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2002年02月21日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020221~.htm#Day21

 ……えーと、二週連続で二話放映はきついです。昨晩午前三時頃、「ああっ、落とす、落とすぞ?!」と喚く人が都内にいったいどのくらいいらしたのでしょう。それにつけてもこの作品、
「もっと細かくエピソードを刻めぇぇぇ」
「無駄な台詞が多いんじゃぁぁぁ」
「モノローグはもっと減らせぇぇぇ」
「カメラワークが単調なんぢゃぁぁぁ」
 という具合に私にとってはツッコミ放題です。くわえて一時間とくれば気分はぷちガマン大会です。困ったことに私はそれ自体を愉しんでいるんだけど、こうも極度に「映像化を望んでいた(に抵抗がない)原作ゲームファン」のみを対象とした作りで本当に良かったのか、という疑問も繰り返し胸裡を過ぎるのであった。来週は早くも「舞踏会」です。
 ……事情を知らないかたを完璧に無視した記述で申し訳ありません。

 次の短篇は習作としての意味合いも込めて平安朝と舞台に構想しようと目論んでいたのだが、まごまごしているうちに考証に費やす時間が乏しくなってしまったので、取り敢えずいつものように現代を舞台にしたネタに方向転換する。いずれ書こうと折節頭の中で調整を続けていたネタなので、遅くとも来月頭にはどうにかなるとは思うが、どうなることやら。最大の問題は、次の次に投じようと思って準備していたネタと主題のひとつが若干被っていることなんだが、まあなんとかなるでしょ。昨日に較べてスムーズに言葉が出てくるので楽観主義に転じております。

 本日のお買い物
1,『12MONKEYS [dts EDITION]』(松竹)
2,『アメリカン・ビューティー』
3,『あの頃ペニー・レインと [デラックス・ダブル・フィーチャーズ]』(以上、Sony Pictures/1〜3までDVD Video)
4,古橋信孝『平安京の都市生活と郊外』(歴史文化ライブラリー36/吉川弘文館)
5,服藤早苗『平安朝の女と男 貴族と庶民の性と愛』(中公審書1240/中央公論新社)

 DVDフィーバー今月2度目。欲しい作品はほかにもたくさんたくさんあるのだが、取り敢えずここで一旦セーブ。
 1はテリー・ギリアム監督、ブルース・ウィリス主演、マデリーン・ストウ&ブラッド・ピット共演という豪華スタッフによるSFサスペンス。ブラッド・ピット贔屓になってから出演作を色々と漁っていたが、最も希求していた一本がこれである。特典として収録された「日本版特報」で冒頭に掲げられた「アカデミー賞最有力」というクレジットがいまとなっては虚しいが、元々評価の高かったブラッド・ピットは本編によってゴールデングローブ助演男優賞を獲得している点からしてファンならば要チェックの作品なのだった。何故こんなに発売が遅くなったのでしょう。ちなみにこれは本日が正式な発売日、同時に松竹から発売された作品に『クローン』があるが、どーいうわけかそちらにもマデリーン・ストウが出演している。……キャンペーン中?
 2もまた待望の一本、こちらは『ユージュアル・サスペクツ』で助演男優賞、本編で主演男優賞をケヴィン・スペイシーが獲得、ほか作品・監督賞含め全部で五つのオスカーに輝いたもの。受賞当時からいずれソフトで入手しようと思い、DVDのシステムを導入してからはひたすらDVDでの発売を待ち焦がれていた。崩壊するアメリカの家族を描いた、ブラックコメディー。
 3は昨年日本公開、そのときも見たいと思いながらいまほどアクティヴではなかったためいつの間にやら上映が終わっていた。現在『バニラ・スカイ』が公開中のキャメロン・クロウ監督が自身の青春時代を投影して脚本を手がけ、これまたオスカーを獲得している。地元紙に書いた原稿がローリングストーン誌の記者の目に留まり、15歳で音楽界に身を投じた優等生の青春物語。『バニラ・スカイ』のポップな描写がなかなか良かったので、ほかにも同じSPEから『ロック・ユー!』などの未鑑賞話題作が並ぶなかで敢えてこれを選択した次第。クロウ監督による再編集版など多くの映像特典を収録した上に初回特典としてクロウ監督若かりし日にレッド・ツェッペリンに行ったインタヴュー記事を収めた小冊子と、このインタヴューを含めたクロウ監督による大物ミュージシャン複数へのインタヴュー記事を集めた特製本が抽選で貰える応募券が入っている、と盛り沢山なサービスに惹かれたのも事実なんだが。
 4と5はbk1で購入した、例によって平安期の資料。双方とも生活に纏わる文献で、いい加減飽きてるんじゃないか、と思われているかも知れないが、これが意外と飽きないのである。執筆者の見地の違いを考慮しつつ、ほぼ定説となっている部分を抽出したり興味深い解釈を拾っていくのがなかなか愉しい。4は「郊外」の定義から当時の都市生活者の価値観などを読み解いたもの、5は『平安朝の母と子』の著者が今度は男女関係に的を絞って執筆したもの。後者は早く読みたいぞ。

