2000年12月下旬の日常

2000年12月中旬に戻る
2001年1月上旬に進む
他のログを見る

最近の日常を覗く


2000年12月21日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001221~.htm#Day21

 やあ、今年も残すところあと10日になってしまいましたねえ。クリスマスCGに年賀状と宿題があり更に同人誌用の設定も纏めなきゃいけなかったりでやっぱり慌ただしかったりする。因みに私の両親は今月、法事の時に寺で駆けずり回る坊さんを見たらしい。喜ぶなよそれで。

 本日のお買い物
1,永野のりこ『ひっち&GO!!(1)』(メディアファクトリー・MFコミックスフラッパーシリーズ)
2,浅暮三文『夜聖の少年』(徳間書店・デュアル文庫)

 特にコメントすることが思いつきません。ちょっと行き詰まってます。

 日向章一郎『電撃娘163センチ』(集英社・コバルト文庫)読了。やけに早いのは頁を繰る手が止まらないほど面白かった、のではなく、苦痛を長引かせるのが厭で早いところ片づけてしまいたかったから。文章は多分に狙っている面もあるのだろうが、プロットにも登場人物の言動にも無理や強引さが目立ちすぎ、それを感じさせないようなリズム感が欠如しているとあっては。谷川史子氏のイラストがなかったら、二度と買わない、多分。

『ジャーロNo.2 2001. WINTER 新世紀特大号』(光文社)散発レビュー第四弾。今日は二本あるぞ。
 若竹七海『猿には向かない職業』:警察官を辞し文筆業となった大道寺圭の許を、<お猿のジョージ>の異名を取るケチな犯罪者・花巻譲二が訪ねてきた。大道寺が著書の中で花巻の間抜けな行動を暴露していることを盾に、行方不明になった娘を捜してくれないか、と請う花巻を大道寺は邪険にあしらう。だが、大道寺が一眠りしたその間に、近所で花巻の他殺死体が発見され、大道寺は容疑者扱いされる羽目に陥る。娘の行方不明の一件が事件に絡んでいると判断した大道寺は、漸く重い腰を上げた。
 コミカルな展開は読ませるのだが、後半真相の発覚が唐突なこと、推理部分の論旨がどうにもいい加減さを拭いきれない点で物足りなさを感じた。主人公の行動には爽快感をちょっと覚えたのだけど。
 フェイ・ケラーマン『聖なる水』:ラビ・ファイネルマンは白昼、仮装用のマスクを被った二人組に拳銃を突きつけられ、拉致された。目隠しをされ車で連れて行かれたのは贅沢な書斎、そしてラビを迎えたのは、ソフトドリンク産業で財をなしたさる企業の重役。フィリップと名乗った彼が欲しているのは、ラビが記憶しているかも知れない、ライバル会社の新製品に関する秘密情報だった。倫理上の理由から身の危険にあっても情報を漏らしたくないラビは、奇策を弄する。
 ミステリ、というよりはスラップスティックな知的サスペンス、と言うべきか。格別な捻りはないが、人物配置、物語の推移、決着に至るまでの展開に無駄がなく、後味も快い。ラビが提案した趣向に頷く人も多分少なからずいるだろう。爽やかな一篇。

 これまで関西ローカルで放映されていた綾辻行人・有栖川有栖原作の犯人当てドラマシリーズが、遂に全国ネットに昇格。『安楽椅子探偵の聖夜』。ゆっくり見よう……と思ったのに、放送開始直前に思わずgooで行っている無料HPサービスの契約手続を行ってしまい、そこに転送したデータがうまく表示されなかったため暫し格闘を繰り返し、結大雑把にしか鑑賞できなかった。無念。一応ビデオには録画してあるので、あとで確認してみよう……もとより賞金目当てではないから、このまま解決編を待ってもいいのだが。そこはミステリファンですから、ねえ。


2000年12月22日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001221~.htm#Day22

 今日は『ジャーロNo.2』レビューもなければ『安楽椅子探偵の聖夜』についての考察もなし。何故なら。

 本日のお買い物
1,森 博嗣『工学部・水柿助教授の日常』(幻冬舎)
2,『まじかる☆アンティーク コミックアンソロジー』(スタジオDNA・メディアコミックス)
3,小池田マヤ『聖☆高校生(3)』(少年画報社・ヤングキングコミックス)
4,坂田靖子『坂田靖子セレクション第6巻 磯の貝に聴いた咄 珍見異聞(2)』(潮漫画文庫)
5,『elf 大人の缶詰』(elf・Windows対応ゲーム・18禁)
6,『キャッスルファンタジア 聖魔大戦[リニューアル版]』(Studio e・go!・Windows対応ゲーム・18禁)
7,森岡浩之・原作『星界の戦旗 Volume.04』(バンダイビジュアル・DVD Video)
8,かぐや姫『青春の傷み・街並・愛をつかもう』(日本クラウン・CD)
9,岡崎律子『Ritzberry Fields』(KING RECORDS・CD)
10,長坂秀佳『寄生木』(角川書店・角川ホラー文庫)
11,近藤るるる『黒蘭(2)』(角川書店・Kadokawa Comics A)

