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「本日のお買い物」のナンバー部分をクリックすると、当該書籍の購入画面にジャンプいたしますので、ご利用ください。
2002年10月01日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021001~.htm#Day01<お知らせ>
深川の関係するサイト
『芦辺倶楽部』
『性善説』
が、10月01日より共に新しいアドレスとなりました。
『芦辺倶楽部』
現 http://ashibe.hoops.ne.jp/
↓
新
http://ashibe.infoseek.ne.jp/
もしくは
http://ashibe.hp.infoseek.co.jp/
『性善説』
現 http://born-good.hoops.ne.jp/
↓
新
http://born-good.infoseek.ne.jp/
もしくは
http://born-good.hp.infoseek.co.jp/
ブックマーク・リンクの変更をお願いいたします。
(旧アドレスでも半年ほどアクセスできるようです)呆然としているうちに10月になった。
日付を指定したなら、午前零時を過ぎたその時点で実施してくれてもいーんでないかと思うんだが。
ともあれ、今日付けでhoopsはinfoseekに統合され、『芦辺倶楽部』と『性善説』のアドレスは↑のように変更となりました。リンクされている方は変更お願いします。あー、そういやこの両者についてのお仕事も溜めてるなあ……。許容量とっくに越えてるから、そろそろ本気でセーブすることを考えないとなあ……。
……が、日記の準備をしながらもう一度確認しようと思ったらてんでアクセスできやしない。アクセスできても重いし、どーも画像へのリンクが何故かhoopsのアドレスのままになっていて読み込めない不具合があるし、なにより旧アドレスからのリダイレクトが、バーチャルドメイン(http://ID.hoops.ne.jp/)に対応していても本来のフォルダ形式(http://www.hoops.ne.jp/ID)には対応していないらしい。その結果、どういうわけか現段階でいちばん確実に表示されるのはhoopsの本来のアドレスだった、という異様な為体。
日付を公表しておきながらこの始末、スムーズに移行する、という表現を知らないのか彼らは。てゆーか数年前にテレビでやってた愚劣な比較広告覚えてますか。どこが打てば響くんだ?! ……まあ、追い追い改善されると願って、騙し騙し付き合っていくこととしましょう。いつまで待っても駄目なら移動すれば済むことなのだし。
上記のように告知しましたが、当分リンクは変更しないか、あいだに「hp」のつくアドレスでリンクしていただきたく思います。私のサイトからのリンクもしばらくそのままにします。ほんとにもう……戦後最大の台風が関東襲来。名物である各所での中継を眺めているが、「中継を畳んでいる」というフレーズを耳にしたのは初めてかも知れない。危険を考慮してとっとと自宅に引っ込んでしまったわたしにはあまり実感がないが、確かにかなり激しい様相なのだ、とそのことで解る。
そーいう趣旨の報道をしているくせに各地で実況を伝えている報道の人々には全く頭が下がるが、それよりちょっと面白いことに気づく。駅の構内で中継していると、例によって若い奴らがレポーターの背後にたかってピースを出したり戯けてみたりしているのだが、凡そ想像力の欠如した彼らの行動に、最近新しいパターンが追加されたようだ。
みんな一様に、携帯電話を使いながらカメラを見ている。放送に乗らない台詞まで聞こえてくるようだ。
「ほら、XXチャンネルだってよ! な、な、映ってる? 映ってるだろ? おーい!」
……その姿を客観的に想像してごらん、キミタチ。本日のお買い物
1,須藤真澄『振袖いちま(3)』(BEAM COMICS/enterbrain)
ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。遂に出たでおまいさん(誰)。掲載誌の休刊により中絶してから約七年、とうとう完結第3巻の発売……が、書き下ろしたったの一本すか。つまり、このたった1話のためにわしらこんな長いこと待たされたんすか。7年という歳月が、「あ・れ・きゅいじーぬ!」というフレーズに集約されているかの如くであった。書き下ろしの新作はかなりばたばたしていたが、まあ、大団円だったので良しとしよう。
なお、保存版は後日購入予定<これこれ取り急ぎ芦辺 拓『時の密室』(立風書房)の感想をアップ……しましたが重くてぜんぜん表示されやしねえ。気長にお待ちください。
さて、『千年女優』は今夜中に書き上げられるかどーか。――――――――――――――――――はっ?! 台風に気を取られて『スパイラル』アニメ版第1話を見逃したっ?!(問題の時間帯あずまんがのDVDを見ていたような気がするのは秘密だ)
10/02 AM01:50追記
よーやく『千年女優』の感想完成。こちらからどうぞ。結局今日も執筆進まず。ごめんなさいぃぃぃ。
2002年10月02日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021001~.htm#Day02映画サービスデー。