 一念発起して、サイト内のほとんどのページにアクセス解析用のアンカーを設置した。トップとnowadaysを除いて全て同じアンカーにしたため、どこのページにという特定は出来ないが、先方が検索で辿り着いた場合だけは、どんなキーワードでどこのページに辿り着いたのか確認することが出来る。それにしても、ほんとに毎日毎日『アンビリーバボー』『奇跡体験アンビリーバボー』のキーワードで訪れる方がいるのには驚きを禁じ得なかったり。
 折角なので今夜の『アンビリーバボー』にもちょこっと言及しておく。久々に見所のある内容だったが、やっぱりスタッフが自前で取材した場面は省く、と付け加える必要がある。ウィンチェスター家唯一の生き残りとなった夫人が、降霊術の囁きに従い増築に増築を重ねた異形の館に関するレポートが2/3を占めていたが、歴史の出来は悪くなく、きちんと現地を訪れ内部を撮影しているのも好感が持てる――そこに霊能者を連れてきていらんことを喋らせるのはどーかと思ったが。それと最近は、下らない話題を扱ったとき、スタジオでのタレント陣のてきとーな喋りっぷりをあれこれ勘繰ってみるのも楽しみ方のひとつとして提唱してみたり。

 話はまるで違うが、『ロック・ユー!』という映画、素晴らしい邦題だよなあ。原題は『A Knight's Tale』、ってまんまやん。内容を感覚だけで説明しきってしまう、という荒技である――いえ実物はまだ見てませんがそのまんまですよね? ね?


2002年02月22日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020221~.htm#Day22

 昨晩の更新後に『セックスと嘘とビデオテープ』(20世紀フォックスホームエンタテインメント/DVD Video)を鑑賞。執筆とチャットと並行だったために重要な台詞や描写を見落としていたようで、どーも私のなかでうまく纏まらない。が、格別な山場もなく、細かな台詞とモノローグ抜きの心象表現のみという特殊なスタイルで最後まで興味を繋いでしまう手管は神域にある、ととりあえず断言してしまう。いきなりのカンヌ映画祭パルムドール受賞も頷ける、スティーヴン・ソダーバーグ監督の処女長篇なのであった。……近いうちにまた最初から見直さないと。
 溜まっているDVD消化のうえで、いま最大の壁となっているのが、約三時間のクラシック大作『大脱走』。面白いことは折り紙付きなのだが、なまじ長いだけにちゃんと向かい合わねばという意識が芽生えてしまい、30分くらいから先になかなか進めないのであった。マックイーン何回ボールを拾いに行っただろうか。そして私はいつになれば『アメリカン・ビューティー』ほか先日購入した未鑑賞作品に手を付けられるのか。

 本日のお買い物
1,『こみっくパーティー 4コママンガ劇場(2)』(ENIX)
2,近藤るるる『天からトルテ!(14)』(BEAM COMIX/enterbrain)
3,田中芳樹・原案/霜越かほる・文『KLAN III 迷走編』(スーパーダッシュ文庫/集英社)
4,北村 薫『覆面作家は二人いる』
5,京極夏彦『巷説百物語』(以上、C・NOVELS BIBLIOTHEQUE/中央公論新社)
6,歌野晶午『世界の終わり、あるいは始まり』(角川書店)
7,有栖川有栖『作家の犯行現場』(ダ・ヴィンチブックス/メディアファクトリー)

