(児玉さんの横田弁川柳)

あなたも出雲弁川柳を作ってみませんか
寄稿をお待ちしております

あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行


☆2003年12月27日

〇 ざいごたら 今では誰が ざいごたら
  田舎者の蔑称を ざいごたらと言っていました。今では 大分あか抜けしてきたのですが それでもまだ スマートさには欠け コンプレックスから抜けてはいませんね。

 

〇 さえんのー 空までしゃんと せんだけん
  さえん は 気が進まぬ 不快だ ということ。気が進まない 落ち込んでいる時に 天気までぐずついてはっきりしない。このままでは ますます滅入ってしまうようです。

 

〇 さでまくれ まずはあたりを 見回して
  さでまくれる とは ひどく転ぶこと。何かにつまずいて ひどく転んだのでしたが 痛さよりも恥ずかしさが先にたったのか 人が見てはいないか 気にしているのです。

 

〇 さびれたのー いつからこげね なったかね
  さびれる は さびしげになること。久しぶりにある町を訪れた人なのでしょう すっかり変貌してさびしげになった町を眺めながら つぶやいているのです。

 

〇 ざまがわりーわ 癒っただけん 着替えたら
  ざまがわりー は 体裁が悪くて見ておられないこと。病気が全快したのです。衣服を早く着替えて こざっぱりとした身なりにしましょうや と 言われているのです。

 


☆2004年1月3日

〇 しーこづき したててえーもん えまないじ
  しーこづき は 尻小突き 後ろからつつく ついていく こと。何か目的があるのですね 子どもが物欲しげについてきます。「今ないけんのー」と 牽制しているのです。

 

〇 しーばねだ 車は遠慮 せんけんのー
  水たまりなどの水がはねることを しりばね といいます。雨の日に歩いていると 車はたまり水など蹴散らしてはねを跳ばします。はねをかけられて 恨めしいのですね。

 

〇 しおはいい 体のためにゃー わりーげな
  しおはいい は 塩辛いこと。体の活力の素に塩分は必要だったのですが 高血圧の一番の原因が その過剰摂取ということが分かってからは 気をつけるようになりました。

 

〇 じがないねー コップの中の 嵐だね
  じがない とは つまらない 意味がない 馬鹿げている ということ。自民党総裁選は言うなれば大臣病患者救済の為の騒動 などと 庶民にそんな感覚で見られてはね。

 

〇 しじれたじ コンロを止めん けんだがね
  しじれる とは 煮えて焦げつくこと。煮物をしていましたが つい 他のことに目が移っていて 気がつかなかったのでした。遅かりし だったのですね。

 


☆2004年1月10日

〇 したがかりで わから頭を 下げてだよ
  下がかり というのは 腰が低く高ぶらないこと わ とは 自分 ということ。「あの人は 学識も地位もあるのに ちっとも高ぶられないよ」と 感心しているのです。

 

〇 したたまって ちーたー遠慮を せにゃーのー
  したたまる は あらたまる ちーたー は 少しは ですね。不遠慮 自分勝手な人への忠告です。「少しは自分の行動を改めて 遠慮もするように」と 言っているのです。

 

〇 したながしで 泥を落といて 持ってきて
  下流し は 台所の外にある洗い場 取りたての野菜などを 大ざっぱに洗う所です。畑から収穫したばかりの野菜をただちに始末するのですね。忙しそうです。

 

〇 しちめんだーな ことですだだも 頼んます
  しちめんだーな とは 大変面倒な ですね。自分には難しい 登記上の処理か何か でしょうか。「大変面倒なことですが お願いします」と 頼んでいるのです。

 

〇 しっちーかっちー しちょらっしゃーが 何でかね
  しっちーかっちー とは 愚図愚図手間をかけている様子。頼んだことが 一向に捗らない。しびれを切らして 「何でそんなに手間がかかるのですか」と 問いつめたのです。

 


☆2004年1月18日

〇 じなくそを またやったわと 後戻り
  じなくそ とは 間違ったこと でたらめ 物がわからぬこと。パソコンに挑んでいるのですが 思うように出来ません。「失敗の繰り返しだわ」と 嘆いているのです。

 

〇 じねんかた 馴れてくーわね 利口だけん
  じねんかた とは 自然に ということ。新しい仕事に携わって貰ったけれど まだどうもぎこちない「でもそのうちに出来るようになるよ」と その人を励ましているのです。

 

