京都貴船へ、予定変更
伊勢神宮から五十鈴川駅まで。
伊勢神宮
伊勢神宮 内宮前のバス停の時刻表を見る。11:20。
内宮前 三重交通バス時刻表
「今、行ったばかりだ。25分待たないと五十鈴川駅へのバスは来ないぞ。」
「赤福餅食べたら、元気が出たわ。」
「無理するなよ。」
「歩けなくなったら、おんぶしてね。だから、歩こう。」
みほの言葉の真の意味は、何なのだろうか。空元気?。
そうかもしれないが、今のみほの表情からは、暗いものは一切感じられなかった。
「よし、歩こう。」
時々、二人して、伊勢参道の灯ろうのマークを見あげる。
みほの田舎 貴船
「ねぇ、雅夫君。私の京都の田舎のマークを見て欲しいの。絶対、何かの関係があるわ。」
(右の写真は伊勢神宮参道の六芒星。)
これ以外の六芒星は六芒星の写真集)
みほは京都 貴船の田舎へ、雅夫は伊勢の田舎へ帰る予定だった。
「突然、そう言われても。今日は、伊勢へ帰る予定だし。」
みほが、携帯を取り出した。
「おばさん、みほよ。今、五十鈴川駅。今日、貴船の旅館、空いているでしょ?」
「ええ、貴船の冬は寒いからね。明日の大晦日は初詣のお客さんがいるけど、今日は空いているよ。」
「じゃ、一部屋確保しておいて。大切なお客さんを連れていくから。」
「大切なお客さん?誰なの」
「貴船についたら、話すわ。一杯、話す事があるの。貴船のぼたん鍋(猪鍋)用意しておいてね。あっ。電車が来たから、切るね。」
「おいおい。五十鈴川駅までは、まだ、10分はあるそ。」
「そうだと思うわ。今度は、雅夫君の番。」
「そんな、簡単に言うなよ。何て言ったらいいんだ。」
雅夫は携帯を取り出した。雅夫も京都と伊勢の関係に関心はあった、が。
「おじさん、雅夫です。
京都大学に行っている高校の先輩から連絡があって、是非、京都に来いって。」
「京都大学はノーベル賞受賞者を何人も出しているからな。一度、見学したらいいぞ。」
「うん。で、今日は、その先輩の下宿に泊まるから、埼玉に連絡しておいて。
明日は直接、埼玉に帰るから。」
「よし、分かった。連絡しておく。京都大学は、いいぞ。」
雅夫は、みほを見る。
みほは、笑っていた。「簡単だったでしょ。」
五十鈴川駅に着く
五十鈴川駅の駅前には何もない。店がない。コンビニもない。銀行もない。
人通りも、ほとんどない。
伊勢神宮の内宮に一番近い駅なのに。11:50。
五十鈴川駅から京都貴船まで26へ続く
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