CD気まま聴き・・・



その1

その2
その3
その4
その5

その6
その7
その8
 
TOUCHDOWN / MICHAEL HEISE
2曲目にISRAELなど持ってきてるなど心憎いが、ISRAELというのは元来骨太さが底流に流れ、ヘイズの明晰で確固としたタッチに合致している。事ほど左様に他全曲ヘイズのオリジナルだが、旨く仕組まれた構成力を持っていて、どちらかと言えばモーダルな仕立て方が多いが、力業とでも言うべきかここでグラネデイーに遭遇するとは思ってもみなかったが、彼の躍動し弾けるベース音、フレシキブルなジャクソンのドラミングが組み合って、インパクトのある音像を作り上げている。
 しかしモーダルやアグレッシブ一辺倒にもならずフリー・インプロバイズに持っていこうとしてるかのような予感から、一転してリリカルな漂うムードを醸しだすように全体として飽きさせない構成となっているところもさすがである。
MICHAEL HEISE-p LARRY GRENADIER-b AL MUHAMMED JACKSON-ds
Feb 12 1996
STRYVILLE
1.TOUCHDOWN 2.ISRAEL 3.CHEEKY 4.ROSEBUD 5.FIVE FOR JAN JOHANSSON 6.TIME FOR THE MOHICANS 7.ROUND TRIP 8.BLUE HAZE 9.CRANCE DANCE
WALTZ FOR TALIA/ JON RANEY
 ギタリスト、ジミー・レイニーの息子ジョンが自費制作したもので、某所より入手した。エヴァンス系のピアニズムを随所で聴かせ、リリカルな静寂感を本領とするピアニストに思える。父ジミーに捧げたと思われる7曲目などは、エヴァンス張りの美麗メロディを聴かせている。所々バップ調のものもやって「おっ」と思う部分もあり、ベイシストがここに限らず躍動感のある重低音を聴かせている。が、通して思うに個人的には退屈。エヴァンス・ファン向け・・・・というところか。
JON RANEY-p ED FUQUA-b ERIC HAVORSON-ds
2006
JON RANEY(自費制作)
1.WALTZ FOR TALIA 2.MOOD ELATION 3.BLOOSELY 4.BEFORE I CLOSE MY EYES 5.ESPOSA MIA 6.DEDICATED TO BILL 7.ELEGY FOR DAD 8.THE RAMPROLER
BLUE TRAIN / CARSTEN DAHL
 雑駁さが好印象。好きだな、こういうの。ノリがついつい声になって出ている。簡明だからこそ聴き手の気持ちをガバッと捕まえて離させない何かを感じる。そうきたかとしてやられた快感がある。飾りのない丸裸な表現がすくっと立って臆することなく真っ直ぐこっちに向かって来る。
CARSTEN DAHL-p LENNART GINMAN-b FRADS RIFBJERG-ds
Aug 1 2004
MARSHMALOW
1.I'L CLOSE MY EYES 2.ALL THE THINGS YOU ARE 3.NIGHT AND DAY 4.IN A SETIMENTA MOOD 5.MINORITY 6.MELLOW MOODS 7. AUTUMN LEAVES 8.WHAT'S NEW 9.WARMING UP FOR MR.JOHFU 10.BLUE TRAIN 11.DEAR OLD STOCKHOLM 12.IT COULD HAPPE TO YOU
TRINACRIA / ANDREA BENEVENTANO
 オーソドックスに構えるかと思えば、ラーシュ・ヤンソンぽい美麗メロディでしっとり来る。その程度でおさまる部類かと聞き流していると突如爆裂。色々出来ますというタイプならどこにでもいるが、この人には「機知」を感じる。僕はジャッキー・バイヤードやヤンシー・キョロシー、あるいはウォルフガング・ダウナーあたりの機知外(キチガイ)が好きだが、まあ、そこまでいってないものの今後その辺りに飛躍できそうな予感を感じる人だ。何でも出来る派に納まらず、一本筋を通してそこに「機知」を感じさせるピアニストに成長して欲しい。
