diary / 2001年12月上旬

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50,000Hit記念特別アンケート
アンケートページへ
実施予定期間・2001/11/17〜12/7
目標50名
この機会に、どんな方が当サイトを御覧になっているのか、
統計を取ってみることに致しました。
定期的にお出でくださっている方も、
不定期に訪れてくださっている方も、
ご協力いただければ幸いです。
※もしかしたら記念プレゼントがあるかも知れませんが
内容も数量も未定ですので期待されませぬよう……

12/2 0:05現在のご協力者・20名
青木みや様/浅井秀明さま/嵐山薫さま/風間真さま/河内実加さま/きばやーしさま/クーヌツさま/日下三蔵さま/ジェニアス・ローサイさま/谷澤森さま/春都さま/ひろさま/政宗九さま/三澤未来さま/茗荷丸さま/滅・こぉるさま/ゆきりんらじさま
(公表了承の方のみ・50音順)

2001年12月1日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20011201~.htm#Day01

 自転車で余裕たっぷりに行ける範囲でかかっている映画に決めた。現地に着いても更に若干暇がある。そこで、近くにある明正堂書店を訪れた。ここは店を前にして右側に自動販売機が置いてあり、その手前が実質客用の自転車置き場のような形で利用されている。まだ早い時刻だったため一台しか止まっておらず、区画の丁度真ん中辺りに置いて入店した。目的のものは在庫がないと判明したので、時間もさほどないことだしすぐに店を出た。すると、ほぼ同じタイミングで私の前を横切っていったカップル二人乗りの自転車が私の自転車の横に滑り込んでいく。男女ともに髪を染め、カジュアルと言うよりはちょっと弛緩したパステル調のファッションに身を包んだ二人は、だらだら話しながら自転車に鍵を掛け、書店には見向きもせず近くの衣料品店などが並ぶ一画に足を進めた。何となく呆然と見送ったあと、私は自分の自転車前輪に通したチェーンを外そうと手を伸ばす。すると、先のカップルの自転車前輪が、私のそれに凭れて動けなくしていた。舌打ちして、隣の自転車のハンドルを退けようとしたとき、初めてそのことに気付いた。
 ……隣のカップル、スタンド降ろしてねえ。
 そりゃ立ててやりましたさ。あとで母にも言われたが倒して消えてやろうかと思いましたさ。でもそしたら店の人に迷惑だからちゃんと立ててやりましたともさ。いっそサドル外してやろうかとも思ったがそこまで時間なかったさ(あってもやらんが)。原因の推測もつくんだよ本当は。自転車を置いて、手を放したときに既にバランスを保っていたからスタンドが有効になっていると思い込んでそのまま離れたんだろう。それにしたって――ああ、くどくど書くのも馬鹿らしいわちくしょ。

 そんなことはすっきりと忘れて(早い)週末恒例、しかも有り難いことに映画サービスデーに重なった本日の映画鑑賞は、キム・ベイシンガー主演のオカルトサスペンス『ブレス・ザ・チャイルド』(東宝東和GAGA-HUMAX・共同配給)を選ぶ。小屋は上野スタームービー、以前から『アヴァロン』『東京攻略』などなど若干通好みの作品を上映していて、視界には入るのだがなかなか足を運ぶ機会のなかった劇場である。四囲を成人向け映画専門の劇場に囲まれた特殊な立地、外観も何処か怪しげだが中は意外と小綺麗、座席の状態も程良く、音響などの設備も優秀と、ケチの付け所が少なく吃驚――要するに立地だけが悪い。ここで次にかかる作品が『サクラ大戦』以下アニメ四本立てというのは何か間違っている気がしなくもない。……まあ、作品の対象とする層が本気でこの立地を気にするとも思えないが。
 肝心の映画の感想はこちら。小一時間問い詰めたい、とはこういう気分を言うのだろうか――あ映画そのものに対してではありません詳しくは本文をどうぞ。

 目出度いことに変わりはありません。長年子供の出来なかった夫婦に待望の賜物があった訳ですから素直にお祝い申し上げましょう。だが、本当に民放国営大半のテレビ局がゴールデンタイムを潰して報じなければいけないほどの話題だろうか。番組の状況を確かめるために何度かテレビを点けたが、同じ日同じ時刻に産まれた子供とか各界有名人の祝辞とか想像力の欠片もなくこの時間帯に放映する必然性も感じない(あとで纏めてやれば済むだろうが)内容ばかり。肝心の子供の姿や細々としたデータは大半伏せられたままなので(それも当たり前だ)仕方ないとは言え、ここまで無内容なら最小限の速報に留め、あとはニュース番組で纏めてやった方がよっぽど視聴者にとって有り難いだろう。どんなニュースであろうが、余程重大な事件でもない限り興味のない人間が多くあるのだ。そういう人間を狙って通常番組を残す、或いは他の局がやっていない時刻を狙う程度の才覚を働かせる人間が1人や2人いてもいいと思うのだが――尤もこの辺は、Xデーに際して各局で協定を作っていたのだとも想像するのだが。何にしても、ひと月早く元日の訪れたようなテレビ番組の有様に半ば呆れ果てた半日であった。

 で、見るものもないのでDVDにて『刑事コロンボ 断たれた音』を鑑賞しながらまたやけに長いこの日記を記している次第ですが――んー、耳の聴こえない人というのは、会話こそ唇の動きを読んで行うわけだが、それ以外の騒音などは振動で関知できる筈なんだが。まして、聴こえる人の耳を聾するほどの騒音ならば、それが止んだときの振動の変化も極端だと思う。従って、気付かない可能性は低いと思うのだが――まあ、エピソードとしては手堅く纏まっているからいいんだけど。

 忠告に従って『二重箱』(ケロQ/Windows95・98・Me対応/18禁)は『二重影』をきちんと終えるまでは封印、というか昨晩は『大悪司』(Alicesoft/Windows95・98・Me・2000・XP対応/18禁)に没頭してました。やっぱりアリスソフトは優秀です。シミュレーションであるが故の最初の取っ付きづらさだけはどうしようもないし、細かい点――借金の金額が指定できない、ターンごとの行動に余裕がなさ過ぎる――で不満は挙げられるが、18禁という枠の中でゲームを作る才覚は流石に見事。この手のゲームで無駄に問題視される倫理観も、こういうSF的設定ならば幾らでも逃げ場が用意できるし。――ただ、非常に先が長そうなのがいまの私には辛いのだけど。
 と言いつつ実は『エルフオールスターズ脱衣雀2』、あと三人でコンプリートだったりします。この三人自体隠しキャラだもんよ。馬鹿か私は。

