diary / 2002年10月中旬

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<お知らせ>
深川の関係するサイト
『芦辺倶楽部』
『性善説』
が、10月01日より共に新しいアドレスとなりました。

『芦辺倶楽部』
現 http://ashibe.hoops.ne.jp/


http://ashibe.infoseek.ne.jp/

もしくは
http://ashibe.hp.infoseek.co.jp/

『性善説』
現 http://born-good.hoops.ne.jp/


http://born-good.infoseek.ne.jp/

もしくは
http://born-good.hp.infoseek.co.jp/

ブックマーク・リンクの変更をお願いいたします。
(旧アドレスでも半年ほどアクセスできるようです)

2002年10月11日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021011~.htm#Day11

 かけてもかけてもカバーかけが終わらない……
 といった悲劇的状況を乗り越えて、作業と読書に励んでみる。作業の方は約束した期限ギリギリで送信出来そう(つまり、先方の目に留まる頃にははみ出してそうってことなんだが……)。読書の方は、どーにか鮎川哲也『夜の訪問者 鬼貫警部全事件III』(出版芸術社)読了。三巻まで来てようやく私の誕生以後に発表された作品が掲載されている、が、率直に言って違和感を覚える。丹那刑事の感慨は鮎川氏の年代が当時の風俗に感じるそのままなんだろうが、漏らす感想も批評も実態からややずれている感があるのが少々痛い。トリックにしてもプロットにしても、初期に較べて精彩を欠いているのが厭でも解る。とは言え、本格推理への真摯な態度は終始一貫しており、愛好家には心地よい作品集であり、やはり得難い書き手であったのだと再度実感する。個人的ベストは冒頭の『金貨の首飾りをした女』。
 さて、次は予習だ。

 昨日買いすぎた反動か、今日は何も買うものなし。定期購読誌すらなかった。その代わりに、過去のお買い物リスト、竹本健治『匣の中の失楽』永 六輔『悪党諸君』鯨 統一郎『悪魔のカタルシス』小林聡美『キウイおこぼれ留学記』近藤史恵『猿若町捕物帳 ほおずき地獄』栗本 薫『グイン・サーガ外伝17 宝島(上)』我孫子武丸『屍蝋の街』本多孝好『ALONE TOGETHER』内田康夫『中央構造帯』山口雅也『奇偶』にそれぞれbk1へのリンクを追記。光文社文庫はまだか。

 ずっと“diary / nowadays”の最新記述の下に置いてあったbk1検索窓を別のファイルに切り分ける。深い意味はない。主に自分で使うつもりの処置なので気にしないでください。

 訳あって夜中に突如『Kanon』を起動する。ある事実を確認するためだったのだが、PS2版はひとりとしてキャラクター攻略を終えていないので検証が出来ず、久々にPC版をインストール、セーブデータを発掘して(基本的にゲームのセーブデータは全て保存してある)冒頭のストーリーと、とあるキャラの結末付近を鑑賞する。
 検証自体は「元の木阿弥」な結果だったのだが、久々にPC版(オリジナル・18禁)を遊んでみて、別の意外な事実に気づいた。
 ……あゆのエッチシーン、いま見ると違和感強すぎ。あったことすら忘れてたわ。


2002年10月12日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021011~.htm#Day12

 午前2時頃、どうにか最初のノルマを達成したので先方に送信し、裁決を待つ――と思ったら翌朝には返信が届いていて驚いた。送信日時は午前5時近く……なんというか、まあ。チェック自体は後日ということなのだけど。

 本日も夜から翌朝までお出かけのため取り急ぎの更新。週末恒例、昼間の映画鑑賞は『snatch』のスタッフ参加による、本場イギリス製作のブチ切れサッカー映画ミーン・マシーン』(UIP・配給)感想はこちらから。これを一所懸命書いていたら日記を書く時間がなくなってしまいました。それにしても、『ズーランダー』に続きまたしてもプログラムの発売なし、仕方なくWebを参照しながらの執筆だったが……なんか厭だなあ。


2002年10月12日(土)補遺
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021011~.htm#Day12_b