 2は遂に完結。思わずラストから眺めてしまったが、……まあ、そんな感じ。
 4は何故か文庫版から逆戻り。角川文庫版が手近にないので確認できないのだが、書籍体裁では初めて挿絵を追加したのではなかろうか? 取り敢えず装幀は間違いなくリニューアルされているので、それだけでも私には買う意味あり……それでいいのか俺。
 7は『ダ・ヴィンチ』誌上に連載していた、ミステリの舞台を歴訪した企画を書き下ろし小説(!)を追加し一冊に纏めたもの。四六判かと思いきや、小説雑誌と同じA5判で本の作り自体も楽しめそう。
 それより何より、『ATOK15 関西限定パッケージ』が欲しい。パッケージは兎も角ATOK15は導入したい。切実に必要な気がするんです関西弁対応。いちいち標準語で変換して数文字削除して書き足すなんて手続踏むのはそろそろ厭だったんです。

 痛恨のミス。
 観たい映画はだいたいその週の前日か前々日に決める習慣なのだが、ものが決まっているのなら当日劇場で入場券を買うよりも、チケットぴあなどで購入した方が、通常価格と較べ300〜500円は安い。近場に何軒かチケットぴあがあるため、帰途MOドライブクリーナーを買うついでに立ち寄ってみる。
 近日公開作品のみならず、現在上映中のものも購入可能で大量に展示されていた。随分迷って、諸条件からもうじき上映が終わると思しい『ジェヴォーダンの獣』のチケットを選ぶ。ほくほく顔で帰宅し、ネットで上映時間を確認した。
 現在、私は未だ公開日の確定しない『暗い日曜日』のほかに、『ジーパーズ・クリーパーズ』のチケットを持っている。給料日前で所持金も心許なく、それもあって『ジェヴォーダンの獣』をわざわざぴあで購入したのだが――
『ジーパーズ・クリーパーズ』、『ジェヴォーダンの獣』ともに3/1で終了。
 今週中に意地でも二回劇場を訪れなればならなくなった。観たい映画をひとつでも多く消化する強制手段としては有効だが、それだけスケジュール運用がシビアになる。今後はちゃんと調べてから購入しましょう。

『六つ墓村』に続いて、ミステリ映画への強烈なリスベクトを体現してみせた『TRICK2』episode3ぞーん編(敢えて平仮名)は同時にシリーズ内部で展開された自己模倣でもあることに着目したい。蒔田光治脚本・堤 幸彦監督(演出)が基本であるこのシリーズで、初めて脚本・演出共に第二シリーズで加わったスタッフが担当したエピソードなのだ。演出、台詞の間、キャラ設定を活かしたギャグいずれも過剰なまでに従来のスタイルを踏襲し、トリックの扱い・解決への手続までどーも不具合が多い点まできっちりと受け継いでいるのは全くお見事としかいいようがない。トリックそのものには、実はこれまでのシリーズでいちばん感心させられたのだけれど、思い通りにことが運ぶ可能性は極めて低い。それを承知の上でもたっぷりと愉しませていただきました。相変わらず佐野史郎は壊れたときがいちばん素敵。


2002年02月23日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020221~.htm#Day23

 週末恒例の映画鑑賞は昨日語ったとおりの事情に、尺が長めで平日だと時間が取りづらいという現実も勘案してジェヴォーダンの獣』(GAGA-HUMAX・配給)を選択。感想はこっちゃ。ところで原題の意味が解りません。
 プログラムを読んで初めて知ったことだが、本編はじめ『クリムゾン・リバー』『ドーベルマン』などで知られるヴァンサン・カッセルは、共演のモニカ・ベルッチと結婚しているそうな。ベルッチはやはり『ドーベルマン』に出演し、昨年公開された『マレーナ』で悲運のマドンナを演じ話題となったイタリア出身の女優。うろ覚えだが『マトリックス』続編にも出演が決定している、はず。エキゾチズムと気品とを兼ね備えた容姿の持ち主で、個人的に、いまの映画界で美女をひとり挙げろ、と言われた場合たぶんニコール・キッドマンか彼女を挙げるしかないだろう、と思っているくらい。羨ましいぞヴィンセント。
 今週中に要鑑賞のもう一本、『ジーパーズ・クリーパーズ』は、あるいは明日観に行くかも知れないが気分次第。

