CD気まま聴き・・・



その1

その2
その3
その4
その5

その6
その7
その8
その9
 
THAT'S AMORE / DICK FREGLIA
サンフランシスコで活動するディック・フレグリア。ベテランながら全く知名度の低い?と思われるピアニストだが、聴きだして間もなく、これは当たりかも・・・と言う予感がピンと第六感に走った。軽い風が頬の辺りや髪の隙間に流れていく感じで、ピアノタッチが至極エレガント。老獪とは言い過ぎだが、ホッド・オブライエンあたりを連想する。耳疲れしない優しさがあり痒いところに手が届くように覇気有る演奏で呻らせたりもし・・・というところで、熟年ジャズファンにはお勧め。
DICK FREGULIA-p JEFF NEIGHBOR-b OMAR CLAY-ds
Aug 14 1997
BLUE KOARA
1.THAT'S AMORE 2.SPRING ISN'T EVERYTHING 3.SWEET AND SLOW 4.SUMMER NIGHT 5.MY HEART TELLS ME 6.THERE WILL NEVERE BE ANTHER YOU 7.SRENADE IN BLUE 8.WOUD YOU LIKE TO TAKE A WAK? 9.YOU7RE GETTING TO BE A HABIT WITH ME 10. AN AFFAIR TO REMEMBER 11.I'LL SPRING ALONG WITH YOU 12.CHATTANOOGA CHOO CHOO 13.THIS HEART OF MINE 14. THAT7S AMORE
A LOT OF LIKE US / MIKE PETRONE
このアルバムの入手先の謳い文句に、「一生つきあえるピアノトリオ稀少作品」とある。出来ればそう願いたいが、聴く側の好みで遍(あまね)くそうはならないのは誰でも気づいていることだ。アバンギャルド系でどこか壊れてこないと満足行かないとか、ピアノトリオとはいえ、ドラムの有りように重点を置いてて、ピアノ・トリオじゃなくて、ドラム・トリオなんだという偏屈者もいる。まあ、自分はそういう質だと自覚しつつも、ジャズの本道を行く、捻れも壊れもしない、ドラムソロなどなくてもブラシの小気味よさを聴かせたり、適度に快活さをキープし、ピアノはピアノで良く歌い・・・といような、聴き重ねて飽きが来ない、やっぱりどこか急所をつくところを持ってるってことに気づき出すと、「やっぱり、いいね」という按配になってくる。
 例えばトミフラのオーバーシーズなどは、この年になって漸く掛け値なしに「一生もん」という気になって来た。エルヴィンのドラムがいい。トミフラはやっぱりイイ。
 そういうのに比べても仕様がないのだが、ピアノ・トリオの王道的粋を今のところ、朧気ながら感じ取れるようだ。
 入手困難、稀少盤という言葉に弱い。遮二無二でも好きにならなきゃ損だ・・・みたいなせこい気持ちも多少ある。まあ、それも悪くはない。
MIKE PETRONE-p MARTIN BLOCK-b ROY KING-ds
Aug 27 1996
GOBLIN BEE
1.YESTERDAYS 2.DON'T GET AROUND MUCH ANYONE 3.WATCH WHAT HAPPENS 4.JEEPERS CREEPERS 5.LOTU BLOSSOM 6.MY FOOLISH HEART 7.SOMEWHERE 8.FREDDIE FREELOADER 9.CAN'T HELP LOVIN' DAT MAN
BLUES WALK / TONY GENGE
 ピアノ・トリオものは某通販専門サイトが御用達で、月に何枚か定期的に良さそうなのを選定して届けて貰うことにしている。あまり見かけないもので、ジャケットが人目を引きそうなのを選ぶ。それを店のカウンター横の壁にディスプレーしておくと、何人かは目をつけて、「これ、どうですか?」と聴かれかけてみるということになる。「これ、どうですか?」と聴かれると「うーん、悪くないですよ・・・」と可もなく不可もないというような返事となってしまう。しかし、これなどはオーソドックスなピアノ・トリオが好きな方には良いと思って聴いて貰えると思って聴くうちにはっとさせられる部分が出てきたりして、「捨てたモンじゃない」と内心得心するわけである。
 この可もなく不可もないながら、時に捨てたモンじゃないと気が付くことが往々にしてあるもんだから、こういうあまり出回ってないものを習慣的に入手しておくということがやめられなくなる。そのうちどこかの雑誌で、名盤や掘り出しもの扱いされると、「持ってる、持ってる」と所有していることに満足感を得たりする・・・というようなことを我々ジャズ・ファンは馬鹿みたいに繰り返しているのだろう。たわいもないことだ。
 TONY GENGEオリジナル曲は、なかなかのものでボサノヴァタッチの3曲目、名の通りGROOVEな6曲目、ワルツの8曲目、バップチューンの9曲目と他スタンダードの好演に混じって全体は渋めにまとめているが、嫌みなく控えめな趣のアルバムと言えよう。しかし、さっきも言ったように、時としてはっという部分が出現するから捨て置けない。
TONY GENGE-p KIERAN OVERS-b TERRY O'MAHONEY-ds
Nov 28 2000
ROADHOUSE
1.MODAL MOOD 2.SURRY WITH THE FRINGE ON TOP 3.AWAY FALS MY HEART 4.WHAT IS THIS THING CALLED LOVE 5.OLD FOLKS 6.WEST COAST GROOVE 7.THE BLUES WALK 8.LITTLE WALTZ 9.D.K.'S DILEMMA 10.MOANIN' 11.THE P.C. BLUES