 多いっ! このリンクと解説やってるだけで精一杯だっ!!
 1は、どうも作者本人とその夫人とイコールで見てしまいそうな主人公像の新シリーズ。てっきりエッセイかと思って、一瞬買うのを躊躇った。
 最近すっかりこういう芸風になってしまいましたね小池田マヤさん、の3。前巻のハードな引きからすると、若干安心して読んでいられる展開。でも出来れば初期の作品とか『ときめきまっくん』ぐらいの雰囲気を持った作品ももーちょっと発表して欲しいです。
 で、本日の目玉その一と二、即ち5と6。午前中の仕事を片づけたのち、上野まで出て購入。5は世紀末を記念して、『シャングリラ』『シャングリラ2』『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』というelfがDOS時代に発売し、Windowsに移植していない三作を当時そのままのスタイルでWindows用に復刻したもの、最近作のBGMから厳選したものを収めた音楽CD、ほか各種のお楽しみを文字通り缶に詰め込んだ代物。私は『YU-NO』を旧来の様式のままで遊んでみたかった、という理由からの購入だったので他の特典にさして期待はなかったが、流石にローターが出てきたときには笑った。ローションまでついてやんの。6は、以前発売された同名作品のCG・シナリオ・システムをグレードアップさせたもの。これを買うときに困惑したのは、同作品のオリジナルが発売されて凡そ一年ほどのちに『聖魔大戦』の題名で18禁の制約を外した(つまりHシーンなど抵触する箇所を別の表現・シナリオ・CGに差し替えた)ものが発売されているのだが、今回のリニューアルに当たって、この一般向け作品の方も同時にリニューアルされたらしいこと。私はこの事実を、両作品があまり隔たっていない場所に陳列されているのを店頭で見たときに初めて知った。パッケージデザインもロゴも似通っているため、あのまま気付かなかったら一般向けの方を買っていたかも知れない。予め大々的にアナウンスするなり外箱の意匠に明確な差違を与えるなりしていただきたかった……え? どうしてわざわざ18禁の方を選んだか、と?……それは、サガです。
 その後、秋葉原へ向かい、7・8・9を入手する。8はかぐや姫22年振りのシングル。やっぱり山田パンダの歌声に心惹かれつつ何故あんたベース弾いてないねんと首を傾げた。
 岡崎律子は、三・四年前までかなりお気に入りだったアーティストである。初めて聴いたのは、『魔法のプリンセスミンキーモモ』リニューアル版(林原めぐみがモモの声を当てていた方)の最終回、EDにおいて。その時のショックがあとを引いて、林原めぐみへの楽曲提供を経て単独デビューしたことを知ると、暫くはまめにチェックしていたのが、私のアニメ熱が引くのとほぼ時を同じくしてアルバム・シングルの発表ペースが遅くなり、そのまま聴く機会も減ってしまったのだった。最近になってふと調べてみたところ公式サイトを発見、そこで聴かなくなって以後も数枚のアルバムを発表していることを知り、再び興味を掻き立てられていたのである。店頭に見つからずレジで注文したところ、斜向かいにある別館に在庫があるとのことで、中央通りを渡って買い求めに行った。何故数枚の中から敢えてこれかというと――先述の『ミンキーモモ』最終回で使用された楽曲『約束』を始め、林原めぐみらへの提供曲、アニメに使用された楽曲を中心に構成された企画アルバムだからである。私の記憶に誤りがなければ、『約束』はこれ以前の岡崎律子名義のアルバム・シングルには収められていない。つまり実は悲願の入手だったりする。当初の印象より音は薄かったが、やっぱり名曲。これを機にまたチェックを再開するか――とまたしても己の首を絞める発言をしてみる。

  ――ほーら説明だけでこんなに行数喰っちゃった。


2000年12月23日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001221~.htm#Day23

