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2002年08月21日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020821~.htm#Day21

 昨晩は予告抜きでした。今夜は予告付きでした。何をしとるんだこらぁぁぁぁぁぁぁ

 私も池澤親娘の件は初耳でした。が、それに勝る衝撃は別の場所に潜んでいた。
 食事をしながら母に、「池澤夏樹の娘は声優なんだそーな」と、池澤春菜のほうを知らない可能性を考慮して話したのだが、返ってきた答は予想を超えていた。
「池澤夏樹って誰」
 …………母上。

 本日のお買い物
1,藤崎慎吾『ストーンエイジCOP 顔を盗まれた少年』(カッパ・ノベルス/光文社)
2,とり・みき/田北鑑生『DAI-HONYA』(早川書房)
3,『Kanon Band 5』(東映アニメーションMovic/DVD Video)

 1は『クリスタル・サイレンス』が話題となった著者の第三作にしてカッパ・ノベルス初登場。前からちょっと興味を惹かれていたので、買いやすい新書版での新刊ゆえ躊躇なく購入。
 さて、どうも発売から随分経ってしまったようだが漸く購入の2は、個人的にとり・みきの最高傑作と信じている長篇の復刻版。近未来の超巨大書店を舞台に繰り広げられるギャグアクション漫画。読んでない人は買いなさい、もうじき発売予定の続編も込みで。本体1500円はちょっと高めだがそれだけの価値はある。冒頭の事件の舞台が幕張のコミケだという点に時代を感じるけど(オリジナルは9年前に単行本化)。
 3は……まあ、そんなわけで。

 以下はお買い物ではなくいただきもの。
4,『冬は幻の鏡 体験版Ver0.4』(半端マニアソフト/Windows対応同人ゲーム/18禁)
 先日ここに貼り付けたゲーム画面はこの中の一幕です。前にサンシャインクリエイションで頂戴した体験版はその後の多忙故に冒頭あたりで止めたままでしたが、折角「タダであげます&郵送までしますキャンペーン」で頂戴したので、スケジュールにも余裕のある今のうちに遊ばせていただきます――って、感想書くのは条件なので当然なのだが。早速旧体験版を削除してゲームを始めておりますが、……冒頭がちょっと変更になってるかな? 詳しくはもうちょっと遊んでから。
 そして本日もうひとつのいただきもの。
5,鯨 統一郎『ふたりのシンデレラ』(MYSTERY LEAGUE原書房)
 …………本当に毎回ありがとうございます。1人8役、と書いてあっても最近ミステリ方面から離れがちだった深川の脳味噌は普通の役割分担を想像してしまったのは秘密です。なお、今日立ち寄った書店にはまだ並んでおりませんでしたので、新刊速報代わりにこちらを御覧の方焦りませんように。MYSTERY LEAGUEの編集さんが日記で書かれているとおりに、来週あたりから本格的に店頭に並ぶはずです。

 相方を待機しつつ何故か大昔に冒頭だけ眺めてすぐさま放棄したゲームを、攻略サイトを参照しつつ遊んだり、ちまちまと別作業を進めたりしていたら、本のカバーかけが溜まってしまった。故に本日はこれまで。


2002年08月22日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020821~.htm#Day22

