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島唄とは 沖縄では、"しま"というと、必ずしも海にぽっかり浮かぶ島の意味ではなく、自分の住んでいる所という意味が強い。それもそのはず、沖縄県には面積が0.01ku以上の島が全部で160島あります。昔は、今のような丈夫な舟はなく、島の間を移動するのは簡単ではなかったでしょう。移動がたやすくなった現代でも、小さな島では島中が親戚と言うこともザラにあります。昔は一つの島が集落単位となっていたんですね。だから、他の島の人と会う時には、「私たちの島ではね・・・」という会話が頻繁に取り交わされたと思われます。そこで、"私たちの島"の意味が"私たちの住んでいる所"にかわっていったのでしょう。
人の移動が困難だった昔、唄の伝承はすべて口伝えでした。今となっては楽譜が多く作られ、一つの基準ができていますが、口伝えでは少しずつ唄い方や歌詞が違ってきます。琉球王朝を中心に各島々に三線が伝わったそうですが、人の移動が少ない昔では、唄の移動も少なかったでしょう。たとえ同じ唄が伝わっても、"集落=島"独特の唄に変わっていきました。そして、唄い方がかわり、歌詞がかわり、次第に島特有の唄が生まれていったのです。それが、今に伝わる"島唄"です。
島唄には、島の風俗、自然が読まれています。恋人達の唄、夫婦の唄、夫婦けんかの唄、役人をひやかした唄、花の唄、船乗りの唄など数えたらきりがありません。これらは、唄が作られた当時、その島で、人々がどのように考えどのように感じていたのかを知る、歴史的な証拠と言えるかもしれません。
例⇒楽譜だけでなく、曲の由来が記されています。
○けんかの絶えない若夫婦の話
○漁に出た男が美女マムヤに出会い、嫁さんかマムヤどちらがいいか悩む話
○良家に嫁いだ美人を女性達が嫉妬する話など
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