 去年の今頃と同じ事をしている気がします。そういうわけで、日記を書いている余裕なし。今夜中にアップできる……訳がないよな。でも頑張る。

 さて、昨日購入したゲームの感想を……と思ったが、肝心の『キャッスルファンタジア 聖魔大戦[リニューアル版]』(Studio e・go!・Windows対応ゲーム・18禁)は、根本的なエラーがあって遊ぶ気が萎えてしまった。ゲームディスクは三枚あって、一枚目がゲームプレイに必須のデータ、二枚目がキャラクター音声のデータ、三枚目が音楽を収めたゲーム起動ディスク、という案配になっている。一枚目でインストールし、その後必要に応じて二枚目の音声をインストールするわけだが、ここまでは正常に行えた……細かいことを言えば、この際に必要なハードディスクの容量をパッケージはおろかマニュアルにも記載していないのは困りものなのだが、その辺は寛容に捉えるとしよう。問題は、三枚目。二枚目までのインストールが済んだあとは、これを挿入することでゲームを遊ぶわけだが、どういう訳か、起動画面が一瞬出たあとは何も動く気配がない。パソコンの動作が遅くなっている辺り、何かの作業はしているようなのだが、それが滞っているらしいのだ。幾ら待っても反応がないので、試しにCtrl+Alt+Delete(要するにWindowsのソフトウェア・リセット・コマンド)とキーを押して、強制終了ダイヤログを覗いてみた。こうすると、現在Windows上で動作しているソフトウェアがなんなのか確認でき、異常動作しているものを適宜強制的に終了できるのである。それから推測するに、どうも三枚目のCD-ROMにあるゲーム自動起動のためのプログラムがまともに動作していないらしく、これが停滞したままリソースを消費していたらしい。結論から言えば、この自動起動に関するプログラム(Autorunという名称になっているようだ)を終了させ、CD-ROMを入れたままの状態でスタートメニューから『キャッスルファンタジア聖魔大戦』のプログラムを選択すれば、問題なくゲームは動くようだ。だが、この仕様ではゲームをやろうとするたびに、CD-ROM挿入で起動してしまうAutorunプログラムを手動で閉じ、その後スタートメニューからゲームプログラムを選択する必要がある。その手間を考えると、途端にやる気が失せてしまったのだった。
 そもそも、オートランにバグがあるというのは、バグチェックを全くやっていないと白状するに等しい状況だと思えて仕方ない。或いは、他のパソコンであれば上手く動作するのかも知れないが……どっちにしても、これではゲーム仕様全体にも不安を禁じ得ず、遊ぶのは当面保留するしかない。困ったもんだ、本当に。
 一方『elf 大人の缶詰』(elf・Windows対応ゲーム・18禁)は、復刻ゲームのうち『シャングリラ』『YU-NO』に手をつける。前者は、流石に絵柄もゲームデザインもかなり古い。冒頭の状況説明を何の疑問も感じず受け入れてしまったらしい主人公にも、今となっては違和感ばかり覚える。まあそれはそれとして面白そうなので遊ぶつもりではいるが、戦闘のシステムを充分に把握できていないのでイントロだけ見て一旦止める。『YU-NO』は未だに私が五指の指に入る名作と認識している作品。その後この作品のデザインを手がけた人物の作風が肌に合わなくなり、或いは本編も今遊ぶと捉え方が違っているかも、という危惧があったが、杞憂に終わったらしい。毎度の如く説明臭い場面が冒頭に並んでいるが、同じゲームデザイナーの近作と較べて嫌味はなく、慣れている故の退屈は感じるものの総じてやはり名作、という思いを新たにした。因みにこれのサターン版も持っておりますが、冒頭のアニメーションのセンスが最低だったので(加えて本編のCGみも見辛いことこの上なかった)、すぐさま投げ出しました。これから『YU-NO』を遊ぼうと思う方はこの『大人の缶詰』バージョンで……と言っても、これは生産数が限られているので今を逃すと入手できませんが。状況を鑑みて、今後本編が新たに移植される可能性はそれ程高くないとも思われるので、遊びたい方は取り敢えず買って下さい。『聖魔大戦』の問題が解決しない間は、私はこれで暇を潰す予定。……暇、ないんだけどね、実際は。

 本日のお買い物
1,エラリー・クイーン『中途の家』(東京創元社・創元推理文庫)
 何を今更、と思われるだろうが、私が読んだのはハヤカワ文庫HMの途中の家』である。翻訳自体も、創元推理文庫版に較べて新しい。が、近々必要になる予定が出来たのでbk1にて取り寄せた。その「必要」とは何なのか……解るのは、どんなに早くても来年末以降。

 恩田 陸『上と外(3) 神々と死者の迷宮(上)』(幻冬舎文庫)読了。律儀に成る可く刊行直後に読み、感想は全巻読了まで保留しているが、果たして完結の暁に第一巻の内容をまともに記憶しているかどうか。ここに来てかなり物語が動き始めた印象があります。次が楽しみ。

 ……そして夜遅く、突然bk1検索窓を最新日記と過去ログの間に設置してみたりする。注意書きにも記してあるとおり、森太郎氏が作成したjava script採用タグをそのまま利用させていただきました。


2000年12月24日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001221~.htm#Day24

 結局間に合いませんでしたー……だけならまだしも、10時を過ぎた辺りからプロバイダが絶不調に陥り、接続すらままならない状態になる。24日深夜二時に、CGの今夜中の完成は諦めてこの日記を書いている訳だが、そんなこんなで文面が皆様の目に留まっている今現在は恐らくとっっっっくにクリスマスも峠を越えた頃でしょう。それどころか今頃『安楽椅子探偵の聖夜・解決編』を御覧になってるかも。……はあ。あまりのことに二度に渉ってプロバイダに電話で連絡するが、向こうも大混乱に陥っているのがよく理解できるのであまり厳しいことも言えない。

