豪が好き。大好き。
だから。
思い出がくれるプライドは、いらない。
「Wish Matrix」
− and more J side−
烈が、私に会いに来た。
顔を見て、わかった。
伊達に幼なじみやってないもの。
私がそっと、大切にしていた3角形は、壊れちゃったのね?
いままで壊れなかったのが不思議なくらいだけど。
烈が何を言っていいかわからないようだったから
私から言ってあげた。
「豪と烈をかけて、2で割ったのの3倍くらいいい男、紹介してよ」
「・・・それは、見つけるの難しいな」
「そう?結構レベル低めの設定にしてあげたのに」
「ごめん」
なんで謝るのよ?
「私、豪のことすごく好きだけど」
辛そうな顔してるね、烈。
そんなところに、豪は惚れたの?
「でも、烈も好きなの」
「"幼なじみ"にわざわざ報告しに来てくれて、ありがと。
私も彼が出来たら、1番に報告しに行ってあげるから、待ってて」
すごい。
なんか、私、超いい女じゃない?
こんな子を放っておくなんて、2人とも見る目がないね。
「それまで、もう少し、待っててよ」
「・・・うん」
うん、なかなか上出来。
悪くない。
豪、バイバイ。