 以下、13日付の追記。

 まずは、日中の出来事の補遺。
ミーン・マシーン』を鑑賞したのは、毎回場末場末と言っているが実はそんな嫌いではない銀座シネパトス。この劇場は晴海通りの真下に、飲み屋などと並んで3つのスクリーンを抱えている。『ミーン・マシーン』の真向かいにあるスクリーンでは、本日封切りのパロディ映画『最‘新’絶叫計画』がかかっており、初回の上映時間が近かったこともあって私が到着したときには双方の入口前に短い列が出来ていたのだが、『最‘新’絶叫計画』の列に知った顔を見たような気がした。時間がなかったのでそのときは確認せずさっさと中に入ってしまったのだが、観賞後劇場を出てみると、ほぼ同時刻にそちらも終わっていたようで、道路に出る手前の階段に、当の知り合いがいた。
 この知り合い、私とあちこち趣味が被っていて、『新耳袋』のトークライブにも二度くらい同席したことがある。で、勢い今夜の話になったのだが、この方は参加するかこの時点でまだ考えていた。というのも今夜は木原氏ひとりで、しかも普段にも増してネタ不足という噂らしい。少々気勢が殺がれたが、まあそれはそれで、恒例行事と寄付のつもりも兼ねて参加する、と言って別れたのだった。

 帰宅後、『ミーン・マシーン』の感想を取り急ぎまとめ簡略な日記と共にアップ、準備を整えて慌てて自宅を出る。新宿歌舞伎町のLOFT/PLUS ONEに着いたのは午後8時、きょう最初の整理券配布だったが、既に結構な数が並んでいる。先に着いていた松本楽志さんとともに整理券を確保する。最近はそれぞれに友人知人を何人か連れてやって来るのが常となっていたが、今日は我々のみなので一枚ずつ頂戴する。
 例によって集合時間まで映画を観て時間を潰すことに決めていたが、観る予定の作品が始まるまで1時間ほどあるので、私の買い物に付き合わせる。録音用のMDを買い、更にMY CITY内の書店にて色々と見て回る。楽志さんに無理矢理一冊ぐらい買わせるつもりだったが、結局私がこれを買っただけであった。
,J・C・トーマス/武市好古・訳『コルトレーンの生涯 モダンジャズ・伝説の巨人』(学研M文庫/学習研究社)
 伝説のサックス奏者ジョン・コルトレーンの伝記である。親本に、その後の研究で判明したデータも追加し、初心者向け名盤ガイドも添えた文庫版。
 そんなことをしているうちに時間もぎりぎりとなり、劇場近くのファーストフードで軽い夕食を買って劇場に駆け付ける。というわけで本日二本目の映画鑑賞は、この界隈ではあと一週間のレイトショーを残すのみとなった、正体不明のカルトムービードニー・ダーコ』(Asmik AcePony Canyon・配給)感想はこちらから。とりあえず楽志さんとの共通認識は、映画としては『ロード・トゥ・パーディション』のほうが遥かに上だが、我々が普通に観て楽しむのはこっちだろうな、というもの。駄目だろうそれは。
 観賞後、まだ集合時間まで間があったものの、さっさと集合場所となっている公園に向かい、駄弁りつつ時間を潰す。
 で、集合時間となったものの、ちょっと様子がおかしい。常は100人以上集まっていたはずなのに、今日に限ってはどう見ても100に満たない。結局、日中お会いした知り合いも顔を見せなかった。会場内に入っても、普段なら人がギチギチに詰まってトイレへの行き来も不自由なほどなのに、かなり楽に身動きできる。座席の配置の都合で、基本的に半分くらいは椅子を机と反対向きにして座らねばならず食事が大変だったりするのに、その必要がなかったのも最近の『新耳袋』としては珍しい光景。座敷席にもゆとりがあるし、奥のボックス席に至ってはある段階で店員が照明を落としてしまったくらいだった。こんなに余裕があるならもうちょっと知り合いを誘ってきても良かったか特に冬野さん、とか思っていると、席に余裕がある所為か最初の注文も早々と処理できたようで、いつもより10分ほど早く前説、そして木原氏の登場と相成った。
 ――続きは13日付の日記にて。


2002年10月13日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021011~.htm#Day13