 本日のお買い物
1,高雄右京『地球幼年期の終わりに…』(HYPER HOT MILKコミックス009/コアマガジン)
 ……だけか。内容も知らずにbk1に予約注文して、はや……何ヶ月だろう。1995年頃に連載し、以後同人誌にのみ収録されていたものを初めて一冊に纏めたものだそうだ。

 ……あとは特に何もなし。作業もそこそこにのんびりまったり。


2002年02月24日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020221~.htm#Day24

 ……一日中腹痛に悩まされた。てゆーかこれを書いている今現在もときおり腸が蠕動しているのがわかる。勘弁して。

 気分的にも体調的にも支障がなかったので、二日連続の銀座訪問。予告通りにジーパーズ・クリーパーズ』(GAGA-HUMAX・配給)を鑑賞。予告編のときから危険な気配を漂わせていた腸が、本編開始四十分ほどを過ぎたところでいよいよ暴れ始めたので、終盤に5分弱程度の中座を挟む久々の悪夢を見たが、約11ヶ月前のケースと違うのは、こちらは復帰後の様子から中座していた間の展開がほぼ理解できたこと。それでもかなり私の好みにあった仕上がりの作品故、もう一度鑑賞しなおしたいという欲求に駆られたが、DVDの発売まで我慢することにした。公開期間の短かった映画は比較的早くソフトが発売される傾向にあるので、多分そんなに先の話ではないだろうし。ともあれ、感想はこちらからどうぞ。にしても……こういう映画だったか。
 ――気付けば今年に入って14回目の劇場訪問である。二ヶ月連続で月七本。自分でも見過ぎという気がしてきた。

 帰宅後、両親と共に近所のラーメン屋で食事を済ませ一眠りしていたところ、にわかに電話が鳴った。ひろさん先日のお嬢さん、もとい、にやさんが近所の某記念館までいらしたとのことで、出入口のところで待ち合わせて近所の和風喫茶店でお茶しつつ一時間ちょっと駄弁る。バイクで帰られるお二人を見送って自宅に戻った。
 途端、またぞろ見舞った腹痛に慌ててトイレに駆け込む。息を吐いたところで、漸く気がついた――どうやら外に出ている間ずっとファスナーが開きっぱなしだったらしいことに。普段から大きめのトレーナーを愛用していて、更に外出時にはバイク専門店で売っている特大のウエストバックを着用しているので、たぶん誰にも気付かれなかったとは思うのだが。起きたてで若干抜けていたとは言え、ちょっと情けなかった。

 本日のお買い物
1,がぁさん『だいらんど』(Hard Comics/大都社)
2,小松和彦『京都魔界案内 出かけよう、「発見の旅」へ』(知恵の森文庫/光文社)

 1は某氏の推薦により購入。まんまるいタッチに特徴のある、個性的な青年マンガを発表しているがぁさん氏(しつこいって)の、いつもの作風とはやや異なる変なファンタジー。ここ数日に買った漫画が消化し切れていないので未読だが、確かにかなり面白そう。
 2は知恵の森文庫オリジナル、京都の魔を宿したスポットを紹介するいわば異形の観光案内。

 なんとなくこんなものを作ってみる。今後の予定を決めやすくするため、のつもりがあまりの量に眩暈を起こした。既に3月公開予定作品を全て観ること自体が絶望的。


2002年02月25日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020221~.htm#Day25

 さすがにもういいだろうと判断し、ウイルス警告のメッセージを外しました。

 職場のほうはいろいろと大変なのだが、私の方は臨時収入が予想より多めだったのでホクホク。奢れと言われていたのを思い出したが、それでも行き付けの蕎麦屋の天せいろしか挙げない私は我ながらケチである。まあ、焼け石に水だからなぁー。何にせよ、MYSCON3までは保ちそうなのが幸いである。……とかいって断念したりしてね。しかし……予想より多すぎるのが却って気になる……

