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2002年03月01日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020301~.htm#Day01昨晩のその後、わたしとしては久し振りに、買ったゲームをその日のうちに遊び始めた。『flutter of birds II 天使たちの翼』(Silky's/Windows95・98・Me・XP・2000対応ゲーム/18禁)。これが思いの外、変でいい。登場人物の設定がことごとく珍妙なのだ。主人公は過去に放たれた矢の痕跡を視認する能力者だし、弓矢で闘い占いまでする女達か出てくるし(この辺のシチュエーションは『月姫』に倣っているように感じた)、ヒロイン格と見られる少女は教会の経営を支えながら性格的にはどっかピントがずれていると来る。物語の内容が前作と絡んでいるわけではないらしいが、鄙びた土地の診療所とどこか病んだ人々が登場する、幻想的な力のエピソードがある、何より主人公とヒロインとの間で交わされる暗号などなど、きちんと共通項を設定しており、なるべく無理が出ないように配慮している箇所も窺われるあたりに好感が持てる。なまじ期待していなかっただけに、却って当分の間は楽しめそう。老舗の面目躍如――というよりは、企画制作のゼウスがゲーム製作そのものに慣れてきたからだろう。システム面でも洗練されてきた気配があり、取り敢えず悪くないお買い物だった、という予感有り。断言はしない。
なお、文章の出来は考慮から外した。はなからそんなに期待していなかったし、これ以上望んでも仕方がないと最近はすっかり諦めてますはい。本日のお買い物
1,岡崎二郎『時の添乗員(1)』(BIG COMICS/小学館)
2,ブライアン・ステイブルフォールド『ホームズと不死の創造者』(ハヤカワ文庫SF/早川書房)
3,村瀬継弥『着流し探偵事件帖 白いブランコの鎮魂曲』(富士見ミステリー文庫/富士見書房)
4,aiko『夏服』(Pony Canyon/CD)
1は発売していること自体知らなかった。某氏の日記を読んで知り、今日慌てて行き付けの店で探すも既に売り切れており、職場近所でいちばん大きな書店を訪れて漸く購入。藤子不二雄(特にF)のSF作品の方向性を唯一引き継ぐ作家として常に新作には期待を掛けているのだが、今回は「一度だけ過去を旅することが出来る」というシンプルな土台があるだけ。エピソードの扱いそのものも概ね有り体なのだが、それ故に安心して読める。今回の白眉は『藤子像』。2は1のついでに何か一冊買おうと店内を渉猟しているときにみょーに惹かれたSFミステリ。女性刑事シャーロット・ホームズとフラワー・デザイナーオスカー・ワイルドという意味不明の文句がツボに嵌ったようだ。いまから400年ほど未来、延命技術が頂点に達した世界を背景に展開する連続殺人事件の物語なんだとか。思わず頭からつまみ読みしてみたが、なんだかこんなに一所懸命世界観を構築している小説を久し振りに読んだ気がする。
3も行き付けの書店はむろん1・2を買った店でも発見できなかったので、帰途に秋葉原まで足を向けて購入。前作も読んでいないので感想なし。
予算の都合からずっとマキシシングルばかり買っていたaikoだが、今日とうとう思い切って入手したアルバムが4。ディスコグラフィなどに当たっていた訳ではないのでこれが何作目なのかも内容的にどーいう位置づけなのかも理解していなかったのだが、幸いにもいちばん聴きたかった一曲(『be master of life』でした)が入っていたので、それだけで充分満足。
ほか、あちこち渡り歩いて、映画の前売り鑑賞券二枚と羽根娘の絵柄入り収納ボックスひとつ、それとマウスパッドを仕入れる。上映館の少ない映画は前売り券もやや高めなのが哀しいぞ。
2002年03月02日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020301~.htm#Day02週末恒例の映画鑑賞、本日初日の『家路 Je rentre a la maison』(alcine terran・配給)を選んだのは、初日ご来場百名様に先着でプレゼント有り、という文句にコレクター根性が屈したから。感想はこちら。いい映画だけど長続きするかどうか。というか、私も迂闊には薦められません。
初日第一回上映を訪れたことのある方は、劇場付近あるいはホール入口手前にやったら人が固まっているのを見かけた記憶があるかと思う。あれは制作会社・配給会社などの関係者の群で、初日の動員数などをチェックするために仕事で来ている人々がほとんどなのだ。関係者であるが故に公開前試写で作品そのものは観ている場合もあり、上映開始後もその辺でたむろしていたりするようだが、一部は予告編が終わる頃に場内に入り、空いた席に就く。そのあと大人しく観ていてくれれば別に問題はない。
が、今日はそうして遅れて入場してきた人々の中で、物語半ばで携帯電話の液晶画面を注視していた男がいた。音をさせなければ迷惑ではない、と思っていたのだろうが暗がりで液晶のきつい光源が灯れば後ろの席に座る人間の目に厭でも留まる。その男が座っていたのは、毎度の如く前から三列目に座っていた私の斜め前。手が届く位置にいたらプログラムでどついていたかも知れず。たとえ受信圏外であっても携帯電話は切りましょう。
