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1,空気も過熱蒸気?

 湯を沸騰させて発生する100℃以下の飽和蒸気は、更に加熱すると過熱水蒸気(もしくは過熱蒸気)という100℃以上の水蒸気(高温スチーム)になります。これは200℃ぐらいの高温になると、透明で陽炎の様なガス体に見えます。

 一般に蒸気と水蒸気が同義語で使われているので、過熱水蒸気と過熱蒸気の両方が知られていますが、正確には「水」を蒸気にした「飽和水蒸気」をさらに熱を加えた状態ですから、「過熱水蒸気」と称するのが正解かもしれません。
 なぜなら、化学プラントでも「蒸気」と言う言葉は使われており、元の液体は何も水に限ったものではないからです。例えば、ガソリンやアルコールにも「蒸気」があります。
 さらには我々の身の回りにある「空気」も蒸気です。しかも一種の「過熱蒸気」状態であるといえます。
空気のほとんどを占める窒素と酸素は、その沸点は大気圧下でそれぞれ-196℃と-183℃です。この温度から、さらに太陽の熱で暖められて我々が住んでいる25℃の温度になっています。
 つまり、空気は25℃の「過熱蒸気状態」であると言えます。さらには髪を乾かすドライヤーで暖めると空気はもっと温度が上がります。

 水の場合、大気圧下では水は100℃で沸騰し水蒸気に変わります。水蒸気に外部から熱エネルギーを与えて定圧膨張させながら温度を上げていくと過熱状態になります。ボイル・シャルルの法則により水蒸気は1℃温度がある毎に、1/273だけ容積が増えていきます。簡単に言うと、100℃の時の1リットルの容積の水蒸気は、最初の100℃に273℃を足した温度、すなわち373℃の温度の時に体積が2リットルの過熱状態になります。
 逆に一定の容積の中で温度を上げていくと圧力が高まり、高圧蒸気として利用できます。
定圧膨張させながら温度を上げるか、膨張させないで温度を上げるかで、過熱水蒸気と高圧水蒸気の違いが生まれるわけです。

高圧水蒸気の利用としては昔から蒸気機関があり、飽和水蒸気式と過熱水蒸気式とが存在します。蒸気機関では飽和水蒸気を用いると機器内部に水滴が発生して効率が悪くなるため、過熱状態にして水滴の発生を押さえて蒸気機関を効率よく稼働させるわけです。日本の蒸気機関車では、15Kg/c・400℃の高温高圧の水蒸気を使った蒸気機関車が存在しました。

 一方の単に100℃の水蒸気の温度を上げた低圧の過熱水蒸気は、なかなか利用価値が見つからなかったようです。
 特許などの文献を見ると20〜25年ほど前の文献に過熱水蒸気の食品への応用がいくつか見られます。
 しかし、当時の過熱水蒸気発生手段は主にバーナーによるもので、火力の微調整ができず、設定温度に対し50℃も上下に振れると言うことが通常でした。このぐらい温度が振れてしまうと、ガスコンロの火加減が一定しないとうまく焼けないように、過熱水蒸気での食品加工はうまく焼けません。いくつかの研究チームが「過熱水蒸気は再現性が無い」と言うことで撤退しています。
 そこに我々は誘導加熱を用いたDPH(IHヒータ)を登場させ、設定温度に対し±1℃以下の設定が実現できたわけです。
 このために焼き加減がうまく調整でき、過熱水蒸気のメリットを生かした装置・食品が芽を出し、今では過熱水蒸気が家庭用にも進出するようになりました。
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2,過熱水蒸気を食品に使うメリット・デメリット−香りについて

よく言われる無酸素状態。
ちなみに、ちなみに食品業界では無酸素ですが、別の業界だと無酸素では無いところがありました。
酸素の検知オーダーの違いです。

さて食材を加熱調理するとき、密閉空間に食材をセットします。そこに過熱水蒸気を吹き込むわけですから、その密閉空間にあった空気は過熱水蒸気で押し出される格好になります。
その結果、密閉空間の空気は追い出されて低酸素状態、すなわち無酸素状態になります。
事実、過熱水蒸気のコンベア機の中に火のついた紙を放り込むと火はたちどころに消えてしまいます。
いつかこの動画を載せましょう。