常に校正が遅れ気味の大手の仕事は明日に先送りとなったため、3時半頃に店終いをして心置きなく銀座方面へ。あらかじめ三本くらい候補を決めて、到着時間から一番近いものを観よう、と決めていた。結果として選んだのは、ガイ・ピアース&ヘレナ・ボナム・カーター主演の『記憶のはばたき』(GAGA・配給)。感想はこちらから。
ちなみにこの作品の上映館は日比谷スカラ座2。1の方では大ヒット作『サイン』がかかっており、到着したときはちょうど次の上映が始まる頃合いだった。何故観なかったかって? ……いや、券が貰える、はず、なんだけど……。そういう理由があっても、座れるものを横目に別の映画を待っているのは若干気分が悪かった。帰宅後、『迷路荘の惨劇』を見ながら、「あー、政宗さん殺されちゃったー」とか「うわー政宗さん悪い人だー」とか呟いてみる。内容そのものについては特に言うことなし。
本日のお買い物
1,ほったゆみ・小畑 健『ヒカルの碁(19)』(少年ジャンプコミックス/集英社)
だけ。佐為は登場しなくなったが確かに存在を感じる新シリーズ。頭からこんなに強くていいのかと思うが面白いから良し。創作も読書もだいぶいいコンディションになっているのだが、それ以外の殆どのことでおつむの対応能力が減退しております。そんなわけで今夜も軽めな更新ですが御容赦を。
2002年10月03日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021001~.htm#Day03やっとhp.infoseek.co.jpのほうは実用に耐える転送速度になったが、依然としてinfoseek.ne.jpは使用不可のまま。嘘つき。
今更、突然、bk1のブリーダープログラムの申込をする。システムが若干改訂されたために、ちょこっとだけお得になる……のだろうか。
ただ今回の改訂、訳あって急ぐ急がないに拘わらずメール便を忌避している私のようなユーザーにはどうも「改悪」に映るのだけど。これまでは7000円とやや高めの設定ながらこれを上回ると送料無料だったはずが、どうも変更の概要を見ると以後は宅配便を指定した場合、一律250円の手数料を取る形に変更したようだ。たかが250円されど250円、ことこうまで「国内配送料無料」と大々的にキャンペーンを打っているだけに余計に不安を覚え不愉快になる。24時間配送が極めて24時間以内に近かったことも売りだったはずなのに、メール便優先が前提ではこの売りも崩れてしまうわけだが……。
しかもよくよく確認してみたら、1500円未満の注文で尚かつ宅配便を利用すると、送料+指定手数料で合計500円も余計にかかることになっている。流石に1500円未満の注文で500円の送料は高すぎるし、それ以前に料金体制改定内容を見てもそこまで高くなるように見えない書き方だというのがまず問題ではなかろうか。ネット通販を利用する人間が一回あたり1500円以内で収まるような買い物で済むか、という一般論はこの際別が違う。
こうしたことを確認したのはブリーダープログラムに申し込んでからだが……なんか、早まった気がする。元々説明が下手なサイトだとは思っていたが、今回は特にひどくないか、これ。
今現在の私には自発的に説明と文面の推敲・変更を求める余力がないので日記で書くだけに留めるが、関係者或いは私と同様の問題を感じられた方は指摘するなり確認するなりされるが吉かと。
それはそれとして、私の作品が掲載されている本のbk1ページへのリンク。
鮎川哲也・編『本格推理15』
井上雅彦・監修『異形コレクション 夢魔』
同 『 同 マスカレード』
同 『 同 恐怖症』(以上、光文社文庫/光文社)
『幻想文学56』(アトリエOCTA)
『本格推理5』と『Aria』は発見できず。鮎川哲也『碑文谷事件 鬼貫警部全事件I』(出版芸術社)読了。おいしゅうございました。近ごろ脳味噌レンコン状だから非常に新鮮な気分で読めた……のだがごく一部、トリックはすっきり失念したくせに犯人だけ覚えていたというのがあったのが辛い。
一時期意識的に漁っていたため、収録作品の殆どが既読だったが、目玉である中篇版『人それを情死と呼ぶ』は流石に初めて。鬼貫警部は登場しない、長篇版の大技は入っていない、と仕掛けの印象はかなり異なるが、基本となる物語に変化はない。全く密度を薄めずに拡張した長篇版がある以上、単行本に収める必要を感じなかったのも書き手からは当然の心理だろうが、こちらも完成度は高いのでやはり愛読者なら一読の価値あり。
勢いが止まらないのでそのまま『不完全犯罪 鬼貫警部全事件II』に突入する。本日のお買い物
1,水城まさひと『エン女医あきら先生(5)』(まんがタイムコミックス/芳文社)
2,『月姫 アンソロジーコミック2』(Magi-Cu COMICS/enterbrain)
3,綾辻行人・児嶋 都『緋色の囁き』
4,北村 薫・南天 佑『冬のオペラ』(以上2冊、あすかコミックスDX)
5,浜崎達也『.hack//AI buster』
6,あおしまたかし『デモンズ・クラッシュ! 魔王と勇者とメロンパン』(以上2冊、角川スニーカー文庫)
7,柴田よしき『聖なる黒夜』
8,綾辻行人『綾辻行人 ミステリ作家徹底解剖』(3以降、角川書店)
角川書店に貢いできました…………とほほほ。早速bk1へのリンクを貼れるだけ貼ってみましたので道連れになってください。