 本日のお買い物
1,和田慎二『超少女明日香 式神編(2)』(MFコミックスフラッパーシリーズ)
2, 〃 『ピグマリオ(9)』(MFコミックス/以上、メディアファクトリー)
3,『こみっくパーティー コミックアンソロジーVol.9』(DNAメディアコミックス/スタジオDNA)
4,藤原ここあ『わたしの狼さん。 THE OTHER SIDE OF LYCANTHROPE』(GANGAN WING COMICS/ENIX)

 ……あれ? 何故かマンガばっかりだった。
 1はコミックフラッパー連載の最新シリーズ最新単行本。この連載は単行本二冊で一区切りと決めているのだそうで、式神編もこれで完結なのだ。安倍晴明に関する解釈のひとつは面白かったが、終盤の展開は?と感じる部分が多かった。明日香シリーズで語る必要はあったのか?
 面子が固定してきてしまった3だが、オリジナルゲームそのものの評価を別にして安定感を醸し出しているのはキャラが固まっているせいか掲載作家にとっていちばんネタに困らないせいか(実体験を取り入れるのも対比させるのもアリだし)。お陰で止めるきっかけが見つかりません。
 4は何故かステンシル連載だとばかり思い込んでいたシリーズの、番外編、になるのか? まだ中身に辿り着いていませんが、相変わらずいい雰囲気の絵柄で安心。

 あ、まだ『だいらんど』に辿り着いてないので感想は書けません悪しからず。


2002年02月26日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020221~.htm#Day26

 某朝の情報番組を、出勤の用意をしつつ眺めていると、「落ち目のケヴィン・コスナーが復活を賭けた最新作」(曖昧な記憶から再現してます御了承を)云々、という国際版芸能レポートを流していた。かつては好きな俳優のひとりに挙げていたものの、『ウォーター・ワールド』以来の不評ですっかり遠離ってしまった身にも気になる話題である。ちゃんと支度はしつつも画面にちょっとばかし注意を割く。
 小ヒットなら『13デイズ』とか『メッセージ・イン・ア・ボトル』とか挙げられるのだが、制作費に対して興行収入が1/2程度しかない、という現実は確かに揺るぎようがない。しかし、「俳優だけやっていたらスターでいられたのに」という台詞には頷けるものの、その発言者を「映画『パール・ハーバー』のプロデューサー」と紹介してしまっては説得力半減どころの騒ぎじゃないと思う。日本では不可思議なヒットを遂げたが海外ではぼろくそで配給会社上層部の首が一部すげ替えられたとまで言われる作品のプロデューサーがなんでそれを言う。
 しかし、このレポート最大の問題は、最新作『Dragonfly』に関する話。本国では熱心に宣伝が為されているが日本では未だに配給元が決まっていない、と言っていたが、東宝東和です。2001年初頭に発表された年間ラインナップの時点で既に予定に組み込まれており、先日入手した2002年-2003年のラインナップにもちゃんと含まれていた。公開時期など詳細が決まっていないからそう説明したのかも知れないが、いずれにしても不正確、というより完璧に某日本人みたいな名物外国人ディレクターの情報に依存しすぎて日本での下調べをスタッフが怠っていると思われる。
 ちなみに最新作『Dragonfly』は死亡した妻の声が聴こえるようになってしまった精神科医を主人公としたスーパーナチュラル・ホラー。深川はケヴィン・コスナーと彼の最新主演作『Dragonfly』を応援しております。いちおう。

 新作短篇を悩みつつしこしこと書き綴っているのだが、ふと、このテーマなら昔に書いた未発表短篇のひとつを若干改稿した上で投じた方が早いんじゃないだろうか、と気付いてしまう。気付くなよ気付いて怠ける理由作るなよ。ともあれ、現在執筆中の作品はそのまま書き継いで、間に合ったら件の原稿にも若干手を入れて一緒に送ってしまうとする。ある理由からたぶん採用される可能性は低いと思うのだがものは試しと言うしー。