 昨日書き忘れましたが、ジョージ・ハリスン氏の御冥福を祈ります。ビートルズの数多ある名曲の中でも私が偏愛するのは『While My Guiter Gently Weeps』――彼のペンに成り、エリック・クラプトンのフレーズに彩られたこの曲ひとつのために、彼の存在を永遠に愛おしみます。クラプトンの引退共々まことに惜しい――と同時に、どちらも非常に彼ららしいよな、と思いつつ。

 アンケート漸く20名様のご協力を賜りました。……んー、このままでは目標の半分も辛い。どうかどうかご協力をお願いします。

 ――ととと、あまりの盛り沢山にお買い物報告を忘れてました。大丈夫、解説は一言で済ませます。
 本日のお買い物
1,佐々木倫子『Heaven?(3) 特製ロワンデイシー仕様ミトンセット』(BIG SPIRITS COMICS SPECIAL/小学館)
2,宇佐美 渉『Pastel Colors』(零式コミックス/シュベール出版)

 はい皆さん御一緒にー、あ、なんじゃそりゃ


2001年12月2日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20011201~.htm#Day02

 コンプリートしちゃった、てへっ。しかし流石に最後の敵だけあって全員強かったわ。お陰で他のゲームは無論、お絵描きとか諸々の作業も昨晩は滞っちゃったわてへへっ。

 ……気を取り直して、日中に久々に色塗り。A4サイズを解像度600で取り込んだそのままに作業を始めてしまったので、ちょっと複雑な要求をするといちいち待ち時間が生じる。何より、上書き保存に手間取るったらありゃしない。色味や塗り方など、思い出し悩みつつの作業なので決して進行はスムーズではないが、集中力を欠くことなくそれなりに進展する。完成はまだ先。それにしても肌色ばっかり塗っている気がするのは一体。

 本日のお買い物
1,ヒョン・チョンヨル&ヨ・ジナ=脚本/小林弘利=編訳『リベラ・メ』(角川文庫/角川書店)
2,キャシー・キャッシュ・スペルマン『ブレス・ザ・チャイルド(上)(下)』(竹書房文庫/竹書房)

 1は、普通ならあまり買うことがない海外映画のノベライズ。購入したのは、担当が小林弘利氏だったから――個人的に、早見裕司氏と並んでトラウマとなっている作家の1人。アニメージュ文庫で『ふしぎの海のナディア』のノベライズをしていた、と言えば思い出される方もあるだろう。他にオリジナルも出版されており(迂闊にも題名を忘れている……)、当時は非常にお気に入りだったのだが、『ナディア』以降あまり名前を見かけることがなくなっていた。それ故に久々に、しかも質の高い映画のノベライズで名前を見かけたものだから、躊躇なく購入――はせずに、悩んだ挙句に2共々bk1で注文してみた次第。ざっと眺めてみるが……つい最近、どなたかが何故か『ナディア』のノベライズを今頃読んで、心理や状況を説明しすぎるという主旨の批判をされていた記憶があるが、確かにそういう嫌いがある。あとがきも些か、くどい。まあ、そこも含めて当時は気に入っていた書き手だったので。
 2は昨日観に行った映画の原作。プログラムなどを見てもまるで素性の知れない作者に興味が湧いたのと、作品自体の質も悪くなかったので、原作もチェックしてみようという気になったわけだ。映画は2時間足らずなのに原作は上下巻、粗筋だけ眺めても映画では伯母と姪という間柄だった主人公と女の子の設定が原作では祖母と孫になっていたり協力者が二人いたりそもそも登場人物の名前がかなり違っていたり、とかなりの差違が認められ、解説やあとがきに依れば展開も結末も異なっているらしい。……原作の方が不出来なんじゃないかという危惧すら覚えるが。

 半ば意地で使い続けていたOutlook Expressにとうとう見切りを付け、シェアウェアの『Becky!』に乗り換えた。あまりに詳細すぎる設定項目に難渋したが、インターフェースの印象はほぼOEと同じながらより詳細な調整が可能なぶん、使い心地は良さそう。さっさと4000円支払っただけの価値はありそうで一安心する。


2001年12月3日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20011201~.htm#Day03

『大悪司』(Alicesoft/Windows95・98・Me・2000・XP対応/18禁)が面白くってねえ。……つまり、昨晩も停滞してましたというかいつもより一時間ほど夜更かししてしまいました。ああ、久々の猿復活。ダーティな世界観だがそれがシミュレーション部分ともきちんと呼応していて「予測する楽しみ」を味わわせてくれます。そして発生するイベントも濃厚――ただ、個人的にはイベントごとにもう一枚ずつCGを追加して、更に突っ込んで描いてくれても良かったんじゃないかと思うが、イベント再生モードの分量からしてもCG制作者にそーとーな負担がかかっていたことは想像に難くないので、これが適量だったかなとも。ともあれ、長々と遊べそうな上質の作りで、既にかなりの満足感を得ております。例によってアリスソフトらしい世界観で、好き嫌いが激しく分かれそうであるが故にすんなりと薦めづらい作品ではあるのだが。取り敢えず仕事が忙しい方には、絶対に邪魔です。何かが犠牲になります。

 ……んなことを書いていたら某氏からお叱りの言葉を頂戴したので、やや反省して今日は職場の暇に一時保留していたプロット作成の続きに着手してみる。現在交渉中の企画、実はまだ後半のプロットをきちんと纏めていないのだが、そちらは状況次第で前半の構成から打ち直さなければいけないので、様子を見つつ時間があるときに現状から残りを仕上げるつもりでもう暫く脇に置く。なので、予定が遙か先にあるが具体性の高い奴を優先した。我ながら、こーいうシチュエーションに飢えていたのだと自覚させられる進展ぶり。オーソドックスすぎて、本当にこれでいいんだろうかと思う設定だが、多分あちらも止めないだろうからこのまま最後まで組んでみよう。うん。他にも、まだ引き取り手すら捜していない計画が一個あり、引き取り手がなくても意欲が湧きっぱなしなのでいい加減着手しようと思っているプロットがあるが、こちらは流石に他のものの目処が立つまでお預け。実は、そういう半端な状態の作品があるのが一番辛い。