1はお気に入りの4コマ漫画シリーズ最新刊。突然サブキャラが増えてるが何かあったんだろうか。が、どーも大人げのない登場人物たちと一向に進展のない人間関係が素敵。
2は昨日試しに注文してみたアンソロジー。送料無料キャンペーン中だが、注文の仕方を間違えたため250円の配送手数料(この表現もよくよく考えると卑怯だよな……)がかかってしまってます。お陰で中身はどうでもいいと思うくらいに不愉快。
3と4は名作ミステリの漫画化。4は北村 薫の同名作品集からだが、一緒に収められた二篇は既に漫画化されて発売済である。作画担当の南天氏は次第に巧くなっている。
5はOVAとゲームの同梱販売に端を発するメディアミックスで話題の『.hack//』シリーズより、漫画版の原作者による小説版ってああややこし。ゲームとアニメの方は未経験だが、漫画版の方は連載でけっこー読んでいるので。
6は……ある特殊な理由から衝動買い。こういう理由で買うのは年に数冊です。
柴田よしきさん最大の単行本(『宙都』は敢えて省く)となった7は、柴田作品で複数のシリーズに跨り登場する山内練の現在と過去とを描いた大作。2年を越える連載に加筆訂正を施したもの。
そして8は、綾辻行人氏自らの監修による綾辻行人読本。ロングインタビューに作品リスト、それに小野不由美氏・京極夏彦氏ら21名の寄稿によるエッセイといった定番のコンテンツに、《館》の図解に書き下ろし原作を3の児嶋都氏が漫画化した作品、更には安藤満氏らとの麻雀対局の模様まで収録している。果たしてガイドになるかは兎も角ファンは楽しめるはずだ色んな意味で。そうそう、書き忘れてましたが、先日の『メガネっ娘居酒屋「委員長」』に参加しそこなった皆様は、本日発売の『e-LOGIN』が要チェックです。ほしのえみこ氏が漫画形式のレポートを発表しております。しかし……山本夜羽氏の夫人だったのか……知らなかった……
2002年10月04日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021001~.htm#Day04どーにも我慢が出来なくなったので、結局自分で連絡してしまいました。結果、少なくとも記述は修正された模様。前の、全部読まないと問題が解らない、という状態は改善されました。若干安心。
それと、昨日の今日で何ですが、bk1へのリンクは今日からお買い物一覧のナンバーのところに貼ります。いちいちボタンをつけているのが自分でも鬱陶しいと思っていたら案の定指摘を受けたので。ゲームのコミックアンソロジーというのはハズレ率が高い。承知の上で買っているのだが、それにしても今日読んだ奴のハズレっぷりはどうしたものだろう。あまりの凄惨さに思わず書名を伏せてしまうくらいだ。一枚絵ではかなりの表現力を備えている某氏も、今回は作風とゲームの雰囲気とのバランスが悪く中途半端な仕上がりになってるし。
本日のお買い物
1,平沢 進『千年女優 [オリジナル・サウンドトラック]』(TESLAKITE/CHAOSUNION/CD Extra)
2,『天空の城ラピュタ』(ジブリがいっぱいCollection/ブエナビスタホームエンターテイメント/DVD Video)
3,『Kanon Band 7』(東映アニメーション/Movic/DVD Video)
4,『パニック・ルーム』(Sony Pictures/DVD Video)
本がないやん。辛うじて2だけ扱ってたけど。
某氏の策略に嵌ったか、エンディングテーマ『ロタティオン(LOTUS 2)』が無性に聴きたくなってとうとう買ってしまいました、の1。ざっと聴いた印象では、テクノのアルバムと捉えても完成度の高い仕上がり。映画自体、このテーマ曲からインスパイアされたようで、そら痺れるのも当然だわな、と思いつつ。
2はジブリ作品でDVD化を最も待望していた2作のひとつ。もう一つは、まあ言わずともお解りでしょうが。そっちは来年の予定に入っているがはてさて。早速観ておりますが、問題提起を軸に持ち込まず徹底して冒険活劇に仕立てたあたり絶品。このあと亜流を幾つか観た記憶があるが足許にも及ばなかったもんなあ。どーでもいいことですが、この作品の冒頭にジブリのロゴとしてトトロの絵が挿入されているのが往年のファンには違和感強すぎませんか。
3はアニメ版『Kanon』完結編。全巻+サウンドトラック+イメージドラマCDの応募券を集めるとその点数に応じてプレゼントが貰えるのだが、いちばん点数の高いオリジナル新作アニメを頂戴するにはあと9ポイントほど必要で、9ポイント貯めるにはイメージドラマCD4枚買わねばならず。……そこまでして欲しいか、俺。
4は、わたしとしては買わないわけには参りますまいのデイヴィッド・フィンチャー監督最新作のDVD。劇場での予告編を収録しない代わりに、フィンチャー監督が制作したオリジナルの予告編が添付されております。最近の流行に逆らうように極端に少ない映像特典に、遠からず『スペシャル・エディション』なんてのが出そうな予感を強く覚えつつそれでも買う。
2002年10月05日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021001~.htm#Day05ドーラのバカ息子の台詞を脳内変換している自分に気づく。イイ!