……それにしても、我ながら卑怯な叙述をしてるな今日は。夜はレイトショーを訪れるつもりだったが、軽い昼寝のつもりがレイトショーの初回が始まる時刻まで熟睡してしまい気が萎えた。来週のロードショー初日にあるオールナイトにでも足を運ぶことにする。夜の上映に拘るのは、立て続けに観るより間隔をおいた方が精神的にも体力的にも楽だからだ――HPの更新は一挙にしんどくなるけど。
『flutter of birds II 天使たちの翼』(Silky's/Windows95・98・Me・XP・2000対応ゲーム/18禁)、小さい方からふたりクリア<おい やっぱりそこそこによく出来、そこそこに不出来な仕上がり、と現段階では言うほかないのだが、いちばんの問題は時代背景などがあんまし機能していないこと。そもそも私自身が、話がかなり先に進むまで、現代地方都市の物語だと思い込んでいたくらいで、但し書きもなければそれを早期に理解させる表現もなく、いまのところシナリオの上でも有効に働いていない。雰囲気を組み立てるための装置、と言われればそれまでだが――
昨晩のうちにMYSCON3への申込を済ませた。特別に事情が発生しないかぎり参加いたします。――と、参加不能になった場合に具えて伏線を軽く張ってみる。
2002年03月03日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020301~.htm#Day03やねよ〜り〜た〜か〜い〜ひなま〜つ〜り〜……
意味不明の鼻歌はさておき、あんまし
猿化するのも拘束されるのもやばいので『flutter of birds II 天使たちの翼』(Silky's/Windows95・98・Me・XP・2000対応ゲーム/18禁)さっさとコンプリート。途中からは流石に倦んで攻略ページに頼ったが。
全体としてエピソードへの突っ込み不足と、反対に情緒過多に行き過ぎた表現でプレイヤーの感動を削ぐ場面がところどころ(特に、各キャラクターシナリオのクライマックス)みられたが、概ね悪くない出来。
シナリオのベストは、この手のゲームでは珍しく正ヒロインの雪柳ゆずを選んでおこう。これから遊ぼうと考えている方のために肝心のオチは伏せる……がそれほど隠されているネタではなく、ミステリ愛読者なら冒頭で提示される特徴と言動から察せられるもの。正ヒロインらしく、一度クリアすると一部の選択肢が追加される仕組みで、正直に増えた選択肢を辿るともう一つの結末に行き着く。前作と同様、どーしてこの程度の選択肢の変更で展開が変わるんだと思わなくもないが、いずれの決着も設定をきちんと活かしていた点で素直に評価できた。
逆にワーストは……摩緒のシナリオ。運命論を掻き回しすぎて抽象的になり、それに引きずられて最後の展開がかなーり無茶になっていたし、決着も御都合主義の極みでどーにも腑に落ちなかった(というか、やや不愉快になった)。あと、物語後半で登場するオマケキャラのエピソードについては……どう考えても踏み込みが甘いのだが、テーマがテーマなだけにあれ以上突っ込むとゲームの世界で処理できる内容にはならなかったしそもそもオマケだからあんなもんだろうかとも思う。
全体としての最大の欠陥は、キャラクターごとのシナリオが、展開上対となっているもの以外は基本的に無縁となってしまったこと――はこの手のゲームでは流行の始まった当初から未解決の問題なので取り敢えず考慮から外すとしても、せめて主人公の設定をもーちょっと全体で役立たせて欲しかった。確かにどのキャラクターのエピソードにおいてもそこそこ役立っていた能力はあるが、肝心の「日本人とイギリス人のハーフ」という設定はほとんど死んでいる。髪が銀色で、性格の肉付けが薄くてもそれなりにキャラクターが立っていたことを除けばほぼ無意味だった。
と、かなり欠点を論ってしまったが、全般として楽しんで遊ぶことが出来たし、物書きとして冷静に批判してしまう部分も多々あれど「泣き」のあるゲームとしては充分及第点だと思う。ここ一・二年話題の「泣きゲー」の類にはほとんど接していない私だが、その中でも上質の部類に入るはず。少なくとも、第一作に劣ることはないしシステム・CG・シナリオいずれにも洗練の痕跡が認められるので、シリーズとしては大成功と評価しよう。次がある場合も、取り敢えず購入を検討すると思う。
怖いのは、これを機にゲーム熱が再燃してしまうことであって……『アメリ』のサウンドトラックを買うか買うまいか悩んでいる今日この頃。この映画、アカデミー外語映画部門作品賞候補に挙がっているが、獲って欲しいもんだ。
いまいちテンションが上がりきらず、新作短篇もいまいち乗り切れないので、取り敢えず別途用意していたほうの原稿データを印刷用に手入れしつつ、『ラスベガスをやっつけろ』(Amuse Video/東北新社/DVD Video)を眺める。『12モンキーズ』のテリー・ギリアム監督、『スリーピー・ホロウ』『フロム・ヘル』のジョニー・デップ主演、『snatch』『誘拐犯』の個人的一押し俳優ベネチオ・デル・トロというメンバーで贈る、1971年のドラッグカルチャーを扱った映画……というか映画そのものがイってるだけというか。作業しながらの散漫な見方をしていたにも拘わらず、お陰様で妙にテンションが上がってしまった。日本版予告編ではデップを「ラリパッパ俳優」、デル・トロを「ブチ切れ俳優」と表現していたが(果たして本人・プロダクションの許可は取っていたんだろうか、といらんことを気にしてみる)この内容ではほかに表現のしようがないだろうな。無駄に刺激的で刺激的なままいきなり終わる。これを褒めている時点でそいつはどっかトチ狂っていると考えていいだろう。