 結局一日中お絵描き。無論その間に食事を採ったり昼寝したりと休息は挟んでいるが、ひたすら下絵の下書き→ペン入れ→スキャニング・ゴミ取り(画像入力時、画像に残ったゴミをPhotoshop上で潰していく)→色塗り、と手順を重ねていく。今回はキャラクターが二人あるので、別々に原画を描いてPC上で重ね、そののち彩色している。彩色までは比較的スムーズに進んだのだが、やはり色を塗り始めると簡単に、という気分になれず、ひたすら描き込んでしまう。服の色一つでも兎に角悩み悩み、これを記している時点で漸く配色が決まり、ここから陰影をつけたりという細かな仕事を始める段階である。データが大きく職場ではとても扱えない(持っていこうとか考えるなよその前に)ので、仕上げは明日の帰宅後になり、結局クリスマスイヴはおろか当日にも間に合いそうもない公算。書き始めるのが遅かったのがいけないのだけど。しかし、このペースで果たして年賀状はいつまでに描き上げられるのか、甚だ疑問ではある。

 あと四冊読めば、辛うじて年内読了本三桁達成となる。だが、これも今の妙にちまぢました作業が続く中では、危うい気がしてきた。薄いのを読んで誤魔化すか、などといけないことを考えたり。何のかんのと言って12月も何かしら追われっぱなしで大晦日を迎えそうなのだった。せめて、片付けだけはきちんと終わらせたいのう。


2000年12月25日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001221~.htm#Day25

冬の贈り物

 ……詳しくは明日記します。もう疲れた。

 というわけで明けて26日に以下を記しております。
 職場では環境の問題上、暇があっても色塗りは出来ないので、無聊は読書でやり過ご……すこともできない。何が原因なのか意識と外界との間に重いヴェールが拡がっているようで著しく集中力を欠き、読書もそれ以外の行動もどこか覚束無い。それでも帰宅後は多少恢復し、ひたすら色塗り色塗り。しかし段々と、例によっていつもの拘りが首を擡げてきて、細部の描写に凝りまくっているうちに日付変更線を越えてしまった。『安楽椅子探偵の聖夜・解決編』の放送が始まると必然的に手も止まり、何だかんだで仕上がったのは三時半頃。せめて成果をアップロードしておこうと細工をしているうちに更に時は過ぎ、寝たのは毎度ながら午前4時過ぎ。……そりゃ疲れますわな。

 本日のお買い物
1,笹本祐一・むっちりむうにい『小娘オーバードライブ』(角川書店・ASUKA COMICS DX)
2,早見裕司『夏の鬼 その他の鬼』(エニックス・EX NOVELS)
3,Wayne Shorter『Native Dancer』(SME Records・CD)

 スニーカー文庫所収のシリーズ漫画化作品の1だが、収録作の初出は全て1996年。その四年間の空白は、そして何故今敢えて単行本化か、と謎は深まるが、内容は相変わらずお馬鹿で素敵である。2は、予備。
 3のウェイン・ショーターは、マイルス・デイビス黄金クインテットのサックス奏者であり、その後ジョー・ザヴィヌル(p・key)とともにウェザー・リポートのプロジェクトを行い、ジャズ界に数多の足跡を残すミュージシャン。その彼が、ブラジルのヴォーカリスト・ミルトン・ナシメントとともに1974年に作り上げた名作がこの3というわけ。12/20に他三枚とともにDSDリマスタリング&初回のみ紙ジャケットにて復刻された。本当は同時発売の、Return To Forever『Romantic Warrier』を買おうかと思っていたのだが、品切れ再注文の真っ最中とのことで、まだ在庫の残っていたこちらにした。声量豊かで広がりのあるヴォーカルに、鷹揚で壮大なメロディが奏でる天上の音楽といった風情。


2000年12月26日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001221~.htm#Day26

 西澤保彦『転・送・密・室』(講談社ノベルス)読了。詳細な感想は、年賀状を書き終えて落ち着いてからにさせてください。……年明け以降になるかも知れないけど。焦っていると文章も乱れるのよ。取り敢えず言えるのは、ミステリ部分よりもシリーズ作品としての描写に比重が偏りすぎていること。既に他の方も指摘していることではあるが、私はあまり否定的には考えない。こういう行き方もありだと思う――但し、新しい読者に対する敷居を余計に高くしている、というリスクは間違いなくある。
 そして、『ジャーロNo.2』散発レビューも、ちょっとお休み。この散発レビューで世紀を跨ぐ。

 本日のお買い物
1,村枝賢一『RED LIVING ON THE EDGE(06)』(講談社・アッパーズKC)
2,乙 一『失踪HOLIDAY』(角川書店・角川スニーカー文庫)
3,酒口風太郎/桜井 一・画『図解ミステリー読本』(光文社・知恵の森文庫)
4,ロバート・K・レスラー『FBI心理分析官』(早川書房・ハヤカワ文庫NF)
5,土屋隆夫『土屋隆夫推理小説集成(4) 妻に捧げる犯罪/盲目の鴉』(東京創元社・創元推理文庫)
6,エース・アトキンス『クロスロード・ブルース』(角川文庫)