週末恒例の映画鑑賞、本日は訳あって、両親に従姉、更に松本楽志まで加えた総勢五人のパーティで、本日封切り作品の初回上映を観に行くという珍しい状況になった。作品は、映画第1作『アメリカン・ビューティー』でいきなりアカデミー作品賞・監督賞を受賞したサム・メンデス監督の第2作『ロード・トゥ・パーディション』(20世紀フォックス・配給)。感想はこちらから――凄まじく力が入ってしまいました。耳にした絶賛がここまで掛け値無しと感じたのは久し振りですわほんまに。
観賞後は有楽町マリオン近くの甘味屋できしめんを食べて、山手線から三々五々別れる。楽志さんは次の用事のために新宿へ向かい、従姉と両親はそのまま帰宅。私は秋葉原で途中下車し、何か買い物を――と思っていたのに散策しているうちに肝心の買い物を忘れ、昨日受け取りそこなった特典を頂戴しただけ、格別な収穫もなく帰宅する。軽く昼寝をしたあとは、ひたすら映画の感想書きに費やす。物書き仕事は、これが終わってから。劇場で映画を観ることの楽しみは、大画面もさることながら、設備が新しければ新しいほど充実する音響だと思う。今日の『ロード・トゥ・パーディション』でも、銃撃戦の射撃音もそうだが、ジュード・ロウ初登場の場面で画面後方を列車が走り抜けるとき、座席が振動していると錯覚する(いや、あのシステムだとたぶん本当に揺れている)ほどの臨場感。
ただ、一度そういう形で最上の音響効果を体感してしまうと、のちのちDVDなどによって家庭で再鑑賞した際、拍子抜けしてしまうケースが少なくなく、却って損をした気分になることがある。しばらく前に『エネミー・ライン』を購入したときにもそんな感想を持ったものだが、昨日買った『パニック・ルーム』も同様だった。前半のクライマックス、襲撃者がパニック・ルームにガスを流し込んだとき、隠れていた主人公が火を点けて反撃するというくだり。劇場で観るとえらい迫力のある一幕だったのだが、DVDで、現在のオーディオシステムで鑑賞するとなんだか気の抜けた雰囲気にしか聴こえない。
……やっぱり、5.1ch以上のサウンドシステム導入しようかなー……。PM10:20現在、滅・こぉるさんの2002/10/06付の文章(なんで明日……?)が途中で切れている。ために、後半に登場するはっちゃけた人々が実は全部XXXだということをここで突っ込んでいいのか解らない。早く先を読ませてー!
『幻影の蔵』欲しいようしくしくしくしくしくしくしくしくしく。
2002年10月06日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021001~.htm#Day06日曜日は怠ける癖がついてしまった。とほほ。
と言いつつも、遠くにある行き付けの蕎麦屋までバイクを走らせ昼食を摂ったそのついでに、ぐる〜っと大回りして買い物を済ませてくる。帰宅後昼寝をしているあいだにbk1から荷物も届いた。お陰で、怠けていたつもりでも買い物は多かった1日。本日のお買い物
1,川瀬夏菜『知らない国の物語(2)』
2,やまざき貴子『っポイ!(20)』(以上2冊、花とゆめコミックス/白泉社)
3,桐野夏生『OUT(上)』
4, 〃 『 〃 (下)』(2と3、講談社文庫/講談社)
5,クレイグ・ホールデン/近藤純夫・訳『ジャズ・バード』(扶桑社ミステリー/扶桑社)
6,ウィリアム・ギブスン/黒丸 尚・訳『モナリザ・オーヴァドライヴ』
7,スタニスワフ・レム/飯田規和・訳『ソラリスの陽のもとに』(5と6、ハヤカワ文庫SF)
8,飛 浩隆『グラン・ヴァカンス 廃園の天使I』(HAYAKAWA SF SERIES J-COLLECTION/5〜7、早川書房)
9,岩井志麻子『黒焦げ美人』(文藝春秋)
10,霞 流一『デッド・ロブスター』(角川書店)
1はこれが初連載の新人さん、第2巻。微妙に垢抜けない雰囲気を結構気に入ってます(褒めてます)。2は……ほんとに、いつまで続くんだ。
3と4は、映画鑑賞の予習として。事前に聞いた話では、だいぶ原作と異なる内容になっているらしいが、それはそれとして。行き付けの書店で初版分が残っていたのを頂戴してきました。
5と8〜10はbk1にて、メール便がどのような形で届くのかを実験するために購入――したつもりが、量が多かったために宅急便で届いてしまった。しかし昨日、メール便優先で注文したものがたった1日のブランクで届くというのは、やはりシステムとしてどーかと思うのだが。届き方が特定できないのでは、受け取る側としても対処に困るではないか。私のところは宅急便がいちばん受け取りやすいのでいいんだけど。
それはさておき内容解説。5は深沈たる余韻を齎す悲劇『夜が終わる場所』が印象深かったホールデン2002年の作品。加えてジャズと禁酒法時代、と私好みの素材が並んで買わない理由なし。