 そんなこんなで、『新耳袋』初参加は僅か数名、PLUS ONE初来店という客が一人もいない、という異様な状況で『新耳袋25』は幕を開けるのだった。
 知人の話していたとおり本当に今日はネタ不足だったようで、木原氏自身冒頭で不安を漏らす有様。まず披露されたのは、ある方が私費を投じて製作した短編映画の原盤に映った妙な人影と、それを撮影した現場で目撃・体験された怪奇現象の数々。映像自体はけっこうぼんやりとしたもので、スクリーンを利用して確認するのは難しかったが、関連するエピソードがなかなかに圧巻。それぞれ脈絡はなく、これが一箇所で起きていること自体が凄い。
 続いては、本ではあまり登場しないがライブではたまにメインを張る心霊写真。デジタルカメラで撮影された映像なのだが、明らかに他に人が入り得ない状況であるにも拘わらず、画面左端に首を吊っていると思しい人が映っている。いくらでも加工できるデジタル画像ゆえ、疑おうと思えば出来るのだが、本日は都合で見えなかった中山市朗氏が知人からじかに託されたもの(というより、「お祓いした方がいいのでは」という当人に「くれ」「くれ」と言い募って貰い受けたものらしい)でもあり、「説明のつかない」写真であることに間違いはない。こちらは木原氏がプリントアウトしたものをスクリーンに映したのだが、やはり画面上で確認するのは難しく、のちほど取られた休憩時間中に希望者は各々壇上に上がってじかに確認することとなった。
 ――しかし、本日のハイライトはこの休憩時間に訪れた。
 プリントアウトを直に見てもかなり凄い写真だと解るのだが、木原氏が持ち込んでいたデータを、控え室にあるマッキントッシュで開き、Photoshopで解像度を上げて問題の箇所を確認したところ――当初考えられていたよりも遥かに精密に、顔立ちから着衣の皺まで確認できると判明したのだ。モニターで確認するのが一番手っ取り早い、と希望者は並んでじかに見てください、という木原氏の言葉に当然の如く殆どの参加者が反応し、通常15分から30分程度の休憩時間は1時間近く続くことになるのだった。
 ようやく再開すると、まずはプレゼントの都合もあって早めに集まったアンケートの中から質問や体験談を拾ってのトーク。ここで木原氏と知遇のある松本楽志さんが壇上に招かれ、この話を披露することになった。デジカメのプレビュー画面を無理矢理会場のカメラで映してみると、意外にも鮮明に確認できて好評を博した。その後、楽志さんを相槌マシーン代わりに、アンケートに書かれた質問を元に様々な話が披露され、途中会場のカメラが一瞬撮影不能となる素敵なトラブルを挟みつつ、何だかんだであっと言う間に閉会時刻が近づいた。
 最後に、PLUS ONEの方が会場で体験した怪談をひとつ自ら語ったあと、もうひとつ衝撃の報告が為された。先刻の写真を、今度は色調補正を行って表示させてみたところ、問題の首を吊った人物が当初考えられていたような性別・服装ではなく、それどころか、最初に見た人物の印象と最後に見た人物の印象が全然異なっている、と判明したのだ。
 当初、写真に映っていたのは首の部分が不明瞭だが和服を着た女性、というふうに捉えられていたのだが、解像度を変更した時点でそれは実は男性で、しかも画面左のほうに顔を向けた横向きの姿で映っていた、と判断された。だが、一番最後に確認した某氏(このライブ常連のアニメ演出家)にはそれが正面を向いており、顔の形も判別できると語ったのだ。解像度を変えた段階でロフトの関係者が描いた説明図と、某氏のイラストとを並べると一目瞭然、90度以上体の向きが異なっている。更に色調補正を加えたイメージは、和服ではなく寧ろ現代的な服装をした若い男性らしい、というところにまで発展したのだが――恐らくこの顛末はイラストごと『新耳袋』本編に収録されるかと思うので、これ以上詳しくは述べない。
 ネタがないと言いつつも写真の騒動のお陰で、当初予定されていたネタひとつ温存した状態で閉会と相成った。
 兎に角貴重な体験の出来た一夜。来なかった方、後悔してください。

 朝、叩き起こされたあとは、新耳袋ライブ翌日の常として万事やる気が起きず、夕方まで寝たり食事したり合間にちこちこ読書をしたりと自堕落に過ごす。

 ローランド・エメリッヒ監督のアメリカ版『ゴジラ GODZILLA』がテレビ放映されていたので、入浴などを挟みつつてきとーに見る。
 ……当時ファンが激怒していたのもよく解るわ。『ゴジラ』ですらないだけでなく怪獣映画としてもちゃちなんだもんなあ。そのちゃちさも含めて、けっこう嫌いではないんだが。

 ……なんで仕事の返事が早朝とか休日に来るんだろう。


2002年10月14日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021011~.htm#Day14