 職場に持ち込んでいるノートパソコンでは同人誌の編集は無理です。画面が狭すぎます。自宅ではゲームと日記で手一杯です。だからまた同人誌の編集が滞っているのです。てゆーか、どーして常にやることが山積しているのでしょう教えて下さい、って今更か。

 今月の文庫新刊、多分私しか興味を抱くまいな、と思っていたら案の定ミステリ系では触れる人のなかった一冊がある。ジェーン・ハミルトン『マップ・オブ・ザ・ワールド』(講談社文庫/講談社)。私は予定表で見つけた瞬間に、何で今更、と思いつつチェックすることを忘れなかった。何故か。
 パット・メセニーが1999年の末に発売した単独のアルバムに、『A Map Of The World』というのがある。実はこのアルバム、正しくジェーン・ハミルトン原作の同名映画のサウンドトラックと、劇中では使用されていないが映画と小説とにインスパイアされた楽曲で構成された作品なのである。アルバム発売時点では映画自体が未完成だったか未公開だったかで資料が殆どなく、日本盤での解説は楽曲に関するもののみという非常に罪作りなもので、発売間もない時期にメセニーファンとなった私はやきもきしながら映画公開を待ったわけだが……音沙汰もないまま二年近くが過ぎ去った。その間に、或いは原作が訳出されていないかと探し発見できずに失望し、更にいつのまにやら本国で映画のDVDが発売されていることに気付いて項垂れてしまったこともある。これはあまりヒットしなかったか、大した出来ではなかったのだろう、と半ば諦めていたところで、先月の文庫予定表にこの題名を発見し、小躍りするより先に何故今頃、と思ったわけである。
 本日、講談社のメールマガジン『ミステリーの館』最新号が届いたのだが、その中に本書に関する情報が短いながら掲載されていた。アメリカ中西部での少女の死を巡る、人間の罪と悪意とを問うた作品で、本国ではミリオンセラーののち映画化されたらしい。主演はシガニー・ウィーバー、ジュリアン・ムーア、クロエ・セヴィニー、――来年三月日本公開。
 今度こそ本気で小躍りしてもいいらしい。題名が同じだけであとは勘違いなんじゃないか、と感じられる向きもあろうが、前述のアルバム解説で既にシガニー・ウィーバー主演ということには言及しているし、作者名も曖昧ながら一致している(メセニーのアルバムは常に自宅PCのハードディスクにMP3の状態で保管してあり、ディスクが手近にないため確認できないのですわ)。無論見に行きますよええ見に行きますともあまりの嬉しさに用もなく原作本二冊買ってしまうかもねあその前にちゃんと予習しなきゃ勿論メセニーのサントラ聴きながら――すみませんちょっくら壊れてます。何せメセニーはサントラ参加作品が少なくないのに、いずれも扱いが低く劇場でもDVDでもあまりお目にかからないのだ。最近DVDで発売された『コードネームはファルコン』なんか、逆にサントラ日本盤の発売がないという有様――但しこれに関しては、移籍の過渡期にあった上デヴィッド・ボウイとの共演などメセニー・グループのアルバムとして発売するにはややこしい条件が付きまとっているから、と想像も出来るので諦めているのだけれど(だからわざわざ海外のサイトから購入したわ)。ともあれ、どーしてこんなに燥いでいるのかは察して戴けるだろう。
 意外だったのは、アルバムのイメージから原作を穏やかな文芸的芳香のある作品と想像していたのに、どうも深く暗いスリラー或いはミステリだったらしいこと。解説にあるメセニーのコメントからもそんな印象を受けたのだが、あの優しく包容力のあるタイトルチューンが劇場でどのように流れるのか、興味は尽きない。

 本日のお買い物
1,丹沢 恵『アシタのアタシ(2)』(まんがタイムコミックス/芳文社)
2,火浦 功『俺に撃たせろ!』(デュアル文庫/徳間書店)
3,倉阪鬼一郎『十三の黒い椅子』(mephisto club/講談社)

 ちょっとマンネリに過ぎるかな、という気のしてきた1。本書は特に反復が激しすぎて、雑誌掲載で見ていればそうも感じないのだろうが、特に退屈です。ちびちびと暇潰しに読んでいくのが適当なのかなー。
 2は、購入予定には入れていなかったのだが、やはり出ていることそのものをお慶びして購入するべきなのではないだろうかと思い。
 3は『メフィスト』連載の長篇単行本化。どーせこういう構想にするなら本文デザインも『迷路館の殺人』くらいに凝って良かったのではないでしょうか。……にしても、倉阪さんの作品も随分積んであるんだよなぁ。どうしたものやら。

『Becky!』早くも馴染んできました。設定項目が多いという煩わしさが慣れるごとに使い勝手の良さに変わっていくのが妙に愉しい。しかしまだ一度もこれでメールを書いていないのが若干不安の種。というわけでこれから返信書きます。

 アンケート残り五日。……延長しようかなあ。まだまだご協力をお待ちしております。


2001年12月4日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20011201~.htm#Day04

 ただいま朝七時です〜……何故こんな時間に目が醒めたのか自分でも解りません。そもそも起きてから既に一時間ほどゲームやってます。しかし空が白みつつある時間帯にこんな場面を目にしていると虚しくなってくるので切り上げて日記を更新しているのです。
 今朝までにお二方から新たに回答を頂戴致しました有り難うございますというわけでひとまずアンケート回答状況を更新する。もーちょっとで目標の半分。