 最近、1は予定表で見かけません。ここ三巻ほど毎回不意打ちを食っています。勘弁して。質の高さは認めるけどさあ。
 3は、昨年末に亡くなった酒口風太郎氏(或いは桜井一氏、或いは風間一輝氏)がEQ誌上に連載していた、ミステリに登場する小道具を扱ったコラムの初単行本化。晩年のEQは私にとって買うだけの雑誌になってしまっていたが(その反省から『ジャーロ』は律儀に読んでいるわけだ)、この酒口氏の連載だけは、二ページ連載という手軽さもあったが、毎回楽しみに読んでいたのだった。発売から既に半月以上経って、遅ればせながらの購入。時間が空いたのは、結局今日までバイト先で入荷してくれなかったからだ。最近入らない本が増えたぞ。4は、私の嗜好からすると非常に今更な感があるが、既にベストセラーになってしまったものは文庫化まで待つ、という主義を貫いたまでの話である。早速読み始めたが、今となっては実効性のなさそうな理論や方法論が散見された。まあ、それはそれとしてちゃんと資料にはなるので良し。
 6は衝動買い。海外作品はたまーにこういう聳動を誘われて困る。ハードボイルドにブルース、讃辞がロバート・B・パーカーは兎も角B・B・キングというのが琴線に触れたのだった。不安材料は、あとがきで「ミステリーとブルースの融合という試み」という不思議な言葉を漏らしている訳者の資質。……ジャンルと素材をどうして同一のものとして語れるの? まあ訳者がどうあれ、翻訳小説は内容さえしっかりしていれば取り敢えず読めてしまう(慣れは必要だが)ものなのだけど。

 帰宅後たらたらとトップページを変更したり日記を書き足したりする。とっとと年賀状に着手しなければいけないのだが、追い込まれた翌日は気合いが入らないのだ。本当なら新作CGの完全版(因みに作画時の原寸は3200X2400)を『妄想』に追加しなければいけないのだが、それも年賀状が仕上がってからにさせてください。大丈夫、28日で仕事が上がれば10日以上連休なので……あんまし嬉しくない。


2000年12月27日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001221~.htm#Day27

 午前中、一仕事済ませてから床屋へ。伸びに伸びて鬱陶しくなっていた髪を徹底的に整えて貰う。……頭が寒くなった。眠くなった。それが尾を引いて午後も殆ど気力が湧かず、空き時間に年賀状のラフ(絶対これをやらないと本番に着手できない質になってしまった)を描くつもりでいたがまともに出来そうもないと判断して、意地で目を瞠いて読書をする。で、どうにかこうにかロバート・K・レスラー『FBI心理分析官』(早川書房・ハヤカワ文庫NF)を読み終える。
 犯罪に対する理解や解釈において、立場的な面と時代背景の変化の面から幾つか異論を覚えたものの、やはり色々と考えさせられる名著であると思う。ふと思うのは、ここで掲げられた「無秩序型」の連続殺人犯の類型は、日本で昨今多発している(とマスコミや一般が捉えている)少年犯罪に適用することも可能ではないか、ということ。願望の抑圧であるとか、平素は大人しい人品と捉えられていたとか。日本社会が西欧化した、という結論に導きたいのではない。寧ろ日本的な事なかれ主義や教育者の不在がこうした「無秩序型」の犯罪者を生む温床となっていないか、と思ったのだ……が、語り始めると非常に長くなりそうなので割愛。そもそも今少年犯罪が増えている、という解釈自体が、犯罪史の変遷や社会形態の流動を無視した針小棒大の結論なのだけど……ってやっぱり長くなりそうなのでやめ。まだ年賀状描いてないしそもそもここで深く掘り下げるぐらいなら来年執筆する長篇の素材にするわ。
 で、これと並行してある短篇集を読んでいるのだが、こちらは上質だがそれ故に味読を望みたい文章のため、厚さの割に些か手こずっている。しかし意地でも明日までには読み終える。これを含めてあと二・三冊で、目標の年内三桁読了が達成できるのである。……やっぱり、せこい目標だ……

 本日のお買い物
1,竹本 泉『あおいちゃんパニック!(2)』(メディアファクトリー・MF文庫)
 だけ。あとは定期購読誌のみ。
 厚みから多分そうだろうと思っていたが、やはり二巻で完結である。二巻は一巻と較べてカラーページの追加が少ないが、その代わりあちこちに雑誌掲載時に付したと思しい登場人物一覧や粗筋、それに発掘された設定資料などが追加されている。特に目新しいものでもないが、やっぱりそれだけでも嬉しいファン心理。

 年賀状のお絵描き。少々暴走気味。


2000年12月28日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001221~.htm#Day28

 仕事納め、と言っても私がやったのは『a』『b』を複数のフォントで打ち出すのと、PC回りの簡単な整理整頓。午前中でさくっと終えると、あとはバイクで明日のルートの下見に行く――つもりでいたが、年末ということ、立地条件などを勘案して止めた。やっぱり素直に電車かバスで行くとしよう。しかしゆりかもめは乗っていると苛立つので嫌いだ。迂回しないで真っ直ぐ進めー!