 連休の場合、1日挟んでもう一本観るのがお約束。体育の日? 何それ。

 というわけで、軽いドライブも兼ねてお台場シネマメディアージュまで遠征。ややギリギリの時刻に出発……しようと思ったら、眼鏡のフレームに引っかけるタイプのサングラスが行方不明になっていて慌てた。いつ紛失したのか解らず、道すがら先日訪れた銀座シネパトスとその近くの交番で確認してみたが発見できず。出勤の際にかけていることが多いので、前に使用したとき仕舞い忘れて職場に置き去りという可能性もある、と思いそのまま湾岸まで急行する。無くしてたらちょっと困るんだけど、ひとまずあとまわし。
 で慌てて劇場に入ったら、今度は慌てすぎてバイクの鍵を抜くのを忘れて駐輪した場所まで舞い戻る始末。全席指定制ゆえ再入場可能だったのが幸いだった。
 そんなひとりコントを演じながら鑑賞したのは、今期最大の懸案、待望のM・ナイト・シャマラン監督第3作サイン』(ブエナ ビスタ インターナショナル・配給)感想はこちらから。毎度の如く箝口令が出ているので、粗筋入りの感想はもう一回リンクを辿って、更にスクロールが必要な形に纏めました御了承を。すっかり「基本的に映画なら何でもいい」に近づいてしまった私は大いに楽しみました。ええそれはもう。
 帰りがけにチラシをチェックし、メディアージュ単館と思しい作品のものだけ拾ってくる――余所で見られるものをわざわざここまで遠征する必要はない代わりに、実は単館でときどき面白そうなのをかけているのがここの特徴である。気になったのは、人殺し解禁版の『サバイバー』のような粗筋の『シリーズ7/ザ・バトルロワイアル』(もうこの副題やめようよ……)に、濃密な心理サスペンスらしい『パニック/脳壊』の2本。あとジャン・レノ主演のタイムトラベルラブコメディ『マイ・ラブリー・フィアンセ』なんてのがあったが、これはここを観ているよーな方には薦めない方が無難な気がする。
 観賞後は、アクアシティ内の穴蔵のようなところにある飲み屋兼蕎麦屋で食事を摂り、かるーく書店を眺めてから退場。途中寄り道するつもりでしばし迷走したが、突然面倒臭くなってそのまま帰宅してしまった。

 この三連休作業がまるで手付かずだったので、日記をアップしたあとちょこっとだけでも進めようと思います。……本、きりのいいところまで読んでからね。


2002年10月15日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021011~.htm#Day15

 テンションはこの上なく高いんだけどサングラス失くすし某所の親展は失くすし(まあ、なんかのキャンペーン程度の告知だとは思うんだが)いまいちバランスの悪い日々。決定的なダメージがないだけましってところだろうか。

 三回目にしてようやく『スパイラル〜推理の絆〜』アニメ版を鑑賞。というか、ニュースショーの度を超えたつまらなさに辟易してチャンネルを変えたらたまたまやっていたというのが本当で、冒頭10分ぐらいは見逃した。さて、出来映えは………………………………
 ………………………………ごめんなさい。これは私には駄目です。
 元々台詞中心の作品のため、アニメ化すると動きのない代物になるとは思っていたがここまで動かないと単なる製作者の怠慢。演出する努力さえ放棄してしまっているように映る。これだけ動きのない絵ばかりなら個々の質は高くてもいーように思うのだが演出にも増してガタガタ。シナリオ面での表現もただただ陳腐なだけだし、CDドラマ版から一部変更のあったキャストもまったくこなれてなくて(特に歩とひよの――ってメインじゃないのかっ?!)声優の演出も微妙。井上和彦が声優演出を担当するとあって多少は期待してただけに却ってこの拙さは衝撃的だった。
 基本的に作品そのものの評価がし辛い『スパイラル』だが、ことアニメ版についてはファン以外見なくていいです、と言うのすら烏滸がましい出来。チャンネルを合わせながらずっと顰めっ面してました。私も今回を限りに鑑賞を止めるかも知れません。いくら原作は気に入っていても(どっちかというと『アライブ』の方が好きなんだが)限度ってものがあります。
 DVDが出たら……解りません。なんか書き下ろしでおまけが付きそうだしー、何せあれだけ日記で腐してたくせに某アニメをひととおり揃えた前科があるしー。