『大悪司』ばっかり遊んでいたが、そろそろ展開が複雑化しはじめて多すぎる部下の処置にも混乱が生じてきたので一旦脇に置き、先日SCA−自さん・基4%さんにお会いする直前にさわりを遊んでそのままにしていた『二重影』(ケロQ/Windows95・98対応/18禁)を再開してみた。
 ビジュアルの美しさ、システムの堅実さは突出している。テキスト表示の仕方にやや疑問を感じるのと、最小化が出来ないのは親と同居の身分にはむにゃむにゃむにゃだが、パッケージ面では殆ど不満を感じさせない。問題は、シナリオ。
 重厚な雰囲気、行き届いた取材(とんでもねー資料の名前がぽんぽんと)、それでいてきちんと押さえるところは押さえたキャラクター造形(でも紗枝ってこみパの塚○千紗そのまんま……)、そして魅力的な謎の数々と惹き付ける部分に事欠かない、最近珍しいほど真っ当な作品だが、それ故に単語用法の誤りや、どーにも付け焼き刃としか見えない民俗学・宗教学の知識が気に掛かって仕方ない。地の文でカタカナや、ごく最近の思想哲学などから派生してきた(……はずだが)熟語の後ろに「的」を付ける表現を多用していることで雰囲気に傷を付けてしまっている――ただ、個人的にこれは程度の問題で、ギャグの範囲内や作品世界と文章を馴染ませるためであれば妥協は可能だと思うが、本編ではちょっと度が過ぎている、と感じることが多かった。
 風俗の面で言うと、舞台となる島の風俗に通常の宗教知識・民俗学的見解を当て嵌めすぎているのが、逆に詳しい人間の態度ではないと悟らせてしまう。風俗・風習は外部の定義を持ち込むものではなく、その土地の環境と成り立ちとを併せて考察するべきものだ。例えば、作中では島を取り囲むように、海岸の全方位に鳥居が立ち並んでおり、島の住民はそれを「墓」と表現するが、主人公は本来の用途からその意義に疑問を抱く――だが、これを学術的に見れば、実際に「墓」として扱われた時点で波打ち際に立ち並ぶ鳥居は「神霊の通り道」という本来の意義を喪失しはじめていると言っていい。長い間風習として行われていれば、既に我々の知る「鳥居」とは別のものに変わっている、と考えるべきなのだ――無論、その喪われたはずの意味がまだ有効となって、島に災いを呼び込むというオカルティックな筋書きを用意するのはありだと思うが、民俗学に親しんだ人物がいたずらにそういう解釈を、詳しい調査も抜きに持ち出すのは無理がある。
 と、いきなり疑問を並べてしまったが、どうやら基本的に一本道らしいシナリオながら、まださわりの段階でも素直に「面白い」と評価できる。原画、CG、システム、音楽、そして上記のような疑問点を除いたシナリオ(Hシーンの濃度も含む)、それらが物語としての欠点を補ってあまりある。当然ながら最終的な評価はシナリオを完結させるまでは保留としたいが、取り敢えず遊んでみる価値は充分にある、と言い切っておこう。……でも確か、あんまり一般市場では見かけないんだよな……中古では時々見かけるんだが。因みに来年、DC版とPS版(こちらは『Shadow and Shadow』と改題)が発売されます。

 ……朝っぱらからエロゲを熱く語る俺って一体……

 それからどうした。

 兎に角眠かったんです。おしまい。

 本日のお買い物
1,森生まさみ『聖・はいぱあ警備隊(11)』(花とゆめコミックス/白泉社)
2,『Norton Internet Security 2002 for Windows [ダウンロード版]』(Symantec/Windows対応ユーティリティ)

 いやー………………………………長かったねえ。実に一年七ヶ月ぶりの最新刊にして最終巻の1。私は待ちきれずに掲載誌を最終回の時だけ購入し結末は見ていたんだが。んで結局としては確認のみなのだが。寧ろ久々の読み切り作品『極楽特急』が上出来で安心でした。私はこの方、こーいう微妙な生々しさに裏打ちされたロマンス(……変な表現)を読み切りで描いている方が合ってるんじゃないかと思うのだがいや思うだけ。連載作品も好きなんだが。
 2は、この際にセキュリティ強化してまえと俄に思い立って、吉日とばかりにネットワークを介してダウンロード購入したもの。ケーブル接続と相手方セキュリティシステムの相性が悪いのか何なのか手続に思いの外手間取ったが、一時間ほど費やして無事にダウンロード及びインストール完了。順調に動いております。が、それで若干後悔していることがひとつ。こんなに早々と新調する予定がなかったものだから、いままで所持していた『Anti Virus 2000』対応のウイルス定義ファイル一年分を、来年初頭の期限切れに備えて今月中の更新設定で購入してしまったのだ。わーい、無駄無駄ー♪ ノートに2000の方をインストールするとか、思いつくことはあるんだが。


2001年12月5日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20011201~.htm#Day05

 夜中に『大悪司』で遊びながら誰か俺を止めろと念じている。自分で抑えろよ。

 昨晩から徹夜で仕上げているはずのデータが来るはずで、本当なら早めに出勤しなければいけないところが、ちょっと用を足していたら家を出る時間が遅くなった。少し飛ばし気味で出勤しようと思うと、家を出てすぐの狭い対向一車線の道が大渋滞である。途中のトラックが一台、路側帯に迫るようにして動いているのでバイクの反則技「脇を擦り抜ける」のも至難と来た。真横の車の助手席に乗った子供の好奇の視線に晒されつつ苛々と待つ。のろのろのろのろと進むに従い、やがて渋滞の理由が解った。反対車線にある老舗の商店で、何か撮影をやっている。もーちょっと早い時刻に、と思っても限度があるしなー、と諦め気分で通り過ぎる。この段階で五分ほど失った。
 ではここから飛ばそうか、と思った次の瞬間――具体的には、先の道から大通りに出て暫く、山から線路の上を跨いで下に降りきったところで、今度はバイクの転倒事故に遭遇する。線路を跨ぐ陸橋で信号待ちしていたとき、陸橋横の道から出てきた二人乗りらしいバイクが、車線変更するかどうかした拍子に転倒したのである。すぐさま舗道から数名の人々が駆け寄り、携帯電話で連絡を取っていると思しい人の姿も見かけたため、これ以上野次馬が増えても意味はなかろうと私は敢えて立ち止まらずに過ぎようとしたのだが、それでも状況確認しながら走っているうちに普段なら決して捕まるはずのない信号で足止めを食ってしまう。単独で、まだスピードの出ていない段階での事故なので大事には至っていない、と思うのだが――。
 で、いつもより十分以上遅れて職場に着いてみると、あると思っていたデータはなく、別のそれほど急ぎでない筈のデータがあるだけだった。徹夜で仕上げた方は、データのまま校正作業を行うために相手先に持って行ってしまったのだそうだ。拍子抜けする。が、今朝は私がデータ処理をするまで職人さんが手持ち無沙汰になっていた様子なので、多少は急いだ意味もあったのだろうけど。これなら事故のとき足を止めて様子を見ても良かったような気はする。
 ……しかし、ネタに尽きないな私は。