 本日のお買い物 ……多いぞ。
1,恩田 陸『図書室の海』
2,筑波 昭『津山三十人殺し 日本犯罪史上空前の惨劇』(新潮OH!文庫/以上、新潮社)
3,マイケル・R・ペリー『テッド・バンディの帰還』
4,辻 真先『天使の殺人 [完全版]』(以上、創元推理文庫)
5,中井英夫『黒衣の短歌史』(中井英夫全集10/創元ライブラリ/以上、東京創元社)
6,あすか正太『総理大臣のえる! 乙女の怒りは最終兵器』(角川スニーカー文庫)
7,巣田祐里子『魔境学園風雲記ハイパーハーフ&ハーフ(1)』(Kadokawa Comics A/以上、角川書店)
8,鮪オーケストラ『トニーの背骨はよく曲がる。(1)』
9,唐沢なをき『八戒の大冒険 2002REMIX』(以上、BEAM COMIX/enterbrain)
10,United Future Organization『V (five)』(cutting edge/avex/CD)
11,さだまさし『夢百合草 -あるすとろめりあ-』(Free Flight/TEICHIKU ENTERTAINMENT/CD)
12,Pat Metheny Group『Speaking Of Now』(wea japan/CD)

 ぜえはあぜえはあ。
 1は恩田陸初のノンシリーズ作品集。既出長篇の番外編的短篇なども含み、彼女の多岐に亘る作風を一冊で堪能できるのが美味しいところ。2は、いつの間にやら文庫化していた名著。事件そのものは『八つ墓村』などに影響を与え、本書の存在そのものが『龍臥亭事件』に繋がったという、ミステリファンなら要チェックの一冊。わたし自身、bk1のカゴにずーっと草思社刊の親本を入れっぱなしにしていたのだが、文庫版でしかも加筆改稿が為されているとあれば買わずにおくべきか。昨年11月発売、既に第三刷であった。大幅な出遅れ。
 3は題名だけで「俺は買う」と決意していたいわくつきの一冊(んな大袈裟な)。1970年代のアメリカを暗躍した史上に残るシリアル・キラー=テッド・バンディと彼の犯罪をモチーフとした、大部のサスペンス。4はあちこちで話題になっているので省略。そして5はいったい何回、いったい何年延期したのかそもそも最初の発刊予定はいつだったのかも忘却の彼方の、中井英夫全集のキキメ的第9回配本。こんな究極の不定期刊行物でも、ちゃんと元バイト先での在職中に私がお願いした「定期注文」を有効として送ってくれる東京創元社は結構素敵だ。
 6はやけにスパンが短いので省略。一方7は個人的に待望中の待望の新刊。旧シリーズ復刻版で転校してしまった龍宮殿が復活しているというそれだけで異様に喜んでいるわたしって。
 8以降は夕方秋葉原の某ソフト店で順次購入、が8と9はその店で買うのは私ぐらいなんじゃないかと思うくらいに浮いていた。8は『コミックビーム』連載時からみょーに注目していた、どこを切っても危ない漫画。元バイト先に入荷しなかった際、本気で「発禁処分を喰らったんじゃないか」と心配したほどである。……それにしても奥付の初出、「月刊コミックビーム4月号〜11月号」とだけあるんだが……いつの? 対する9は、なんと唐沢なをきの処女作品集の復刻版。最近の単行本未収録作品も含めたリミックスとのこと。でもやっていることは基本的にいまと同じだ。
 10はいつの間にかレコード会社を移っていたUFOの、移籍後第一作。だが雰囲気は常の通り、但し使用している生音がビッグバンド規模からトリオ・デュオ・ソロ程度に縮小され、ストレート・アヘッドに近い印象となっている。シングルで先行発売されていたという『Listen Love』の伸びやかなヴォーカルと、山下洋輔の緩急自在なピアノタッチが素敵。
 11は、小説『精霊流し』脱稿後初のアルバム。そーとー曲作りに苦しんだという話だが、当然ながら苦しみの片鱗も覗かない安定感のある仕上がり。ソロ活動が軌道に乗ったからなのか前作にも増して石川鷹彦の露出が少なくなっているのが残念ながら、その分ジャケットまでひっくるめて「日本人のフォーク」という世界観が綺麗に立ち上がっている。その意味では、あの9月11日を歌った『September Moon〜永遠という一瞬〜』だけが異色、とも言えるのだが。
 そして本当に日本盤も買ってしまった12。輸入盤との差違は、日本人によるインタビューを収めた小冊子と、メセニーのギターソロによるボーナストラック『Epilogue』が収録されている、この2点のみ。それに2520円払って来ました。
 本日購入したCD三枚、企図せずいずれもアーティストが9月11日、歴史の断層となってしまったあの日の影響を語り音にしている。