勢いで『ポエトリー、セックス』(Asmik/DVD Video)もトレイに入れてしまうが、こっちはサスペンス風味で、ながらで見るよりはちゃんと構えた方がいいように思えたので一旦ストップ。こーいう雰囲気のあるサスペンスか、本格推理的なハードボイルドが書きたいと思う今日この頃。それにしても、仕事としてやるんならフロッピーぐらいは蓄えておくべきかも知れず。取り敢えず大量にあるCD-Rに、印刷用に一太郎で組んだデータと元のtxtデータを焼いておく。まだ間に合うか。
2002年03月04日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020301~.htm#Day04ニュースふたつ。
『消費者金融強盗放火殺人 容疑者逮捕』実に10ヶ月を経てようやくの逮捕。似顔絵の印象も言葉の特徴も一致していたのにこれほど時間がかかったのは、人を見るときには常に感情や印象というフィルターを通さねばならない所為だろう。容疑者と近しい人々も、「言われてみれば似ている」としか応えられないのが現実なのだ。なお、まだ彼は容疑者である。自白があったとしても、罪科は裁判を通さずに断じてはならない、と予め自らの肝にも銘じるつもりで書き添えておく。
『半村 良氏心不全で逝去 享年68歳』またひとつ巨きな星が墜ちた。訃報を聞いた瞬間に、『未刊の大長編はどーなる?!』と思った私もちょっと酷いか。ともあれ、心より御冥福を祈る――『妖星伝』、いつかきちんと読まないとなー。担当氏に確認の上、原稿をお送りする。思っていたよりかなり余裕があるらしいが、取り敢えず昨日のうちにだいたい書類は揃えてしまったし、変にモラトリアムを作ると結局送り損なってしまいそうだったので。
で、これで至急の作業はいちおうの完結を見たのだが次をどうするか。当初お渡しする予定だった短篇をどーにかこーにか書き上げてこちらも期間中に郵送するか、預かっている原稿を同人誌として入稿できる直前の段階にまで纏めてしまうか、或いは長篇のプロットを纏めてしまうか。いずれにせよあんましボヤボヤはしていられない、というかあの企画が通ってしまえば悩んでいる暇すらなくなるんだが。どーなの。本日のお買い物
1,Archie Shepp『True Blue』(Venus Records/CD)
2,丹沢 恵『ごめんあそばせ!(11)』(まんがタイムコミックス/芳文社)
3,ほったゆみ・小畑健『ヒカルの碁(16)』(ジャンプコミックス/集英社)
4,がぁさん『恋愛ぶきっちょ』(Suzuran ComiX/二見書房)
自分でも何が何やらさっぱりです。
1はパリ在住のサキソフォニスト=アーチー・シェップが1998年にカルテットで録音したアルバム。『Blue Ballad』『True Ballad』というアルバムと共に三部作を為している。最新作『Deja Vu』で、この人の音とは相性がいいと思い、そのうち旧作をと思っていたので、収録曲にコルトレーンがふたつ含まれているこれをまずは購入。まさに青いトーンのバラード中心で、心地よいけれど油断のならない音が素晴らしい。『残されし恋には』で聴かせる野太く暖かな歌声まで含めて私好みの一枚でした。
2は……正直、最近あんまし面白くありません。そんなごく一般的な結論に引っ張られてもなあ、と思うこと屡々。これはこれで楽しみ方もあるはずなのだが、私の嗜好とは反りが合わなくなっていることも事実。はて、今後どうするか。
3は……あれ? まだ佐為編終わってなかったか。ひとまずほかに感想がない。
そして、何を買ってるんだか、の4。これひとつで、『だいらんど』がかなり気に入ったことはご理解いただけるかと。私の知っている範囲では、いちばん筋書きがきっちりしているその手の漫画であった。既に絶版となっている作品集からのベストセレクションだから、という面もあるのだろうけれど。アクセス解析を設置して2週間ちょっと。『nowadays』への訪問は大半がブラウザでの登録か『ミステリ系更新されてますリンク』などの更新情報リンクからなのだが、個々のページに仕掛けた解析では、実に多様なキーワードが検出されている。基本的に私一人で楽しんでいるのだが、特にネタもないのでその一部をかるーく解説付きでご紹介してみる。
「百武千晶 結末」「あたしのエイリアン 結末」――『あたしのエイリアン』は津原やすみ(現・津原泰水)氏が少女小説を手掛けていた時分の代表シリーズ、百武千晶はそのヒロイン。往年のファンがその後を気にして検索をかけてみたのかも知れない。すみません私も知りません。
「さだまさし 借金 長江 残り」――どの程度のファンなのやら。さだまさし氏は映画『長江』を自費で撮影したが、期間の延長で出費がかさみ、映画自体もヒットに至らず約30億の借金を抱えた。その後精力的にコンサートツアーを行うことで少しずつ借金額を減らし、詳しいところは知らないが現時点では残り僅かのところまで来ているらしい、という情報もやや古いので、あるいはもう完済したかも。