『冬は幻の鏡』感想その一、ちょっと厳しめ。
 まず脱字ふたつ。――本当のところ他にも沢山あったと記憶しているのだが全部記録は出来ませんでした。
「徹夜明けの人間でなくては、この面白さを理解することはできないのだう、きっと。」
 ……だう?
「小月は手を離して、とことこと通明の席に向かうと椅子を引いてちょこんと座り、へへへと意味あげに笑う。」
 意味age。
 もうひとつ、これは寧ろ小説の文章を解っているが故の失敗だろうが、「!」の後ろに置いたスペースがちょうど改行のタイミングと一致して行頭に来てしまっている箇所が散見された。こういうところはスペースを取って埋めるべき……なのだが、フォントの変更が出来るこのシステムでは却って混乱を招くだろう。システム的に、「!」や「?」あとのスペースが行頭に来た場合排除することができればいいのだけど……と書いていたら、?のあとのスペースをそもそも忘れている箇所を発見……。あ、そのあとに台詞と台詞の間に改行漏れが……ああ、こっちにもあああああああああああああ
 さて、肝心の内容そのものだが……うーん、小説書きの目からすれば決して悪くない文章(誤字脱字はどうしても出るものだし)なのだが、ビジュアルノベルという形式にはかなり不釣り合いな、或いは思慮の足りない文章というほかない。フォントが変更できるシステムで、一画面に表示できる文字数に変動があるにも関わらず詰め込んで文章が次の画面に流れ込んでしまうとか、一文が長すぎて表示がなかなか終わらず、読むのにも手間取るとか――細かいことではあるが、きつい言い方だとも解っているが、正直素人的な作りだよなあ、と思ってしまう。『かまいたちの夜2』の文章と、あれの脚本を担当する三氏の著作とを読み比べると、意図的に文章の作りを変えているのが解るはずだ。実の処、あのくらい注意をしないと、ゲームには適さないのだ。作り手が気にしている一人称・三人称の問題よりも、限定された画面に、プレイヤーの行動に対する反応として表示される文章として問題が多い。
 あと、あまりに知識に依存しすぎたギャグや無意味に引っ張りすぎたギャグが多すぎ、特に視点切り替えの近辺ではうんざりさせられること――同じギャグなら状況を作って軽く笑わせるか、場面場面で小刻みに挿入してメリハリをつけないと駄目だろう――とか、状況描写がくどいために全体に間延びしている――小説でならそれほど問題のない長さだが、常にクリックを続けねばならないプレイヤー側からすると、なかなか進展のない話は正直苦痛だと思う――とか、どうも技術的な面で色々と注文を付けたくなる出来であることは明言しておきたい。設定にもプロットにも確かなセンスを感じるのだが、要はそれがゲーム向きかと問われると、ちょっと――なわけで。
 例のゲーム画面のこともあったので、まずは通明シナリオに着手したのだが――視点の切り替えポイント前後であれだけ詰まらないギャグを飛ばしていた人間が、教師の笑い話に白けていた、と書かれても――ましてそれが苦痛だと言われても「じゃあお前のは何なんだ」という結論にしかならず――その後通明の言葉によるどーしよーもないいじめが出てくるたびに、進めるのが苦痛になってしまった。こういう行動は作者側が確信的にやらせたことが解らないと辛い。一旦感じてしまった不快はなかなか拭えないのだ。おかげで視点切り替えからあと、こちらの気持ちを切り替えるのにちょっと時間がかかってしまった。気持ちの切り替えが難しい、ということには前述の文章のテンポにネタの配置なども絡んでくるのだが。
 そして先程、通明シナリオひとまず完了。総評は――前述した欠点を除けば、かなりの水準にある。文章の運び方にはやはり色々と異論を唱えたくなる(話の途中でいらない説明を挟むのは、ビジュアルノベルの体裁では避けた方がいい。食べているものが特産かどうかなんて、その場その場の展開に絡まないのなら描写として邪魔なだけだ)が、物語、特に学校侵入以降の緊張感はなかなかのものがあるし(でもやっぱり和歌奈をからかう場面になると、他ならぬ通明の言動が「うざい」ものになるのはどーかなー、と)、先を見たいという気持ちにもさせてくれる。最初はどうかと思っていたグラフィックも、単純でかなり拙いところも感じるのだが、作品の雰囲気はちゃんと押さえている。何より、音楽の質が全体に高いのがいい。引き続き、他のキャラクターのシナリオにも進んでみるとしましょう。てゆか、結局あれは何なのだ。ここで寸止めを食わされるのか冬コミまで。
 もうひとつだけ気になるところを挙げると、冒頭の鈴夫視点からの描写の意味が解らない――というよりも、これほどの多視点で話を作っている意味がまだ解らない。他のキャラクターの視点で遊んだときに別の展望が開けるとか、より謎が深みを帯びるというのであればいいのだが――どちらにしても、この手法で表現するだけの意味を感じさせなければ、おそらくただヴォリュームがあるだけの話になってしまう危険が大きい。今後の展開で、冒頭の鈴夫視点とその後の三視点並立とをどれだけ効果的に見せられるかが勝負ではなかろうか。ただ、どっちにしても今の印象では、三人称で描いている意味はないと思われ。三人称と一人称の混在が問題なのではなく、一人称で充分間に合うところをわざわざ三人称で書いていることがそもそも少し変なのだ。視点切り替えがあるにしても、切り替えの場所は明白なのだから、ああいう書き方をするならはなから一人称に統一すれば済むだけの話であって。
 以上、現時点で思いつくままに感想を並べてみました。自分で言うのも何ですが、見方歪んでます。すれてますから。それに、話が佳境に入るずっと前で終わっているから、提示されている要素からゲーム内容を類推して批評するか、このように技術的なことから注文をつけることしか出来ません。体験版の状態では、とりあえずこーいう見方もありますよ、という程度にご理解いただければ幸い。他のキャラクターのシナリオを遊んだ結果、印象が大幅に変わる可能性もなきにしもあらず、なのですし。

 長くなったのであとは簡単にお買い物報告のみ。
1,田中芳樹『自転地球儀世界I 地球儀の秘密』(デュアル文庫/徳間書店)
2,『月姫 ハートフル4コマ』(アンソロジーGAMEコミックス/Twin Heart Comics/MISSY★COMICS/宙出版)
3,小池田マヤ『いちごオフィス(3)(4)』(Daito Comics/大都社)
4,和田慎二『忍者飛翔 風の章』(MFコミックスフラッパーシリーズ/メディアファクトリー)
5,宮崎莊平『紫式部日記 全訳注(下)』(講談社学術文庫/講談社)
6,『AIR 4コママンガ劇場(2)』(ENIX)

 1はシリーズ初の文庫化、とか言う前に3巻はいつになったら出るんでしょう、と思いつつ緒方剛志氏のイラストに負けて購入。来月の新刊予定に倉阪さんの名前があります。
 4はオリジナル第2巻の復刻。……あれ? 第1巻まだ買ってないぞ、俺。
 5と6はbk1での購入。5は趣味混じりの資料で6は純然たる趣味。

 誰か見ていることを願ってここに書いておこう。
 光文社ノベルス編集部の方あるいは公式サイト担当者、藤崎慎吾『ストーンエイジCOP』の公式サイトにおける表記が大半『ショーンエイジCOP』になってます。やばいんじゃないかと思うくらいにほとんど。御覧になっていたら至急直してくださいー!