 それはそうと冬野さん、このアンカー使えないぞ。ずっと0924で、しかもトップページやんか設定が。

 本日のお買い物
,後藤 均『写本室(スクリプトリウム)の迷宮』(東京創元社)
愛川 晶『ダイニング・メッセージ』(MYSTERY LEAGUE原書房)
二階堂黎人『宇宙神の不思議』(角川書店)
,T・ジェファーソン・パーカー『サイレント・ジョー』(ハヤカワ・ノヴェルス/早川書房)

 第12回鮎川哲也賞受賞作、よーやく購入、の1。それにしてもこの受賞の言葉はどーにかならんもんでしょうか。スピーチの例文集に載っていそうな、客観的には悪文と言うべきものの好例としか思えないんですが。流して聴かれる分には適当であっても、書籍として残すには最も問題のある文章ではなかろうかこれ。中身はわりあい好評のようなのでいいとしても。
 2はミステリーリーグ初の2度目の登場と相成った、愛川 晶氏久々の新作。最近のメインとなった美少女代理探偵シリーズ最新作でもあるが、長篇なのか連作短篇なのか粗筋からは判然としません。はてさて。
 3は題名からしてかなり大胆な、水乃サトルシリーズ五冊目、学生編としては2冊目になる新作。古いSF冒険ものを意識したと思しい装幀だがそれでもやっぱり本格ミステリ。
 4は本年度のMWA受賞作。小説にしても映画にしても最近カタカナの邦題多すぎるよな、ではこれに邦題つけるとしたら何だろう、直訳すると『静かなるジョー』……絶対的に却下されるな、それは。しかし題名よりも気になるのは内容である。非常に大雑把に要素を抽出していくと、『ロード・トゥ・パーディション』に『サイン』、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』といった、私が最近鑑賞した映画と重なる部分が多い。『ゴッドファーザー』シリーズを例にとっても解るように、アメリカでは父と子、或いはそれに相当する関係を描いた感動作が多いのも事実だが、なんでこういちどきに押し寄せてくるんだろう。尤も、本書については積んでほっらかしておけば簡単に時期をずらせるんだけどねー♪

 光文社文庫、私の購入した新刊がまだbk1に登録されへんねん。

PM09:40追記
 で、上記の冬野さんアンカー、修正して貰いましたのでこちらも再度リンク。正しくはこっち。しかし……あれで、まだマシって……


2002年10月16日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021011~.htm#Day16

 どうもおかしい。出力したデータが指定された寸法より大きい。
 画面上でサイズを確かめる。間違っていない。全五段、規定のサイズに収まっている。
 ふと疑問に思って他の原稿のサイズも確認してみた。異様な事態だった。数日前から全てのデータの寸法が狂っている。いずれも天地左右共に1センチほど大きい。なによりも、こんな狂った寸法で何処からもクレームが来ず、罷り通っていたことが異常だった。
 私は必死にデータの状態をチェックする。どこから間違っていた。どうすれば修復できる。このままだと1日、いや当分仕事にならない。
 そうこうしていると、同僚に呼ばれた。原因が解った、と言う。先程の出力原稿に真新しい定規をあてた。正しい寸法だった。
 さっきまで計測していた定規は、頭が1センチ切り落とされていた。先月末で退職した職人さんが使っていた定規だった。
「ばかやろー」と叫びたい衝動に駆られた。叫ばなかったけど。

 超短篇ふうにお届けしました。

 桐野夏生『OUT(上)(下)』(講談社文庫/講談社)(bk1上巻下巻)読了。予習終了〜。これで心置きなく週末を迎えられ……ないけど迎える。感想はこちらからどうぞ。何を書いても今更という気がするが。

 本日のお買い物
,河合克敏『モンキーターン(22)』
,藤田和日郎『からくりサーカス(25)』(1と2、少年サンデーコミックス/小学館)
,綾辻行人『どんどん橋、落ちた』
,北村 薫『盤上の敵』(3と4、講談社文庫)
5,『IN☆POCKET 2002年10月号』(3から5、講談社)
6,『ブラックホーク・ダウン [初回限定版]』(Pony Canyon/DVD Video)