2002年02月27日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020221~.htm#Day27

 昨日触れた未発表短篇を見直し、必要なところに加筆したり意外なところに見つけたイージーミスを訂正したりする。しかし大筋ではもう手の入れようがなく、必要なテーマも十分に反映していて驚く。唯一の悩みは、わずか一年半前の文章なのに既にいまの感覚とずれがあること。流石に「これは俺の作品じゃないーっ!」と叫ぶほどではないが、微妙な面はゆさがあるのも事実。……まあ、なんにせよこのまま眠らせるつもりはなかった一本なので、ひとまずお渡しするべきところに渡してしまうことにする。
 新作のほうは停滞。漫画が溜まっているところに、職場の作業用Macが仕事に支障を来すまでにおかしくなってしまい、夕方からその対応と業者への連絡に追われ、自分のパソコンに触る時間があまり取れなかったのだ。導入時から問題が山積しており、三年近い使用期間中なんのエラーも出なかった期間がたぶん一年にも満たない曰く付きの環境である。ここらできちんと膿を出しておかないと今後もあれこれと仕事に悪影響を及ぼすに違いない。明日の朝いちばんに、職場にデータ出力の環境を導入する際一切を取り仕切った業者の営業担当者が来ることになっているので、そのとき徹底的に突っつかせて貰うことにする。だいたい導入するために投じた資金分の働き全然しとらんのやーっ!
 ……ともあれ、そんな感じで仕事中の暇を執筆に割くのがちと難しい状況が明日も続くのだった。はあ。

 執筆が滞っている原因は本職のみならず、随分昔に出たしよーもないゲームで夜中のいちばん自由になる時間を費やしてしまっているからです。午前3時近くまで遊び呆けて「何やってんだ私わ」と我に返ること数回。

 本日のお買い物
1,小野不由美『屍鬼(三)〜(五)』
2,北村 薫・編『謎のギャラリー 愛の部屋』
3, 〃 『謎のギャラリー こわい部屋』(以上、新潮文庫/新潮社)
4,大井昌和『ひまわり幼稚園物語 あいこでしょ!(2)』(電撃コミックス/メディアワークス)
5,奥田ひとし『天地無用!砂沙美伝説』(Kadokawa Comics A/角川書店)

 今日の漫画二冊も非常に楽しみにしておりました。4は本当にほのぼのラブコメの様相を呈しております。
 が、5はいったいどんな内容かと思いきや、大半は奥田版天地無用(「新」のつかないシリーズ)から砂沙美メインのエピソードを5話(実質は3話)集めたもの。残りは、あるファンクラブ誌で長期連載していた4コマ漫画を収録している。まあ、後者だけでも買う意味はあるし、いちいち砂沙美絡みのエピソードを捜さなくてもよくなるから良し……って、俺は……

 ふと、とあるテレビ局のあるアニメ番組のタイムテーブルを確認する。……全13回? 3月中で終わり? ……3月27日は3話一挙放映??!