「文庫版 fifteen」――いったい何が知りたかったのか私には解らないが、釣れたページは『In Deep掲示板 過去ログVol.01』であった。たぶん期待とは違う。
「スパイラル 小説 理緒 18禁」――……えーと、どうしましょうか城平さん。それにしても、私のサイトはキーワードに「18禁」を入れるとやたら引っかかるようです。
「小学生 破瓜」――……おい。ちなみに釣れたのは『In Deep 過去ログVol.2』、付け加えるとこの手のキーワードで拾われるのはたいがいIn Deep掲示板におけるぐるぐる氏の発言である。
ちなみに、サイト全体に張り巡らせたアクセス解析によると、いちばん多い検索キーワードは『鬼作』、次が『奇跡体験アンビリーバボー』であった。いったいどーいうホームページだ。
2002年03月05日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020301~.htm#Day05昨日の触れ忘れ一件。
趣味は読書、という表現はどのレベルから妥当か。所詮趣味なのだから主観的に「自分は読書家だ」と感じた段階からそう述べてもいい、とごく寛容に捉えてもいいような気もするのだが、それこそ一時は狂ったように読みまくり、趣味が高じて書き物でささやかながら収入も得るようになってしまった身からすると、なまじっかの読書量で読書家を自称して欲しくない、という気持ちもある。背景には、書く方へ力点が移ってしまい、明らかに読書量が減少した自分に対する煮え切らない思いがあるのだけど。
ただ、単純に「読書量」と表現しても、こと読書の場合は「読み方の質」というのも実際には絡んでくる。これも私感に過ぎないが、本来ならば読書は幾ら量を読みこなしても、読んだものが何らかの形で実にならなければ意味はない――と、そこまで堅苦しく考えないまでも、読んだはしから記憶の片隅に追いやられてしまうような態度をされてしまうと、読み手としても書き手としてもちょっと寂しい。つまり、読んだものをある程度自分の中で消化しつつ、そのうえで多くの点数をこなしているのが理想であり、正しい読書家の姿ではないか、と。
――どうしてこんな取り止めのない思考に駆られたかと言えば、昨日購入した漫画、カバー折り返しに記された著者近況に「最近の趣味は読書。昨年だけで60冊近く読んでしまった」とあったからだったりする。なお、読めない読めないと喚いていたわたしの昨年の読書量は、それでも80冊に及んだ。勢い首を傾げてしまう。
尤も、よくよく考えれば「趣味」としての読書と「読書家」を標榜するほどの読書との間にも開きがあるとも思え、そうして漠然とでも線を引いてみれば、年間60冊は立派に「趣味」の範疇になるのかも知れない。そこまで厳密に捉えずとも、世間には文章を端から端まで辿ることさえ面倒くさがる人種すらいるわけで。もう一本別途短篇を用意しようかするまいか、と悩んでいる傍らで、この次の締切に合わせるべきネタが早くも纏まってしまった。纏まってしまうとなんとなく書かないでは心穏やかでいられない。取り敢えず簡単なプロットの恰好で書き留めておいたが、その間にタイトルまできっちり決まってしまいいよいよ気分は新しい作品のほうに移ってしまう。実の処、この移り気というか気紛れな創作意欲こそが、いちいち作業を停滞させている原因の一つなのだが、解っていても抑えることの出来ないもどかしさ。
……いずれにしてもネタが出てこないよりは百倍ましなんだけど。腹痛につき一日不調。手こずっていた短篇も描写と展開がうまく一致しここからはスムーズだ、と思ったところでこの有様である。現在帰宅したての夕刻だが、眠気ですっかり朦朧としているので、今日に限ってはのんびりと済ます。
本日のお買い物
1,遠藤淑子『スマリの森』
2,森生まさみ『おまけの小林クン(8)』
3,やまざき貴子『っポイ!(19)』(以上、花とゆめコミックス/白泉社)
4,高田裕三『3×3EYES(38)』(ヤンマガKCスペシャル/講談社)
5,岩井志麻子『自由恋愛』(中央公論新社)
6,篠田真由美『龍の黙示録』
7, 〃 『東日流妖異変』(以上、NON NOVEL/祥伝社)
1はやけに色々なシリーズを書いている気がする遠藤氏の最新シリーズ。白毛のキタキツネはじめ、擬人化された動物たちの目から描いた自然の物語。絵は相変わらずだが着眼の鋭さも相変わらず。……いや、カバー絵を見る限り、そんな下手でもないはずなんだが。
すっかりパターンを確立して安定期に入ってしまった2。この人がまともにラブコメを書くと長引く傾向があるよーな気がする。確たる根拠もなく。セルゲイ鈴木編のあげはが素晴らしすぎる。
それにつけてもいつまで中三やっとんねんと読者の誰しもが思っているであろう3。連載開始時と風俗も変容し、当時はなかったはずの携帯電話なんてアイテムも普通に登場している昨今いかがお過ごしでしょうか。というか決着はどこなのだ。諸般事情から(ってもコミックスに書いてあるが)掲載誌が『Lala』から『メロディ』に変わったが、本巻収録分はまだ『Lala』に載っていたものだ、ってことはまだ一巻分はストックがあるのか……どう思います?