2002年08月23日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020821~.htm#Day23

 本当に、出席できるときだけ連絡する、という形にしてもらった方が精神衛生上いいかも知れんなー……

『冬は幻の鏡』感想その二――と言っても現在まだ小太郎シナリオの前半ぐらいなので、感想は昨日に付け加えることはありません。やはり、三人称で描く必要そのものがなかったような。
 ……数十ページにひとつ程度なら「よくあることだ」で済ませます。が、わずか五ページ足らずの間に2つも3つも、イージーミスとしか思えない誤字脱字があると段々気が遠くなります。シナリオをどういった形で流し込んでいるのかは解りませんが、ここまでミスが多発するとなると、ライターの方かプログラム入力担当の方か、いずれかの入力作業がかなり杜撰である、と言わねばなりません。短期間で大量の文章を書き上げねばならない悪条件を背負っているにしても、もう少し第一段階で繊細になっていただきたい。たとえ体験版であっても、世に出る以上はれっきとした作品なのですから。
 と、きついことはこの辺までにして、以下見つけたはしからメモ。
「使命料金」
 使命を帯びて尚かつ料金を支払わねばならないとは過酷な世界だ。
「ます、シャワー浴びますから服を脱いでこの籠に入れてください」
 その後鱒はどうなったのだろうか。
「南陽高校の生徒である俺の存在が、ナミさんの哀愁みたいな部分を刺激したのだけにすぎない」
 後半も微妙におかしいような気がしますが問題は「哀愁」。脈絡からして「郷愁」ぐらいが適当だと思うのだが。
「裸しか見たことがなかったので、私服姿を見る逆にドキッとする。」
 アナタガイジンデスカ。てか、その前のイベントで間違いなく問題の人物の着衣姿を目にしています。
 といったところで、ちょっと疲れてきたので一旦置かせていただきます。初日しか遊べないため、物語じたいはあまり批評するべきではないと思いつつ、フォローの意味も含めてストーリーの講評をば。
 着眼はいいのです。冒頭以外は平均的高校生の世界観と生活像をうまく捉えて、きちんと描こうという姿勢はいい――こと、商業ではここまできっちりと「学生」を打ち出せなくなっているので、同人という場所でやる意味も価値もあるテーマと言えるでしょう。その日常生活部分の匙加減については全体を通して論じないといけないが、体験版で提示されている範囲内でも佳境に至る瞬間の緊張と緩和のバランスが良く、恐らく一旦ツボに入ったらかなり楽しめるものに仕上がるはず。体験版の段階では辛い評価を下さねばならない現状は否めないだろうが、この先のストーリーには大いに期待しております――願わくば、その期待を削がない程度にはもうちょっと、基礎の部分に気を遣ってください、と。
 ここでは殆ど言及しておりませんでしたが、システムはこれまでの意見を反映してか既にかなりの完成度に達しています。別のところで指摘されていた、「回想モードのページ移動やゲーム本編に戻る操作が把握しづらい」という欠点はまだ残っていますが。
 ――といったところで、続きは日曜日か月曜日に。土曜日は駄目なんですあの日だから。

 最近やたらに眠い。Hullが近いのだろうかと思うくらいに眠い。……Hullって何だ。お陰で懸案の書き直しも遅々として進まず。今日あたりは本業も忙しくないので、こういう時に一気呵成に書き上げられればいちばんなのだが。

 本日のお買い物
1,嬉野秋彦『チキチキのわ〜る烈風伝!!(2) ビーストハウリング』(ファミ通文庫/enterbrain)
2,植芝理一『夢使い(3)』(アフタヌーンKC/講談社)
3,柊あおい『この街で君に』(マーガレットコミックス/集英社)

 1は新シリーズ第2巻。はいいのだが……ラジオドラマ化・CD化という一過性の出来事を粗筋に書くってどういう姿勢なんだろう。あとがきは作者の記録という側面があるからいいとしても。……ちなみに結論解って書いてますのでこの愚痴にツッコミを入れないでください。
 2は最近植芝理一流「戦隊もの」ではないかと思い始めたシリーズ第3巻、第1エピソード完結編。しかしえっちい話じゃのう、色んな意味で。
 3は『猫の恩返し』原作者の最新作。最初は男性の側から、ついで女性の側から描いたラブストーリー。

 昨日の『ストーンエイジCOP』、さきほど恐る恐る確認に向かったら、ちゃんと直ってました。ありがとうございます、胸の支えがおりました。

 風呂に入っているうちに温存していたテーマがえらいことになってしまった。忘れないうちに書き留めたいので今日はこれまでっ。うわー、気を緩めるとわけのわからんことにっ!


2002年08月24日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020821~.htm#Day24

 当日は慌ただしさのあまりに、夕刻家を出る直前に暫定版と称した簡略な記述のみアップしておりました。以下はその暫定版の形跡も残しつつ、より詳細に書き直したものとなります。

 まさにネタのために奔走する1日。
 午前9時15分ごろにバイクで家を出て、例の如く銀座方面へ。本日最初の映画鑑賞は、楽しみにしていながら色々あって今日まで持ち越していた一本、ハル・ベリーが黒人女性として初のアカデミー主演女優賞を獲得したことで話題となったビターな恋愛物チョコレート』(GAGA・配給)感想はこちらから。予告編で観た痛ーい描写故に心臓バクバクさせながらの鑑賞だったが、そんなにきつくはなかった。寧ろ、程良い匙加減に大満足する。
 帰途、昨晩作っておいたメモを許に秋葉原を徘徊してのお買い物。まず書泉ブックタワーで『忍者飛翔』復刻版第1巻を探すが、2巻3巻は平積みにされているのに1巻だけ完全に売り切れている。どうも刷り部数が致命的に少なかったのかも知れない。落胆しつつ、目の当たりにするまで発売することさえ知らなかった倉阪さんの新刊を買って店を出る。その後二軒ほど徘徊し、最終的に買い込んだものは以下の如し。
1,倉阪鬼一郎『夢見の家』(集英社)
2,『アナトミー』(Sony Pictures Entertainment/DVD Video)
3,BUMP OF CHICKEN『ダイヤモンド』(toy's factory/Maxi CD)
4,さだまさし『大きな森の小さな伝説』(テイチクエンタテインメント/Maxi CD)
5,『玖堂沙恵 -マツリノヨル-』(Funny Pink live voice series volume.3ivory/CD-ROM)