この無酸素状態は、食材にとって良い結果と悪い結果を呼ぶことになります。

良い結果とは食材の「香り」に関することです。
過熱水蒸気で食材を加熱調理すると、食材の香りが大変美味しく残ることが知られています。
肉を過熱水蒸気で焼くと、食欲をそそる大変良い香りが残り、調味料も無しで食することが出来ます。鶏肉を焼くと、上質の鳥の脂(チー油)が得られますし、何とも美味しい香りで焼き上がります。
これらは油の香味成分が酸素により酸化しないため、香りがそのまま残ると考えられます。
逆にガス加熱などの多くの実験では、香りがこの酸化によりずいぶん消えてしまっていることが確認されています。

次に悪い結果について。
悪い結果というのは同じく「香り」なのです。
コーヒー豆や焼きなすのような「焦げた香り」は酸素が必要です。
メイラード臭とも呼ばれています。
この場合はコーヒー豆も焼きなすも酸素がない過熱水蒸気の空間だと、確かに焦げるのですが、美味しい焦げた香りが薄くなります。コーヒー豆の場合は、「珈琲の顔が薄くなる」とでも言うのでしょうか、ブランドの違いがぼやける傾向がありました。
こういう点から焦げた香りはどうしても過熱水蒸気だけだと薄くなる傾向がわかっています。
このような食材は空気を混ぜた混合過熱水蒸気で加熱調理すると良い結果を生むことが出来ます。

次に、人によって賛否両論はやはり「香り」です。
弊社社長の川村は海の魚の香りが苦手なようで、過熱水蒸気で焼いたサンマは苦手です。逆に工場長の内堀は美味しそうな海の香りがいいと言って過熱水蒸気で焼いたサンマを好んでいます。

このように、過熱水蒸気で焼く食材によって香りには評価が異なります。
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3,過熱水蒸気のメリット・デメリット 乾燥について

食品に対する過熱水蒸気の利用価値は、食材によって異なります。
食材の場合概ね、乾燥・焼成・蒸し・殺菌に分別できます。
目的によって過熱水蒸気の利用手段はそれぞれ異なります。
例えばこんにゃく一つでも、どの調理状態を重視するかで表面状態が異なります。

例えばこんにゃくを使って過熱水蒸気と熱風の温度の上昇比較をしてみましたが、過熱水蒸気のほうが100℃までは一気に上昇するのが判っています。これに対し熱風は少しづつしか上がりません。
これは100℃まではこんにゃくの表面で過熱水蒸気が凝縮して、その為に凝縮熱がこんにゃくを暖めているわけです。この間、重量は増える傾向にあります。
100℃に到達すると、今度はこんにゃく内部の水が蒸発するために、そちらに熱エネルギーが喰われて100℃を維持するようになります。
そしてこんにゃくの表面がそのうちに乾いてきます。

一般に過熱水蒸気は170℃を境に加熱空気より乾燥速度が速いと言われています。過熱水蒸気の逆転点温度と言われる温度です。
実際にある現象で、ある時点からは空気より乾燥が早いことは確かです。
しかし我々の所では、170℃と言う確定した温度ではなく、ある程度の範囲を持った温度であり、蒸気の線速度がパラメータの中に入っているのではと考えています。
詳しく調べてみたいものですが、研究の部類ですので今のところ、おあずけ状態です。

乾燥の類で一番難しかった食材は海苔でした。O−157の食中毒事件が起きたとき、あるユーザから海苔の殺菌の依頼がありました。

聞くと、海苔から菌が検出されるとのこと。
つまり、海苔は天日干しの自然乾燥は高級品です。ところが天日干しは空気中にさらすため、大気中に浮遊する菌が付着するとのこと。
海苔は乾燥品で水分活性が低く、菌は増殖しません。そもそも海苔で食中毒などありません。
ところが、単に菌が検出されたとのことだけで商品として価値が無くなるとのことでした。

海苔を過熱水蒸気に晒すと、水分を含んでしわくちゃになります。そこを我々は蒸気線速度のコントロールでしわくちゃにならないようにして殺菌に成功しています。

こう書くと殺菌目的であって乾燥と少し異なりますが、この工程は乾燥の基本的な考え方を踏襲しただけです。
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4.創造主の掟 過熱メタン蒸気?