 アンケート回答者一名増。ちなみにハンドルは記述のままです別のものがあったとしてたとえ私がそれを知っていても無視なのです。

 以上、出勤後の空き時間に記す。その後、来ると思っていたデータが届くことはありませんでした。明日だってさっ。

 ……だからさ、いくら話題性が高くてもさ、同じニュースを延々扱い続けるのは止めてくれませんか。ニュースと言うよりワイドショー、更に言えば報道関係者がことごとく頭悪く見えて仕方ないです。脱税容疑の逮捕だけで「正義が勝った」とほざいている人々にはただただ失笑するだけだが。今回の件と彼女達の問題は別のことなのにね。

 身近な人を自己中心的な悪意から奪われた人々には同情するが、その悪意の根源を辿ったときに浮かび上がるものを見ない、或いは見ない振りをするのが、こちらには見苦しくて仕方ない。見ていない(見ない振りをしている)ことに気付いているならマスコミを前に声を荒げるようなみっともない真似は出来ないと思うのだが。そして、法律がある限り罪の重さは裁判でしか決められない。あらゆるものを秤に掛けて、感情以外のものをも考慮に容れて発言できない人には出来れば前に出てきて欲しくない。ふと、そんなことを思う。
 ――本当に、その人だけを責めて済ませるつもりなんですか? 責めているさまだけ見せて本当に解決したとでも思っているんですか? 何より、人権という言葉を履き違えていませんか??

 取り止めのないことを考え、それをなるべく具体的な言葉を出さないように記述しつつニュースを垂れ流していたら、デパート地下食品街の特集でかかっていたBGMが『To Heart』Hシーンのバックにかかっていた奴だと気付いて、気付いたというその事実に凹む。いや、気付いていないだけで多分そーいう選曲はあちこちでなされているんだろうけどね。昼間の長寿番組なんか、『サクラ大戦』とか『ふしぎの海のナディア』とかその辺のイントロ流用しまくりだったりするし。

 本日のお買い物
1,橘 裕『Honey(4)』
2,渡辺祥智『funfun工房(2)』(以上、花とゆめコミックス/白泉社)
3,山本美絵『ジオラマチ』(RE-WIND RECORDINGS/CD)

 1って……まだ手付かずなの? というゲスな疑問しか出てこない自分がちょっと厭。この作者の嗜好は少女漫画のそれとは絶対に異なっていると思う。藤崎真緒と同系統。
 2は何だかよく解らないままいきなり核心に近付いてそこで終わってます。おい。ケーキ屋勤務なのに甘いものに触ると別の場所に瞬間移動させてしまう呪いって素敵だ。しかもその移動先がある人物の頭上と決まっているのが更に素敵。……で、結局これはどういう話にしたいんだ? そーいう意味で興味が尽きません。
 公式サイトでの情報発信がすっかり滞っていたために今日まで関知してませんでした発見と同時に衝動買いの3。先のシングル『カゲロフ』までは山本美絵自身の作詞・作曲だったが、このミニアルバムは作詞家の森雪之丞がプロデューサーに就き、三曲に作詞としても参加しており、作曲は全て朝本浩文という人物が担当している。この朝本氏、UAやSILVA、THE YELLOW MONKEYのプロデューサーとして著名だそうだが、曲想は従来の山本美絵のイメージを踏まえていて違和感がない。5曲と数を絞ったお陰もあるのか、粒が揃っていて1800円ながら意外とお買い得な気分。……が、ヴォーカルのタッチが何だか最盛期の橘いずみを思わせて、ちょっとだけ不安を覚えたり。
 原田知世嬢のベストアルバムも出ています。『ロマンス』も『TEN VAS PAS』も収録されてます。あんなに必死に捜していた私は一体何だったのでしょう。仕方がないからいつか買いますいつかな。畜生。出るならもっと早く告知しろーっ!


2001年12月6日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20011201~.htm#Day06

 昨日書こうと思っていて忘れていたネタ。ま、あれ以上長くするのもどうかと思ったからでもあるんだが。
 職場――元々の自宅の近所には都内ではそれほど多くない本物の温泉があった。が、最近経営上の問題から暖簾を下ろしてしまった。利用したのは幼いときに数回程度だったが、それでもやや惜しく思っていたところ、早くもそこにマンションが建つ、ということを知った。母が見つけたチラシからである。10階建て、四十数戸が再来年三月入居を目指して建造され売りに出されているのだが、都内の分譲としてはなかなかに格安の感があり、日頃本の置き場と住空間に悩みを抱えている私としてはこの際金銭的事情は無視し、宝くじが当たったときにでもと思わずチラシを保管しておく気になったくらいだった。
 ――が、このチラシ、長年この土地で過ごしてきた人間が苦笑いするほど大量のトラップが仕掛けられている。鳥瞰図の緑の具合に修正が施されているのは常套手段だし、付近の堤の写真ではその下にあるはずの青テントを故意に撮していないが、その位はまあ許容範囲だろう。凄まじいのは、立地条件の項目。東京駅まで15分程度、都心部への軽快なアクセスを謳っているが、実はこの界隈、最寄り駅まで徒歩で15分、バスだと5分もかからないが本数が少なく道中混むことが多いので最低でも10分は見ないと辿り着けない。今の住居が駅まで徒歩二・三分、というのは流石に恵まれすぎた条件としても、繁華街からの距離からするとこれほど交通の便が悪い地域も珍しい。だから乗用車・バイク・自転車などが必須だと思うのだが、当然そんな物を置くスペースはこのチラシを見る限り、存在しない。他にも主要な施設のひとつへの距離が1キロ以上違っているはとっくに取り壊されたあとのガソリンスタンドが地図に載っているはと、なかなか愉しい。
 にしても、各種の仕様や条件を見る限り、現地に馴染みのある人間にとっては悪くない商品に見えるのだが……

 ああああああああ本業がここまで忙しかったのは久し振りだよ。最後にこっちで修正を施したデータは、出力したところで元の原稿で構わないという通達が来る。悔しくなんかないもんどーせ料金は双方で申請できるし。しかし、この引用された讃辞のひとつ、却ってイメージが悪くなると思うんだが。あまりに馬鹿そうで。ま、今更言っても詮無いことだが。