 さてどこまでがネタでしょう。買ったことに嘘はありませんが。
 1は小説すばるに掲載されていた連作の単行本化。御自身でも仰言っているが倉阪さんはこういうスタイルがいちばん映える。期待。
 2は『SHOCKING MOVIE PROJECT』なる企画の一環として期間限定で公開された、ドイツ発の解剖室ホラー<どういうジャンルだ。劇場での手応えも良く、最近発売されたDVDのなかでは手頃な価格帯だったこともあって、他のものを一旦脇に置いての購入。
 3は、2000年に発売されたマキシシングル。なぜ今頃、アルバムではなくマキシなのかは、……まあ適当に想像してください。思い入れの問題を抜きにしても2曲目『ラフ・メイカー』のほうが秀逸だが、それ以上にボーナストラックのインパクトが強すぎる。いったい何を考えて録音したんだこんなもん。
 4は、先頃亡くなった山本直純氏とのコラボレーションのみで纏められた企画盤。記録されること自体が初めてである表題作以外は過去に発表されたのと同じものだが、哀悼の意も込めて購入した次第。
 本日のお買い物でいちばんの核弾頭である5は、都築真紀の企画・脚本で製作されている音声ドラマ(――と言っていいのか?)シリーズ第三弾。某氏のトチ狂いぶりに興味を惹かれて購入したのだが世間的にはこーいうのを魔が差したと言うのではなかろーか。まだ怖くて中身を聴いていないのだが、この内容で18禁マークもついていないのが可笑しいような恐ろしいような。ちなみに問題の某氏が指摘する同シリーズの別作品の購入も当初は検討していたのだが――……
 買い物の後、遠回りして行き付けの蕎麦屋で昼食を摂る。帰宅後は夜に備えて昼寝。

 やや起きるのが遅くなってしまった。慌ただしく用意を整え、あとのことも考えて軽くシャワーを浴びてから家を出る。
 午後6時半ちょっと過ぎに新宿到着。小走りに駅から程近い新宿武蔵野館を訪れて鑑賞したのは――『ぼのぼの クモモの木のこと』(Amuse Pictures・配給)。詳しい感想は後日に持ち越させていただくが、これも名作。売店でぬいぐるみを買って帰るか本気で悩むくらいに名作。
 午後7時35分頃に劇場を出ると、整理券確保のためにLoft/Plus Oneへ。到着した時点で随分並んでいて、貰った整理券は既に100番台。愕然としながら道を戻り、今度は新宿ピカデリーへ。集合時刻までの時間潰しに鑑賞した本日三本目の作品は、バイオハザード』(Amuse Pictures・配給)――配給会社が『ぼのぼの』と同じだったのは単なる偶然である。来週の公開に先駆けたオールナイト上映で、うまい具合に空き時間と重なっていたのでこれに決めた次第。感想は――本格的な公開となる来週まで伏せておくとします。とりあえず、原作のファンとアクション要素を含んだホラーが好きな向きはかなり満足できる仕上がりです、とだけ書いておく。
 劇場を出ようとしたところでがくしさんから電話があり、Loft/Plus One近くのファーストフード店で合流する。軽い食事を摂ったり本を読んだりしながらGAKUさんを待っていたら、現地で合流するはずだったひろさんとにやさんが姿を現して驚く。要は、この時間帯に軽く腹ごしらえするつもりになったとき、立ち寄る店はそう多くないということなのだが。
 時間になったところで集合場所に移り、しばらくして漸くGAKUさんが到着した。12時ちょっと前、例によって手際の悪い店員に導かれて入店。意外にも奥のボックス席が空いていたのでとっとと確保して、出演者の登場を待つ。

 ――以下、『新耳袋トークライブ25』の詳細は明日の日記にて。と言ってもだいたいいずれ本に収録される話だと思われるので、そんなに詳しく触れるつもりはないんだけど。一部新規リンクの回収も明日以降。


2002年08月25日(日)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020821~.htm#Day25