4は流石にぼちぼち付き合いきれなくなってきたかなー、と思いつつ手に取ってみれば、巻末に『2002年夏完結予定』――予定が小さすぎるぞ。そう言われては最後まで付き合わないわけには。はて、こちらもどう始末をつけるつもりやら。
5は『婦人公論』連載作品。どうやらホラーではなく、大人の恋愛小説――か? ちょこっと文面を眺めてみたところ、雰囲気はいつもと変わらず濃密。あ、ちなみに「恋」は旧字です。
6と7はなんだか今更だが。7を取り置きしてもらってから6を買っていないことに気付き、余所かどこかで購入するか考えるつもりでそのまま置き去りにしていたのです(酷い話だ)。昨日ようやく元バイト先で6を取り寄せてもらい、本日購入。装幀にしても煽り文句にしても菊地秀行氏のそれを思わせる伝奇小説シリーズである。
2002年03月06日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020301~.htm#Day06本日のお買い物
1,三浦靖冬『おつきさまのかえりみち』(WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL/ワニマガジン社)
2,瀬戸内寂聴・訳『源氏物語 [新装版] (四)〜(六)』(講談社)
比較的明るいイメージの表紙に騙されましたの1。かなり黒いシチュエーションのエッチ漫画であった。いや、実は店頭でぱらぱらと眺めて「なんじゃこりゃ」と思ったうえでの購入ゆえ、実状は解っていたのだが。全般にもうちょっと踏み込んでも良かったかな、とさえ思った。個人的ベストは『やめるはひるのつき』。
2は、まだ二巻も未読なのだけど取り置きが溜まっていくのは見るに忍びなく、ひとまず回収してきた次第。さあいつ読めるやら。資料として応用できるのであまり延ばし延ばしにしたくないのだが。東京での映画サービスデーは、1月・12月は1日、ほかは毎月第一水曜日。こーいう機会を逃してなるものか、とばかりに今日も映画鑑賞に出向いてみた。最近は前売券やら招待券やらあの手この手で平常時も安くあげられるように努力を重ねているので、今現在チケットを安価に入手する方法がなく、かつ近日中に上映が終わる作品を選ぶことになる。無論、大して観たくもないものを選ぶ道理はない。以上の条件に今日の時点で合致したのは、『大誘拐』の奇才・岡本喜八監督『助太刀屋助六』(東宝・配給)。毎度ながら感想はこちらである。
仕事が退けたのを見計らい、一旦自宅に戻ってパソコンやら本やら毎日持ち歩いている大荷物(本当に大荷物である)を捨て、それからいつものコースを辿って有楽町に向かう。途中、帰りは決まっていないのだが、行きだけは必ず自分の母校の前を通ることになるのだが、ここがちょっと変わった道になっている。学校を取り巻く道は実質一本しかなく、しかも通用口から正門に回り込むかたちのカーブひとつだけなのだ。カーブの中程に脇道があるが、対向一車線のカーブよりも更に狭く、おまけに遠目には道がなくなっているようにさえ見える急な坂道になっている。学校がちょうど台地の端に位置しているからなのだが、とにかく癖のある道なのだ。
自宅から有楽町方面に向かうときは、このカーブを学校の通用口から正門へと回り込むかたちで利用する。で、問題のカーブが見えてきたとき、違和感を覚えた。よくよく見ると、脇道に面した住宅の一方の壁に、白いスポーツカーが頭から突っ込んでいた。
突っ込んでいた、と言っても壁を突き破ったわけではなく、車のフロント部分が大破して一見埋め込まれたような有様になっている。見たところまだ警察が到着した気配もなく、本来なら立ち止まるべきところだが、カーブ外周の壁際で苦笑している若い男性の姿を見つけ、車のほうには人影を認めなかったため、急いでいたこともあってそのまま通り過ぎた。
通りすぎたものの気になって、普段帰途にどういうコースを選んでも母校の前は通らないのだが(色々と事情があるのだ)、ちょっとルートを変更して問題のカーブを再度通ってみる。当然のごとく車は既に撤去されていたが、壁にはそれらしい剥落のあとと、よれよれになった住所表示が遺っていた。
それにしても、どういう状況で起きた事故だったか。見た印象だけで言ってしまえば、正門側からカーブを走行し、スピードを出しすぎて曲がりきれずに壁に突っ込んだ、としか思えないのだけれど。……あんな狭い道でしかも通学路で。大事に至らなかったらしいのが何よりだ。どーでもいーが鶴見辰吾プロデュースの映画『ON AIR』予告編、杉田かおるとの会話は遊びすぎという気がしなくもない。
今日は頑張って夜更かししなくてもいいのです。精神的側面から疲労が積み重なっていたようなので非常に助かります。随分読むのに時間を費やし、やっと残り50ページ程度となった資料も読み終えられるし。しかし、来週は1話、再来週は2話、そして3月最後の水曜日は一挙3話同時放送なのです。泣きたくなります。しかもその三日後にはMYSCON3です。大変です。そんなこと言う人嫌いです。
『In Deep 2nd 掲示板』をぼちぼちと再起動させようかなと思いつつ、だから何かしようというつもりも今のところなく。現時点ならば深川もある程度は反応できるようなので、何かありましたら書き込んでやってください。念のために言い添えておきますがメインはゲームの話題であります。
2002年03月07日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020301~.htm#Day07昨晩日記を書きつつ『真実の行方』(CIC-Victor Video/DVD Video)を鑑賞する。集中できずところどころ見落としがあるが、趣旨は充分掴めたし、決着も途中で概ね予測が出来た。これが映画初出演のエドワード・ノートンの圧倒的な演技力が光る一本であり、実質それだけを興味として観ても充分に楽しめる。
本日のお買い物
1,上遠野浩平『ビートのディシプリン SIDE1[Exile]』
2,倉田英之『TRAIN+TRAIN(5)』
3,時雨沢恵一『アリソン』(以上、電撃文庫/メディアワークス)
4,森岡浩之『夢の樹が接げたなら』(ハヤカワ文庫JA/早川書房)
5,古屋兎丸『自殺サークル』(ワンツーマガジン社)
6,北条 司『Angel Heart(3)』(BUNCH COMICS/新潮社)
7,『π』(東芝デジタルフロンティア/DVD Video)
8,『太陽の帝国』
9,『A.I. [ARTIFICIAL INTELLIGENCE] 特別版』(以上、WARNER HOME VIDEO)
1は『ブギーポップ』シリーズの著者・イラストコンビによる新シリーズ。3は『キノの旅』シリーズの組み合わせによる新作と、チームを固定する方針になったのかと一瞬思った。……本当にそうだったりして?