ANDREA BENEVENTANO-p PIETRO CINCAGLINI-b PIETRO IODICE-ds
2003
ALFA MUSIC
1.I REMEMBER YOU 2.LUA BRANCA 3.HE WAS GREAT 4.TRINACRIA 5.LINES FOR RG 6.SOUL EYES 7.TRAVERASI'S BLUES 8.ANIRAM 9. MOY ONE AND ONLY LOVE 10.GIPPO'S GROOVE
DESTRY RIDES AGAIN / ROLAND HANNA
EASY TO LOVE とともに初期のハナを飾る名盤。こういうのを聴くととても現代ピアニストはかなわないという気がする。シンプルなタッチしかしバップ好きの魂をくすぐる覇気、歌わせ方。ケニーバレルが一部参加しトリオに華を添えるその絶妙な融合感。
 実はこの盤、80年代に出た「ジャズ批評」に掲載されているのを目にしていらい気になっていたもので、やっと再販CDで手にした。そういう積年の思いも重なっている。心残りがひとつ消えたという感じだ。
ROLAND HANNA-p GEORGE DEVIIER-b ROY BURNES-ds KENNY BURREL-g
1957.4.16,17
ATOCO
1.I KNOW YOUR KIND 2.FAIR WARNING 3.ROSE LOVEJOY OF PARADISE ALLEY 4.THAT RING ON THE FINGER 5.ONCE KNEW A FELLA 6.ANYONE WOULD LOVE YOU 7.A SAY HELLO 8.HOOP DE DINGELE
MINDFUL / SUNNA GUNNLAUGS
 トニー・マラビーを一度聴いてみたかったので手に入れた。マラビーのリーダーアルバムを得ようと思ったのだが何故か入手できない挙げ句が、こんな具合になってしまった。でも、ジャケット面(づら)がいい。みたことも聴いたこともない女流ピアニストのリーダーアルバム。美麗な面立ちに深いダークブラウンの瞳が控えめな知性を覗かせている。まさにそのような詩的な粒立ちのピアノを聴かせる。それを編み込むようなマラビーのテナーに寄ってひと織りのタペストリーが出来上がっていく。
勇猛さも感じさせるマラビーとGUNNLAUGSのトリオは温かい飲み物に冷たいシャーベット状のものをのせたような取り合わせで、熱さ一本やりにならずほんのり嬉しい冷たさが混じるグッド・ドリンクと言えるのでは。
SUNNA GUNNIAUGS-p TONY MALABY-ts,ss DREW GRESS b SCOTT McLEMORE-ds
Dec 20,1999
SUNNY SKY
1.GOOD STUFF 2.MINDFUL 3.EVENSONG 4.BAD SEEDS 5.THE PEOPLE OF MY HEART 6.COMING THROUGH 7.WAITING TO GO 8.THE DAWN OF A NEW BEGINNING
BRAGGTOWN/BRANFORD MARSALIS
 思い切りコルトレーン・ライクな冒頭を筆頭にほぼ全編バンド・メンバーによるオリジナルで占められている。ああ、これがブランフォードの味だったなとふと思った。80年代よく彼のアルバムを聴いた。90年代はポッカリとご無沙汰して新世紀に入ってまた聴きだした。最近の彼はコルトレーン色を前面に出してきているように思われるが、これを聴くと80年代のデビュー当時のイメージと変わりがない。
 ストレート・アヘッドなテナーアクション。幻夢的なソプラノには引き込まれるようなイリンクス(目眩)。加えて最近は、聴き手がフレーズに溺れてあっぷあっぷしてしまうドロドロのコルトレーン・ライクな血脈。
 メンバーを殆ど変えず、じっくり自分のサウンドを追求するブランフォードの根の生えた彼のやり方には一目置かざるを得ない。
 