 今日はあんまり語ることのないお買い物だなー。量はさておき。とりあえず、4の解説は光原百合さんです要注目。
 6は私よりも父親の好みを容れて購入したDVD。アカデミー音響・編集賞を獲得した戦争映画。迫力の音声と写実的な演出が見所だが、延々画面に注目していなくても楽しめる点でBGVにもなりうるのではないか、という目論見から購入。不謹慎とか言わないで。作業中のバックに最近、普通の音楽よりDVDの映画をつけている機会の方が多くて、そういう意味で相応しいソフトがいまいち足りないのです。
 映像特典は、恒例のメイキングと予告編。日米双方の予告編を収録しているのは有り難いが、個人的に一番見たかったのは「特報」だったのでちと不満。たぶん、BGMに採用していた『Knockin' on Heaven's Door』の版権絡みとかそんな事情なんだろうけど。


2002年10月17日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021011~.htm#Day17

 1日ひとつの番組につき20分以内、って区切ったら多少は締まった内容になるんじゃなかろうか。

 最近作業で頭が一杯で、偶然でもないと日記用のネタが仕込めません。困ったもんだ。問題の作業は11月中に一区切りつけるつもりで稼働しているのだが、はてさて――ってことは11月まで半ば腑抜けの状態が続くのか。とほ。
 そんな中で読書欲は標準レベルにまで恢復しております。現在、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの短篇をちまちまと進行中。

 本日のお買い物
,秋田禎信『エンジェル・ハウリング6 最強証明-from the aspect of FURIU』
,神坂 一『風ワタル地ノ放浪者タチ クロスカディア(3)』(1と2、富士見ファンタジア文庫/富士見書房)
,尹 仁完・梁 慶一『新暗行御史(4)』(SUNDAY GX COMICS)
,松江名 俊『史上最強の弟子ケンイチ(2)』(少年サンデーコミックス/3と4、小学館)

 1はシリーズ第6作、フリウ編第3巻。……ミズー編1巻だけはリアルタイムで読んだんだが、それ以来だなー……。
 対して、いま数少ないリアルタイムでちゃんと読んでいるシリーズのひとつ『クロスカディア』第3巻の2。この微妙に空転するヒロインがお気に入りだ。
 3はだんだん路線が意味不明になっていく、韓国版はぐれ水戸黄門第4巻。ところで、『死霊狩り』は……
 4は名前が同じ(何の?)という理由から読み始めたのだが今では壊れた師匠たちがツボに嵌ってすっかり普通に楽しんでいる第2巻。この本とはまっったく関係ありませんが、あのエピソードはちゃんとカラーで収録されてました。当たり前だよな。余波で奥付も変な印刷になってたが。


2002年10月18日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021011~.htm#Day18

 天気予報激ハズレ。週末雨じゃん。

 なんかゲーム買おうかなー。そういやアリスソフトの安いソフト買うつもりだったんだけど、最近は売場に立ち寄るのも億劫で現物もまだ見てないなー……駄目だなー。気分転換にちょっと新しいので遊びたいんだが……。
 微妙な含みのある叙述。

 本日のお買い物
,絵夢羅『Wジュリエット(12)』(花とゆめコミックス/白泉社)
,丹羽啓介『キャットルーキー(24)』(少年サンデーコミックス/小学館)
,竹本 泉『はたらきもの』(Izumi Takemoto Dashinaoshi/朝日ソノラマ)
瀬名秀明『あしたのロボット』(文藝春秋)
,鷲尾三郎/日下三蔵・編『鷲尾三郎名作選 文珠の罠』(本格ミステリコレクション(6)/河出文庫/河出書房新社)

 1はとうとう最後の文化祭に到達。某漫画に較べれば格段に着実なペースだが――正直これでも長い、と思わせたのはキャラクターがそこそこ立っているわりに全体に平板だったから。最初はシンプルに面白かったんだけど、そのままで引っ張りすぎたのが原因でないかなぁ。もう残りあと僅かなので、最後まで付き合いますが。
 唯一敬愛している野球漫画である2は、しかし今回はシーズン半ばに来て新キャラが3人も増えてます。第3シリーズは魔球編なので、打者の個性で攻略しようとするとどうしても従来のキャラでは対応しきれなくなるのは解るが、一気に3人はどーかと。面白かったけど。
 それにしても現段階で気になるのは、最後の敵が誰になるのか、ということだったり。主人公2人との関係から坂本だろうと踏んでいたのだが、今回の展開からすると初登場のアレが最高のライバルとなりそうな。危うし糸目。
 3は宙出版で発行していた作品集の復刻版。こういうのは文庫判で出すのが最近の潮流だが何故かオリジナルより大きくなった。理由は書き下ろしのあとがき参照。なんだか麗々しいレーベル名が添えてあるが、よく読むと「イズミ・タケモト・だしなおし」と書いてある。素敵だ。サイズの変更とカラー・あとがきの書き下ろしがある以外はなかがきまで含めてオリジナルと一緒だが、それでも買うファン。以後も宙出版で発売されていた作品集中心に復刻が予定されているそうな。これを機に『魔法使いさんおしずかに!』を(以下略)
 ちょっと遅ればせながらの購入となった4は、ロボットをテーマとした作品集。一部再構成して連作の体裁を整えている。雰囲気といい各編のタイトルといい非常に面白そうなんだが。
 5もやや遅ればせながら。本格ミステリコレクション第一期完結巻――でしたっけ?