〇 しゃえんばも 流石に雨は もうええわ
  しゃえんば とは 野菜を作る場 つまり畑。野菜作りには水分が欠かせず 適当に雨が降ればいいのですが 降り続くと 徒長したり 病気になったり 虫がついたりですね。

 

〇 しょーからご 元気をちーたー わけっさい
  しょーからご は いたずらっこ のこと。困らせることもあるけど 元気ですね。「その元気を 少しはおとなしそうなこども達にわけてあげたら」と 言っているのです。

 

〇 しょっぱつから 出てくる玉に 手が震え
  しょっぱつは 初め ということ。パチンコですね。台に向かったら 初めから玉がぞろぞろと出てくるのです。ハンドルを握る手にも力が入りますが どうなりますやら。

 


☆2004年1月24日

〇 すいきょうし 管を巻いたら 出る本音
  酔狂する は 酔って管をまくこと。管を巻く程にお酒を飲むと 人は本性をあらわすものです。「職場での不満は やはりあのことだったのだな」などと 感づかれるのです。

 

〇 すかんたらしい 目つきがいつも 変なのよ
  すかんたらしい とは 嫌いだ ということです。いつも私を 変な目つきで じろじろと見ておられる人がある。セクハラですよね 嫌です 気持ちわりー です。

 

〇 すじばって 言い分を通して みたけれど
  すじばる とは 頑固に筋を通すこと。意見が対立し 自分としての言い分はどこまでも主張してみたけれど 平行線だった。「自分の方が正しいと思うんだけどなあ」

 

〇 すたーがね よー見てそろそろ 注ぐだがね
  すたる は この場合 液体がこぼれること。酒でも注いでいるのでしょうか 「もったいないけんのー こぼさんやーにのー ゆっくりと頼んじ」と 言われているのです。

 

○ すねこばって とうとう出来たね 粘り勝ち
  すねこばる は 負けん気でねばること。課題の製作 難しい問題をいくつもクリアーして 最後まで 何糞 と取り組み 粘りがち とうとう出来上がったのでした。

 


☆2004年1月31日

〇 せーたきが むこさんほどは ないかもね
  せーたき とは 身長のこと。新婚夫婦のことを話題にしているのですね。「お嫁さんは体格がよさそうだが 背丈は おむこさん程はないかもね」などと うるさいことです。

 

〇 せかつかんでも ばんかたまでには やっちょくよ
  せかつく とは 性急に頼むこと。「仕事の仕上げをずいぶん急いでいなさるけど 夕方までには必ずやってあげるよ 大丈夫」と 言っているのです。

 

〇 せつなのか 七十の坂とは まともだね
  節 とは 運命 さだめ 或いは 節目のこと。人生には色々な節目がありますね 七十の坂というのを 自分が七十になってみて 体力気力の衰えから 実感しているのです。

 

〇 ぜねかねが 欲しいわけでは ないですよ
  ぜねかね とは 金銭のこと。提出した仕事の計画書にクレームがついたのですが 「お金が欲しいからではありません いい仕事を残したいのです」と 抵抗したのでした。

 

〇 せわえてのー あげた薬を 飲まっしゃい
  せわえて とは 間が開かないように ということです。友人の病気に 幸い 特効薬と言われるものを持っていたので 上げたのです。早く直ってくれればいいですが。

 


☆2004年2月7日

〇 ぞーじもんに 値段のレッテル ついている
  葬儀の折り 近所から届いた野菜類の中に 自家製のものでなくて どうやら お店で買ったらしいものが混じっていますが 近頃のことです まあいいでしょうね。

 

〇 そげーかね だけん姿が 見えじゃった
  そげーかね は そうですか ですね。会合で 来られるべきあるお方の影が見えない。所用があって欠席だ ということがわかり 納得したのでした。

 

〇 そのさんは ようすがないが まめなかね
  そのさん とは その方 ということ ようす とは 知らせ 消息のことです。「その人は いたって消息が分からないが 元気なのだろうか」と 噂しているのです。

 

〇 そらほどに 便利なもんかね その器械
  そらほどに は それほどに。器械の新製品のセールスマンが 巧みにその便利さ 有用さを説明しています。半信半疑で聞いているのですね。

 

〇 それべくで 戻いてごさんよ こなしーは
  それべく とは それぎり ということ。「大事なものを貸せてあげたけれど こなしーはそれぎりで返してくれないよ」 こなしー という言い方に 気持ちが表われていますね。

 

 

作者:児玉敏郎

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