正座をさせられている。
いや、別にしろと言われているわけではないが、この人には どうも分が悪い。
「ね? そう思うでしょ、竜ちゃん」
「はあ…」
虚ろな返事をした俺に、にこにこと朝季さんの表情は変わらなかった。
「でしょ? じゃあ決定ね」
え?
「なにが…」
「 伊集院家では 1か月
日本語禁止 」
ええーーー?!!
「えっ、そりゃちょっと無理ですよー」
ははは、と乾いた笑いを浮かべるが。
「なあに?」
にっこりと笑うその目は…
マジだ このヒト…
話を戻そう。
事の発端は、前にアリーとした賭け。
その結果が出た。
「情けないぞイチミヤーーー!!!」
という雄叫びと共にアリーが到来し、まぁ惨敗したことが判明した。
「私のイビリ…ごほん、特訓はなんだったんだ!! 無駄だったのかーー!!」
襟元を握られてぐらぐらと揺すられる。
やっぱイビリだったんだな・・・
「あれだけ授業でも集中攻撃…いや、演習してやったのに!!」
すでに勝負ではなく単純に呆れているらしい。
「情けない!情けないぞイチミヤ!!」
んなこと言われても…興味ないことって右から左に流れ出てくんだよ…
「あらまぁこれはひどいわね〜」
そこに、朝季さんが登場、というわけだ。
だって、使えた方が便利でしょ?
どっちにしろ時間 費やさせられるんだから、どーせなら役に立ってほしいわよね?
という問いに、はぁまあ、と応えていたら、冒頭の爆弾を落とされた。
「じゃ、みんなにも伝えとくから」
にっこり。
伊集院家では朝季さんの命令は絶対。
逆らう者はいない。
そんな命知らずいるわけがない。
……………1か月 日本語禁止 、 けって〜〜〜〜〜いぃ… (T_T)
「だははははは!」
シズカは爆笑しながら
「ぺらぺらぺらぺら〜」
(馬鹿にされているのは判る)
伊集院は、
「ぺらぺら……ぺらぺらぺら!」
(『 お母さま強引だからゴメンなさい…でも竜くんのためですよね!』だと思う。…たぶん)
しかも伊集院のメイドの人たちも執事の人たちも…みんな!! ぺ〜らぺら!!
(海外からの招待客にも接待できないと困るため)
ジジイに至っては、道場で話がわからなかったら投げ飛ばされた。
(短気だ…。よく総裁やれたな…)
駅前留学どころか家内留学状態。
……うう………
家 帰りたくない…
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