『新耳袋トークライブ25 山の牧場ふたたび』レポート
 毎度の如く開場から約30分ほど経ってからようやく演者の登場。通常はプロデューサーである木原浩勝氏がまず演台にあがり、宣伝ついでの前説明を行うのだが、今回は珍しく『新耳袋』もうひとりの書き手である中山市朗氏が先んじて登場した。木原氏が仕事の都合で遅れるためにこの役を仰せ付かったそうで、実際は既に木原氏も到着していたようなのだが、折角の機会なのでそのまま約束を実行したらしい。
 ひととおり説明と宣伝が終わったところで木原氏も壇上に登り、早速本番へ――と思いきやローソクがなかなか点かず、木原氏が「お前(中山氏)のローソクはほんまにあかんなあ」という黒いギャグを飛ばしたりして、実にいい具合で波乱含みのスタートとなる。
 以下、「真夜中の襖と磨りガラス」、「二年越しの友達」、「電話の向こうの会話」、「呪いの話の呪い」、「浮くラグビーボール」、「扶桑社版新耳袋」、「時間の怪」、「小人の噂」、「先生の水槽」といった話をしたところで2時を過ぎ、一旦休憩。
 休憩があけると、先程の「小人の噂」に触発された中山氏による「鬼の予言」から第2部が始まる。それから更に「河原の豚まん」というエピソードを挟んで、本日ひとつめの目玉である「中山版生き人形」に突入。このエピソードは稲川淳二氏の体験した有名な心霊事件だが、稲川氏の語りにない調査報告も加えた別ヴァージョンである。元々比類のない怪談なのだが、こうして形を変えて聴くと改めて恐ろしい。
 続いて、枕代わりのMIBもの2話を挟んで、本日最大の目玉「山の牧場ふたたび」へ。ご存じない方のために説明すると、「山の牧場」は中山氏が学生時代に体験した事実で、いわゆる怪奇現象はなにひとつ起こらない、ただごく当たり前の現実感覚とMIBという伝説に関する知識を持ち合わせている(だから今回も枕としてわざわざ未収録のエピソードを置いたわけである。周到だ)とこの上なく恐ろしい体験に変貌するエピソードなのである。大筋は『新耳袋第四夜』に収録されているので、興味がおありの方はそちらを参照していただきたい。
 この夜語られた「山の牧場」では、中山氏とともに現地を訪れた当事者の方が木原氏とともに証言を補った。そのために発表済のヴァージョンよりも細部が明確になり、発見当時の恐怖が生々しく伝わってくる。しかも途中、スピーカーが一列分正体不明のトラブルを起こし、まるで正常に音が出なくなってしまった――後日録音したMDを聴き直すと、確かに途中から音声のバランスが狂っていた。修理のために急遽休憩を挟むのだが、障害のレベルが尋常でなかったようで、現状のまま再開した。発表済の文章でも触れられているとおり、現実に行方不明者を出しているエピソードだけにいよいよ怖い。
 再開後は、下山してからのエピソードを中心に語られた。そののち、12年前のとあるテレビ番組で放映された現地取材の一幕を流すとなり、コアなファン中心の会場からは万雷の拍手が鳴り響いた――のだが、レポーターたちが把握していた情報があまりにいい加減だったために、撮影されている場所の殆どが中山氏らの目撃した建物ではなく、後日増築・改築された建物で見ていても殆ど怖くないという散々な状態であった。映像の提供を受けた木原氏も、怖かったため事前に取材場面を確認していなかったそうで、頻りに後悔されていた。しかし、建物の背後にある赤土の崖など、中山氏らの体験談のディテールがここで再確認され(本日の語りで初めて触れられた水道管もきちんとカメラに収められていた)、その意味ではそれなりに価値のある映像ではあったのだけど。
 ラストは恒例の質問コーナーと新耳袋トークライブ独自の厄落としがあって、無事に――かどうかは兎も角、午前6時ごろに閉幕。私は先日貰い損なった中山氏のサインを頂戴して、ふらふらと家路に就いた――なんでふらふらだったかというと、土曜日午後から頭痛の気配を抱えていたうえに、腹痛のため1・2時間おきにトイレに駆け込むというのを繰り返していたからだ。ちなみにこれを書いている27日午前0時現在もまだ腹具合は良くない。

 帰宅後、メールチェックに簡単な入浴などを済ませ、それから午前中いっぱい爆睡。1時頃に近所のラーメン屋で昼食(もはやブランチなどという表現も相応しくない)を採ると、また夕方まで眠りこけるのだった。

 起床後は、母に頼まれたCDを焼きつつ昨日購入した『アナトミー』を、普段観ているテレビが全て潰れていたこともあって繰り返し鑑賞する。何度観ても、冒頭の解剖シーンが凄すぎる。こういうのを「大好き」とあっさり言ってしまう自分もどうかと思うが。でも好き。


2002年08月26日(月)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020821~.htm#Day26

 午前中、仕事らしい仕事もないので、先日鑑賞した映画の感想を書いたり日曜分の日記を書いたりお買い物などの所用を片づけつつ過ごす。

 本日のお買い物
1,江戸川乱歩『人間豹』(乱歩傑作選19/創元推理文庫/東京創元社)
2,和田慎二『忍者飛翔 桜の章』(MFコミックスフラッパーシリーズ/メディアファクトリー)
3,『ゲームコミック 痕』(ラポートコミックス/ラポート)
4,いがらしみきお『ぼのぼの(1)』(竹書房文庫/竹書房)

 1は久し振りの乱歩傑作選最新刊。帯の「文代さん危うし!」という文句に思わず吹き出した。
 2はよーやく発見しました飛翔第1巻復刻版。やはり刷り部数が少なすぎたのか、帰宅後奥付を見たら二刷りとなっていた。最初のエピソードは実に22年前、同じ巻に収録された別のエピソードと比較してさえ絵柄が違うのが笑える。
 3は、私の記憶が確かなら『痕』初のアンソロジー。一部、オリジナルの設定から一歩踏み込んだエピソードは面白いが、あとは他のアンソロジーとどっこいどっこい、つまり石が大半で玉はちらほら。
 そしてすいません出来心で買ってしまいました、の4はオリジナル単行本2巻分を収録した文庫版。既に5巻まで発売済だが一度に買ってしまうと楽しみがなくなるので一冊だけ。何しろ第1巻に収録されているのは16年も前の話だから現在の、まして映画版のテイストとはかなり隔たりがあるのだが、それでも地続きの安心感がある不思議さ。何回も読んでいるはずなのに似たようなところで笑ってるし。

 映画感想に手間取ったため、ひとまず完成したぼのぼの クモモの木のこと』(Amuse Pictures・配給)感想だけアップしてから更に日記の続きを書く。ひいこらひいこら。
 明日ちょっと動かなければならないので早寝しようと思っていたのに、結局26日分まで全て書き上がったのは午前0時30分過ぎ。まだ新規リンクの回収が済んでいないが、落ち着く明後日以降にさせてください。

『新耳袋25』のレポートを書いていたら、蒸し暑いはずなのに背筋だけ寒くなってます。どうしたもんか。腹痛もまだ残ってるし。


2002年08月27日(火)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020821~.htm#Day27

