詰めるか、雑誌ごとに別の箱に収めるかして屋根裏に移そうと考えているのだが、帰宅後ちんたらと『笑う犬の生活 ベストセレクション』を眺めてしまい、ちょっと時間を浪費したため箱詰めも先日箱詰めした分の移動も出来なかった。しかし、荷物を一箇所に固め、ちょっと動かしただけで部屋が大分広くなった。積み上げられた雑誌のナンバーからすると、まともに整頓するのは一年ぷりらしい。首尾一貫した生き様である、とも言えよう。言えないか。

 それはそうと、『笑う犬の生活 ベストセレクション』は最近発売されたビデオ三本に特典映像を追加したDVDである。今日付けで、前に発売された『てるとたいぞう』『小須田課長』『小松悪魔』三本のビデオも、こちらは別々にDVD化されたのだが、今月は『TRICK』『踊る大捜査線』と大物が続いている関係上、流石に全て同時購入は出来ない。そこで一番コストパフォーマンスの良さそうな『ベストセレクション』を選んだのだが、再生してみると思った以上に鑑賞済みの作品が多い。どうも総集編やキャラクター特集などでごく最近放映されたものと重複しているらしい。が、損をしたという感覚はない。『ベストセレクション』というだけあって、出来れば保存しておきたかった、と思ったネタもきちんと収録されていたので、寧ろ半分見た段階で満足感を味わっていたり。……やっぱり、ちょっと無理してでも、もう一本買おうかな、と。ポイントもかなり溜まっていることだし。


2000年12月20日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001211~.htm#Day20

 停滞中。つまり『ジャーロNo.2』も読んでません。いや読んでますが進んでません。その代わり神坂 一『スクランブル・グリル』(富士見ファンタジア文庫)を読了。粗筋の説明が面倒なので(というか、すぐに終わりそうだから……)感想は省きます。どうやら、角川mini文庫にて単独で発売されたものも収録する方向と見える。私のようなコレクターは別に構わないんだが、釈然としない読者もいるだろうに。
 続けて軽いものに着手したところを見ると、精神的に疲れているのでしょう。成る程だから掲示板のレスもメールへの返事もさぼっているわけだね……御免なさい。

 本日のお買い物
1,城平 京・水野英多『スパイラル〜推理の絆〜(3)』(エニックス・ガンガンコミックス)
2,紀田順一郎『古書収集十番勝負』(東京創元社・創元推理文庫)
3,谷川俊太郎・訳/和田 誠・画『マザーグース(1)』(講談社文庫)
4,日向章一郎『電撃娘163センチ』(集英社・コバルト文庫)

 連載の方は立ち読みでさらっと眺めていただけなので気付かなかった。城平さんこの理緒は狙いすぎ。この漫画、他にも真っ当なガンガン読者には解らないようなネタが満載らしい。取り敢えず私は鳴海歩がカラオケでXXXXXXXXXXXXを歌うのをひたすら楽しみにしているのであった。……いつまでかかるのやら。
 3と4はbk1での注文品。数回目にして初めて二冊同時に届いた。一冊ずつバラバラで届くよりは、こんな風にある程度溜まってから送ってもらえると有り難いのだが。3は以前バイト先で注文したところ、何故か一巻だけ入荷できずそのままになっていたもの。ごく最近の重版分。4は、谷川史子氏の挿画によりシリーズの第一巻。今日ふと着手したのがこれなのだが、あまりに軽さと平易さを装った文体にちょっと馴染めない。読みやすいのは事実なのだが、喉に詰まらない小骨みたいでもどかしい抵抗感がある。

 久々に年賀状を出そうと思う。ネット関係で知り合った方で、住所を存じている方には成る可く出す……つもりでいたが、いざ住所を書き出してみると、存外少ないことに気付いた。こっちはすぐに名刺を差し出せるような気性ではないし、特に必要がない限り互いに住所を確認するようなこともないからだろう。少ないなら少ないでもいいのだが、気持ちの問題もあるので、比較的最近面識を得た方にはお出ししたいところ。一応真面目にイラストを描いて(イラストの内容自体が真面目になるのかは不明)プリンタで刷ったものにする予定だが……。

 リンクページに、以前から加えていたぎゃらりあなむぅを再掲載し、更に西出明久氏のArika Landを追加しました。暫くさぼっていたため、まだ旧ページから回収していないリンクが残ってます。年内に何とか済ませたいところだが。


「若おやじの日々」への感想はこちらからお寄せ下さい。深川が空を飛びます(飛ばねえって)
もっと本を読みたいよう。

お名前:  e-mailアドレス:
内容を本文で引用しても宜しいですか?: Yes No

 


2000年12月上旬に戻る
2000年12月下旬に進む
他のログを見る

最近の日常を覗く