6と7は先日一気に注文したSFの定番より、取り寄せ扱いだったもの2点。6はサイバーパンクの旗手ギブスンの電脳空間三部作最終作に当たる長篇。何故第1作・2作を飛ばしたかというと――単にとり・みき『SF大将』で元ネタとなっていたのがこれだけだったから。主人公が13歳の女の子、というのが琴線に触れたというのも否定しない。へっ。7はかつて映像化され、来年にもジェイムズ・キャメロン製作、スティーヴン・ソダーバーグ監督、ジョージ・クルーニー主演というとんでもねースタッフによってリメイクされることが決まっている、その原作。映画の出来はさておき(ソダーバーグがハードSFを作るのって初めてでないか?)、原作の主題が非常に気になったので購入。
8はあちこちで話題になっている、早川書房日本人SFシリーズ最新刊。内容については余所を参照してもらった方が早いでしょう。
9は最近岩井氏が頻繁に手掛ける、実際の犯罪を題材にした作品。岩井版『冷血』というあおりは……まあ、見なかったことにしておこう。
10は相も変わらず動物テーマの新作長篇。サイケな装幀が素敵です。……買い物が多すぎると他のことを書く気力が失われます。てことで今日はこれまで。
2002年10月07日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021001~.htm#Day07鮎川哲也『不完全犯罪 鬼貫警部全事件II』(出版芸術社)(bk1)読了。同全集1巻と較べると、短めでかつ後年の鮎川短篇の主流となる倒叙ものの比率が高まっている。また、鬼貫警部の関与が次第に作の後半に寄っていくのも解る。発表順に揃えているからこそ解る変化を楽しむのもまた一興、そしてこの時期の鮎川氏が如何に脂の乗った状態だったかを知るのにも役立つ好著である。
ところで、なんか意外な人が思いのほか鮎川作品を読んでいないというのを自供して話題になっているが、そこでタイプ別にお薦めの作品を挙げてみる、という無謀な試みをしてみよう。
まず、犯人当ての醍醐味を心ゆくまで味わってみたい、という方には何をおいても星影龍三シリーズ全般をお薦めする。作品数が少ないのでコンプリートもしやすい――と言いたいところだが、完全改稿版となる予定だった『白樺荘事件』の執筆の遅れがそのまま影響して長らく復刻されなかった『白の恐怖』がネックとなり、こんな文章を書いている私自身がまだ読んでいないほどだったりするし、少なすぎるために残る二長篇もまた品薄状態が続いている模様。現在いちばん確保しやすいのは、鬼貫警部全事件に先んじる星影龍三全集『赤い密室』(bk1)『青い密室』(bk1)(ともに出版芸術社)だろうから、まずここから手をつけることをお薦めしたい。生半可な密室物など相手にもならない短篇の金字塔『赤い密室』などを含む。併録されたデビュー以前の中篇『呪縛再現』は星影氏が鬼貫警部にしてやられるという珍しい内容のうえ、意外なほど文章が下手で、若い書き手は妙な安心感を覚えるはず。トリックはその後分割されて2つの長篇の原型となったくらいなのだが。
とは言え、多少無理をしてでも『りら荘事件』(講談社文庫/講談社)だけは読んでいて欲しいと思う。館ものの典型であり、容疑者が残り2人になってもなお犯人が解らない、という超人的な趣向をいとも軽々とやってのけている。雑誌『幻影城』に触発された晩年の長篇『朱の絶筆』(ノン・ポシェット/祥伝社(bk1)、講談社文庫/講談社)も、『りら荘事件』ほどの光芒はないもののその力強さは一読の価値がある。電話越しに犯人を指摘する探偵役、というのもまた前例を知らない。
逆に、ハウダニット――どのように犯罪を成し遂げたか、ということに興趣を感じる向きは、文句無しに鬼貫警部の作品群を読むべきだ。時刻表トリック、と十把一絡げにされがちだが、アリバイ崩しとは本来密室もの以上に正統的なハウダニットとなりうる性質の方法論のはずなのだ――何せ、犯人が明確となってからでないと始まらないのだから。
単純にアリバイ崩しのみを堪能したいというなら、鬼貫長篇・短篇のどれから手をつけてもまずハズレを引くことはない(晩年の『死びとの座』『王を探せ』は本筋から逸れ気味で冗漫、トリックについても若干難を覚える面はあるが)。ただ謎解きばかりではつまらない、という方のためにちょっと分けてご紹介すると。
まず鮎川哲也以前とも言うべき鬼貫警部本当の第1長篇『ペトロフ事件』(光文社文庫/光文社(bk1))は、寧ろ近年の新本格にどっぷり浸かっているような方にこそ薦めたい。『船富家の惨劇』に続く、国産アリバイ崩しの嚆矢に近い作品でありながら、同時に時刻表トリックへの早過ぎるアンチテーゼともなっている、歴史的にも意味の深い作品である。たぶん近年の読者はこの作品からの方が入りこみやすいのではなかろうか。舞台が満州であるため見慣れぬロシア語の地名・人名が乱立するのも、若い読み手の方が受け入れやすいはず。