 仕事がだいたい片付いたのを確認すると、2時前に職場を出る。一路飯田橋まで――は簡単に辿り着いたのだがそこからがいけない。目的地の正確な場所を忘れてしまい、入りたい道に入れず別の路地からの移動を試みたらあさっての方に行ってしまい、先方に連絡して道を伺いどうにか辿り着いたのは約束から1時間近く過ぎた午後4時……そら反対の区画を探していたのだから見つかる道理もない。
 ともあれ仕事のお話である。当初の話は実現が難しいということになってしまったが、別の方面からあれこれ。色々と有益な話をさせていただいたのち、5時半過ぎに現地をあとにした。
 本当はその近辺にいる某氏を襲撃して、時間があったら一緒に食事でもなどと思っていたのだが、約2時間の徘徊ですっかり疲れ果ててしまったので大人しく帰宅する。寄り道するつもりだった秋葉原もまんま素通り。訪問時のテンションがひと段落した夜8時過ぎには頭痛までしてきたので、今日は昨日よりも早く休みます。
 体力ないなぁ……というより恢復も待たずにあれだこれだと動き回っている自分がいかんのか。

 本日のお買い物
1,北野勇作『イカ星人』(デュアル文庫/徳間書店)
2,臣士れい『プチプチ(1)』(GANGAN WING COMICS/ENIX)

 1は『かめくん』で日本SF大賞を獲得したコンビによる最新中篇。サブタイトルはイカ料理づくし。
 2は臣士れい氏のENIX初登場作、しかしこれまでのどの単行本よりもレジに持っていくのが躊躇われる(躊躇わなかったけど)裏表紙である。思わずイカで隠しちまったい。

 ……しかし、我ながら見境ないよなあ、と思う1日。当人は心底(体力的なことは別にして)楽しんでいるのでいいんだけど。
 ともあれ、『バイオハザード』の感想はおろか、リンクの回収さえ出来ないくらいに気力のストックが尽きてます。ほのぼのと『明智小五郎対怪人二十面相』を眺めたら潔く沈没するとします。


2002年08月28日(水)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020821~.htm#Day28

 昨日お受けしたお仕事について、頭の中で軽く転がしていたら予想以上に易々と転がりはじめて却って驚く。こちらは障害が多いので、果たして想定したままにちゃんと動くかも謎なのだけど――しかし、案の定楽しいではないか。

『新耳袋25』レポートで書き忘れたこと。「二年越しの友達」と勝手に題したあのエピソード、前半部分は映画『ビューティフル・マインド』によく似ていた。そうなら別解釈もあるのだが、後半部分で奇妙な事実が発覚しているため、それはたぶんあり得まい――って、先日の『新耳袋25』を訪れて更に『ビューティフル・マインド』を観た人でないと解らない説明だ。

 27日の深夜、『さまぁ〜ずと優香の怪しい廃校貸しちゃうのかよ!!(仮)』という番組を見る。最初は怪しいホールだったのが近頃は海岸だったりプールだったり、気づけば昨夜は廃校で心霊相談室なんかやらせていたので思わずチャンネルを合わせる――早寝するつもりだったんだが。
 霊能力者の説明とか相談者の体験とかの矛盾はどーでもいいのだが、普通謂われのない糾弾を受けて怒るのは感情として間違いじゃないだろう。それを「逆ギレ」と表現する娘はどーなのか。本人は糾弾した相手に問題があると思い込んでいるから「逆ギレ」と言ったわけだが、本当に無実だったら怒るだろう普通。
 それ以前に、今回の内容、わざわざ廃校借り切らなきゃ出来ないか本当に。本編でひとっつも笑いが取れないのを見越してか、小技を使っていたのが悲しくも可笑しかった。

 日中はこともなし。帰り道ぐるっと遠回りして三省堂書店に立ち寄り、ある本を予約してきたことぐらいである。しかし今週中に本当に発売するんだろうか。

 本日のお買い物
1,梅原 猛『京都発見(四) 丹後の鬼・カモの神』
2,マックス・A・コリンズ『ロード・トゥ・パーディション』(新潮文庫/以上2冊、新潮社)
3,常光 徹『伝説と俗信の世界 口承文芸の研究II』(角川ソフィア文庫/角川書店)
4,とり・みき/田北鑑生『THE LAST BOOK MAN』(早川書房)

 1は梅原猛氏による京都文化論シリーズ1年ちょっとぶりの第四巻。発売そのものは一週間以上前だったらしいのだが、気づくのに時間がかかってしまった。
 2は監督第一作『アメリカン・ビューティー』でいきなりアカデミー賞に輝いたサム・メンデス監督の最新作のノベライゼーション、だが実はこの映画自体グラフィック・ノベル(漫画の形態で書かれた小説、と説明されているが、コマを文章が埋めているようなものか?)を原作としており、そちらの文章を担当したのがこのマックス・A・コリンズだったらしい。本書は映画のために書かれた脚本を、再度原作者がノベライズするというかなり変な手続を経た一冊なのだった。著者は他にも『プライベート・ライアン』『ウインドトーカーズ』のノベライズを手掛けたほか、『リンドバーグ・デッドライン』といったオリジナル小説でも定評を得ており、これならそれなりに読み応えのあるものになっているのでは、と期待して購入。ちなみに題名は「破滅への道」という意味。
 3は先月の『学校の怪談』に続く、口承文芸研究の第二作。ちゃんと続けて出るとは思わなんだ。表紙が江戸時代の瓦版に使用された「くだん」の絵とあってはまた色々と期待してしまうではないかおい。
 そして4は待望の一冊。あの『DAI-HONYA』に登場した紙魚図青春の冒険譚第二弾である。前作がダイ・ハードだから二作目はラスト・ボーイスカウトという趣向ですな。前作よりも本を巡る環境が劣悪化した世界で、情報独占を目論む組織から小さな本屋を護る、といういかにもな物語である。明らかに作画処理がコンピューターで行われているあたりに時の流れを感じるが、基本的なノリは全く変わってないのが嬉しい。

 ああ……簡単に話が繋がっていく……これはこれでどうかしてると思わなくもない……飢えてたのか? 俺。


2002年08月29日(木)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020821~.htm#Day29

