「A I 作成写真」の登場
いつかプロカメラマンは絶滅危惧の職業になるかも−−?
写真は、昭和末期から平成初期にかけてフィルム(アナログ)から
デジタルに代わった。その結果、それまで手間暇かかった暗室での
現像処理などは一切不要となり、明室でのパソコン処理で現像から
修正・補正・加工・保存、さらには画像の送受信まで簡単に出来る
衝撃的転換≠フ経過があった。
それが令和の時代になって、人間の知的能力を模倣・代行も
できるという「A I (人工知能)」が開発され、進化著しい。
その知能は使い方次第であらゆることを塗り替えることが出来るとも。
写真の世界にもその一端である「画像生成A I 」が生まれた。
それを使えばあり得ない光景≠ェいとも簡単に出来る。
パソコン上で「画像生成A I 」アプリに、自分が表現したい
イメージ画像の元となるキーワードをいくつか文字入力すると
A I はネット社会に溢れている多種多彩な画像の中から
適当な素材画像を収集し、それらを合成加工して
イメージに近い画像を作ってくれる。
◆特殊なイメージ画像(例えば特定人物などを入れる)などは出来ない)
将来、自分で撮影に出かけなくても、パソコン上で好みの写真を
作り出す、まさに写真界がまたまた大変わりする時代が来たようだ。
A I 「写真」を作り出すアプリ(ソフト)は、ネット上にいくつか公表されている。
本格的な有料版から、誰しも体験できる無料のお試し版(テスト版)まである。
そのテスト版でトライした出来具合はーー。
オーロラ、マチュピチュ--と入力したら

オーロラ、ピラミッド--と入力したら

オーロラ、富士山--と入力したら

オーロラ、宇治平等院--と入力したら

オーロラ、名古屋城--と入力したら

東京タワー、オーロラ--と入力

城と天の川−−と入力した画像

合掌造り、天の川−−と入力した画像

日光東照宮、天の川−−と入力した画像

城、星座−−と入力したら−−

富士山、ホタル−−と入力したら--

いずれも現実にはあり得ない光景≠ナある。
だが、現地・現場など知らない人が見たら
現実にある風景写真であると錯覚する恐れもあるだろう――。
◇
かつて写真とは「真を写したもの」「事実を写したもの」とされてきた。
それだけに、A I での作成画像は今後、写真とは
別個の「アート画像」として位置づけ、扱うべきだと言わざるを得ない。
テレビCMや広告写真の世界では、これまでこの手によく似た
映像が登場していたが、それらは人工知能によるものではなく、
個人知能≠ナ作成されてきた。
近未来、写真は自分で撮影に行かなくても、世界中の人々が
カメラやスマホなどで撮影した画像をネット社会にUPしてくれれば
その画像を借用して、好きなようにA I 画像が出来るーー?
最後に−−現時点(2024年末)でのA I 生成写真は完全ではない。
自分で撮影した画像を組み合わせることも出来るようになってきたが、
全てのイメージに応えて生成してくれない未完部分も多々ある。
とはいえ、やがて全てに応えてくれる日も近いと想像される。
それらが可能となったら、カメラマンは絶滅危惧の職業になるかも−−?
その上で、A I 写真に写り込んでいる人物の肖像権や
素材画像の撮影者が持つ著作権などの扱いがどうなるのか?
いくつかの壁は今後どう解決されるのか?

|