小説としてのロマンティズムも欲しい、という方には、『碑文谷事件 鬼貫警部全事件I』(出版芸術社(bk1))に原型も収録されている長篇『人それを情死と呼ぶ』(光文社文庫/光文社(bk1))がいい。基本的な部分は鬼貫長篇の常道を踏んでいるが、そこに添えられたエピローグのために異様に深い余韻を残す作品となっている。本編を元にしたテレビドラマは、ミステリ部分の殆どが排除されたにも拘わらず、きちんとドラマが成立していたというぐらいで、実に芯の通った作品でもあるのだ。
同様にロマンティズムを感じさせる作品として、昨年と今年にようやく二通りの形で復刻の叶った鮎川哲也名義での第1長篇『黒いトランク』(光文社文庫/光文社(bk1)・創元推理文庫/東京創元社(bk1))がある。その後の鬼貫長篇の基本的なストーリー展開が本編で既に完成されていることも重要だが、そうした立場にありながら唯一の鬼貫警部自身の事件であり、その後殆ど語られることのない鬼貫警部の前半生に触れられている作品でもある。鬼貫警部のかつての恋愛が語られ、犯人対探偵という古めかしくも心躍らせるシチュエーションが取り入れられているのも、本編を除いて他にはない。
正統派の作品群ではちと飽き足らない、という向きには、こちらもいま入手可能なのか心許ないが、『死者を笞打て』(講談社文庫/講談社)をお薦めしておこう。何せ鮎川哲也自身が探偵役となる唯一の長篇であり、往年の探偵小説家達がちょっぴり名前を変えて登場する、という『ウロボロスの偽書』や西澤保彦氏の奈津子シリーズなどで用いられた趣向を大幅に先取りした作品でもある。当然のように本格ミステリだが、捕物まであるのも異色。ただ異色であるという意味で、基本的には鮎川作品をある程度知ったファンであるほうが楽しめるとは思うのだけど。
以上、思いつくままに挙げてみたが、何にしても光文社・東京創元社から復刻が続いている現在、とりあえず入手できる作品から読んでみる、というのも一興だと思う。てゆーか読んで。文体・トリック共に時代を感じるのは否めないが、その枠の中でこれほどまで完璧に本格ミステリを、長年に亘って書き続けてきた作家はいない。その辺は北村薫氏の編纂による創元推理文庫版短編傑作選『五つの時計』(bk1)『下り“はつかり”』(bk1)などを参考にすれば更によくお解りいただけるのではなかろうか。
――あと願わくは、後年、短篇の依頼枚数が少なくなったことに対応して執筆量の増えたノンシリーズ倒叙ものと、『マーキュリーの靴』など傑作も少なくない安楽椅子探偵ものである三番館シリーズを、それぞれ系統立てて復刻して欲しいものなのだけど――後者については随分前に噂を耳にしているし、前者についてもたぶんあの方が尽力してくださるのではないかなー、と思ったり。
……って、ああ、執筆そっちのけで何をこんな全力で綴ってるんだか。書くに当たって作品を読み返したりする時間がなかったため、些か誤解も混ざっている可能性があることを御了承下さい――と言い訳するくらいなら時間が出来てからゆっくりと推敲しつつ書けばいいだろうとも思うのだけど時間が出来るのって俺……(F.O)仕事中に長々とこんなもんを書いていた罰が当たったのか今日は買い物なし。……罰?
なお、bk1へのリンクは発見できたものだけに実施しております。講談社文庫の諸作は、探し方によっては一般書店で見つかるのでは、という希望的観測も含めて記しました……油断するとすぐに品薄になるなあ……
2002年10月08日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021001~.htm#Day08……今週も普通に見ることを忘れていた……もはや最終回までこんな感じという気がしてきた……とほほほ。
本日のお買い物
1,田中啓文『蓬莱洞の研究 私立伝奇学園高等学校民俗学研究会その1』
2,高里椎奈『双樹に赤 鴉の暗 薬屋探偵妖綺談』(以上、講談社ノベルス/講談社)
今月は「全部」と書かなくて済むらしい。あと1冊ほど興味を惹かれるのだが避けておこう、うん。
1は『かまいたちの夜2』ですっかりお馴染みとなってしまった(あ、作業のために脇にのけてそのまんまだ……)田中啓文氏の最新刊、最新シリーズ。ボーイッシュで胃袋ブラックホールの女の子をヒロインとした学園伝奇ミステリ。先人なしかどうかはさておき、設定が著しく好みなので早く読みたいところ。
2は……身辺であまり評価を聞かず、シリーズとして欠落が出るのが悔しいので買い続けている、というのがいまの正直なところ。最近はとくに、題名から内容が想像できないので困ってます。これも折を見て、冒頭数冊くらい読んでおきたいのですが。
なお、山口雅也氏の『奇偶』は確認できず。だがいま一番発売が待ち遠しいのは『髑髏島の惨劇』だったりする。綾辻行人推薦、千街晶之解説。読みてええええええ。行き付けの書店には入らないのかっ?!