 今やっているWOWOWのCMが大好きだ。だから頼むからクレームつけないでくれ。それだけが心配だどーなのよ。
 ついでにいまお気に入りのCMを挙げると、このほかにアイフルのお父さん運命の出逢いと、渋い声で「君を食べてしまいたい」とぬかすガキの出てくる化粧品(商品名失念)のそれ。いずれも最初の音が聴こえてきたら、すわ、とばかりに画面に目を向けてしまう。いずれも宣伝されている商品そのものには興味がないことも共通しているのがミソ。

 本日のお買い物
1,柴田よしき・北川歩実・黒武 洋・森 青花・牧野 修・小川勝己・五十嵐貴久・倉阪鬼一郎・菊地秀行『赤と蒼の恐怖』(NON NOVEL/祥伝社)
2,森 薫『エマ(1)』(BEAM COMIX/enterbrain)
3,石田敦子『純粋!デート倶楽部(2)』
4,伊藤明弘『ジオブリーダーズ(8)』(以上2冊、YOUNG KING COMICS/少年画報社)

 やけに沢山名前の並んだ1は、それぞれがスプラッターとサイコいずれかのテーマで書きおろしたアンソロジー。
 2は今月待望の一冊、茗荷丸さんより購入が遅れてしまったことすら悔しくてなりません。19世紀末ロンドンを舞台に、へなちょこ青年貴族と聡明なメイドの恋愛を描く――何か間違ってますか? それはともかく、近日中にもう一冊買ってきます<なんで
 3は『アワーズライト』休刊に加えて移行予定だった雑誌も休刊が決まり『結びの杜』同様いやーなところで中絶しそうな危険を孕んだ第2巻。そうでなくてもこの方の作品は中盤が憂鬱なんだからここで切るのだけは勘弁してー!
 4は……特に言うことはない。相変わらず裏の動向は一切無視したおちゃらかぶりが素敵です。14ページ3コマ目はジョン・ウー監督だ(?)。
 本格ミステリマスターズと北森鴻氏の新刊は配本がないため迷うことすら出来ません。ちくしょおおお。

 未だにメガネっ娘の本質を理解できない某氏には、来週までに西川魯介『屈折リーベ』(JETS COMICS/白泉社)だけでも読んでおくことを強くお薦めいたします。それ以前に、外形だけで語っているうちは永遠に本質には至りません。
 ちなみにこの場合、最も核心に近いスタイルは『To Heart』の保科智子と上記『屈折リーベ』の大滝篠奈、それに一時期局地的に異常な盛り上がりを見せた『ガウガウわー太』尾田島淳子でしょうか。あと、『おまけの小林クン』の小林吹雪も非常にいい線です。ただし女性漫画家の手になる彼女はメガネが見事にファッションアイテム化していて、あってもなくても構わないレベルに達しているため厳密に「メガネっ娘」というキャラクター像に収まらない。その代わり、ここまで骨の髄から「委員長」なキャラは珍しいでしょう。事実作中でもそれ自体でネタになっているほどに。
「メガネっ娘」か「委員長」、一方だけであれば話はまだ分かり易いのですが、両者が絡むと途端にハードルは高くなるのです。とりあえず、真のメガネっ娘とは眼鏡を外していてさえその存在を確乎と主張するものであることは明言しておきましょう。
 ………………………………何を語っているんだ私は。


2002年08月30日(金)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020821~.htm#Day30

 来年はよりメイドさん漬けらしいです。どー言われようと否定でけんなこれは。

 一本でいいはずなのだが、ふと思いついてしまったので二本目のプロットも書いてみる。趣旨からするとこっちの方が条件を満たすのだが……どうだろう。両方取ってもらうのは無理だろうなーぶつぶつ。
 そちらを書きながら、移動中などは別のプロット、というかネタを練っている日々。……うーん、なんか方向がずれているような気がする。

 本日のお買い物
1,佐々木倫子『Heaven?(4)』(BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
2,岡崎二郎『アフター0 著者再編集版(3)(4)』(ビッグコミックス オーサーズ・セレクション/以上、小学館)
3,島田荘司『魔神の遊戯』
4,山田正紀『僧正の積木歌』(3と4、本格ミステリ・マスターズ/文藝春秋)
5,綾辻行人『最後の記憶』
6,有栖川有栖『迷宮逍遙』(5と6、角川書店)
7,『エネミー・ライン 特別編』(20世紀フォックスホームエンタテイメント/DVD Video)

 1は発売のたびに見落としている気がする、佐々木倫子最新作最新巻。一年も経つのに依然一流からはほど遠いレストランである。
 2は著者再編集版の第2回配本。今回は、アフター0のシリーズ内シリーズ『大いなる眠り子』とその周縁に当たるエピソードばかりを集めている。本筋よりも「長命人」や「閻魔法廷」のほーがある意味興味深いようにも思えたり。
 さて、よーやく入荷してくれました本格ミステリ・マスターズより、購入したのは3と4の2冊……3は元々母がファンだった関係で初めから決めていたのだが、迷ったのは4。福井健太さんの日記なんかを見ると、柄刀一氏の作品の方が面白そうでもあり、しかし『僧正殺人事件』+金田一耕助という着想に惹かれるものもあり、考えた挙句自分の最初の直感を取った次第。厚みはあるが持ちやすい装幀は好みです。ええもう。
 今月何よりも待望だったのは5。実に『鳴風荘事件』以来となる綾辻氏最新長篇。再来週某所でサイン会があるが、その前に読んでおくのです。くすくす。ええ他の本をすっ飛ばしてでも。6は有栖川氏が手掛けた解説と評論を集めたもの。どーも、殆どオリジナルで(デビュー以前の『鍵孔のない扉』ですらも)持っているようなのだが、まあそこはそれ。
 7は今年春に公開された、戦場を舞台にしたアクション映画のソフト化。当時の感想にも書いているが、アクション場面の演出が出色な一本であり、BGVには最適と思われたので購入。パッケージに『ウインドトーカーズ』特別ご優待券封入、と書いてあってラッキー、と思ったらたった200円の割引で全く意味がありませんでした。200円なら手持ちのカードでも割り引いてくれるもんなあ。