ちょっとココで話をそらします。
ジェイムズ・P・ホーガンが1983年に書いた本です。

 遙か昔に、高度な発展を遂げた異星人の星から出発した無人探査船が宇宙空間を航行している時に、超新星の爆発のエネルギーを浴びたのが原因で船のコンピュータが機能を喪失してしまう。
 今から数百万年前にその探査船がたどり着いたのは名もない小さな衛星。無人探査船はその衛星に降り、残っている機能を駆使して異星人のプログラムしたロボット自動生産工場を建設する。最終的な目的は、生産したロボットと新たに建設した工場を駆使して着陸した星の資源を異星人の星に持ち帰ること。しかしプログラムが超新星の爆発でいくつもの重大な障害が発生していた。もちろん異星人のプログラムには、そう言ったことも予測して修復プログラムも組み込まれていたが、その修復プログラムにも障害が発生していた。
 その結果、誤ってロボット生産プログラムそのものがロボットに送り込まれる事件が発生する。ロボットの記憶媒体にはこれを全部を受け入れるだけの容量は無い。本来のプログラムとロボットの生産プログラムを部分的に受け取ったロボットが工場から「生まれ続けた」。しかも具合が悪いことに生産プログラム自体が工場のコンピュータから消去されてしまった。その為工場のコンピュータは試行錯誤の上、工場がA型ロボットを作るためには半分づつの生産プログラムを持ったA型ロボットを工場に送還し、A型ロボット同士のプログラムで新しいA型ロボットを生ませ、新しく生まれたA型ロボットにはどちらかの「親ロボット」の生産プログラムを転送すれば継続的にロボットが生産できることを見つけた。
 ここで、工場のコンピュータには「この生産プログラムをコピーして保存せよ」と命令すべき修復プログラムがバグで動かなかったのがミソである。このようにして対になったロボットのプログラムを元に「新しいロボットを生む」仕組みが生まれた。
 そのうち修理廃品回収ロボットが「不良判定プログラム」のバグが原因で「生きている」ロボットを襲う事件が発生する。これが元でロボットには自己防衛機能が備わり、ある工場は他の工場からの略奪団から工場を守るための防衛ロボットを組織するようになる。かくてロボットは自己進化機能を持つようになった。
 そして、時は21世紀初頭、土星の衛星タイタンに無人探査機を送り込んだ人類が最初に目にした映像は異星人のロボットが発達・進化した機械生物の世界だった・・・


今、手元に本が無く少々間違えているところがあるかもしれません。スイマセン。
しかしこれは序章にすぎず、ここから長いストーリが始まります。
独自に進化した機械人と人類との初めての接触や、ロボットが感情を持ち、家族を持っているのが新鮮です。

っで、ここで少し話を戻すと、ここタイタンではメタンの海があり、メタンの雨が降り、メタンの雲が発生しています。そして気温がかなり低く水は凍って岩の一種であり、氷が溶けて「溶岩」になっている描写があります
実際にNASAによるとタイタンではメタンの海や雲が観測されていますね。
タイタンではメタンが地球の水に相当するようです。となると、タイタニアン?では「過熱水蒸気」と言わず「過熱メタン蒸気」が使えるのかもしれません。

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5,高品質なエネルギーと低品質なエネルギー

この流体加熱を始めた頃から言われたことですが「電気エネルギーは音や光・熱など様々な形に変換できるが、熱エネルギーは他の形に変換も保存も出来ない」。
つまり、電気エネルギーは他の形に変換でき、保存もでき、また細かな制御も出来るから高品質である。反面、熱はそのいずれもまともに出来ない低品質なエネルギーであるとの定義です。
実際、電気エネルギーは電子回路によってテレビや電子レンジなど様々な利用が得られていますが、熱エネルギーは家では「ガスコンロ」です。コックをひねるだけで火力が調整できます。炎の熱エネルギーは形を変えて胃袋に入ってそれでおしまいです。途中から冗談ですが。

そこに我々はインバータを用いて高品質な熱エネルギーを作ろうとしました。その使用領域は「化学工業」。細かな温度制御、即断即動の熱源。これを実現しようとしてDPHは研究開発されました。
その結果、応用製品で化学工業では±0.1℃を以下の精度で運転を行い、精密な反応を実現させました。
さらに我々は化学工業で実績を上げようとしましたが、そこには厳粛たる「防爆機器」の規格が存在し、我々のDPHに対して「新しい発想のヒータであるので無下に規制に当てはめることはしたくない。だから実績を作りなさい」とのアドバイスを頂きました。