……と喚いているうちにどーしても現物を確認したくなって、自宅付近の本屋まで探しに行く。どうも文春文庫の新刊自体まだ入荷されていないらしく見つからなかったのだが、彷徨いていたら店員が「『ハサミ男』ってあるか」などと言いつつ明後日のところを探していたので思わず一緒に探してしまった。こちらも在庫なし。読書の方は、鮎川哲也作品と並行してSFにも手を伸ばしつつあります。しかしその取っかかりにジェイムズ・ティプトリー・ジュニアを選んだのはもしかしたら失敗だったかも、とふと思う。いや面白いんだけど、最初に読んだのが『すべての種類のイエス』というのは自分でどうかと。
ちゃんと原稿が通っているのを確認。絵の方も裏工作(おい)が奏功して当初の予定通り進行している模様。例によってゲラが届くまで断言はしないつもりだが、何とか今年三つめの商業掲載となりそうで一安心。去年までは二本が限界だったからねえ。来年は4本だ……いや、違うだろう俺。違わないけど違うだろう俺。
昨晩から、入れ物の整頓ついでに映画のDVDをBGVがわりに鑑賞中。どうも『ロミオ・マスト・ダイ』や『ブロークン・アロー』のようなアクションよりも、内容を完全に把握したサスペンスとかサイコスリラーとか、犯罪捜査がメインに据えられた作品の方が私には心地よいらしい。『アンブレイカブル』『ウォッチャー』ときて、今日は『A.I.』に着手するもいまいち乗らずに『セブン』に以降。『セブン』だけは何回観ても飽きません。……だから観たらあかんだろう作業しなさい作業を。
2002年10月09日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021001~.htm#Day09密かに楽しみにしていた映画が、劇場を訪れる暇もなく今週のうちに数本一気に終わってしまう。
意識を持ち人間に害を与え始めたエレベーター、というB級臭プンプンのホラー『ダウン』。クラブ活動の延長のように快楽殺人に走る学生2人と女性捜査官との闘争を描いた『完全犯罪クラブ』。名匠の誉れ高いケン・ローチ監督の新作『ブレッド&ローズ』。実は三ヶ月ぐらいやっていたのだけどいまいちタイミングが合わなかった『イン・ザ・ベッドルーム』……うち最初の2つについては劇場招待券を確保していただけに余計がっくりくる。まさか2週間で終わるとは思わなんだもんなあ。
仕事にゆとりのある日を狙って、夕方にでも行くつもりでいたのだが、本業は兎も角別業のほうがちと詰まり気味なので、流石にのんびり劇場巡りなどしていられない。金曜日までにひととおり目処がついたら、夕方にでも取り急ぎ劇場に向かうつもりだが、殆どは見送らざるを得ないだろう。とほ。『イン・ザ・ベッドルーム』なんかはDVDで買っても損はないように思うのだが、他のはどうだろうなあ。劇場の大画面と音響設備で見る分には楽しめても、ソフトでは間抜けな内容が多いような気が……
とりあえず、金曜日ぐらいに何とか一本ぐらいは消化できるように馬力を上げる……上げても望み通りのペースにならないのがこの作業のしんどいところ。本日のお買い物、は漫画雑誌一冊だけ。今日も欲しかった本は見つからず〜〜遠出して探すことも出来ず。その代わり、昨日購入した講談社ノベルス2冊のbk1用IDが確認できたので追加。田中啓文『蓬莱洞の研究』がこれ、高里椎奈『双樹に赤 鴉の暗』がこちらです。
……と書いて一度アップしたんだが、蔓葉信博さんの日記を見たら居ても立ってもいられなくなり、近所の本屋に駆け付けて急遽一冊購入。
1,竹本健治『匣の中の失楽』(双葉文庫/双葉社)
本格ミステリ愛好家なら名前ぐらいは知っているでしょう、『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』『虚無への供物』という日本の三大奇書と並び称される、竹本健治伝説のデビュー作。12年前に講談社ノベルスから発売されて以来となる復刻であるが、資料がふんだんに収録されているのがいい。竹本健治氏と綾辻行人氏の対談(司会が千街晶之氏……って、今月多いな)まで追加された豪華版につき、旧版を持っていても買い足す価値はあり、と判断しての購入。しかしこれも正式発売の前日だからなのか、bk1のIDは捕捉できず。これも後日補います。(2002/10/11補填)
この1冊だけ購入するつもりで外出したのだが、同時に文春文庫(『髑髏島〜』)・幻冬舎文庫(鯨さんに近藤史恵氏ほか)・光文社文庫(『ロック』傑作選に神聖喜劇)の新刊も発見してしまった。が、この辺は流石に行き付けの書店で後日購入します。関西まで行って生トム・クルーズを見たいと思う今日この頃。通常ならハリウッドが撮る日本になど期待しないのですが、今回日本ロケを敢行した映画『ラスト・サムライ』の監督は、『戦火の勇気』という秀作を作ったエドワード・ズウィック(ちょうど最近誕生日だったそうな)。ミステリ的な興趣も含んだ作品だっただけに、そこそこ期待していたりするのです。
2002年10月10日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021001~.htm#Day10お買い物報告しかしません。
本日のお買い物
1,永 六輔『悪党諸君』
2,鯨 統一郎『悪魔のカタルシス』
3,小林聡美『キウイおこぼれ留学記』
4,近藤史恵『猿若町捕物帳 ほおずき地獄』(1〜4、幻冬舎文庫/幻冬舎)
5,川田 武『乱歩邸土蔵伝奇』
6,山田正紀『蜃気楼・13の殺人』
7,大西巨人『神聖喜劇 第四巻』
8,ミステリー文学資料館・編『「ロック」傑作選 甦る推理雑誌(1)』(5〜8、光文社文庫/光文社)
9,栗本 薫『グイン・サーガ外伝17 宝島(上)』(ハヤカワ文庫JA/早川書房)
10,我孫子武丸『屍蝋の街』
11,本多孝好『ALONE TOGETHER』(10と11、双葉文庫/双葉社)
12,北森 鴻『闇色のソプラノ』
13,夢枕 獏『陰陽師 鳳凰の巻』
14,マイケル・スレイド『髑髏島の惨劇』(12〜14文春文庫/文藝春秋)
15,内田康夫『中央構造帯』
16,山口雅也『奇偶』(15〜16、講談社)
17,天野こずえ『ARIA(1)』(BLADE COMICS/Mag GARDEN)
訳もなく涙が溢れてくる。いやあるだろう訳。17なんて数字が出てきたのどんくらい振りだよ!