IN A SENTIMENTAL MOOD / TAKEHIRO HONDA
もう冒頭から”地底”から湧き上がるパワーと輪郭のくっきりした音像に圧倒される。没してから知ることとなった口惜しさなどない。こうして耳に届けられる絶妙なコンビネーションに至福を感じいることで不足はまるでない。
 今回2枚のCDとして出されたアルバムは何れも知りすぎるほど聞き慣れたスタンダード曲で埋められているが、本田の地獄の底から漏れる声にある部分似つかわしく、ある部分信じられないほど遠いセンシティブなタッチと情感で、本田の1曲、1曲となって奏でられているのを実感する。まさに命を吹き込まれた名演と言えよう。
 井野のベースは以前からすばらしいと思っていたが、今回驚かされたのは森山のドラミング。彼のドラムなくしてこのトリオのパワーと輪郭は得られない。過不足ないバランスと威力が適度な緊張感を維持している。だれないで聴き通せる。これは大事な要素だ。
本田竹曠-p 井野信義-b 森山威男-ds
1985.4.3-4
SONNY MUSIC
1.MR.P.C 2.MISTY 3.A NIGHT IN TUNISIA 4.BODY AND SOU 5.AUTUMN LEAVES 6.ONCE I LOVED 7. IN A SENTIMENTAL MOOD 8.EVERYTHING HAPPENS TO ME
LIVE AT BIRDLAND / STEVE KUHN
 スティーブ・キューンの才気はなかなか減失しない。永いキャリアの間に見せ続けたキラッと光る才気走りを依然持続しているのは凄い。このバードランドのライブでも微笑んだ時に口の端から覗くぎらっと光る銀歯のように、控えめだが健在というところを聴かせる。なんとなく聴いていると、お仕舞いまでなんとなくで終わってしまいかねない。ロン・カーターもアル・フォルターも安定極まりないプレイでサポートし続け、壊れることなく破綻するわけもなく・・・というわけだから、大御所3人が無難に始末したと取られ兼ねない。実のところ最初聴いてたうちは、なんだかな・・・という感じだったのは正直なところだ。1曲終わるごとに観客が熱狂して拍手するのが、白々しく思えた。熱が伝わってこなかった。しかしこれはしゃかりきの演奏の熱じゃない。だからわかりにくい。適宜 
STEVE KUHN-p RON CARTER-b AL FOSTER-ds
July 7,8 2006
BLUE NOTE
1.IF I WERE A BELL 2.JITTERBUG WALTZ 3.TWO BY TWO 4A BUS QUE ENETE/PASSION FLOWER 5.LITTLE WALTZ 6.OTIS BLOSSOM 7.STELLA BY STARIGHT 8.SLOW HOT WIND 9.COTIDE 10.CONFIRMATION
LUCKY BOYS / TIM WHITHEAD,GIOVANNI MIRABASSI
ジョバンニ・ミラバッシのトリオにティム・ホワイトヘッドのテナーを加えたカルテット盤。相次いでこれまで出されたミラバッシをそういくつも聴いて来た訳じゃないが、初のワンホーンカルテットではどうしたことか、特段ミラバッシでなくともいいような・・・という印象は所々散見される気がしていた。しかし彼のオリジナルとなれば、見事にタッチは蘇ったように羽衣のごとき彼特有の旋律の襞が舞い踊る。紛うことないミラバッシの艶姿。
 出来ればやって欲しくなかったジョン・レノンのイマジンも聴くうちにキース・ジャレットの嘗ての打鍵を彷彿とするミラバッシのバッキングが聴かれたりする。
 ホワイトヘッドを評すれば、概ね軽い。軽妙と言えば良く聞こえるが、テナーを小手先であやしてる今時の一派と思える。これはこまった傾向だと常々憎々しく思っている。しかし一旦ミラバッシに操られれば、軽薄な魂胆は影を潜め、図らずも意中に填ってしおらしくも彩なす旋律、濃淡を違えて音を発すという具合になる。やれば出来るじゃないと安堵する。彼のオリジナルでも8曲目のTENDERNESなどは、錆びた色合いのバラードを吹く。これなどはなかなか見直す一こまだ。
TIM WHITEHEAD-ts GIOVANNI MIRABASSI-p MILO FELL-ds OLI HAYHURST-b
April 29 2005
HOMEMADE(SAWANO)
1.LUCKY BOYS 2.DES JOURS MELLEURS 3.IMAGINE 4.YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS 5.NEW DAY 6.BARCAROLE 7.LADIES IN MERCEDES 8.TENDERNESS 9.TOT OU TARD
ONE FOR KLOOK / JOE HAIDER
 実はこれについては一度書いているのだが、あの時と違うのは、ゴイコヴィッチとの馴染み方が違う。ENJAレーベルの1枚で目覚め、ブルーノートのケニー・クラークのリーダーアルバムで再度思い知り・・・という具合だから、彼を聴く目つき?も自ずと違って聴く姿勢となる。勿論ここで聴くハイダーも暫く振りなわけで、前と印象も少し違う。冒頭は稟ともして打ち込まれるように迫ってくる哀感であり、ゴイコヴィッチを伴った2曲目でストレートアヘッドな趣にがらっと変わる。基本的にゴイコヴィッチの鋭利な音色や構えには以前聴いたものと違いはないように思われ、ハイダーが求めるものもそれであったのだろう。
JOE HAIDER-p SANGOME EVERETT-ds REGGIE JOHNSON-b DUSKO GOYKOVICH-tp
Oct 18, 2004