そして、次への応用である過熱蒸気の出番です。きっかけを書くと長くなりそうですのでいずれの回に回しますが、食品工業ではそれまでは±20〜40℃もあった過熱蒸気の加工方法もDPHにより±0.1℃で実現させ、「いつ素材を入れても同じ焼け具合」の過熱蒸気をこの世に出しました。まぁ食品では実際には1℃程度の誤差で十分なのですが。

また、即断即動の流体加熱熱源ではDPHの右に出るものは限られてきますし、大容量のものではさらに見あたりません。

即断即動のメリットは研究開発での用途で大きな影響がありました。他の方式の熱源を用いた過熱蒸気発生器をお持ちの研究部では設定温度に達するのに早くても5分から10分。ガス炊きの熱源の場合だと約30分を要します。つまり、研究開発ではスピードが命なのに、温度設定変更に時間がかかってしまい、1日の実験が過熱蒸気発生器によって制限されてしまうわけです。

DPHは温度変更を1分以内で成し遂げます。それも1℃だけの設定変更でも200℃の設定変更でも実現しています。http://www7a.biglobe.ne.jp/~dph/newpage18.htmをご参照下さい。
そのため、DPHを用いた研究開発では次の素材を準備するより先に設定温度に達するため、次から次へと実験がこなせるわけです。

これは大変重要なことで、他の方式では1日にこなせる実験数の5倍から数十倍をDPHは行うわけです。1日でこれですから一ヶ月になると開発の進捗度は大きく開きます。これが一年にもなると・・・
研究開発はスピードが命ですから会社の経営にも関わってきます。

このような即断即動高精度な熱エネルギーはもはや「低品質な熱エネルギー」では無いと思います。
まぁ、先生達の言う品質の定義から外れるような気がしますが・・・

DPHの隠れた特徴には、このような「高品質な熱エネルギー」があるわけです。
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6,何故過熱水蒸気なのか

シャープさんの「ヘルシオ」が出るまで、我々は過熱水蒸気の説明に四苦八苦しておりました。
実は松下さんも「高温水蒸気」で早くに出していたのですが・・・
あるお客さんが大学の先生に持ちかけたら「圧力無しで水蒸気がそんな高温になるはずがない。その会社は眉唾物だから気をつけたまえ」と言われたエピソードが残っております。

 高温水蒸気のイメージはボイラーと超臨界水のイメージが強いことから始まります。
一般に現場で大量に手に入れやすいのが水蒸気です。調理用のコンベア機などでは多いときで時間100Kg程度の水蒸気を消費します。
 ただ単に加熱するという利用であれば空気を加熱する従来装置の方が簡単です。ガスや電熱ヒータは水蒸気よりもさらに無尽蔵にある空気を加熱しているので、過熱水蒸気よりもさらに先に利用されていたと言うことに過ぎません。


 それにやはり水蒸気でものが焼けるはずがないと言う常識が通っておりました。


次に技術的な理由があります。
我々のDPHでは、食材で言えば焼きモード・蒸しモード・乾燥モードの3つのモードを駆使して色々な焼き方を工夫しています。さらにこの3つのモードを応用して殺菌モードでの使い方も実現しています。

そして過熱水蒸気を利用するとき、熱量・無酸素状態・食材の変性のいずれかを重視することで従来装置と違った効果が得られます。

しかし、前世代のメーカではなかなかそこまで追求することもできず、「過熱水蒸気は焼きが出来ないからダメだ」と言われる所も現実にあり、実際にDPHで焼けるのをみて再度取り組みが始まった客先もあります。

そして、過熱水蒸気を使ってこそできる製品を苦労して完成した客先もあります。ここが大事なところです。オンリーワンを目指すにはオンリーワンの苦労が必要なのです。


水の場合では沸騰と凝縮を繰り返し操作できるのが一番の特徴で、しかもアルコールと違って刺激臭もなく燃えることもありません。つまり安全です。
 爆発の危険性をしっかり押さえれば、アルコールの過熱蒸気で調理も出来るわけですが、爆発のことを考えるとなかなか難しいものです。もしやってみようとする企業があれば、これこそオンリーワンですから、今までと違った新しい食材が完成してきっと大儲けできるでしょう。

                                                   ▲先頭に戻る▲
次回の更新に続く・・・
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