 本日のお買いもの
1,竹本 泉『ぴこぴこのきらきら』(ミッシィコミックスDX/宙出版)
2,北条 司『Angel Heart(2)』(BUNCH COMICS/新潮社)
3,内田康夫『浅見光彦のミステリー紀行 第8集 すべては『不思議?』から始まった』(光文社文庫/光文社)
4,田口ランディ『コンセント』(幻冬舎文庫/幻冬舎)
5,新津きよみ『彼女が恐怖をつれてくる』(JOY NOVELS/実業之日本社)
6,別冊宝島社編集部・編『このミステリーがすごい! 2002年版』(宝島社)

 1は久し振り待望、少女漫画ベースでの読み切り作品集。某誌休刊までに掲載されたまま単行本未収録だった作品ばかりなので、だいたい三年ほど前の作品が中心となっているが、この際何でもいいですはい。しかし、てっきりenterbrainあたりから出ると思っていたのだが。
 3……全巻揃えておりますが、とうとう読んでいない作品の裏話ばかりになってしまった。いいのか俺。4は映画化に併せて一年半という早さで文庫化。ああ、書籍で買い急がなくて良かった、と久し振りに思った。
 5だけは母の買い物。が、推薦したのは私だし母が読み終わったら頂戴する予定なのでいちおう記録しておく。実は非常に安定感のある方だと思っているのだが如何だろうか。
 6、実はちゃんと購入したのは五年振りと帰宅してから気付いた。いやー、結果はどこからか聞こえてくるし今となってはランキングの確認が「何冊持っていて何冊読んでいないか」の確認に成り下がっていたので手許に置く理由が見つからなかったのね。では今回は意味があったのかというと……単なるものの弾み。一部で話題になっていたのは4位だが、個人的には7位にランクインした作品も驚異的だと思うし、国内トップ10に入っている作品が4位のもの以外全て1000円オーバーという結果もちょっと凄まじいのではないかと思う今日この頃。海外編では、1位をちゃんと確保していた自分がちょっと誇らしかったり――だから早く読もうよ俺。
 なお、トップ10中持っているものが七冊、うち読んだもの、ゼロ。どっかーん。20位まで含めると13冊、うち読んだもの、一冊。どっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああん。ああ、原書房の方はどうなっているんだ?! 全部持ってるんじゃないだろうな??!!

 アンケート……一週間延長してみました。一日一票ずつくらい、じわじわと回答を頂戴しておりますが、もーちょっとお待ちしております。ご協力をお願いいたしますー。


2001年12月7日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20011201~.htm#Day07

 昨日は歳末恒例特番のために『アンビリーバボー』がありませんでした。その代わりに、まるで狙ったかのように同時刻、隣の局で放映しているドラマシリーズ『科捜研の女』は「VSアンビリバボー!」と銘打ったエピソードで勝負していたので、思わず乗ってしまう。取り壊し寸前の女子寮で、工事を妨害するかのように怪現象が多発、それを科捜研のメンバーが調査する、という話。全ての怪奇現象は科学的に説明がつく、という台詞をお題目のように唱えているが、彼らの仕事は説明を付けることではなく証明することであり、殆どの怪奇現象は説明することが可能というだけで証明されていないのが現実だと思うのだけど(だからその類の番組があとを絶たないわけで)。しかしそんな些末な部分を抜きにしても、ディテールの無茶苦茶なドラマでした。作中で起きた怪奇現象をほぼ全てトリックとして立証している……つもりらしいのだが、どう考えても貧弱な論理なのである。
 天井から血が滴った現象は、老朽化した建物故にコンクリートに水路のような亀裂が生じ、屋上から問題の箇所まで水道のように繋がっていたから、と言うのだが、屋上から流し込んだ血液がそんなにスムーズに流れるような状態だったら、雨が降るたびに漏ります。滴っていたのが血液であることは作中で証明されていたが、血液がそこまで簡単に流れるということは、遙かに粘性の乏しい雨水ならあっという間にそこまで辿り着くはずで、であれば血の滴っていた付近にその痕跡が明瞭に残っている。コンクリの亀裂を推理に持ち出せる人間なら、その痕跡を目にしただけで気付かないはずがありません。前後の怪奇現象と切り離してでも、すぐに解決できる問題の筈なのです。では、血液を流し込んだ場所が屋上でなければ問題がないかというとそうでもなく、通した水分の流れを把握できるほど実験を繰り返せば絶対に発覚しますし、血が滴った時点で両者を結びつけて考える奴がまず現れます。
 そして、お定まりの降霊実験の際に部屋が揺れた現象は、可聴領域を超えた音に共鳴させた、という具合に説明しているのだが、これこそとんでもねー話で、そこらにある音響機材で部屋を揺らす程の振動なんか起こせません。高額で巨大な機材が必要であり、そんなものを発注した事実だけで原因も犯人も特定できますまず間違いなく。だいたい、あんな地震と紛うほどの振動を発生させたら、中にいる人々も無事じゃ済まないような。1人や2人、吐くと思うぞ。検証したことは無論、資料にも当たっていないので推測でしかないが。
 どっちにしても、常識的な推定だけで否定できそうなロジックを振り翳して「科学で証明できる」などとほざいているあたり笑止千万。わたくしこのシリーズを見るのは今回が初めてで、他の(ごく常識的な)エピソードではもっとまともなのかも知れないとは思うが、今回の印象のみで語らせていただくなら、お粗末すぎて話になりません。何せ、このお話の論理は怪奇現象を都市伝説で説明している、お子ちゃまのレベルでしかないのだから。沢口靖子の演技は巧いし、キャラクターもなかなか愉しそうではあるんだけど、それだけではな。収穫は、ドラマで演技をしている宮村優子を見ることが出来たことぐらいか――というか、話のオチよりそのことに一番驚いたよ私は。お約束の如く、学生時代に放送部にいたという設定も用意されてるし。
(注・ゲームで遊びながらの鑑賞だったので、細かいところは失念・勘違いしている可能性があります。大筋では誤解していないはずだと思うのですが、詳しい粗筋をご記憶で、誤りに気付かれた方には御指摘いただけると有り難いっす)

 本日のお買い物
1,佐藤友哉『エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子ときせかえ密室』
2,殊能将之『鏡の中は日曜日』(以上、講談社ノベルス/講談社)
3,鮎川哲也『戌神はなにを見たか』(鮎川哲也コレクション鬼貫警部事件簿/光文社文庫/光文社)
4,Mike Stern『VOICES』(east west japan/Warner Music Japan/CD)
5,Jaco Pastorius『Jams Jaco Pastorius Rare Collection』(Universal Classic & Jazz/CD)
6,Fatboys Slim『You've Come A Long Way, Baby』(SkintEpic Records/CD)