 本日のお買い物4と5はbk1での購入。今回、『ザ・リング鑑賞券』なんてのの取扱もあったので、ついでに注文してみた。どうい形で封入されているか心配だったのだが、折り目のないチラシと一緒にビニールに入れてあった。チラシの方は角川書店、というかAsmik Ace配給作品のものばかり数枚。ほとんど持ってるなあ、流石に。

 現在のペースなら、あとひと月足らずで6桁に到達する。何か企画を用意したいところだが……うーん。とりあえずプレゼント一種類は確保できるんだが、いままでで一番マニア向けだからなあ……。アンケートでお茶を濁すのもいいが、果たして集計する暇があるのかどうか。
 ま、おいおい考えます。

 あー、やっと光文社文庫の新刊が登録された。ということで、10月10日付のお買い物日記に山田正紀『蜃気楼・13の殺人』川田 武『乱歩邸土蔵伝奇』ミステリー文学資料館・編『「ロック」傑作選』大西巨人『神聖喜劇 第四巻』のbk1リンクを追加。

 ぼんやりと狸合戦を見ていて、ふとチャンネルを変えたら笠井 潔氏が語っていて驚いた。テレビ東京系列の『芸術に恋して!』という番組で、ミステリー文学の誕生というテーマを扱うのは予告で目にしていたが、まさか大家が登場していたとわ。かなり終わりの方から見たのだが、番組としての結論は、笠井氏が頻繁に用いる「大量死」を根拠とした論に落ち着いていて、個人的に目新しいものは感じなかった。どーせ金田一耕助を道化役として使うなら、解説ドラマ部分にももっと目覚ましい仕掛けを用意していて良かったよーにも思うが、まあこんなもんでしょう。


2002年10月19日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021011~.htm#Day19

 本日も何故かいつもより多く人を招集しての映画鑑賞である。両親と従兄は父の仕事の事情から車で先行した。私はまず近所の駅前で某氏(別に名前を伏せろとは言われてないのだがいったいどの名前なら大丈夫か確認し忘れたので)と落ち合い、電車で有楽町まで向かう。更に現地で、何故か1時間も早くから来てしまっていた松本楽志さんと合流し、劇場へ。
 見れば劇場の入っているビル一階のチケットカウンターには長蛇の列、面する舗道には所属企業のロゴが入った札をぶら下げた関係者が大挙している。実はこのビル、劇場が2つ入っているのだが、双方とも本日封切り作品を11時初回でかけているのだ。両方の作品の観客と関係者が一気に集まったためにこの騒ぎである――何故か両方の作品の広告に関わっている私は、タイムテーブルを見た時点で厭な予感を覚えていたのだが、案の定という雰囲気だった。父も関係者のなかに混じっていたので、上の状況を確認してからエレベーターで劇場に向かう。
 既にかなり席の埋まっているなか、スクリーンを正面に左手の真ん中辺りという普段では有り得ない位置に座る。開映まで約20分、待っている間にすっかり満席になった。
 そんな感じで鑑賞したのは、桐野夏生原作の話題作、実は20世紀フォックス初の日本映画配給作品OUT感想はこちらから
 観賞後に舞台挨拶。ややスタッフの手際が悪く、出演者の登場が遅れて司会役の襟川クロ氏が場繋ぎに難渋していたが、挨拶自体は結構愉しかった。もうちょっと詳しい話は感想の末尾に記しております。
 観賞後、楽志さんは2時の待ち合わせという非常にギリギリな用件で先に行き、父もその後の用事の関係でさっさと別行動となっていたので、母と従兄と某氏と私、の4名で日暮里まで移動し、そこで食事を摂ることにした。
 だらだら話をしながら行き付けの店まで歩いていると、商店街入口付近にある下り階段に差し掛かる。と、そこで3人連れとすれ違い――擦れ違ったあとで、某氏と顔を見合わせた。
「今の、押井 守じゃなかったか?」
 見間違いというには氏の顔は特徴的すぎる。戻って御本人ですか、と確認したところで話すこともないのでそのまま見送ってしまったが、あとで激しく後悔した。無理矢理理由を作ってでも確認しておくべきだったか。某氏の言うとおり「幻」ということにしておくのが無難かも知れず。ああ、それでもなんか口惜しい。
 食後、その辺でぱらぱらとお別れし、私は自宅に戻って熟睡、朝早めに起きてしまったぶんを取り戻すのだった。