 そろそろ各地でも放送済みになったと思うので触れておこう。
『タモリ倶楽部』で二回連続怪談特集を組んでいた。東京では今日2回目の放映があるのだが、前回の放映でどーにも気になることがひとつあった。
 若手のお笑いタレントが数人登場し、それぞれに怪談を披露していたのだが、そのうちのひとりが語った内容は、どう聞いても有名な都市伝説の亜流だったのだ。
 念のためにその都市伝説をざっと綴っておこう。Aは友人B宅で遊んで、夜も更けてから家路に就いた。が、その途中忘れ物に気づいてB宅に戻る。Bは出かけているのか寝てしまったのか、既に灯りは消えていたが、Aは鍵がかかっていなかったので中に入り、灯りを点けぬまま手探りで忘れ物を拾い家に帰った。翌朝、AはBが自宅で殺害されたと知って駆け付けると、家のある場所に「灯りを点けなくて良かったな」という趣旨の文字が書かれていた――という内容。語り手や状況によって細部には変化が生じる。
 あくまでテーマは「怖い話」だから、別に都市伝説を題材にしようと構わないのだけど、気になるのは問題のタレントがそれを自分の体験として語っていたこと。
 百歩譲って、このタレントが都市伝説の端緒となった経験をした当人だと判断したとしても、この話のあとに「おれ結構霊感あるんですよ」と言うのはいったいどういう神経だろうかと思う。両者に因果関係はないから、この体験をした当人に霊感があるとしても別に悪いことはないのだが、内容に関連性はないんだから別に言及する必要はないだろう。某氏も言っていたように、怖い話の語り手という芸風を得たいが為の努力とも思われるが――単なる背伸びは首を絞めるだけだろうに。
 さて、彼は今夜いったい何を語り、ほかの人の話にどんな反応を示すのだろう? 違った意味で楽しみである。


2002年08月31日(土)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~tuckf/Diary/20020821~.htm#Day31

 まずは、正式な公開日を迎えたので『バイオハザード』の感想を開陳。……って、書き上がったの今日の夜だったんですけどね、本当は。お仕事なんかがあったので怠けてました。

 昨日の日記、ラストで触れた彼は、昨晩も既存のネタを自分の体験にして語っていました。涙ぐましいと言えば涙ぐましい、が、その先に出口はありません。同じ作りネタでも、効果を計算しつつ第三者の話にするつみま枝豆の巧妙さを見習いましょう。

 本日の映画鑑賞も、気づけば逃げ道が全部塞がれていた。開始から二ヶ月近く保っているからもう少し、もう少しと訪問を引き延ばしていたのだけど、流石に来週で終わると知って慌てて恵比寿まで向かう――何が厭って、遠いのである。
 昨日購入した『最後の記憶』を読んで車中の暇をやり過ごし、駅を出るとガーデンプレイス方面へ。恵比寿で常時映画がかかる劇場は2箇所しかない。東京写真美術館と、恵比寿ガーデンシネマ。いずれもミニシアターに属するため、ときどき観たい作品がかかって悩むのだが大抵悩んでいる間に終わるので今日まで縁遠かったのだった。
 本日意を決して鑑賞しに訪れたのは、主演作『I am Sam』が好評のショーン・ペン第三回監督作品プレッジ』(GAGA・配給)感想はこちらから。実の処、脇役で登場したベニチオ・デル・トロ目当てだったのだが、噂に違わぬ名作でした。本国アメリカでは興行的に失敗したが、批評筋では絶賛されていたらしいのである。
 さて、劇場そのものは――雰囲気は悪くないのに、居心地が悪い。開演15分前に劇場前のロビーに集合するとか、入場後の出入りにはトイレに行くだけでも半券の所持が必要だとか、飲物さえ持ち込み禁止だとか余所と較べて過剰に指示が多く、ふたつある扉の前に常時係員が立っているため妙な威圧感がある。職員の態度は悪くないし、やや狭いながらもロビーの雰囲気もいいのに、余所と較べて独自に過ぎる制約が、あちこち渡り歩いている私のような映画ファンには却って受け入れがたかったようだ。
 とは言え、いい映画ばかりを厳選してかけているのは事実で、予告編でも「観たい」と思わせる作品が目白押し。観たいもの全て拾おうとすると、あと3回は遠征する羽目になるらしい。ひとまず、どー考えても鑑賞券を貰えるあてのない『ゴスフォード・パーク』の前売り券だけ購入し、またしても自ら退路を塞いでみる。

 他に見るものがないので『鳥人間コンテスト』をつける。あのチームはどう考えても設計が脆弱だったうえに補助が尾翼壊してただろう、とか、あのチームは素直に去年迷走した彼を使っておくべきじゃなかったか、とか細かい文句はさておき、あるチームのパイロットのTシャツに「国府田マリ子」と書いてあるのはどーなんだ、と激しくツッコミたい。何の関係があるんじゃ。
 ……と思ったら優勝してしまいました。ぎゃふん。

 本当に今月中にリニューアルするのか?! と訝っていましたが今朝無事に新しいアドレス、新しいデザインに移行したようですケロQさん。が、旧アドレスのトップも素敵すぎるのでしばらくリンクに残しておこうっと。本当に一瞬何が起きたのかと思った。


「diary」への感想はこちらからお寄せ下さい。深川が空を飛びます(飛ばねえって)
誰か活力をください。

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2002年08月中旬
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