 ああ良かった今月も講談社ノベルスが少ない。『オルファクトグラム』は、自制しました。
 3は、実は私が初めて読んだ鬼貫警部ものだったりする。当時は講談社文庫で本作と『りら荘事件』が比較的入手が容易だったからだ。お陰で『りら荘事件』共々思い出深く大切な作品なのだけれども――しかし、同時にこれが最初だったのは自分でも失敗だった気がする。何せ、鬼貫警部が登場しながら最も活躍しないエピソードである。良く出来ているし思い出深い作品だ、と言いつつも何処かあんびばれんすな気持ちが抑えられなかったり。……それにしても、光文社文庫でも『黒いトランク』復刻されるのね。私はひと月かふた月ほどの間に『黒いトランク』を最大六冊買う羽目になるのね。いいけど。
 4は初めて購入の、フュージョン系ギタリスト最新アルバム、と言っても発売からもう二ヶ月半くらい。パット・メセニーはバークリー音楽院で一時期講師を務めていたが、その当時の弟子がこのマイク・スターンである。その後スターンはマイルス・デイヴィス・バンドに在籍しており、音楽的な傾向はメセニーとかなり異なっている、と聴いていたのだが――このアルバムに関して言えば、ギターのフレージングや響きは違うものの、曲想やアルバム構成の仕方など、結構雰囲気が似ております。それは今回が初めてであるという、ヴォイスを前面に取り入れたデザインであることに起因しているのかも知れない。つーか、その肝心のヴォイスにメセニー・グループの『Imaginary Day Live』にも登場したフィリップ・ハミルトンと、次のメセニー・グループ・プロジェクトに参加が決定したリチャード・ボナの名前が見られるあたり、協調路線を取っているように見えなくもない、か? ともあれ、メセニー同様完成度が高く安心して聴いていられる一品。
 5は生後50年・没後15年を記念して、以前Sony Recordsから発売されていた『Rare Collection』を下敷きに収録曲・発売元を変更してリリースし直したもの、初回限定紙ジャケット。見事にColombia系統の楽曲が排除されているのには苦笑を禁じ得ないが、先のマイク・スターンのアルバムからの楽曲やハンコックら贅沢なサポート陣と共に共演した曲が新たに収録されており、特に損を感じさせなかったので購入。これを書いている段階でまだ聴いておりませんが、まあ大丈夫でしょう。
 6はうって変わってブレイクビートの雄・ファットボーイスリム。先月購入した最新アルバムにすっかり嵌ってしまったので、ひとつ前のオリジナルアルバムも購入してみました。最新アルバムのライナーノートで予備知識を得ていたから驚きはしなかったが、確かに驚くほど分かり易くシンプルな作り。何も考えずにノれ、と言わんばかりのあっけらかんとしたリズムがいっそ潔いのです。最新アルバム(題名が長くて書くのが面倒)の重厚でメッセージ性をも孕んだ毒のある作りもいいが、こういう突き抜けた音もナイス。こちらの路線にも段々嵌りそうな気配です。

 50,000Hit記念アンケートは、当初の予定期限に達してどうにか目標の半分に到達しました。引き続きご協力をお願いいたしますぅぅぅ。


2001年12月8日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20011201~.htm#Day08

 本日のお買い物
1,保立道久『平安王朝』(岩波新書/岩波書店)
 久々に資料購入。そろそろ纏めて一気に読まないとだわ。他に、何故か先月入手できなかったKADOKAWAミステリ12月号を漸く入手。刷り部数減ってるんだろうか。

 週末恒例の映画鑑賞、本日は『スウィート・ノベンバー』(Warner Bros.・配給)です。公開直後から観たい観たいと謳っていながら、だらだらと優先順位が下がり続けて結局今週中で縄張りから撤退という情報を仕入れて漸く優先順位トップに来た、という感じです。何せこれだけ沢山映画を観ておきながら恋愛映画は殆ど記憶にない(『コレリ大尉のマンドリン』ぐらいか)という有様であり、そこへ端正な作りの本編を観たことで非常な満足を得たわけですが、残念ながらこの更新では感想をアップすることが出来ません。何故なら、これから先行レイトショーを観に行くのです、『スパイ・ゲーム』(東宝東宝東和・共同配給)を。ロバート・レッドフォード&ブラッド・ピット主演、トニー・スコット監督の、私がこの年末最も楽しみにしていた作品なのです。というわけで、『スウィート・ノベンバー』の感想は帰宅後の更新で、可能であれば『スパイ・ゲーム』のと同時にアップしたいと思いますが多分無理でしょう、何故なら明日も某氏と『ロード・キラー』を観に行く予定なので早めに寝ないと行けないのです。この年末ちょっといかれてます私。というわけでさらば。とうっ

 帰還しました。感想はこれから書き始めますが、明日のために余力を残す必要があるので今夜中のアップは考えません。しかしこれだけは言い切っておきましょう。
スパイ・ゲーム』、下半期のベスト1候補です。この主演に監督なら外れることは有り得ないだろうと思っていましたが、こうまでツボに入るとは流石に予想もしてませんでした。主演2人の絆を綴りながら水面下で展開される、諜報員の救出のための暗闘。巧妙に張り巡らされた伏線が最後に結びつく様は強烈です。そもそも昼間から頭痛気味なのに、殆どそれが気にならない緊迫感と巧みな演出。いやもう、参った参った。

 ……しかし、そんなことを書いているうちにまた頭痛がぶり返してきましたので、明日のために今日は早寝いたします。


2001年12月9日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20011201~.htm#Day09

 ……あっ。昨日『スウィート・ノベンバー』の感想にリンクするのを忘れていた。ついでに、『スパイ・ゲーム』の感想も仕上がったので一緒に追加しておく。ぶち力が入っているうえに後者は絶賛です。が、取り敢えず私がそこまで買っていることだけ知っといて、取り敢えず劇場に足を運んでいただきたい、感想なんか読んでないで。燃えます。ほんまに。『スウィート・ノベンバー』も良作だったのだがすっかり印象消し飛んでます。先に感想だけ書いておいて良かったわぁ。