4は『星界』シリーズの原点ともなる短篇を含んだ作品集。……親本持ってます。
たまたま昨晩、ケーブルテレビで放映している映画宣伝の番組で『自殺サークル』という作品を紹介していた。駅のホームに横一列に並び、手を握り合った女子高生たちが、「いっせーの、いっせーの、せっ」で線路に飛び込む、次の瞬間入ってきた電車の車輪の下から鮮血と肉片が飛び散る――という私含む一部の人々にはたまらないシチュエーションから始まる異様な代物で、見たいなあ、でも都内一館でしかもレイトショーだからどうしようかなあ、と悩んでいたところ、まさに翌日の今日に5を発見し衝動買い。前々から気にしていた古屋兎丸氏が、映画版にインスパイアされて執筆したとあっては。そして、期待に違わぬ名作であった。……個人的に、羨ましいと思うくらいに。
7〜9は今月最初のフィーバー。但し、7のオリジナル発売はしばらく前。ダーレン・アロノフスキー監督の最新作『レクイエム・フォー・ドリーム』のDVD化と、2枚買って1枚もらおうキャンペーンに合わせて、最近になって発売された廉価版。もう一枚買って応募すれば更にもう一枚手に入るわけだが、キャンペーン参加作品は近日また買う予定があるのでひとまずこれだけ。アロノフスキー監督はこの『π』によって注目を集め、次回作はブラッド・ピット主演によって撮影されることが既に決定済みになっている期待の新鋭。要するに、予習の意味もこめての購入。『レクイエム〜』はキャンペーン対象外なのでまたいずれ。
8と9は共にスピルバーグ監督作品、主演は期待の子役というところまで一致している。8は15年前の作品、舞台は第二次世界大戦下の上海、日本侵攻が始まる頃の物語であり、伊武雅刀ら日本人俳優も参加している。一緒に『アメリカン・サイコ』も購入して「使用前・使用後」とか「名子役のなれの果て(おい)」とか遊ぶつもりだったが、買うものを選んでいる最中に職場に呼び戻されてしまったので、悩んでいる暇もなかった。
そして色んな意味で話題となった9。感想にも記したとおり、私はかなり高く評価しているので予約購入。
で、急遽入った直しを済ませて帰宅してみると、冊子小包が届いている。心当たりがなく首を傾げつつ開封してみると。
10,鯨統一郎『タイムスリップ森鴎外』(講談社ノベルス/講談社)
……著者謹呈。ありがとうございますありがとうございます。今回は普通に買うつもりだったんですけどそれは兎も角ありがとうございます非常に助かります。鴎外が何者かの手によって現代日本にタイムスリップさせられるという話だそうな。……小説そのものが最近読めてないのが申し訳ないです…………どーでもいーけど、鶴本直の住んでいるマンションって、第四期シリーズの美加が住んでいたのと同じ建物じゃないか? 中学は学区制なので、別におかしいことはないんだが。
網野善彦『海の国の中世』(平凡社ライブラリー/平凡社)読了。しばらく前から触れていた、数ページ読んでは眠気を催させる固有名詞乱立の難読資料。著者自らがあとがきで「読みづらい」というぐらいなのだから推して知るべし。平安中期から南北朝頃までの若狭における土地支配と人民掌握の推移を読み解き、同時に日本全体の思考の変遷を探る特殊な史書、と捉えるべきか。若狭が史料面で如何に恵まれた地であるのかもよく解る。
2002年03月08日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020301~.htm#Day08昨日購入した『π』が激しく私好みのような気がして困っている。数式で世界のあらゆる真理を説明できると確信した男の物語で、画面は男の異変を来した視覚を象徴するモノトーンを基調として展開する。まず冒頭だけちょこっとと、それから予告編二本を眺めただけなのだが、いまこれを劇場で見せられたら迷うことなく前売鑑賞券を購入していただろう、というくらい。それで何が困るかって、まだ未鑑賞のDVDが貯まっていて、それを消化しているあいだに期待だけが肥大し実際に観る段になってギャップに困惑する、という事態も想定できるから……で、結局、何が困るんだろう自分。
本日のお買い物
1,『こみっくパーティー(3)』(RAPORT COMICS/ラポート)
2,『幻想文学63 特集 M・R・ジェイムズと英国怪談の伝統』(アトリエOCTA)
3,ジョー・R・ランズデール『テキサス・ナイトランナーズ』(文春文庫/文藝春秋)
4,網野善彦『日本中世の民衆像』(岩波新書/岩波書店)
流石に倦んできたかも知れない1。スタジオDNAのシリーズは作家陣・クオリティ共にそれなりに安定しているのだが、ほかの出版社のは水準にも達していない作品が結構見受けられる。どーしたもんか。ちなみにこのクオリティの問題は、大手同人作家を起用しても本物のプロ漫画家を引っ張ってきても解決するとは限らないことを、少しは悟れ(自分でも誰に対して言ってるのか解らんが)。
英国怪談、しかもM・R・ジェイムズの特集とあって楽しみにしていた2が漸く入荷。早速ぱらぱらと眺めていたら、いきなり自分の名前を目にしていささか仰天した。読者感想のコーナーにて、編集の方が回答の中でちょこっと触れているだけなのだが、ちょっと嬉しかったりして。