 本日のお買い物
1,Return To Forever『Romantic Warrior[浪漫の騎士]』(SME Records・CD)
2,HI-POSI『かなしいことなんかじゃない』(Kitty・CD)

 本屋にも行ったが特に買うものなし。年末で新刊は殆どないのだ。1は1976年に発表された、所謂第二期RTFのクライマックスを飾る名作。ミステリ読者にとっては、島田荘司『異邦の騎士』に於ける御手洗のテーマ、と言った方が分かり易いかも知れない。実は既に持っているが、今月SME Master Soundシリーズの一環としてDSDリマスタリング・紙ジャケット仕様にて復刻されたので購入した。これは二枚持っていても惜しくない。ジャズに心酔しつつある今の耳で聴いて、改めて異常な完成度の高さを思い知ったり。
 2は、四年ほど前に発売されたハイポジ二度目か三度目のメジャー・デビューアルバム。色々と複雑な過程を経ているのです。これに収録の「しあわせ」という曲を持っておきたかったのが購入の動機だが、この曲、単体で聴くと甘々で眩暈がするほどだが、アルバムの一曲として聴くといい清涼剤になっていたのが面白い。他がハニートーンのヴォーカルに結構毒の混じった歌詞を乗せている所為だろう。「しあわせ」以外では「重力をなくして」「最高の前戯」がいい。

 年賀状書き……の筈が、何故か読書に集中。岩井志麻子『岡山女』(角川書店)梅村 崇『小説ヴァルキリープロファイル(上) ミッドガルド擾乱』(エニックス・GAME NOVELS)読了。『岡山女』は熟読を要する、非常に濃密な味わいのある怪異談。『小説ヴァルキリープロファイル(上)』は、……下巻が出るまで態度を保留した方がいいか? ミステリで言うモジュラー式叙述、と言っていいのか、この巻では人間界で様々な悲劇に見舞われ命を落とした人々をヴァルキリーが神界へと招く、というシチュエーションが連続する。場面ごとに切り口を変え飽きさせないが、あまりに語られる人物が多すぎるためそれぞれの描写が甘く、シチュエーションの必然的な類似のために造型が似通ってしまったキャラクターが多いのが悩みか。後半では恐らくヴァルキリー自身の謎と物語になるのだろうが、なろうことなら登場した脇役たちもなおざりにしないで欲しいものである。個人的にジェラード王女の行く末が気になるんですけど。それともゲームやっていれば解るの?
 さて、あと一冊で何とか年内の読書冊数100冊達成。記念すべき100冊目がそのまま今世紀最後の読書になりそうなので、私にとって故郷とも言うべき本格ものを選択。明日・明後日の移動中に着手する予定。
 さて、今度こそ年賀状に戻ろっと。


2000年12月29日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001221~.htm#Day29

 朝から有明の東京国際展示場へ。現地に着いたのは午前11時頃だったが、まだ開場前の行列が解消しておらず、ゆりかもめの展示場前駅からはるばる行列のある駐車場まで歩かされ、そこで三十分ほど待つ。無事入ったあと、暫く楽観的にプラプラして改めてコミケの混雑を痛感してみた。カタログはチェックしてあったものの、配置図と照合していなかったことを悔やむ。場所を確認してまず甲影会に向かった。店番をされていたのがたかはしさんで、ちょっと立ち話をしていたら客として市川憂人さんが見えてちょっと驚く……いや、来ているだろうとは思っていたのだけど。『別冊シャレード』から泡坂妻夫特集・光原百合特集・山沢晴雄特集3の三冊を購入。次いで河内実加さんの『ものぐさ堂』を訪れて、『まとめてあびこくん』と『偽猫の街』(我孫子武丸『腐蝕の街』『屍蝋の街』をテーマにした、綾部瑞穂氏との合同誌)、それに南澤大介さんの『PIANO SOLOS』というCDを購入。暫くミステリ系のサークルを見て回ったあと、散策がてら駄目で元々のつもりでチェックしていた大手サークルを見物に行く――発見したところで、完売になった模様。それで満足して、再びミステリ系のサークルをぐるぐると見て回る。
 芦辺倶楽部掲示板に時々いらっしゃる縹 透瑠さんのサークルを発見したので、二冊ほど購入がてらご挨拶。去り際に急に呼び止められた。お隣の天水てんさんの店番をされている課長さん(……で、間違ってませんよね?)という方に引き合わせられる――以前からこのサイトを御覧になって下さっているそうな。思わぬ機会に未知の読者の方とお会いできて驚くやら感激するやら。
 その後もミステリ系のサークルを中心に見て回り、イラストと内容とインスピレーションで何冊か購入する。最後に、芦辺倶楽部掲示板でのお知り合い・有坂はやせさんにご挨拶していこうと思ったが、留守でお会いできず。疲れとあとの混雑も鑑みて、残念な気もしたがそこで退場した。――コミックマーケット60のサークル申込書セットの購入忘れることなく。