 そして本日は、松本楽志さんと劇場の前で待ち合わせて、一緒に『ロード・キラー』(20世紀FOX・配給)を鑑賞。私は兎も角何故楽志さんが同行することになったかというと、どーも木原浩勝氏が本編を都市伝説にも絡んだ作品として言及していたかららしいのだが――詳しくはこちらの感想をどうぞ。
 本日待ち合わせたのは映画のためばかりではなく、楽志さんに中島みゆきコンサートツアーのプログラムを一部確保して貰うよう頼んでおいたので、それを受け取る目的もあった――が、きっちり忘れていたらしい。取り敢えずお金だけは払って釘を刺しておく。映画のあと、軽く飯でもと適当な焼き肉屋に入りランチメニュー(安め)を頼んで箸を運びつつあれこれと話し、これから別の場所で用事のある楽志さんは歩きで東京駅まで向かい、私は途中で別れてバイクで帰宅する。
 ……しかし、どんなに愉しくても、二日間で三本も見ると流石に疲れます。自宅に戻るとそのまま泥のように就寝。余力は感想書きに使い果たしたので今日はこれで活動停止。


2001年12月10日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20011201~.htm#Day10

 あと残すところ四日となりました記念アンケート。躊躇っておられる方も、非公表・メールアドレスなし(でもハンドルだけは御用意下さい)で結構ですので回答いただければ幸いですー。

 年末が近付くこの時期だけ、俄に忙しくなったりする本業。規模は大きくないが細かいのが一日に10本とかいきなり平然と届いたりするので油断がなりません。年末公開の大作絡みではなく、年明け以降の公開作品の業界通信紙向け作品の広告ばかりだったのだが、見ているとどれもそれなりに面白そうなのが困る。映画狂いはどうにも年内だけでは終わりそうもない。

 年明け早々に、今年鑑賞した映画の私的ベスト10なんぞ発表してみようかななどと思っております。何せ劇場だけでも50本近く、DVDを含めると60〜70くらいに達する数なので10本でも結構脳味噌を絞らないといけません。しかも『スパイ・ゲーム』の登場で構図に劇的な変化が生じ、自分でも書き出してみないと納得できるかどうか判断しかねる状況なのです。しかし、流石にこれから見る作品でベスト10に食い込み作品があるとはちょっと思いがたいなー。

 本日のお買い物
1,『ゲームコミック こみっくパーティー(1)』(RAPPORT COMICS/ラポート)
2,谷川史子『魔法を信じるかい?(3)』(りぼんマスコットコミックスCookie/集英社)
3,栗本 薫『グイン・サーガ82 アウラの選択』(ハヤカワ文庫JA/早川書房)
4,『コミックマーケット61 カタログ』

 ……うーん、オリジナルの主旨が主旨なだけに、通常よりもネタと実際の出来とのギャップが非常に痛々しく実感されてしまうのがこのシリーズの悩みだな、の1。そのレベルで漫画の何たるか語られても説得力が説得力が。
 2は著者初の長篇完結。終盤が近付いて漸く本来の良さを取り戻したようだが正直手遅れです。やはり短篇にこそ本領の発揮される作家なのだと思った次第。3は……私に言及する資格なし。
 そしてこの時期恒例のカタログチェックなのである。ギリギリになって取り漏らしを発見したりするので、予めご挨拶しに行くところとか覗いてみたいところに付箋を添えて、前日に地図に書き留めておく方法を選択。というか、そこまでしないとフォローできなくなっているという惨い現実。そして付箋の量にまずげんなりする。今のところ、会場内での民族大移動には参加せずに済みそうなのが唯一の救いか――って駄目だ、企業ブースで行かなきゃいけないところあるじゃん。あーもう。誰か助けて。点検しているうちに萎えてきたので一旦脇に退かす。はあ。

『二重影』(ケロQ/Windows95・98対応/18禁)、ちょっと攻略ページに頼って一周クリア。まずは命シナリオ――と言っても、このシナリオは基本的に一本道で、時々選択肢によっていきなり終わったり、終盤でやや不運な展開をしたり、という変化がある程度。攻略ページで確認し、すぐさま別のキャラの結末へと移行させたのだが、場面の挟み方が若干異なるだけで、大筋はほぼ同じ。マルチシナリオ・キャラクター攻略ものとしては物足りない。
 だが、それを考慮に容れても圧倒的な謎と物語。遊び甲斐、というより読み甲斐のある作品である。細部の組み合わせであれこれと文句を付けることは可能だが、民俗学と宗教学、それに哲学的な考証を施して謎とその回答に得も言われぬ魅力を添えている。山田風太郎はじめ伝奇小説の世界に惹かれる向きは、取り敢えず手を付けてみて損はない――但し、半ば確信犯的に挿入されている横文字や最近現れたはずの単語など、考証の無茶を受け入れられることが条件となるが、まあ実際にそこまで気を遣う人はないのだろうし、世界観として立っているから良しとする。
 惜しいのは、美少女ゲームとしては女の子たちの物語に占める部分があまりないこと。殆どは終盤で主人公の目的となってきたりするわけだが、大半はこのおぞましく濃密な血の匂いが漂う世界をただこのジャンルに馴染ませるためだけに挿入されたように見えるのだ。事実、Hシーンのあとはただ死ぬためだけに登場したようにすら見えるキャラが複数存在する。無論、彼女達をただ簡単に死なせたわけではなく、最後に物語にとっての花を咲かせているわけで、その辺りにはクリエイターの拘りが窺われて好ましいのだが。願わくば、もっと作品に密接に絡み、更に美しく散って欲しかった。主人公・二つ影双厳に柳生十兵衛をはじめとする男達や化け物の方が魅力的に映るのは、美少女ゲームとしては傷になってしまうだろう。換言すれば、それを深く気に留めないのなら疑いのない秀作。文章表示の仕方やアニメーションの導入に疑問を感じることはあったが、それ以外では物語上の傷も含めてあっぱれな出来でした。
 と言いつつ、未確認のシーンが結構あるのでもう暫く継続します。そのあとは『大悪司』に戻るか、早速『二重箱』に移るか……っていつまでゲームやっとるんじゃあああ。

 すみませーん、住所のメモを自宅に忘れてしまったため、明日お送りしますー>A様宛私信。


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こっそりとヘッダが変わってたりして。

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2001年11月下旬
2001年12月中旬
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