3は昨年のMWA受賞作家が初期に著した“パルプ・ノワール”。たぶん刊行当時に日本は無論アメリカでもこんな曖昧なジャンル名は用いられていなかっただろうが、粗筋を見る限りエルロイに代表される様式を踏まえているようだし、クーンツの推薦と馳星周の讃辞を受けているのだから、手に取ってみる価値はあるだろう、ということで。しかしMWA受賞以降矢継ぎ早に訳出されて、そうでなくても小説が読めていない私などたまったもんじゃありません。
昨日『海の国の中世』を読了したばかりだというのに日が変わった途端に買ってしまった4。例によって平安中期〜後期の民俗史料となり得、かつ安価なものを、と捜していたら、職場近辺でいちばん大きい某書店では網野氏の著書しか見つからないのだった。今月の『コンプティーク』の別冊附録はゲームに基づく漫画のアンソロジー。某内田竜宮丞氏のシナリオ担当最新作『Ethos』も掲載されているが……まあ彼は多分絡んでないだろうなっていうかこれの存在自体知っているのだろうか。
本日のお買い物、帰り道に購入したものを加えないまま更新してしまったので(つまり、前半は職場にて記してたりして)、以下追記。
5,西荻弓絵『ケイゾク/Beautiful Dreamer 完全版』(角川ホラー文庫/角川書店)
6,瀬戸内寂聴・訳『源氏物語 [新装版] (七)』(講談社)
5は人気ドラマシリーズ映画版の、脚本家によるノベライズ、その文庫化。しかし私は映画もドラマも観ていない。強いて言うなら、ドラマシリーズのノベライズ文庫版を買ってしまったので、揃えるために購入。
6はつい先日、三冊纏めて買ったばかりの新装版最新刊。紫の上・源氏と立て続けに退場するくだりである。うあー、読みたい。私が読んだのは漸く源氏と紫の上が出会ったところまでなんだが。アクセス解析を始めてから、その結果と照らし合わせて密かにあれやこれやと細工をしている――と言っても、基本的には更新時刻をいじるだけなんだが。何せ一昨日など、日中に更新をしなかったら(映画感想などでいっぱいいっぱいだったのだ)、平日しかもど真ん中の水曜日という事情もあるとはいえいつもの半分程度しか日記ページへのアクセスがなかったのだ。訪問客の大半は更新検索リンクから、というのが解っているから、手っ取り早いのは一日に二回以上、間隔を置いて更新すると効果があるのは間違いない。そこまで懸命になってどーする、とも思うのだが。
2002年03月09日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020301~.htm#Day09週末恒例の映画感想、今日は特にてこずりそうな気配があります。その為、本格的な更新は日付が変わってのちになるかと思います。――取り敢えず日付が変わる前に無事を訴えておく。
昨晩、取り敢えず両親に『A.I. [ARTIFICIAL INTELLIGENCE] 特別版』(WARNER HOME VIDEO)を見せてみた。映画関係の仕事に携わりながら映画嫌いを自認する親父のコメント、「やっぱりキューブリックって変態だな」――それは認める。色々言われているエンディングについては異論はなかった模様。その辺、血の繋がりを感じるべきか。
しかしこの映画、何回観てもある作品とガジェットが一致している。意を決する。荷物は常に身に着けている巨大なウエストバッグのみにして、電車に乗り込み普段なら自発的に足を運ばない地に向かう。渋谷。
現地到着は11時ちょっと前、ちょっとどころではなく早過ぎた。時間をどう潰すか思案して、目的の小屋の真下で『YUSAKU MATSUDA exhibision』なるイベントが催されていると気づき、せいぜい30分程度の猶予しかなかったが覗いてみることにする。
壁に大きな文字で松田優作の参加作品を編年体で列記し、それぞれに作品の詳細なデータや関連した新聞記事、それに著名人のコメントや優作をモチーフとしたイラストなどを展示してあった。代表作『探偵物語』は全話のVTRを流していたがモニターひとつにつき四作を同時で、当然ながら音声もない。資料集を拡大して展示しているような雰囲気で、それ自体一種の芸術として眺めることも出来るが、500円という入場料が妥当かは人によって評価が異なるだろう。時間潰しとしては悪くなかったが、それでも公式パンフレットの2100円(税込)はちょっとぼりすぎだと思う。
会場を15分ほどで抜け出して、エレベーターで上階へ。渋谷シネ・クイント、上映中の作品はロングラン大ヒット中の話題作『メメント』(Amuse Pictures・配給)。夏頃にはDVDが発売されるという噂も耳にしており、自宅からの距離もあって随分と迷ったが、やはり一回は劇場で観ておきたいしついでにシネ・クイントの内装やシステムなんかも一度体験しておきたいと思ったので、遂に重い腰を上げた次第である。