SOUNDHILL
1.REMEMBERING DUKE 2.I'LL TAKE ROMANCE 3.i7M GETTING SENTIMENTA OVER YOU 4.ALL OF YOU 5.MARCELL'S FRANDDAUGHTER 6.I HEAR A RHAPSODY 7.FRIENDS 8.ON FOR KLOOK
SEE YOU AT THE FAIR /BEN WEBSTER
 こういう胡散臭いほど強い個性がいなくなると、ジャズもつまらなくなる。ベン(便)と言うくらいだからかなり臭いが、いったい何の臭いに喩えればよいものか。しかしこの盤、洒落た風味がする。ピアニストが2人いて交代で弾いてるが、キャラウェイのハープシーコードが一役かってる・・・それだけじゃない、曲風もあり、色んな要素が混じりあって、お洒落・・・なのである。臭さと洒落っ気がブレンドされた妙な盤だ。
BEN WEBSTER-ts HANK JONES-p ROGER KELLAWAY-p RICHARD DAVIS-b OSIE JOHNSON-ds
1964.3.1125
IMPULSE
1.SEE YOU AT THE FAIR 2.OVER THE RAINBOW 3.OUR LOVE IS HERE TO STAY 4.IN A MELLOW TONE 5.LULLBY OF JAZZLAND 6.STARDUST 7.FALL OF LOVE 8.WHIE WE'RE DANCING 9.SOMEONE TO WATCH OVRE ME
UNDER PARIS SKIES / FRDDIE REDD
 この哀感は凛としている。ヒッコリーハウスのユタ・ヒップとか、ミッシェル・サダビーのBLUE SUNSETとか、根こそぎ気持ちが洗われて更紗のようになる。パリの空の下にいくと皆こんな調子になるのだろうか。
救いのない私小説じゃこうはいかない。やっぱりハンフリー・ボガードとバーグマンの出てくる奴じゃなきゃ。
 店で日に何度もかけることがある。その度に客の表情や仕草が変わる。やっぱり皆こういうのには気持ちが添うんだ。
 BN時代のフレディ・レッドの枝葉を落としても、こうはならないだろう。やっぱりひとっ飛びしただけある。 
FREDDIE REDD-p DIDIER LEVALLET-b DIDIER CARLIER-ds
Juy 26,29 1971
FUTURA SWING
1.DIANE I LOVE YOU 2.BLEEKER STREET BLUES 3.TO BUD WITH LOVE 4.THIS HEART IS MINE 5.YOU 6.MY GOD IS LOVE
EARTIAN AIR / TAKEHIRO HONDA
ジャケットで買った。本田竹曠を聴くのはこれが初めてだから、何が彼の一番良いときなのかわからなかった。ある時、「え、本田竹曠聴いたことないの?」と意外だという顔をされた。去年没して惜しむ記事をハスに読んでいたが、それまでだった。
 でも何か噸でもないし忘れを犯してきたような気になって一枚手に取ったのがこれ。打ち付ける或いは流麗なピアノの底で本田の地の裂け目から聞こえてくるような呻きを耳にした時に、ひょっとしてこれは・・・と思うものがあった。きっと「ホンモノ」の彼がどこかに潜んでいるはずだ。他を当たってみようかという気にもなった。
TAKEHIRO HONDA-p YOSHIO SUZUKI-b MOTOHIKO HINO-ds
March 17-19 1990
1.FLYER'S LAND 2.EARTIAN AIR 3.RA-MU 4DARK AND MELLOW 5.SEA ROAD 6.SUN SHOWER 7.COOL EYES

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