1は永六輔氏が各地の刑務所を訪れて慰問講演を行った際の録音テープをもとに作られた、世にも珍しい講演録。親本は1999年だが流石にこれは買っていないと断言できる。
2は鯨さんの文庫書き下ろし最新作。悪魔をテーマにした……ミステリ、なんだろうか。粗筋だけでは判じにくい。
小林聡美氏の3も書き下ろし、急遽ニュージーランドに十日間限定の留学をすることになった当時の体験記だそうな。余談ながら、ちょうどこの本の中で触れられている時期の三谷幸喜氏の苦労は、氏が新聞連載しているエッセイのなかで読めたらしい。単行本化したら並べてみよう、うん。
そして4も書き下ろし。『巴之丞鹿の子』に続く時代ミステリシリーズ第2作。
5は、正直作者の名前も存じておりませんでしたが、題名に惹かれてチェックを入れておりました。乱歩の作品の比重が猟奇ものから少年ものへとスライドしていくちょうど狭間の昭和8年の出来事を、虚実交えて描いた伝奇ミステリ……でいいのかな? 何にしても現物を目の当たりにして更に興味を惹かれたので購入。
6は近年本格ミステリの分野で目覚ましい活躍を続ける山田正紀氏が、まだSF中心に執筆されていた頃に手掛けた数少ない長篇ミステリのひとつらしい。初刊は12年前、流石にかなりの加筆訂正を施したようだが。
7は毎月のことなので省略し、注目は8。大好評のうちに完結した『幻の探偵雑誌』シリーズに続く新シリーズは、戦後に刊行された雑誌からのベストセレクションである。前シリーズと較べると、創作の方は昨今の復刻ブームのためにさほど珍しくない作品が集まっている印象があるが、前シリーズの伝統を引き継ぎ随筆や評論、各誌の掲載作完全リストを収録し相変わらず資料的価値が高い。
我孫子氏の10は『腐蝕の街』に続く近未来犯罪小説。例によって親本も持っててかつ読んでません。11は最近注目の作家本多孝好氏初の長篇。もうあちこちで取り上げられている作品なのでコメントなし。
12も、10同様に親本持ってて未読、なのだがこの方の作品も揃えておくつもりなので。はあ。
13は……昨年の今頃執着的にこのシリーズを読んでいたとき、うっかりと買い損ねていたようで意外にもこれが初の購入となるシリーズ第4巻である。映画版でちょこっと用いられた『泰山府君祭』のエピソードも含む。
そして数日前から触れていた待望の14。どうもこのマイケル・スレイドというのは数名からなるグループ作家で、先行する作品はかなりグロテスクな系統のホラーらしいが、何を思ったか突然手掛けたのがガチガチの本格ミステリである本書なのだった。期待。
15は約1年半振りの最新作。ちなみに来月は光文社から、再来月は文藝春秋から新刊の予定が出てます。助けてー。
こちらも待望の16。「奇遇」ではなく「奇偶」。メタミステリの芳香を感じてならないのだがはてさて。
どっかで見たようなタイトルの17は、ENIXでの刊行時は『AQUA』というタイトルであったシリーズが、舞台をMag GARDENに移して衣替えしたもの。但し中身は完璧に『AQUA』の延長線上であって、相変わらずほんわかしたお話であります。好きだなあ、こーいうの。ひとつだけ、表紙の主人公のイラスト、塗りが弱いせいか眼が死んでいるのが気になる。
しかし、bk1のIDが発行されるより自分で購入する方が早いのが大半ちゅーのはどうだろう。(2002/10/11補填)前言撤回してひとつだけ書き添える。e-noodleはたしか昨年末から今年はじめくらいに発売中止となりました。それだけ。
といいつつ新ドラマの第1話を鑑賞したので簡単に。織田裕二主演の『真夜中の雨』、TBS系。話そのものはサスペンスタッチで思いのほか楽しめるのだが、問題は細部。織田裕二は天才的な腕を持つ一匹狼の外科医、で石黒賢演じる私立病院の事務長が彼をスカウトしたところから話が始まり、松雪泰子演じる女刑事が強盗殺人犯の東幹久を追跡中に銃撃してしまい、その手術を織田裕二が担当して……という具合。全体像はなかなか悪くないし、今後もチェックしようかな、という気になったのだが、何せ役者とそれぞれのキャラクターがどっかで見たことのあるものばかり。エリート意識の強い医師役の阿部 寛、同僚の医師に渡辺いっけい、腹に一物ありそうな院長の長塚京三、てな具合である。加えて脚本の福田靖は『救命病棟24持』を手掛けており、演出のひとり若松節朗は『ホワイトアウト』の監督であると同時に、私の記憶に間違いがなければ織田裕二が本編以前に外科医を演じた『振り返れば奴がいる』も演出しているはずだ。……要するに、ある意味あらゆる点で無難なことしかしていないドラマであって、終始デジャヴを誘う作りは色々と損をしているよーに思えてならないのだった。
何はともあれ、興味の続く限りは拝見するとしよう。
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わたしは何処へ向かうのでしょう。
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