 年賀状のお絵描き、何とか佳境へ。だが、新規リンクの多さ故に日記の執筆に手間取り、着色を終えるところまで達せず。明日は早起きして列に並び、早めに帰還してCGを仕上げねば。……二種類作ろうなんて考えるんじゃなかった。リンクの文章もあとで練り直した方が良さそうだし、リンクフリーでない方のところに許可願いのメールをお出ししないと……あ、買った同人誌の詳細は、多いので省きました御了承下さい。


2000年12月30日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001221~.htm#Day30

 午前六時に起きるつもりで目覚ましより一時間も早く目が醒めて、本を読みつつ時間をやり過ごし、その後まだ日も昇らないうちに出発。現地に着いたのは七時半頃だったが、既に東棟だけでも凄まじい行列である。スタッフの指示によって、東棟脇の駐車場に4列ずつを一つの単位としてどんどん列を重ねていく方式なのだが、私が着いた段階で番号は「B−3」。Aは10まであるから、単位で考えると実に13列目。ひとつ4列でそれが大きな駐車場のほぼ端から端まで延びているのだから、いったいどれだけの人が集まっているのか想像も出来ない有様。単純に1列につき100人だとしても(かなり詰めていたからそれで済む筈など有り得ないと思う――実際には200以上ではなかろーか)100x4x13で私のいた列まででも既に5200人の人出があったと想像できる訳だ――怖。
 ともあれ漸く日が昇ったばかり、加えて薄曇りで寒さの厳しい中でアスファルトに腰を下ろし、朝食代わりのパンを食したり小説を読み耽ったりして時間を過ごし、最終的に入場できたのは10時45分ぐらい。冷気は肺腑にまで達し骨の髄から湧くような震えを堪えつつ、――と言っても会場に入ると人いきれで丁度良かったりするんだが、ともあれ心置きなく彷徨。訪問過程をいちいち書くのも無意味なので、お買い物させていただいたサークルと内容概要、訪問を断念したサークルを列記。

 訪問したサークル[東]
ODΓ――直行しました。でも新刊と一冊前のを買っただけ。何もしてない。後は任せた>Uさん。
・ワーカホリック――犬上すくね氏の個人サークル、夏コミの再販のみだが買ってなかったので丁度いい。しかしこのネタは……
犬大工ねこバナナ――珍しく壁際に並んでみたり。何故新刊二冊も買ってしまったのかが謎。「えけせてね。」の委託本も半ば勢いで買う。
 訪問したサークル[西]
・ピンクトルコ――西に移動後直行。何故かCCさくらに特化していた。CG集と同人誌新刊を買う。UさんとNさんによろしくーと言おうとしたがあざといので止めた。どーでもいいがCG集に閲覧用のhtmlぐらいつけようよちゃんとHP立ち上げようよー前とアドレス違ってないかそもそも。
・ジャンキッシュ――何もなかった。ゴールデンウィークに頒布開始、って私にどうしろと。
TYPE-MOON――予備知識なし、コミケカタログのカットで妙に惹かれたので、2500円とやや高めながらも買う。作品としての規模は凄そうだが――?
Sakura Soft――上の二つばかり隣のスペースにあって、こちらも気になったので購入。HPを確認するが……「弔2」ってありましたっけ?
いつものところ――『Kanoso』未入手の関係上、夏コミで購入したものも遊んでいないのだが、『20世紀カノソ』と来られては。

 ……あれ、思ったより東で買ったのが少ない。道理で懐が寒いわけだ(西は殆ど同人ソフトだし)。東では他にも幾つかチェックしていたのだが、壁際は異常な行列ぶりで、何ヶ所か見て机が場外を向いている(混雑緩和のため、壁際の人気サークルの行列を建物の外側に作らせているのだ)サークルは、たまたま列の長さが手頃だった犬大工/ねこバナナを除いて全て避けて通ることにしたのだった。逆に西はチェックしていたところが殆ど楽に見られた訳。最後に某所で暗躍していたまぬぅさんを掴まえて立ち話をし、開場待ちと夏コミを遙かに上回る人混みと二日間合計でかなりの数字に上ったと思われる移動距離とに寄る疲労でグロッキーになった体を引きずりつつ、午後二時半に帰宅。荷物を置いて駅の近くにあるラーメン屋で遅めの昼食を採り、本の残りを読んで昼寝する。夢も見ずどろどろとした眠りであった。
 初めてコミケに見えるという某氏とも会えれば、と思っていたのだが、あの状況ではそれこそ落ち合うだけでも難行になるだろうと思われたので断念。せめて電話でだけでもお話ししておけば良かったかなーとあとで悔やんだが、もうまぬぅさんと会った頃には移動するのが精一杯で脳味噌活動してませんでした。また次の機会に……しかしあの方のお目当ては一体なんだったんだろう。気になる。