エレベーターで上がってすぐにフロアがある、というのも特異なら、劇場入口の前にチケット売場・グッズ売場が併設してあるという構成もかなり変わっている。もぎりは扉の手前に立っており、当然入場するときは半券を千切ってもらうのだが、内部にトイレや売店はないので、必要があるときは入口で再入場のためのカードを貸してもらう仕組みなのだ。最初は入ったら最後、終了まで出られないのではと思いフロアで飲み物・プログラムなど毎回購入するものをチケットより前に手にしたのだけれど、待ち時間が長かったもので結局いちど再入場のカードを出してもらう羽目になった。が、一旦経験してしまえばどーという程のものでもない。肝心のスクリーンはややチープな印象があり、座席もいささか痛みが来ていると感じたが、音響設備は悪くないし、やや軋んでいるとは言え座席はゆったりしているしボトルストッカーも用意されているので安心して画面に集中できた――ただ一点、どうもスクリーンかフィルムにやや傷があるらしいのが気になったけれど。
映画そのものの感想は例によって別ファイルでどうぞ。月並みだが、もう一回観たい。観賞後は脇目も振らず帰宅――するはずが、色々思いを馳せているうちに乗る電車を間違えて、反対方向に一駅進んでしまったりして。
それにしても、毎週末訪れている銀座界隈と較べて渋谷を歩く娘達の瑞々しいことよ。やったらとミニモニ風の小娘が目に付くのには途中から辟易したが。本日のお買い物、映画館での一点のみ。
1,クリストファー・ノーラン原案/今野雄二著『メメント』(Village Books/Sony Magazines)
本日鑑賞作品のノベライズ。日本人作家による独自の解釈も交えたもので、ざっと見た感じ解釈そのものは悪くなさそうだが――文章がちょっと、個人的に腑に落ちないような。本日の『USOジャパン』は冒頭の「一瞬でコーラの炭酸を抜く方法」が最高。いまいち辻褄の合わない都市伝説は兎も角、ラストの「万博での失踪事件」も珍しく悪くない仕上がりだったのだが――ただ、かなり有名な話のようだし知らなくても絡繰りはすぐに解ったけど。
なお、本当ならば松田優作公式サイトへのリンクも追加するところなのですが、どーいうわけか実物が見られない状態になっているのでリンクページへの登録は控えました。アドレスは http://www.yusaku-matsuda.com/ で合っているはずなんだけどなー。
2002年03月10日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020301~.htm#Day10久々に行き付けの蕎麦屋にバイクを走らせる。道半ばでひっじょーに厭な予感がした。……案の定、今日明日と臨時休業だった。本気で哀しい。食後に大回りして秋葉原まで買い物に出向く予定だったが、買い物を先にし食事はファーストフードで仕入れて自宅で済ます。更に哀しい。
本日のお買い物
1,『翡翠萌えバスタオル』(TYPE-MOON)
2,『Trainspotting』(Asmik/東芝デジタルフロンティア/DVD Video)
3,橘いずみ『SUPER SUNNY DAY』(POLYSTAR/CD)
4,矢野顕子『Dreaming Girl』(Epic Records/CD Maxi)
……あっはっはっはっは。とうとう来ちまったよ。同封の『月姫通信Vol.3』はオマケのくせに14ページのオフセットだ。本文には一瞬たりとて出てこないくせにアルクと先輩が表紙・裏表紙だ(出ていないからこそかも知れず)。で、本当にもう一種類作るの?
2は昨今のイギリス映画の大きな方向性のひとつを示唆した一作、ということでいつか観ようと念じていた一本。先日(7日)触れた二枚買って一枚もらおうキャンペーンの一枚となっているので、これを以て申し込もうという腹。あ、ついでに言うとユアン・マクレガーの出世作でもある。
復帰以前は好きな女性ヴォーカリストとして必ず挙げていた橘いずみのニューミニアルバムである3。復帰作となった前の一枚は、どうもパワー不足に感じられたのだが、今回は……プロデューサーとは噛み合ってきた、という印象はあるが、正直その分だけ退屈さはいや増してしまったような。詞の質も須藤晃プロデュース時代の迫力を感じさせないばかりか、凡庸なフレーズが多く無駄に丸くなってしまった。わざと僅かに外したようなヴォーカルの説得力と、シンプルながら厚みのあるアレンジは悪くないのだが、それ以外はただただ首を傾げるだけ。これでいいのかなー。
身辺の変化に関わりなく相変わらずの矢野顕子最新シングルの4、こちらはしばらく前からコンビの確立したジェフ・ボーヴァ(key Programming)に加え、ライブ盤にも名前の見えるアンソニー・ジャクソン(b)などが参加したバンドスタイルでの録音。シングルという気負いすら感じない、いつも通りのメロディと演奏である。こちらは一回聴いただけでは判断の下しようがないのもまたいつものことなので、とーぶんはただ流しておくだけ。ちなみに2曲とも坂本美雨が声を重ねているが、相変わらず何回聴いても聞き分けることが出来ません。似すぎ。……ほかにネタがない。あ、ひとつだけあった。「欽ちゃん走り」はきっと本当に効くと思う、ダイエットに。
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