『USOジャパン』、心霊写真を見るのは大好きなので今日は特に楽しみにしていたのだが、特集恒例のVTR責めでややうんざり。解釈はいらんのです、その不条理ささえ際立っていれば。
 で、そのあとにやっていたミステリも、馬鹿馬鹿しいと思いつつ鑑賞する……もう、一目でいわゆる(伏せ字)早業殺人(伏せ字終わり)と解るちゃちな代物。トリックも一見巧妙だが、工作がいい加減で、いくら時代設定が昔とはいえ調べればすぐに発覚するはず。
 まあ、単なる推理クイズとして鑑賞すれば腹も立たない……とも言えない。先週は『新耳袋』のライブがあったため観なかったのだが、聞くところによれば二本立てでしかも一週引っ張った解決編がこれだったというではないか。てことは何か、こんなネタで都合1時間か。その昔のクイズ番組なら、どんなに引っ張っても30分以内で済ませたネタだと思うんだが。だいたいあまりに丁寧に粗筋を説明していたので、先週観る必要すらなかったんだな、と思い個人的に安堵した、というのも番組としてどーかと思う。

 本日のお買い物
,『蒼月祭 月姫アンソロジーコミックス』(TENMA D2 COMICS/茜新社)
 なぜかbk1で月姫のアンソロジー本を買っていた。店を訪れるたびに探し忘れるので緊急措置として中身を確認もせずに購入したのだが……ま、あんまし細かいことは言わないでおこう。

 夕方、ゲラが届く。わーい。扉イラストも封入してくれた。わーい。確認することがあるのでまだ詳細には触れません。

 少々寝不足が続いているし、やや煮詰まり気味でもあるので作業は明日以降にして早めに休もう、と思っていたらICQ経由で相談を受けてしまい、にわかに創作論をぶってしまう。それでもかなり眠気が酷くなってきたので、ある程度のところで切り上げさせて貰い、おーまかにネット巡回してから床に入ろう、と思いふと自分のサイトも点検する。と、下書きの段階で伏せ字にするつもりでガイドをつけておいた箇所を、そのまんまの状態でアップしていたことに気づいて、慌てて修正するのだった。
 修正だけでアップするのも何なので更新後の出来事もちょこっと書き添えて……という毎度のパターンでありました。


2002年10月20日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20021011~.htm#Day20

 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『愛はさだめ、さだめは死』(ハヤカワ文庫SF/早川書房)(bk1)読了。重くて面白かった。感想はこちらから。さて、次はどのSFを読むか。
 って、ああ! 今月はこれが出るじゃないか! と1日閉じ籠もっていた憂さ晴らしも兼ねてご近所の本屋に出かけ購入したのがこれ。
ロバート・J・ソウヤー『イリーガル・エイリアン』(ハヤカワ文庫SF/早川書房)
 巷で話題のソウヤー最新刊。第一次遭遇直後のエイリアンを容疑者とした法廷ミステリ、という設定だけでも魅力的なのにどーして買わずにおくべきか。非常にいいタイミングだったので、SFのお勉強として読む次の本に採用決定。……微妙に手抜きしている気がしなくもない。

 午前中にゲラの点検をひととおり済ませる。誤字脱字は皆無、ルビもほぼ必要十分に振ってあり、文章的な気懸かりを修正する程度で大丈夫……かと思いきや、なんだか不思議な箇所を幾つか発見してしまった。或いは先方の方針が関わることかも知れないので、明日以降に確認が必要となる。水曜必着だから、手ずから運ぶつもりでいたほうがいーかなー。
 ともあれ、この日記をアップしたら、不調から止めていた作業共々再開しないと。ぱたぱたぱた。

 その危険さは、日記で言及することすら躊躇われるくらいです。


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2002年10月上旬
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