BRANFORD MARSALIS-ts JOEY CALDERAZZO-p ERIC REVIS-b JEFF WATTS-ds
March 13,16 2006
MARSALIS MUSIC
1.JACK BAKER 2.HOPE 3.FATE 4.BLACKZILLA 5.O SOLITUDE 6.SIR RODERICK,THE ALOOF 7.BLACK ELK SPEAKS
THE COMPLETE RIVERSIDE RECORDINGS /THELONIOUS MONK& JOHN COLTRANE
要するにこれはTHELONIOUS HIMSELFとMONK'S MOODとWITH JOHN COLTRANEの3枚をメインにしたオール・テイク盤なのだと思うのだが、3枚のうち2枚は持ってるので損したのかどうか微妙だ。別テイクものを聴く趣味はなかったがでも案外それぞれのテイクを和んで聴けたりした。DISC 1では先の2枚に入ってないBLUES FOR TOMORROWなんておまけが結構よかったりもする。
 持ってなかったWITH JOHN COLTRANEの音源と思われるトラックにはいいものが揃っている。DISC 2を中心にそれは入ってると思われ、ブレイキーのバシバシ決まるドラムにのって3管がそれぞれ決定打とも思われるソロを展開する痛快さが腹に応える。ジジ・グライスは今まで聴いたなかでは一番いいという気がする。コルトレーンは些か迷い気味だが、対してホーキンスの自信に満ちたソロは比べると面白い。コルトレーンはこの時期肉体的にも音楽的にも「体質改善期」にあったらしい。
DISC 1
JOHN COTRANE-ts RHELONIOUS MONK-p WILBER WARE-b
1.MONK 'S MOOD 2. MONK'S MOOD
April 12 1957
THELONIOUS MONK -p RAY COPELAND-tp GIGI GRYCE-as COLTRANE,COLMAN HAWKINS-ts WARE-b ART BLAKEY-ds
June 25,26 1957
3.CREPUSCULE WITH NELLIE4.SAME*5.SAME* 6.BLUES FOR TOMORROW 7.CREPUSCULE..8.SAME*9.OFF MINOR10SAME*
DISC 2
1.ABIDE WITH ME 2.SAME* 3.EPISTROPHY 4.SAME* 5.WELL,YOU NEEDN'T 6.SAME* 7.RUBY ,MY DEAR(WITH HAWKINS)8.SAME*(WITH COLTRANE)9.NUTY 10.TRINKLE,TRINKLE
THE LOOP / JIM WATSON
チック・コリアのTHE LOOPを冒頭にバップ・チューン等とジム・ワトソンのオリジナルからなる彼の初リーダーアルバム。割と輪郭の明確なピアニズムを聴かせモヤッとした感じのないのがいい。ここ一番強力なインパクトには欠けるのだが、何度か聴いてると肌に馴染んで適温効果を覚えてくる。所謂「まったり」という奴か。
 しかし全部聴くと次第にモヤッとしてきて正直飽きが来る。
JIM WATSON-p TRISTAN MAILLOT-ds ORIANDE LE FLEMING-b
2001
REESE
1.THE LOOP 2.HALLUCINATIONS 3.EVERYTHING I LOVE 4.ROOM 410 5.YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS 6.STABLEMATES 7.WALTZ 8.SIOBHAN 9.MR.FUJI
ZOOT SIMS RECORDED LIVE AT E.J.'S
 何と言ってもヤンシー・キョロシーの参加にかなり期待を持って購入したのだが、ズートのバックとあっては、こうしかないかと言うほどオーソドックスだが、所々僕の期待値に叶う演奏もしてくれる。しかし寧ろズートを見直すという按配になった。何せ古い音源のズートしか知らなかったから。スタイルには差はないとは思うが、音の張りがいい。
 曲目的にはオールスタンダードなのだが、演奏で聴かせる。SOFTLYのはじけ方ひとつとっても素晴らしい。「はじける」という意味ではやっぱりキョロシーの参加は効いてる。おっとり刀のズートも目をかっと見開くという感じだ。
ZOOT SIMZ-ts,ss YANCY KOROSI-p DEWEY SAMPSON-b JAMES MARTIN-ds RICK BELL-ts*
Aug 9.1981
STORYVILLE
1.THAT OLD DEVIL CALLED LOVE 2.JITTERBUG WALTZ 3.SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE 4.OVER THE RAINBOW 5.IN A MELLOW TONE 6.I GOT IT BAD 7.CARAVAN 8.GROOVIN' HIGH 9.TAKE THE A TRAIN 10.LESTER LEAP IN

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