 で、漸く今年100冊目の読書終了。エラリー・クイーン『中途の家』(東京創元社・創元推理文庫)。十年くらい前にハヤカワ文庫版(題名は『途中の家』)で読んでいたので、概略は記憶していたが、細部を思い出しつつ読む。当時はただただ感嘆するばかりだったが、今読むと異論を唱えたくなる部分も散見された。だが幾つかの弱点を差し引いても、精緻な論理展開と後期作品群に繋がる物語性の演出に改めて感服する。――因みに今世紀最後(になるであろう)の読書に本書を選んだのは決して懐かしさからだけではない――色々思惑があってのことである、が、それがはっきりするのは当分先の話ではある。要は、今のうちに種だけでも蒔いて、折節面倒を見ていこうかな、ということ。

 西澤保彦『転・送・密・室』あたりからサボっている書評を再開しようにも、まだ年賀状が出来ません。何とか明日までにはそっちを片づけるつもりなので、夜に気力が残っていたらせめて『ジャーロNo.2』散発レビューだけでも行いたいなー、と考えてます……保証はありません。期待せずお待ち下さい。

 松本楽志さんが更新を一時中止。恐らく近々にそういう展開になるだろうなとは思っていたが。でも多分、間違いなく近いうちに別アドレスで復活されるでしょう。それまではリンクもそのままの形で温存しておきます。

 ――ちなみに、旧本掲示板が31日付で消えるかどうかは、よく解らない状況になってます。当初、プロバイダのユーザーサポートの方に窺ったところでは、サービス方式の変更に伴い旧システムのBBSを撤去する、ということだった筈なのですが、その後正式な連絡が全くないところを見ると、延期されているのかも知れません。多分、新システムの極端にお粗末な仕様故でしょうが……というわけで、今後も宜しくお願いします>キバヤシさん(いいのかそれで)。
 あと、今日付けの日記でリンクしたところは夜が明けてから「彷徨」に追加します御了承下さい。


2000年12月31日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20001221~.htm#Day31

 まだ年賀状描いてるんです。

 ……他に書くことはないので、月並みですが今年買ったCDの及び読んだ小説のMy Best 5を。しかしとんでもない結果になる。

 買ったCDの Best 5
1,Pat Metheny『Secret Story』(Geffen)
2,Miles Davis『Kind of Blue +1』(SME Records)
3,椎名林檎『勝訴ストリップ』(東芝EMI)
4,矢野顕子『TWILIGHT 〜the "LIVE" best of Akiko Yano〜』(Epic Records)
5,Jaco Pastorius『Twins I & II』(wea japan)

 読んだ小説の Best 5
1,芦辺 拓『怪人対名探偵』(講談社ノベルス)
2,福澤徹三『幻日』(ブロンズ新社)
3,小野不由美『屍鬼』(新潮社)
4,有栖川有栖『幽霊刑事』(講談社)
5,岩井志麻子『岡山女』(角川書店)

 双方とも大問題ありますな。CDは年内の発売が二枚しかないし、読んだ小説はホラーの方が多いしそもそもこの読書量でベストを選出しようとする方が間違いだものね。小説は、本心としてはランキングをするほど突出したものはなかったかな、というのが正直な感想ですが、その中でも色々な意味で思い入れを感じたのが芦辺さんのこの長篇だった、ということで。決して阿っているわけではない、とだけは添えておきます(書くと却ってわざとらしくなることは自覚しつつ)。CDのほう、パット・メセニーの『Secret Story』はたぶん私にとって一生のベスト作品なので、ここだけは何と言われようと動かせません。あとは半ば必然的なセレクトながら、一アーティスト一枚という枷を自らに強いていなかったら、恐らくメセニーとマイルスで埋まっていたでしょう。メセニーなら『The Road to You』に『Trio → Live』、マイルスなら『Doo Bop』に『You're Ander Arrest』という具合に。兎に角ジャズ、引いてはこの二人に染め抜かれた一年でした。

 ともあれ、年内の更新はこれまでとします。2001年も引き続きの御愛顧を賜れれば幸甚に存じます。では、良いお年を。というか早く年賀状描かないとー!!


「若おやじの日々」への感想はこちらからお寄せ下さい。深川が空を飛びます(飛ばねえって)
もっと本を読みたいよう。

お名前:  e-mailアドレス:
内容を本文で引用しても宜しいですか?: Yes No

 


2000年12月中旬に戻る
2001年1月上旬に進む
他のログを見る

最近の日常を覗く