 唐沢なをき氏のホームページ「からまん」をlinkに追加。昨日購入した単行本の奥付に書いてあるアドレスを今日になって発見したからだ。


2002年02月28日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020221~.htm#Day28

 ちょっとやりすぎました。

 わたしの卒業した中学が近々別の学校と合併する。その名称が『桜橋中学校』、略称はどー考えても『桜中』になることにまず驚いたが、今朝の新聞の報道によれば、校歌をなんとハウンドドッグに発注したという。まるっきり現代調の歌詞に隔世の感を抱きつつ(歌いづらい曲だったのよわたしの在学時は)、しかし折角なんだから武田鉄也と海援隊にお願いすれば良かったものを、という思いが拭えず張り付くのであった。

 モー娘。の吉澤がわたしの自宅近所を彷徨いていたらしい。ふと点けたテレビ番組で知る。しかし、放送していたとおりの順序だと、一回道を戻ったことになるんだが、といらんツッコミをしてみる。

 本日のお買い物
1,『Kanon』(NEC Inter ChannelKey/Visual Art's/PS2対応ゲーム)
2,『flutter of birds II 天使たちの翼』(Silky's/Windows95・98・Me・XP・2000対応ゲーム/18禁)
3,KEY+LIA『Natsukage/Nostalgia』(Key Sound Label/Visual Art's/CD Maxi)
4,元ちとせ『ワダツミの木』(Epic Records/CD Maxi)

 なんなんだ今日は。挙げていない中には本日創刊のアレもありますが、ぱらぱらと目を通しただけなので省略。とりあえずの感想は一言で終わるから敢えて書かず。
 1は、東京では毎週水曜日深夜に変則的に放映中のアニメ原作。昨晩の『舞踏会』は流石に辛かったです色んな意味で。ともあれ、久々に遊ぶなら最新のヴァージョンでとも思い購入。ソフマップで予約しておけば良かったと今にして思う<思うな
 で、2は店で見るまで買うつもりの全くなかった、Silky's、そして竹井正樹の最新作。前作は離加等メーのエピソード(あとで思うとこのアイディアは大傑作)以外は原因と結果が一致していないという大きな欠点があったので、わたしの評価は世評より低いのだが、作風そのものには期待が持てるし竹井氏の絵柄自体が好きなところに若干気が大きくなっていたので、半ば勢いでレジに運ぶ。
 3は今更という気もするが、これも店頭で見つけてしまったので避けられずに。昨年夏のコミケで先行販売されたシングルCDである。正直に言いますが、思っていたより良質でした。2曲とも曲想が近い、シンセサイザーに依存している、のがやっぱり気に懸かるが。
 そして4。先週土曜日放送の『ミュージックフェア21』に矢野顕子・スガシカオと共に出演、日本民謡の匂いを留めた美しいヴォーカルに強烈に惹かれたので。インディーズで二枚のミニアルバムを発売し、その高い評価から2/20にデビューしたばかり、つまりいきなりのミュージックフェア出演であり、期待の程が知れようというもの。表題曲は良作ながらシンプルな編成と音、メロディであり、これをコーラス抜きで支えるヴォーカルの牽引力が光る。間違いなく注目株。
 帰宅してから気付いたが、以上四つのお買い物はシチュエーションの面でびみょーに交錯しております。買い物という行為自体は堪能できたが、結果を俯瞰すると意外と詰まらなかったみたいなー。

 ……そうそう、先日からなんべんも「矢野顕子 坂本龍一 離婚」という検索キーワードがここを拾っているらしい。が、わたしはその検索結果から離婚の事実を知ったくらいでなんの情報も存じません念のため。そもそも別に驚くほどの話でなし。

 本日放映の『奇跡体験!アンビリバボー』前半は初めて絶賛に値する名レポートであった。新聞のテレビ欄で『奇跡の水』という一文を見たときはまるで期待していなかったのだが、発端はともかくその検証と効果の原因と見られる現象の解説まで、非常に整然としていた。とりわけ「活性水素」をアニメーションイメージで説明するくだりにセンスがあり、ひとめで理屈が腑に落ちる分かり易さ。最近の低レベルな番組内容と較べて、この出来自体が奇蹟ではないのか、と言いたくなるほど。後半のネタは……まあ、実際にあった出来事なのかも知れないが、過剰すぎて笑ってしまった。

 cgiの動作検証として行ったカウンター二種の併設は、わずか2週間で130も数値が開いてしまい処置に困っている。どちらか先に壊れた方を撤去する、と考えていたのだが、そういうときに限ってどちらも不調を来さない……あ、そうそう、先日6万ヒット達成しました<ついでのように。


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2002年02月中旬
2002年03月上旬
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